65オヤジのスタイルブック

追悼 柳宗理氏

僕の手元には、何冊かのデザイナーや建築家の本があります。

とりわけブルータスのカサ本が好きで書店で手にし、つい購入します。

お気に入りの一冊が、インダストリアルデザイナーの先駆者「柳宗理」さんの本です。

その柳さんが、25日未明、96歳の長寿をまっとうされました。

柳宗理さんは、民藝運動の創始者・柳宗悦を父に持つ芸術一家の元で育ち、公共施設から実用品まで、様々なデザインを手がけた世界に誇るデザイナーです。

柳さんの代表作と言えば蝶が羽を広げた形をした「バタフライツール」と呼ばれる椅子。ニューヨーク近代美術館やルーブル美術館に永久保存されています。

現在も天童木工さんが製造され、成型合板を用いたその美しい曲線が魅力的です。 他にも、日常で使われる実用的で洒落た食器やなべ、フライパンなども販売されています。

茶々丸オヤジが思う柳作品の魅力は、日本のものづくりの技術を生かしたデザインです。

たとえば、南部鉄器のフライパンからセラミックやステンレスなど、日本の匠の技術をデザインに昇華させ、日本の用の美を世界に広めた功績ははかりしれないと思います。

そして、すべての作品に共通する曲線美は、柳さんでしか表現できない優しさをもってます。

その曲線の広がりが普遍性をもっているからこそ、柳作品は現在、未来にわたり愛されていると思います。

公共物にデザイン性が失われているように感じる今、柳作品に、未来のデザインの指標として伝わっていくことを望んでいます。


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