見出し画像

65オヤジのスタイルブック

これからの写真・愛知県美術館

先日のブログで話題にしました、愛知県美術館で開催中の「これからの写真-光源はいくつもある」を観賞しました。

開催間もない時期に、鷹野隆大氏の作品がわいせつに当たるとして愛知県警が撤去を命令。一部作品を布で覆うことで継続展示が許可されることとなりました。

今回の写真展は、デジタル技術の進化と現在の現代アートが認知されるようになった現在で、9名の芸術家、写真家により表現された世界を体験することができる展覧会です。

写真と言えば印画紙やプリントアウトされた作品が先ずイメージとして浮かぶと思います。しかしながら、今回の作品は紙や大理石、鏡などの多様な素材や動画やそうした作品を組み合わせた立体など多彩に表現されています。また、東日本大震災がもたらした芸術家の新たなメッセージも含まれ、鑑賞者にとっては共感しやすい部分も数多くありました。

さて問題となった鷹野氏の作品ですが、写真家本人と被写体となったモデルが裸で一緒に写っている大小様々な作品がひとつの空間を構成し、その中で男性のシンボルが写った作品のみ布がかかっています。展覧会スタッフの弁によれば、鷹野氏自らの提案で新たな作品とて観賞してほしいとの思いがあるそうです。しかしながら、県警の横やりがなければ本来のメッセージをひろく伝えられたと感じました。そこには、未だ写真や映像などを芸術表現として認められない日本の現状があり残念に思いました。

9月28日まで開催される今回の展覧会は、鷹野氏の作品を除き撮影が許可されています。鑑賞者が作品を被写体にて撮るという行為がそこには成立しています。鷹野氏の作品の観賞ガイドにあるテーマの写真は「写真家か/被写体か」ではないを引用すれば、裸により職業や社会的立場の符号が消え、新しい関係性が生まれることを意味しています。今回の県警の判断は、表現の自由に配慮したものだった、ますます疑問を抱く結果となりました。

※今回の問題に対しネットにて署名いたしました。賛同される方はこちら。

鈴木卓の空間には、スポンジを並べた写真作品500枚が会場の壁を埋める。


長崎や東北の光景が鏡面タイルに映し出され過去と現在の自分が映り込む新井卓の作品。


ベニヤ板や大理石にシールされた人工的に構成された加納俊輔の作品。


ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「【美術鑑賞・イベント】」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事