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●東京新聞【ALS嘱託殺人 医は「生きたい」支えねば】《難病患者の気持ちを「死にたい」に傾けてしまうのは、医療や社会の側に問題がある…》

2024年06月16日 00時00分08秒 | Weblog

斎藤貴男著『決定版 消費税のカラクリ』(ちくま文庫) 筑摩書房↑]


(2024331[])
橳島次郎氏の言葉「〝安楽〟な訳がない。死ぬんだから、殺すんだから。やる方もやられる方も〝安楽〟な訳がない」…〝尊厳死〟も死語。一方で、この件は、そもそも、「安楽死」の名を借りた殺人事件。
 《ALSのような難病患者の気持ちを死にたいに傾けてしまうのは、医療や社会の側に問題があると指摘する専門家もいる。想像を絶する苦難の中にある患者が生への意欲を失うことがないよう、社会としてどう支えていくかが問われているということだろう》(東京新聞社説)。

   『●リテラ《弱肉強食の新自由主義政策と安倍政権下でエスカレートする
     差別主義が合体した結果、起きた…「安楽死」の名を借りた殺人事件》
    「新自由主義イデオロギーと自己責任論。相模原事件からさへも、
     何も変わらないニッポン社会。2016年のリテラの記事
     【障がい者抹殺思想は相模原事件の容疑者だけじゃない! 石原慎太郎も
     「安楽死」発言、ネットでは「障がい者不要論」が跋扈】…《容疑者の
     “弱者を排除すべし”という主張は現在の日本社会において決して
     特殊なものではない。…教育行政にかかわる人物が公然と
     「金のかかる障がい児は産むべきではない」という見解を開陳する
     などおぞましいが、それを容認してしまう空気がいまの日本社会には
     ある石原慎太郎は、都知事に就任したばかりの1999年9月に
     障がい者施設を訪れ、こんな発言をした。…絶望的な気持ちに
     させられる事態》。…こういった「世界観」や「個人・民族間の平等,
     民主主義,議会主義,人道主義,国際平和否認」する深層心理は
     アベ様ら多くの自公議員や癒着党の議員に共通するもの。
     《「安楽死」や「尊厳死」と呼べるようなものではなく、容疑者たちの
     グロテスクな優生思想に基づいた命の選別にほかならない。いまの
     日本社会にはこうした容疑者たちとそっくりな主張をしている連中が
     ほかにも多数いる》。そしてまたしても石原慎太郎元「ト」知事の
     暴言ツイート《業病》。一方、舩後靖彦参院議員議員の貴重な
     メッセージ…《「死ぬ権利よりも生きる権利を守る社会に
     と訴えた。事件を安楽死の議論に結び付けるよりは、難病の人や高齢者が
     生きやすくする社会をどう構築するかを考える手掛かりとしたい》」

   『●「〝安楽〟な訳がない。死ぬんだから、殺すんだから。
     やる方もやられる方も〝安楽〟な訳がない」…〝尊厳死〟も死語

 その一審判決、《京都地裁は懲役18を言い渡した》。
 東京新聞の【<社説>ALS嘱託殺人 医は「生きたい」支えねば】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/314902?rct=editorial)。《生命軽視の姿勢は強い非難に値する-。判決は、命を救うべき医師が行った殺害行為を断罪した。2019年、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者の依頼で薬物を投与、殺害したなどとして、嘱託殺人罪などに問われた医師大久保愉一被告に対し、京都地裁は懲役18を言い渡した》、《しかし、判決は「憲法は個人の生存を前提としている」と、弁護側の違憲論を一蹴さらに「被告は主治医でもALSの専門家でもなく、130万円の報酬を得て、初対面の女性を短時間で軽々と殺害した」と厳しく批判した》。

 もう一度、橳島次郎氏の言葉「〝安楽〟な訳がない。死ぬんだから、殺すんだから。やる方もやられる方も〝安楽〟な訳がない」。〝尊厳死〟も死語。この件は、そもそも、「安楽死」の名を借りた殺人事件。《福生病院のマッドドクター》の件も含めて。

 神保哲生さんのビデオニュースドットコムの記事【死は自分で選ぶことができるものなのか 橳島次郎氏(生命倫理政策研究会共同代表) マル激トーク・オン・ディマンド 第1011回(2020年8月22日)】(http://www.videonews.com/marugeki-talk/1011/)を見て、斎藤貴男さんの以前からの主張を思い出した。

   『●悍ましき《大増税か安楽死の推進か…「尊厳死」の議論の
     本質が、社会保障費の削減に他ならない》(斎藤貴男さん)
    《消費税がまた増税された。大義名分だった“社会保障の充実”など
     真っ赤な嘘。政府は今後も社会的弱者を片っ端から切り捨て、
     滅ぼしていく。では先々はどうか。私見だが、ごく近い将来、
     私たちは消費税のさらなる大増税か、安楽死の推進かの二択を迫られよう
    「《尊厳死の議論の本質が、社会保障費の削減に他ならない》。
     《その真意下々の病人など皆殺しにしてしまえば、権力と
     巨大資本に守られた層だけは財政の不安に苛まれることもなく、
     存分に長寿を堪能できるという筋書き》。悍ましくて吐き気がする」

   『●斎藤貴男さん《こうまでわかりやすく、アホらし過ぎる現実を
         突き付けられて、それでも騒然とならない日本社会…》
   『●斎藤貴男さん《片や、アリの這い出る隙もない監視社会で、生産性と
     消費の虜としてのみ生かされる私たち。一方では道義心のかけらもなく…》
   『●《新型コロナウイルス禍の対応に尽力している政府は絶対の正義で、
     社会防衛の前には人一人の命ごとき取るに足らないとでも言いたげ…》
    「【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/非常時だからこそ問われる
     政権の正統性と為政者の人間性】」

   『●《「国家」の構成要素のうち、統治機構の安泰しか頭にない人々に
     「安全保障」を、いわんや国民の命の選別を論ずる資格などない》
    「【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/新型コロナ「トリアージの基準」
     を安倍政権に任せる危うさ】…。《統一的な“ルール”を政府は
     もちろん、救命の現場以外の権威に委ねることは危険だ。医師には
     酷な話だが、ただでさえ「尊厳死」の名のもとに、医療費削減を
     目的とする死なせる医療が正当化されつつある時代。非常時だから
     と容認すれば、それはコロナ終息後も決定的な身分制度として
     定着していくだろう》」

