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DVD キュクロプス

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映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、自主制作により、復讐劇を中心にしたノワール作品「キュクロプス」です。

タイトルのキュクロプスとは、ギリシャ神話に登場する一つ目の巨人で、今回の映画のテーマとしてオディロ・ルドンの同名作品を登場させています。

妻とその愛人を殺害した罪で服役していた主人公の篠原は、刑を終えた直前に松尾刑事から真犯人がやくざの若頭となった財前であることを知ります。篠原は出所後に復讐を誓い、松尾刑事と組員の西の協力のもとに財前を殺害計画を実行するために銃撃の訓練を始めます。ある日、立ち寄ったスナックで妻とうり二つのママと出会い、彼女が財前の愛人であることを知ります。篠原は、果たして復讐を果たすことができるのか、物語は二転三転しながら結末へと向かいます。

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ルドンの絵画「キュクロプス」はスナックの壁に掛けられ、復讐劇の象徴となっていますが、事業に失敗し借金を背負った篠原が酒におぼれて現場で酔いつぶれたことで犯人となってしまい罪を負っってしまったことが発端となっていますが、この絵の題材が一つ目の巨人キュクロプスから逃れる水の妖精ナーイアスが森の中で身を隠す場面です。主人公の篠原の存在そのものが、キュクロプスで事件の真相が復讐により単眼的にしか見えないところに根本のテーマがあり、そのことで事件が複雑化していきます。

自主制作ながら、バイオレンスシーンもリアルで香港ノワールの要素をうまく使っています。また、少ない登場人物で構成し集約された舞台設定と表と裏を巧みに使いながら、主人公の心理をうまく利用した内容で面白い作品でした。


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