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挑戦する日本画・名古屋市美術館

名古屋市美術館で8月24日まで開催中の「挑戦する日本画」展を観賞しました。

一般的に抱く日本画のイメージ。おそらくは江戸時代以前の絵画や水墨画などにみられる山水画や花鳥画にイメージを持つのが一般的だと思います。美術ファンにとっては、明治から大正、そして昭和へと続く近代日本画は一般的なイメージとは異なります。

今回の展覧会で並ぶ作品は、1950年代から70年代をテーマにした日本画がもっとも革新的に変化した時代の画家たちによる競演となています。

この時代の画家たちは、第二次世界大戦後に急速な変化を遂げていく日本社会に適応できない日本画に対して滅亡論が登場し、その危機感の中で革新的な表現がなされていきます。その画家たちは、近代日本画の巨匠として数えられる人々によるものです。

個人的には、青龍社を設立し床の間芸術からの脱却を唱えた川端龍子の存在が強く残ります。今回の会場の冒頭を飾った「刺青」背中の刺青を見せながら横たわる女性の裸婦で妖艶さの中に、省略された太い描線に力強さを感じました。他にもパンリアルの三上誠や人人会の中村正義などの革新的なグループで活躍した作品は日本画の世界を超越した存在ともいえます。また日展や院展、創造美術から日本画部門が独立した創画会など日本画壇の中で今も残る既存の団体の中にも、大胆の描写や個性的な画風で一石を投じた画家たちの大作が全国の美術館から集結しています。

現代美術や江戸絵画の空前のブームの中で、そうした画家たちの存在をその作品を通して観ると今までとは違う日本画の姿を再発見することができるのではないでしょうか。


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