 以下は、再度、以前のブログからのコピペ。
 《明らかに政府が無能》…《新型コロナ「トリアージの基準」を安倍政権に任せる》訳にはいかない。消費税増税に関しての斎藤貴男さんの以前の指摘…《尊厳死の議論の本質が、社会保障費の削減に他ならない》、《その真意下々の病人など皆殺しにしてしまえば、権力と巨大資本に守られた層だけは財政の不安に苛まれることもなく、存分に長寿を堪能できるという筋書き》。
 《ただでさえ「尊厳死」の名のもとに、医療費削減を目的とする死なせる医療”が正当化されつつある時代》…以前も引用したが、「病床のダウンサイジング」。リテラの記事【安倍首相がコロナ医療危機を無視し「病院のベッド数削減」政策の維持を宣言! しかも削減するため予算644億円を投入】によると、《そもそも安倍政権は、医療費削減を狙った「地域医療構想」を掲げ、その実現のためとして「病床のダウンサイジング」を打ち出した。これはその名の通り、入院ベッド数を減らすことで医療費を削減しようというものなのだが、さらに政府は昨年9月に「再編統合の議論が必要」だとする全国424の公立・公的病院を名指ししたリストを公表。名指しした病院がある都道府県に20209月までに統廃合の結論を出せと迫り、一方、統廃合や病床削減をおこなう病院には全額国費で補助金を出すとし、このために2020年度予算で84億円を計上。これらの施策により、2025年度までに全国の急性期病床を約20万床減らすという》。
 自公は、アタマ大丈夫か? 地域の医療の統合・効率化という名の「病床のダウンサイジング」、そこに税金。しかも、COVID19人災の今、それを議論する? 《そもそも医療資源をあえて貧しくしたのは政府》。《非常時だからと容認すれば、それはコロナ終息後も決定的な身分制度として定着していくだろう》という斎藤さんの予言。

   『●痴れ者(しれもの)=「常軌を逸した愚か者」な
     ウルトラ差別主義者は未だに副総理・財務相…誰が支持?
    《麻生氏の病人差別、社会的弱者に対する罵詈雑言は数限りない
     曽野綾子や長谷川豊、古市憲寿、落合陽一各氏らの同類も
     少なくないが、あろうことか権力者でさえある麻生氏は誰よりも
     罪深い。…福生病院のマッドドクターたちは、麻生氏に
     エンカレッジされ、あるいは尻を叩かれた思いで、殺人に手を染めた
     のではないのか。家柄だけの痴れ者を高い地位に就け続けておくから、
     こういうことが起こる。殺人を教唆してやまない政権など、
     一刻も早く解体しなければならない当たり前だ

   『●(政界地獄耳)《麻生に一貫して流れているスピリッツは
       弱者をさげすみ、バカにする体質》…選んだ人々の責任
    《★「食いたいだけ食って飲みたいだけ飲んで糖尿病になって
     病院入っている奴の医療費を払っている」と日常的に言い続けている。》

   『●〈猛省と自重の決意の証…議員在職中において公私一切酒を
           口に致しません〉…飲酒で片づけられる暴言か?
    《というか、そもそも松井一郎代表じたいが、今年4月の
     大阪W選挙でネトウヨサイトのデマをリツイートして拡散する
     ような政治家だ。「透析患者は殺せ」の長谷川豊氏を
     2017年総選挙に続き今年の参院選と国政選挙に擁立している
     という“実績”も忘れてはならない》

 《この国の政府は信用に値しないらだ。彼らはつい最近まで、症状のある人の相談センターへのハードルを極端に高く設定していた。ようやく連絡が取れても検査もしてもらえず放置され、死に至ったケースが珍しくもない》。
 斎藤貴男さんの結論、《国家」の構成要素のうち、統治機構の安泰しか頭にない人々に「安全保障」を、いわんや国民の命の選別を論ずる資格などない》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/314902?rct=editorial

<社説>ALS嘱託殺人 医は「生きたい」支えねば
2024年3月13日 08時09分

 生命軽視の姿勢は強い非難に値する-。判決は、命を救うべき医師が行った殺害行為を断罪した。

 2019年、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者の依頼で薬物を投与、殺害したなどとして、嘱託殺人罪などに問われた医師大久保愉一被告に対し、京都地裁は懲役18年を言い渡した。

 ALSは全身の筋肉が徐々に衰える難病。患者は全国で約1万人とされる。報道などによると、被害者の女性は大学卒業後、建築家を志して米国に留学。帰国後は東京の設計事務所で働いていた。40代で発症したが、高齢の父親を気遣って独居での闘病を続けた。

 被告は「死にたい」などと交流サイト(SNS)に書き込んでいた女性に接触し、「安楽死」を頼まれたという。法廷で被告は「女性の願いをかなえるためだった」と述べ、弁護側は「安楽死」の依頼は女性自身の決定であり、嘱託殺人罪を適用すれば、自己決定権を保障した憲法に違反するとして無罪を主張していた。

 しかし、判決は「憲法は個人の生存を前提としている」と、護側の違憲論を一蹴。さらに「被告は主治医でもALSの専門家でもなく、130万円の報酬を得て、初対面の女性を短時間で軽々と殺害した」と厳しく批判した。

 女性は「猫を飼いたい」「治験に参加したい」など、前向きな気持ちをSNSに投稿したこともあったという。サッカーFC岐阜の元社長でALS患者の恩田聖敬(さとし)さんは本紙の取材に「ALSに限らず、患者の『生きたい』と『死にたい』は振り子のように常に揺れ動いている」とコメントしている。医師のあるべき姿勢とは、そうした患者を生きたいの側に傾け、寄り添うことだろう

