goo blog サービス終了のお知らせ 

四生の盲者日記

妄想による愉快な国際時事ネタ解釈

中国観察陰謀オタク風味

2007-07-20 20:42:32 | 雑感

・上海製菓子から有害物質検出されず SGSが検査(和文、人民網)
http://j.people.com.cn/2007/07/20/jp20070720_74027.html
・中国製玩具、全米で約100万個自主回収 やけどの報告(和文、朝日)
http://www.asahi.com/international/update/0720/TKY200707200073.html

 プロパガンダ、アジテーション、ロビー活動、報道等々、国家がその政治的目的を遂行するために行う広報活動は、広い意味では諜報に含まれる。先日書いたように、中共は内外に対して広報活動を強力に行っており、その政治力の源の一つといってよい(もう一つは核兵器である)。
 数年の時間をかけて、在米の華僑団体を通じて日系議員を動かし、慰安婦非難決議案を下院外交委員会でとにもかくにも可決したのは、日米離反という立派な広報活動の一例をいえる。もっともこの「離間の計」は、中国の古典を読めば必ず出てくる様式美すら感じさせるもので、個人的には今更「はかりごと」と呼ぶのも恥ずかしいような気がしないでもない。
 実際(しつこく仕掛けたのもあるにせよ)効果を上げているので、あまりくそみそにも言えないわけだが。

 諜報というと剣呑な響きを帯びるが、民間の広告宣伝と本質的に変わるものではない。不特定多数の人間の思考をわずかに方向づける、のが目的なので、先進国家においてはむしろ民間の技術の方が優れているとも考えられる。
 メラミン入りペットフード入り報道以来立て続けになされている中国製品風評被害、はこの民間技術を応用した広報活動の一例といえる。
 数例の「真実」を提示するだけで、後はマスコミ、消費者が勝手に次の目標を見つけては騒ぎ立てる、ある特定の地域にネガティブイメージを刷り込むだけでなく、産地としてのそこを潰す実に効果的な手段である。
 中共の担当者は頭を捻っていることだろう。今現在も米下院においては日本非難の決議がされようとしているのに、アメリカ国内で中国製品が次々と回収され、中国のイメージがどんどん悪くなっているのだ。日本がやったらしいのは、首相が大統領に謝意を表明し、議員が新聞広告を出したくらい、どちらも諜報音痴の日本らしく日本の国益には逆効果としか考えられない。
 それなのに、いくら「中国政府」が安全宣言を出しても、マスコミを非難してもまったく状況は変わらない。

 次の記事が出ていたので、陰謀論じみた内容を書いた。

・中国製品脅威論、は西側のはかりごとだ(中文、青年報)
http://news.xinhuanet.com/world/2007-07/20/content_6402829.htm

「はかりごと」を原文では「陽謀」と書いている。陰謀に対して「あからさまなはかりごと」ということらしい。
 記事の内容は中国製品が火達磨になっているのは、中国製造業に脅威を覚える西側の企みだ、という陰謀論そのもの。
 全世界の三分の一を占めていた中国(注:清国ではない)のGDPが、アヘン戦争で世界の6%に落ちたように、今中国が巨額の貿易黒字を抱えているので、また攻撃をしかけられているのだ、などとも書いている。
 とにかく風評被害について「中国は悪くない」、といいたいらしい。

 問題発生のタイミングが良すぎるとは思うが、今回の風評被害が陰謀かどうかは筆者は判断するすべをもたない。いくら市場経済を導入したところで、民主主義を認めず、自由を認めず、政府が情報を統制する体制では、(作りだされたものであれ、自然に発生したものであれ)この手の事態を収拾できる説得力は得られないのははっきりしている。そもそもそのような社会からは、この手の事態に対応できる人材も発想も生まれてこないと思う。

 

今日の名言:
「中国の基本国策は常に環境保護と資源節約」
http://j.people.com.cn/2007/07/20/jp20070720_74038.html



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。