久しぶりに日展・東海展に出かけました。最近では、日展の審査不正が発覚するなど、日展の権威を問題視するようになり、若い作家の日展離れが加速しているように感じます。
東海展に限って言えば、入選作家と会員以上のレベルにかなりの開があるように思い、魅力的な作品に巡り会うことがなく、失望感だけが残りました。
辛うじて、僕の眼に止まったのは、洋画での写実画家の作品と工芸部門の染色作家、彫刻部門の具象や抽象的な作風くらいで、点数の多さもあって疲労感だけが残る結果でした。
しかしながら、観賞者の数は一般的な公募展などに比べ群を抜いているので日展の人気はたもっているようでした。
知名度の高い画家がこの世を去り、次世代の台頭がない現在。今の状況では日展の行く末も危ういように思います。
官展の流れをくむ日展が、公益社団法人として存続していくことは、現在でも容易いことだと思いますが、次の世代に引き継ぐ美術を考えた場合に大きな改革が必要であると一美術ファンとして願うものです。