 判決は「嘱託殺人罪に問えない事案」をあえて仮定し、(1)治療や検査を尽くし、他の医師の意見も聞く(2)家族の願いも参考に患者の意思を確認する(3)事後検証できるよう一連の過程を記録する-などが「最低限必要」だと述べた。本件が嘱託殺人に相当するとの判断を論理付けした形だ。

 ALSのような難病患者の気持ちを死にたいに傾けてしまうのは、医療や社会の側に問題があると指摘する専門家もいる。想像を絶する苦難の中にある患者が生への意欲を失うことがないよう、社会としてどう支えていくかが問われているということだろう。
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●さて、「あとの祭り」な投票行動してしまいませんでしたか? 「消費税の使い道は社会保障に限定」という自民党の選挙の顔のデマ吐き

2021年11月01日 00時00分50秒 | Weblog

[※ 2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日というトリガー(『報道特集』、2021年06月26日、ブログ主が改変)↑]


(20211024[])
リテラの記事【甘利明が『日曜討論』で大ボラ連発!「スマホは日本の発明」も酷かったが、最も悪質だった嘘は「消費税の使途は社会保障に限定」】(https://lite-ra.com/2021/10/post-6051.html)。
週刊朝日のコラム【安倍晋三元首相が驚く国民の選択 古賀茂明】(https://dot.asahi.com/wa/2021101500099.html)。

 《何を言っているのかわからない岸田文雄首相を差し置き、際立ってツッコミが殺到しているのが、「口利き金銭授受問題」の説明責任から逃げつづけている自民党の甘利明幹事長だ。…それは、共闘野党が公約に打ち出している消費税減税について司会者から「どう考えるか」と問われたときのこと。甘利幹事長は、こんなことを言い出したのだ。「あのー、消費税の使い道はですね、社会保障って限定されているんですね」》。
 《自民党は毎回逆風下で選挙を戦ったが、それでも選挙で連勝していた安倍氏に言わせれば、「文句があるなら国民に言え」ということになる。このコラムにも何回か書いたが、安倍氏には独特の哲学があると私は見ている。一言で言えば、「国民は馬鹿であるという哲学だ。「ものすごく怒っていても時間が経てば忘れる」「他にテーマを与えれば気がそれる」「嘘でも繰り返し断定口調で叫べば信じてしまう」。選挙のたびに勝利した安倍氏がこう考えたのはある意味正しかった。さらに、この哲学は、とんでもない政治倫理の堕落をもたらした》。

 有権者はバカにされていたのです、《とんでもない政治倫理の堕落をもたらした》、数多のアベ様案件を引き起こしたアノ方に。アノ方やアノ方なるモノ達、自公お維に投票してしまいましたか? それとも、今回も眠り猫…。あ~、「あとの祭り」。
 (狙撃兵)《歴然としているのは、選挙に行かないこの5割の有権者こそが今日の政治状況を変えうる最大勢力であるという点だ。そのうち2~3割が動いて投票率が70~80%の選挙が展開されるだけでも局面はガラリと変わることになる》…最大のチャンスでしたのに。

 「この28年間の変化は法人税が6兆円…所得税が6兆円減り、消費税が13兆円増えたことだけなのだ」、しかも血税・消費税で病床のダウンサイジング。甘~い利を得たあの方が、平気で「消費税は全て社会保障に充てられる」と平気でデマを口にし、アベ様のNHKはそれを主権者に垂れ流す…。そんなデマに騙されて…あ~、「あとの祭り」。
 《安倍元首相に瓜二つ厚顔無恥の嘘つき男が牛耳る政権を選択するのか否か》? もちろん、私は《》です。《「安倍さん、国民はそんなにバカではありません」という結果を選挙で示すことができるかどうか。私たち国民一人一人の真価が問われている》…はずでした。

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https://lite-ra.com/2021/10/post-6051.html

甘利明が『日曜討論』で大ボラ連発!「スマホは日本の発明」も酷かったが、最も悪質だった嘘は「消費税の使途は社会保障に限定」
2021.10.18 10:14

     (『日曜討論』での甘利幹事長)

 明日、公示される衆院選を控えて、党首討論など各党代表による論戦がスタートしているが、何を言っているのかわからない岸田文雄首相を差し置き、際立ってツッコミが殺到しているのが、「口利き金銭授受問題」の説明責任から逃げつづけている自民党の甘利明幹事長だ。

 甘利幹事長といえば、衆議院が解散された翌日の15日に〈選挙用の写真、こんな仕上がりになりました〉とTwitterに投稿。貼り付けられたそれはピンストライプのスーツ姿で顎に人差し指を添えたポージングのモノクロ写真という、いかにも「イケおじ」狙いのナルシシズム全開のもので、「ちゃんと羊羹の袋持ってきた?」って今にも言いそうな顔〉〈余白には「説明責任ってなにそれ?」がぴったりだ〉〈公式が雑コラ大喜利の素材提供していくスタイル〉というツッコミが起こった。

 だが、こうした声も甘利幹事長にはどこ吹く風。9党幹部が集まった昨日17日放送の『日曜討論』(NHK)に出演した際には、iPhoneと思しきスマートフォンを掲げて「ここにある世界を席巻しているスマホも、3Dプリンターも、量子コンピュータも全部、日本の発明です」などと発言。一体、何を根拠にして「日本の発明」としているのかは定かではないが、自民党政権下で技術力が低下し世界に遅れをとってきたというのに、過去の栄光にすがった「日本スゴイ!」を振りかざした

 無論、これにもツッコミが殺到。ネット上では〈そうだっけ?〉〈現実を見ようぜ〉〈技術で勝ってる?違う世界から来てるんか…?〉〈甘利のスマホ日本起源説、夏野剛あたりに「iモードはスマホの元祖みたいなもんですよ」とか吹聴された説を推します〉〈無知を自信満々にさらけ出すジジイほど痛々しいものはないわ〉などと呆れの声が広がった。

 しかし、甘利幹事長の厚かましく恥知らずな発言は、これだけではなかった。

 『日曜討論』で甘利幹事長は、冒頭から立憲民主党と日本共産党の閣外協力について攻撃しつづけ、司会者から総選挙の争点を質問された際にも「政府の意思決定のなかに限定的とはいえ共産党の意思が入ってくる。これは日本の政治史上これまでなかったこと」などと発言。コロナでも経済政策でもなく、共産党攻撃を繰り広げた。

