東京での美術展鑑賞。2回目は、前回とうってかわって森美術館で開催中の「村上隆の五百羅漢図展」です。
今日本で最も注目されるアーティストは、村上隆と誰もが認めるところだと思いますが、今回の展覧会は、その村上隆が五百羅漢図の巨大絵画に挑んだ世界巡回展が今回日本初公開されたもので、村上隆の集大成的展覧会です。
五百羅漢とは、釈迦の教えをこの世に広めようとする聖人たちのことで、江戸時代から名だたる絵師も挑んだもの。今回も狩野一信や長澤芦雪の作品が参考展示されてます。
村上隆の五百羅漢図は、絵画史上最大級の100メートルに及ぶもので、シルクスクリーンを用いてパネルに制作。組み合わされた作品です。村上流に描かれた世界は、色彩豊かでコミカル。一目で村上とわかる表現です。
今回の巨大絵画は、若冲研究で有名な辻惟雄氏のエッセイをお題とした若冲、蕭白、百隠などの作品と対峙する「ニッポン絵合わせ」も展示されています。そして、その作品の集大成とて五百羅漢図が存在しています。
村上隆と言う存在は、現代の日本のアートシーンにおいて良くも悪くも、バブルが崩壊した以降沈静化した美術界に起爆剤となり劇薬となり新たな方向性を示唆したと思っています。
今回の展覧会を観て感じたのは、好む好まないは別として、おそらくは、村上隆を基準にして日本のアートシーンも二極化することは間違いないと感じています。このことは、世界から見た日本のアートシーンにとっては、いいことだと僕は思ってます。
あなたも、ぜひ村上隆を目撃して観てください。
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