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富士山世界遺産登録取り消し問題

ユネスコ世界遺産の登録は永久ではないことは、あまり知られていません。今回世界遺産に登録された富士山が3年後には登録抹消される可能性が高いことが、アルピニストの野口健氏によって示されています。ユネスコの世界遺産の実態調査は6年ごとに行われます。富士山の3年は特別措置で、野口氏いわく仮免許状態にあるそうです。

 

僕も今回の富士山世界遺産に対して美術に携わる者として喜んでいました。自然遺産としては数々の問題を抱えていた富士山が文化遺産として登録されたことに、日本文化が広く紹介される契機となると感じたからです。

しかしながら、野口氏の警鐘を聞くにつけ、その認識の甘さに反省した一人です。基準に満たさない世界遺産は危機遺産に登録され改善されなければ登録抹消となってしまいます。富士山の場合は様々な条件が提示されていて主に周辺の景観が問題となっています。

景観問題について富士山は極めて曖昧な状況下にあります。先ず、富士山は国立公園のような国の管理下になく私有地が多いことで、静岡と山梨の二つの県にまたがっている富士山は他の世界遺産と違い条例でしばることも難しい点があります。また、世界遺産登録により登山者の激増により環境が劣悪になることも問題となっています。

こう考えていくと、3年後まで改善も付け焼刃的では確実に抹消となるでしょう。世界遺産登録は、観光などの経済効果が期待でき地域の活性化にもつながる利点もあります。しかしながら、取り消しになれば汚点を背負うことになり、日本の象徴的な富士山が世界的にイメージダウンとなるつながる可能性は高いです。野口氏も著作「世界遺産にされて富士山は泣いている」で斬新な解決策を提示しています。僕自身も、日本一の富士山の登録により浮き彫りになった課題を根本的にクリアして、自然と人間の共生のモデルケースとなることが今求めれているのではないかと思います。


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