 政策論争の場だというのに、腐っても政権を握る自民党の代表が、松井一郎ばりにネチネチと「共産党ガー」とがなり立てる……まったく見苦しいにも程があるが、これには立憲の福山哲郎幹事長が「政策論議ができない」「重要なのは国民生活」と批判。その上で、経済政策はもちろんのこと、森友加計学園問題日本学術会議の任命拒否問題などを挙げて「岸田文雄新総理が安倍・菅政権とまったく同じ対応をしていることは、自民党が変わらないということ。そこを変えていきたい」と語った。

 ところが、この「首相が変わっても自民党は変わらない」という批判に対し、甘利幹事長は「自民党のどこが変わらないのか」と反論したのだ。


■甘利幹事長「自民党のどこが変わらないのか」に立川雲水が「大臣室で賄賂貰った人間が居座ったままの現状」とツッコミ

 何を言い出すかと思えば、まさかの逆ギレ。しかも「お前が言うか」という話だろう。

 甘利幹事長はつづけて「岸田さんは内閣を岸田カラーで染めた」「元総理経験者に遠慮することなく総理自身が指揮権を発揮できるようにした」と抗弁していたが、さんざん指摘されているように新内閣は「岸田カラー」ではなく「甘利カラーで染めたと言うべき顔ぶれ。さらに、自民党の選挙公約からは総裁選で訴えていた岸田氏の主張がことごとく外され安倍晋三や麻生太郎といった元総理経験者の意向に沿った主張がズラリと並んでいる。なのに「総理自身が指揮権を発揮できるようにした」とは、まったく笑わせる

 いや、そもそも安倍政権下で起こった「政治とカネ」の代表格が、甘利幹事長の「口利き金銭授受」問題だ。甘利氏は不起訴に終わったことを盾にしているが、それも「安倍政権の守護神」と呼ばれてきた黒川弘務・元東京高検検事長が捜査を潰したというのは有名な話。つまり、甘利氏の存在自体が「安倍政権の政治腐敗・官邸独裁」の象徴なのだ。その甘利氏が、政権与党を取り仕切る幹事長に就き、いまや「影の総理」として実権を握っている、その事実こそが「自民党が何ひとつ変わっていないことの最たる証拠ではないか。

 この甘利幹事長による「自民党のどこが変わらないのか」発言には、落語家の立川雲水が〈「どこが変わらないのか?」と訊かれりゃ「大臣室で賄賂貰った人間がずっと変わらずに偉そうに居座ったままの現状」って即答できますやん〉とツッコミを入れていたが、まさに御名答と言うほかないだろう。

 自身の問題について国民に説明責任も果たさないまま権力中枢に登り詰め、恥も外聞もなく調子に乗りつづける甘利幹事長──。しかも、甘利幹事長はこの『日曜討論』で、安倍元首相かと見紛うようなとんでもない嘘を平然と吐いた

 それは、共闘野党が公約に打ち出している消費税減税について司会者から「どう考えるか」と問われたときのこと。甘利幹事長は、こんなことを言い出したのだ。

あのー、消費税の使い道はですね、社会保障って限定されているんですね」。


■共産党の志位和夫が消費税を使った病床削減を指摘!「消費税は社会保障のため、と2度と言わないでほしい」

 消費税の使途は社会保障に限定されている……!? よくもまあこんなあからさまな嘘を言えたものだと呆れるしかない。消費税を増税する際、安倍政権は「消費税率の引上げ分は、全額、社会保障の充実と安定化に使われます」と大々的に喧伝してきたが、増税した分の多くは財政赤字の穴埋めに使われているのが実態だからだ。

 その上、本サイトでは繰り返し指摘してきたように、安倍政権は医療費を削減するために公立・公的病院の統廃合を進めて病床数を20万床減らすという「地域医療構想」なる制度を推進させ、菅政権ではコロナによって病床不足が叫ばれている最中に、病床を削減した病院に補助金を付け、しかもその補助金の財源を全額消費税で賄うための法改正まで強行。これにより、今年度は消費税を195億円も使い、なんと1万床も削減するというのだ。

 しかも、この方針を岸田・甘利体制の現政権も堅持。立憲民主党は選挙公約でも「地域医療構想」の抜本的な見直しを打ち出し、参院代表質問では共産党の小池晃書紀局長が「消費税収を使った病床削減の仕組み、とりわけ急性期病床を削減・縮小する計画をただちに撤回すべき」と岸田首相に迫ったが、岸田首相は「地域の実情を踏まえて地方自治体と連携して検討を進める」と答弁。病床削減の政策を撤回しなかったのだ。

 つまり、「消費税の使い道は社会保障に限定されている」という甘利幹事長の発言は大嘘であるばかりか、消費税を使って国民の命と健康を守る社会保障を削っているのが現実で、甘利幹事長はそれを推進している張本人なのだ。

 本日おこなわれた日本記者クラブ主催の党首討論では、共闘野党が打ち出している消費税の減税に対して、岸田首相も「消費税は社会保障を支える重要な財源」だとし、さらには「消費税を引き下げるということになると、引き下げにともなう買い控え(が起こる)」などとトンデモ発言をおこなう始末。これを受けて共産党の志位和夫委員長は「消費税は社会保障のためと言いながら、社会保障を削るために使っているじゃないか」「『消費税は社会保障のため』と2度と言わないでほしい」と反論していたが、まさにそのとおりだろう。

 本サイトでは既報でも言及したが、岸田首相は安倍元首相や菅前首相のようには横暴になりきれず、要領を得ない話をダラダラすることで必死になって安倍・菅政権の継承をごまかそうとしている。だが、甘利幹事長は安倍元首相と同じで、説明責任から逃げている身でありながら図に乗り、さらにはこのように平気で嘘を喧伝している。

 安倍元首相に瓜二つ厚顔無恥の嘘つき男が牛耳る政権を選択するのか否か。これも総選挙の大きな争点なのである。

(編集部)
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https://dot.asahi.com/wa/2021101500099.html

