路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【ここがおかしい 小林節が斬る!】:LGBTの本質がまだ理解できていないのか 公的な差別は憲法14条違反だ

2023-07-27 07:04:00 | 【LGBTQ+=ジェンダー・アイデンティティ、レズ、ゲイ、バイセクシャル、

【ここがおかしい 小林節が斬る!】:LGBTの本質がまだ理解できていないのか 公的な差別は憲法14条違反だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ここがおかしい 小林節が斬る!】:LGBTの本質がまだ理解できていないのか 公的な差別は憲法14条違反だ

 LGBT理解増進法案が自民党内の抵抗で国会に提出もされていない。

 LGBTの問題が典型的な人権問題であることは、科学の進歩の結果、もはや明白である。人権論とは、要するに、先天的に個性的な人間が、各人の個性の故に社会の中で多数派から卑しめられない、つまり、差別されないという公的保障である。

 だから、先天的に(つまり自分では選択しようがなかった)与えられた個性(例えば、女性であること、少数民族であること、LGBTであること、障害者であること等)により、他者と比較して不当に不利に扱われないことの保障が平等権である。

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   小林 節 慶応大名誉教授(C)日刊ゲンダイ

 平等権は、自由権、法定適正手続きの保障、社会権(福祉受給権)と並んで人権の四本柱のひとつである。

 LGBTは、これまでは何か「恥ずかしい」こととして社会から隠されてきたが、科学的にDNAの問題つまり先天的に決定されて本人が拒否しようのない事柄だと明らかになって以来、社会の理解は一気に進んだ。だから、LGBTを理由に不利益に扱われたら、それは、人格権侵害として不法行為になるし、公的な差別は憲法14条違反になる。

 現在は、いまだに同性婚制度が法的に認められていないために、扶養、税金、医療、相続、年金などでLGBTは明らかに差別されている。だから、人権救済のために立法は急務である。

 ■自民党議員は何に抵抗している?


 自民党内では、「差別禁止」と条文に書くと「差別を訴える訴訟が増える」と抵抗があるので、「『不当な』差別禁止」という修正案が出されたそうである。ふざけないでほしい。法律用語として、(区別ならぬ)差別はみな、「不当な」扱いを意味している。差別を訴える訴訟が出し難い現状こそが問題なのであり、立法による救済は急務である。

 「性自認」という単語にも、「性は自分で選ぶものではない」という論難がある。しかし、LGBTは先天的に与えられたものではあるが、成長の過程で「自覚」が芽生えるものでそれを「自認」と正確に表現したまでのことである。

 いつまで愚行を続けているのか。



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小林節
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 ■小林 節 慶応大名誉教授

 1949年生まれ。都立新宿高を経て慶大法学部卒。法学博士、弁護士。米ハーバード大法科大学院の客員研究員などを経て慶大教授。現在は名誉教授。「朝まで生テレビ!」などに出演。憲法、英米法の論客として知られる。14年の安保関連法制の国会審議の際、衆院憲法調査査会で「集団的自衛権の行使は違憲」と発言し、その後の国民的な反対運動の象徴的存在となる。「白熱講義! 日本国憲法改正」など著書多数。新著は竹田恒泰氏との共著「憲法の真髄」(ベスト新著) 5月27日新刊発売「『人権』がわからない政治家たち」(日刊現代・講談社 1430円)

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・連載・「ここがおかしい 小林節が斬る!」】  2023年05月12日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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