先日東京に所用で出かけたのですが、午前と夕方の時間を利用してプラド美術館展と村上隆の五百羅漢図展の二つの美術展と東京スカイツリーからの夜景を堪能しました。
今回は1月31日まで三菱一号館美術館で開催中のスペインのプラド美術館展を紹介します。
東京駅からほど近い赤レンガの洋館として人気の高い美術館、三菱一号館美術館。展示室の各部屋には、美しい装飾が施されたマントルピースに囲まれた暖炉があり、自室で絵画を楽しむような雰囲気を持っています。
今回のプラド美術館展はスペイン宮廷 美への情熱をテーマにスペイン王立美術館として設立された美術館の特色を強く反映しています。
肖像画や神話に基づく宮廷絵画にスペインの三大巨匠であるエル・グレコ、ベラスケス、ゴヤにフランドル絵画の巨匠、ボスやルーベンス、ムリーリョなどの作品が並び、当時の絵画の特徴である細密で繊細、気品高い作品が展示されていました。今回の展覧会のパンフレットを飾ったスペイン王妃マリア・ルイサ・デ・パルマに、その特色が色濃くみられます。
また、今回の作品のほとんどが小品であるのは、当時の貴族たちの個人コレクションであり、ッ装飾品など同様な扱いで部屋を飾る絵画としての歴史を持つキャビネットペインティングにより構成されているもので、当時の趣味嗜好を色濃く反映しているのもコレクションの特徴と言えます。
何より今回の展覧会は明治の洋館を再現した美術館との調和がとれた、当館でしか醸し出すことができない芳醇な空気を感じました。1月25日から29日の平日は夜8時まで鑑賞が可能ですので、仕事帰りに立ち寄ってみてはどうでしょうか。