安倍晋三元首相が驚く国民の選択 古賀茂明
政官財の罪と罰
古賀茂明
2021/10/19 07:00

     (古賀茂明)
     (安倍晋三元首相(C)朝日新聞社)

 衆議院が解散され、31日に総選挙の投票日を迎える。2012年の第二次安倍晋三政権誕生から8年9カ月の間、3回の参議院選挙と2回の衆議院総選挙があった。この間、消費税引き上げ、集団的自衛権行使容認の安保法制などの不人気政策があり、森友学園、加計学園、桜を見る会などの問題に代表される安倍氏による国政の私物化、さらには、小渕優子氏や甘利明氏など閣僚の不祥事も相次いだ。自民党は毎回逆風下で選挙を戦ったが、それでも選挙で連勝していた安倍氏に言わせれば、「文句があるなら国民に言え」ということになる。

 このコラムにも何回か書いたが、安倍氏には独特の哲学があると私は見ている。一言で言えば、「国民は馬鹿であるという哲学だ。ものすごく怒っていても時間が経てば忘れる」「他にテーマを与えれば気がそれる」「嘘でも繰り返し断定口調で叫べば信じてしまう。選挙のたびに勝利した安倍氏がこう考えたのはある意味正しかった。

 さらに、この哲学は、とんでもない政治倫理の堕落をもたらした。安倍政権では、「李下に冠を正さず」、すなわち、人の道から外れているのではと疑われることだけでも許されないというあるべき倫理観は完全に消え失せたどうせ国民は馬鹿ですぐに忘れてしまうのであれば、怖いのは司法当局だけということになる。倫理規範は「捕まらなければ良い」となり、ことが起きると、何も説明せず、「検察に捕まらなかった」から問題ないと胸を張るようになった

 これはさらにエスカレートし、「逮捕させなければ良い」というレベルまで堕落した。法律に反して、安倍氏の守護神、黒川弘務東京高等検察庁検事長(当時)の定年を延長したのはその象徴だ。

 そうなると官僚たちは、「李下に冠を正さず」から「違法にならないギリギリのところでうまくやれ」、さらには、「違法なことでも捕まらないようにやれ」と迫られることになる。結果、政府のいたるところで文書隠蔽、廃棄、改ざんが行われた

 森友事件に関連して公文書改ざんを強要され、後に自殺に追い込まれた近畿財務局職員・赤木俊夫さんはその犠牲になったのだ。私は、ご遺族の夫人・雅子さんとよく話をするが、実は、雅子さんが一番心配しているのは、国民が森友問題を忘れてしまい、真相が何も明らかにされないまま、「過去のもの」として葬り去られてしまうことだ

 だが、今回はこれまでとは違う。10月6日に雅子さんが岸田文雄総理に出した手紙が反響を呼び、ヤフーニュースによる選挙の最大の関心事のアンケートで、森友再調査が何と断トツの1位。驚くべきことだ。選挙中も関心を集め続けるだろう。これは、安倍政治への嫌悪感がまだ国民の頭の中に深く刻まれている証である。今、岸田内閣が安倍政治を変えられないというイメージは急速に広まり、内閣の支持率は低迷している。雅子さんの手紙はそこにさらなる痛烈なダメージを与えた

 野党側が万全な共闘体制を作れたら自民大敗という可能性も十分出て来た。雅子さんの手紙は、国民の「記憶」を呼び覚ましたのだ

 「安倍さん、国民はそんなにバカではありません」という結果を選挙で示すことができるかどうか。私たち国民一人一人の真価が問われている。

※週刊朝日  2021年10月29日号


古賀茂明(こが・しげあき)/古賀茂明政策ラボ代表、「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。1955年、長崎県生まれ。東大法学部卒。元経済産業省の改革派官僚。産業再生機構執行役員、内閣審議官などを経て2011年退官。近著は『官邸の暴走』(角川新書)など
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●自公お維のヒトデナシっぷり…「病床のダウンサイジング」《高齢者の負担を倍増…医師の残業をさらに増やす…今の状況に完全に逆行》

2021年05月31日 00時00分13秒 | Weblog

[※ 『国民のしつけ方』(斎藤貴男著、インターナショナル新書010)…《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》↑]


(2021年05月22日[土])
リテラの記事【病床を削減した病院に消費税でご褒美で1万床カット…病床削減推進の改正医療法が自公、維新の賛成で成立か Twitterデモで抵抗を】(https://lite-ra.com/2021/05/post-5890.html)。

 《コロナで医療崩壊が起きている中、病床を確保するどころか、全国の病院の病床数をさらに「1万床」ぶん削減、しかも削減した病院に消費税を使って“ご褒美”の補助金を支払う──。そんな法案がきょう、成立しそうになっていると聞かされて、あなたは信じることができるだろうか》。

 「病床のダウンサイジング」、ヒトデナシっぷりが酷過ぎる…そして、《その「ご褒美」の原資は我々の税金》。検査検査検査…・追跡・保護十分な補償・経済的人的物的支援以外に打つべき手はないというのに、COVID19での無為無策無能ぶりも含めて、最初はピンと来なかったのですが…(斎藤貴男さん)《医療費削減を目的とする死なせる医療”が正当化されつつある時代》を痛切に感じる今日この頃だ。カネカネカネが目的の金(カネ)色の五つの輪のためならニッポンの市民の命など、IOCや自公お維にとってはどうでもいいようだ。

   『●憲法の日に違憲に壊憲したいと言う…松元ヒロさん「私たちがこう言えば
       いいじゃないですか。『憲法に合わなかったら、政府を”変える“』」
   『●《「国家」の構成要素のうち、統治機構の安泰しか頭にない人々に
       「安全保障」を、いわんや国民の命の選別を論ずる資格などない》
    「《ただでさえ「尊厳死」の名のもとに、医療費削減を目的とする
     “死なせる医療”が正当化されつつある時代》…以前も引用したが、
     「病床のダウンサイジング」」

   『●「〝安楽〟な訳がない。死ぬんだから、殺すんだから。やる方も
          やられる方も〝安楽〟な訳がない」…〝尊厳死〟も死語
    「《ただでさえ「尊厳死」の名のもとに、医療費削減を目的とする
     “死なせる医療”が正当化されつつある時代》…以前も引用したが、
     「病床のダウンサイジング」。リテラの記事【安倍首相がコロナ医療
     危機を無視し「病院のベッド数削減」政策の維持を宣言! しかも削減
     するため予算644億円を投入】…によると、《そもそも安倍政権は、
     医療費削減を狙った「地域医療構想」を掲げ、その実現のためとして
     「病床のダウンサイジング」を打ち出した。これはその名の通り、
     入院ベッド数を減らすことで医療費を削減しようというものなのだが、
     さらに政府は昨年9月に「再編統合の議論が必要」だとする全国424の
     公立・公的病院を名指ししたリストを公表。名指しした病院がある
     都道府県に2020年9月までに統廃合の結論を出せと迫り、一方、
     統廃合や病床削減をおこなう病院には全額国費で補助金を出すとし、
     このために2020年度予算で84億円を計上。これらの施策により、
     2025年度までに全国の急性期病床を約20万床減らすという》。
      自公は、アタマ大丈夫か? 地域の医療の統合・効率化という名の
     「病床のダウンサイジング」、そこに税金。しかも、COVID19人災の今、
     それを議論する? 《そもそも医療資源をあえて貧しくしたのは政府》。
     《非常時だからと容認すれば、それはコロナ終息後も決定的な身分制度
     として定着していくだろう》という斎藤さんの予言」。

   『●《ああ、すべては東京五輪のために。…国威発揚と利権漁りの国策
     サーカスが、人間の生活にも生命にも優先されるのが、現在のこの国だ》
   『●中小零細事業も潰し、《死なせる医療》も正当化し、超監視社会へも
      誤誘導…何処まで冷酷陰湿強権な利権漁りカースーオジサンなのか?
   『●病床のダウンサイジング…《病床削減のために195億円もの巨額が
     計上…しかも、その病床削減のための財源は、消費増税分で賄われる》
   『●《宮本亞門…「…誘致のための架空のものだった。悲惨な現実を見て
     『何ということに加担してしまったんだ』と罪悪感にさいなまれた」》
    《とくに大阪維新の会の失政の犠牲となっている大阪は悲惨で、
     入院率わずか10%という非常事態に陥っている病院に入れず、
     自宅で死を迎える恐怖と隣り合わせだ橋下府政時代
     病床転換促進事業という名のダウンサイジングを強行したため、
     府内の病床は減らされてきた。2回目の緊急事態宣言をいち早く
     解除すると同時に236床あった重症病床数を減らし続け、
     4月上旬には150床台まで削減イソジン騒動で懲りない吉村知事
     的外れなマスク会食を推奨しているうちに、一気に感染が拡大し、
     医療崩壊に至った

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https://lite-ra.com/2021/05/post-5890.html

病床を削減した病院に消費税でご褒美で1万床カット…病床削減推進の改正医療法が自公、維新の賛成で成立か Twitterデモで抵抗を
2021.05.18 02:15

     (三原じゅん子副大臣の遅刻で採決が見送られたが、
      形だけの謝罪で強行採決へ…
      /三原じゅん子オフィシャルサイトより)

 コロナで医療崩壊が起きている中、病床を確保するどころか、全国の病院の病床数をさらに「1万床」ぶん削減、しかも削減した病院に消費税を使って“ご褒美”の補助金を支払う──。そんな法案がきょう、成立しそうになっていると聞かされて、あなたは信じることができるだろうか。

 しかし、これは妄想でもフェイクでもなんでもなく、まぎれもなくいま、起きている事実だ。くだんの狂った政策を可能にする医療法改正法案はすでに衆院で、自民、公明の与党に加え、維新、国民民主も賛成して可決。

 次は参院に送られ、まず、13日に参院厚労委員会で採決される予定で進んでいたが、周知のように、予定していた三原じゅん子厚労副大臣が30分遅刻したことで見送られた。

 だが、三原副大臣が形だけ謝罪したことでみそぎは済んだとばかりに、きょう夕方、与党が採決しようとしているのだ。

 しかし、問題は三原副大臣が遅刻したからどうというようなものではない。この法案が成立したら、国民の命がさらに危険に晒されるのは確実だということだ。

 そもそも、今回の法案に盛り込まれている「病床削減支援給付金制度は2020年度からスタート大阪府123床、兵庫県79床など、全国で約2700床が削減された

 その結果、何が起きているかは、大阪や兵庫の現在のひどい医療崩壊を見れば、明らかだろう。削減された病床は、コロナ病床ではないが、多くが急性期病床であるコロナの感染拡大で、医療資源が奪われ、コロナ以外の救急患者などへの対応も困難になっている状況も指摘されているが、これはこの制度によって、急性期病床が減らされていることと無関係ではないはずだ。

 ところが、菅政権は、今回の医療法改正で、さらに1万床カットし、削減した病院に消費税を使って“ご褒美”の補助金を支払う政策を強行しようとしているのだ。

 しかも、この改正案にはほかにも、高齢者の負担を倍増させ、医師の残業をさらに増やすという、今の状況に完全に逆行している内容が含まれている。

 このとんでもない動きに、Twitterでは〈#病床削減推進やめろ〉デモも起こり、38,000ツイートを突破、トレンド入りした。しかし、ほとんどの国民はこんな法案が成立することすら気づいていない

 なぜなら、マスコミがほとんど取り上げていないからだ。三原じゅん子の遅刻問題を報じても、この法案の中身をきちんと批判するような報道もない。そして、自民党、公明党だけでなく、維新も国民民主党も賛成に回っている。

 本サイトでは、5月4日、この医療法改正、病床削減がいかに恐ろしい結果を招くか、大阪の現状と重ね合わせながら検証する記事を掲載している。改めて掲載するので、一人でも多くの人に拡散してほしい。

(編集部)

………
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 ⇒ 『●《病院側に「ベッドを減らしたらご褒美にお金をあげる」と持ちかけて
      病床を削減…言うまでもないが、その「ご褒美」の原資は我々の税金》
    《大阪で昨年度123の病床が削減! コロナ医療崩壊でも菅政権が強行
     「ベッド減らした病院に税金でご褒美」制度による医療カット
     2021.05.04 07:15

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●《病院側に「ベッドを減らしたらご褒美にお金をあげる」と持ちかけて病床を削減…言うまでもないが、その「ご褒美」の原資は我々の税金》

2021年05月20日 00時00分48秒 | Weblog

[※歴代自民党内閣は「国民のために働」いていなかった!? 縁故主義・政権の私物化もアベ様から《継承》 (日刊ゲンダイ 2020年10月14日)↑]


(20210516[])
野尻民夫氏による、リテラの記事【大阪で昨年度123の病床が削減! コロナ医療崩壊でも菅政権が強行「ベッド減らした病院に税金でご褒美」制度による医療カット】(https://lite-ra.com/2021/05/post-5873.html)。

 《しかし、これは大阪だけの話ではなかった。2020年度には全国で一般病床の削減が実施されており、合計約2700床が減らされているのだ。いったいなぜか。すでにお気付きの読者もいると思うが、これは、安倍政権時代から始まった政府の病床削減計画がコロナ禍でも強引に推し進められた結果だ。2014年、安倍政権は「地域医療構想」なる制度を開始するのだが、これは実際には、医療費を削減するため、公立・公的病院の統廃合を進め、病床数を20万床減らすという医療カット制度だった。そして、このカット実現のために、2019年9月に「再編統合の議論が必要」だとする全国400以上の公立・公的病院を名指ししたリストを公表。また、統廃合や病床削減をおこなう病院には全額国費で補助金を出すとし、2020年度予算で84億円を計上した。この制度は「病床削減支援給付金」と名付けられているが、ようは、病院側に「ベッドを減らしたらご褒美にお金をあげる」と持ちかけて病床を削減しようというものだ。言うまでもないがその「ご褒美」の原資は我々の税金である》。さらに、この人災のドサクサ紛れに壊憲を喚きたてる異常さ…「《神さま》気取りのアベ様にこんなお願いする気? ―――「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限…緊急事態条項の創設」」。

 コロナ禍で、病床のダウンサイジングに税金を注ぎ込む異常な自公政権…《病院側に「ベッドを減らしたらご褒美にお金をあげる」と持ちかけて病床を削減…言うまでもないが、その「ご褒美」の原資は我々の税金》。一億歩譲って、税金を悪用しsたアベ様らによるその「政」が〝正しかった〟として、COVID19禍でそれを強要することは〝正しい〟のか? 政府や自公お維の無為無策無能さ、冷酷さを曝け出している。検査検査検査…・追跡・保護十分な補償・経済的人的物的支援という《手を打つ》気も全く無し。しかも、《増税時、政府は「増収分はすべて社会保障財源に充てる」と説明していたが、このコロナ禍で、よりにもよって医療サービスを削減するために消費税を使うとは、まさしく常軌を逸した政策としか言いようがない》。

   『●憲法の日に違憲に壊憲したいと言う…松元ヒロさん「私たちがこう言えば
       いいじゃないですか。『憲法に合わなかったら、政府を”変える“』」
   『●《「国家」の構成要素のうち、統治機構の安泰しか頭にない人々に
       「安全保障」を、いわんや国民の命の選別を論ずる資格などない》
    「《ただでさえ「尊厳死」の名のもとに、医療費削減を目的とする
     “死なせる医療”が正当化されつつある時代》…以前も引用したが、
     「病床のダウンサイジング」」

   『●「〝安楽〟な訳がない。死ぬんだから、殺すんだから。やる方も
          やられる方も〝安楽〟な訳がない」…〝尊厳死〟も死語
    「《ただでさえ「尊厳死」の名のもとに、医療費削減を目的とする
     “死なせる医療”が正当化されつつある時代》…以前も引用したが、
     「病床のダウンサイジング」。リテラの記事【安倍首相がコロナ医療
     危機を無視し「病院のベッド数削減」政策の維持を宣言! しかも削減
     するため予算644億円を投入】…によると、《そもそも安倍政権は、
     医療費削減を狙った「地域医療構想」を掲げ、その実現のためとして
     「病床のダウンサイジング」を打ち出した。これはその名の通り、
     入院ベッド数を減らすことで医療費を削減しようというものなのだが、
     さらに政府は昨年9月に「再編統合の議論が必要」だとする全国424の
     公立・公的病院を名指ししたリストを公表。名指しした病院がある
     都道府県に2020年9月までに統廃合の結論を出せと迫り、一方、
     統廃合や病床削減をおこなう病院には全額国費で補助金を出すとし、
     このために2020年度予算で84億円を計上。これらの施策により、
     2025年度までに全国の急性期病床を約20万床減らすという》。
      自公は、アタマ大丈夫か? 地域の医療の統合・効率化という名の
     「病床のダウンサイジング」、そこに税金。しかも、COVID19人災の今、
     それを議論する? 《そもそも医療資源をあえて貧しくしたのは政府》。
     《非常時だからと容認すれば、それはコロナ終息後も決定的な身分制度
     として定着していくだろう》という斎藤さんの予言」。

   『●《ああ、すべては東京五輪のために。…国威発揚と利権漁りの国策
     サーカスが、人間の生活にも生命にも優先されるのが、現在のこの国だ》
   『●中小零細事業も潰し、《死なせる医療》も正当化し、超監視社会へも
      誤誘導…何処まで冷酷陰湿強権な利権漁りカースーオジサンなのか?
   『●アベ様「ここ1、2週間が極めて重要な時期」、《自助》大好き
     政策スカスカオジサン「この3週間が極めて重要な時期」…無為無策無能
   『●病床のダウンサイジング…《病床削減のために195億円もの巨額が
     計上…しかも、その病床削減のための財源は、消費増税分で賄われる》
   『●COVID19変異株による第4波に対して何を? 「#打つ手なし」で
     非常事態宣言解除 ―――― 無為無策無能過ぎるカースーオジサン
   『●大阪「ト」知事《「大阪は第4波に入った」「一足早く緊急事態宣言を
      解除したので、そのリバウンドもあると思う」…他人事のように分析》
   『●《命をかけさせられるのはまたも大阪府民なのである》(リテラ)
     ――― お維を支持していない大阪の皆さんに、とても同情する……
   『●ボイコフ教授《新型コロナウイルスのパンデミックのさなか、聖火
     リレーは五輪の虚飾のため、公衆衛生を犠牲にする危険を冒している》
   『●《五輪利権をむさぼり尽くさずにはいられない豚の卑しさと…中国に
     「証し」とやらのマウントを取られたくないド腐れ猿の哀れすぎる性》

 超テキトーな政権。「社会ファースト」(有森裕子氏)ではなく、自公政権・自民党ファースト。
 リテラの記事【西村担当相が「マスクつけても感染」を認めたのに…「マスクしていれば濃厚接触者じゃない」の定義を変更しない菅政権の無責任】(https://lite-ra.com/2021/05/post-5874.html)によると、《昨日4日までの全国の重症患者数が1114人で過去最多となったように、深刻さが増している新型コロナの感染拡大。菅義偉首相は本日、「短期集中」と位置づけていた緊急事態宣言の延長を「今週中に判断する」と述べたが、一方、福岡県や徳島県、北海道が「まん延防止等重点措置」の適用を要請するなど、感染拡大は全国規模となってきている。だが、緊急事態宣言を延長するか否かという判断を下す以前に、この連休中も菅首相のコロナ対応の杜撰さ、支離滅裂ぶりが浮き彫りとなっている。それは、新型コロナ担当の西村康稔・経済再生担当相が連休中に口にしはじめた「屋外でマスクを付けていても感染する」という問題だ。…ちょうど1年前の昨年5月4日、当時の安倍晋三首相が「感染拡大を予防する新たな生活様式」として密集・密接・密閉の「3密」を回避することを国民に提唱し、菅首相も耳にタコができるほど「マスクの着用や手洗い、3密の回避」と繰り返してきた。ところが、「3密」を回避しても感染は起こると、ここにきてコロナ担当の大臣が明言したのである。いや、それ以上に重要なのは、「屋外でマスクを付けていても感染が確認される事例の報告が相次いでいる」という発言だ。 ■聖火リレーで陽性者が出ても「マスクを着用していた」という理由で濃厚接触者なし》。
 リテラの記事【菅首相が「人流は間違いなく減少」と真っ赤な嘘! 東京駅前は昨年の1.8倍、大阪駅前も2.6倍、感染者減少も検査数が大幅に減っただけ】(https://lite-ra.com/2021/05/post-5875.html)によると、《記者から「今回の緊急事態宣言はゴールデンウィークの短期集中を掲げておこなわれましたが、その効果についてどのように分析していますか」と質問されると、菅首相はこんなことを言い出した。「あのー、大きな流れのひとつでありました、人流については、間違いなく減少していると考えています」 記者はさらに「感染者の数についてはどのように分析をしていますか」と質問を重ねたが、そこでもこう答えたのだ。「あのー、きょうの数字はみなさんご承知だと思いますけども、人口……あの……人口が、あの、減少している、ま、そうした効果は出始めてきているのではないかなというふうに思っています」 「人口が減少している」ってどういう意味だよ、とツッコまざるを得ないが、こう述べると菅首相は足早に立ち去ってしまったのだ。この「人口」というのは「人流」の間違いだと思われるが、ようするに菅首相は「人流は間違いなく減少している」「人流が減少した効果が感染者数にも出始めてきている」と主張したのである》。

 (青木理さん)《オリンピック、出来ないと思いますよ…直感的に考えて、出来ると思います?》 このニッポンの有様を見て、選手を派遣する国はあるのかね? アメリカが選手派遣をしませんと言えば、即中止決定でしょうね。
 沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]「疑問の灯」リレー】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/748072)によると、《聖火リレー会場を覆い隠す白い幕の外側で、「まれに見る珍妙な光景だ」と男性が苦笑した。1日の名護市。カメラを向けた人は警備員に止められた ▼囲いの内側は秘密かというと、そういう訳でもない。行ったり来たりが5回あり、ネット中継された。厳戒態勢は見物客を集めないようにする新型コロナウイルス対策だった ▼県はスタッフやランナーだけでなく、ランナーが招待した家族の分までPCR検査費用を負担した。合計約1600人分。...》
 琉球新報のコラム 【<金口木舌>国民は下衆ですか?】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1315531.html)によると、《▼国民の不安をよそに開催に固執するのはなぜか。民放の朝の情報番組で、コメンテーターが「オリンピックがなくなると政治的につらい状況になるから何としてもやりたいという話なのか」と疑問を投げ掛けた ▼「下衆の勘繰り」と返したのは政権中枢に人脈のある政治ジャーナリスト。だが「五輪は政権の生命線」と官邸幹部は言う。成功を次期衆院選の追い風にしたい考えなのだろう。勘繰られる振る舞いは政府側がしているのだ ▼「パンとサーカス」は古代ローマで民衆から政治を遠ざけるために使われた。祭典で新型コロナ対策の不備を帳消しにするほど国民は愚かではない》。

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大阪で昨年度123の病床が削減! コロナ医療崩壊でも菅政権が強行「ベッド減らした病院に税金でご褒美」制度による医療カット
2021.05.04 07:15

     (厚労省HPより)

 4月29日44人、5月1日41人、2日16人、3日19人、本日4日20人と、コロナによる死者数が凄まじい数になっている大阪府。この数字は、大阪ではコロナに感染して重症化しても満足な治療を受けられず、見殺しにされてしまう状況になっていることを物語っている。

 それだけではない。大阪ではコロナ以外の医療も逼迫。救急拒否や診察遅れ、手術延期などが相次ぎ、普通なら助かるはずの患者が命を落としたケースも相当な数にのぼるだろうといわれている。

 こうした医療崩壊の最大の原因はもちろん、本サイトが再三指摘してきたように、吉村洋文知事の怠慢にある。

 昨日おこなわれた会見では、吉村知事が酒の持ち込みを許可する飲食店に「コロナを軽く見ている」と発言、SNS上では「軽く見ていたのはお前だろう」とツッコミの嵐になったが、それも当然だろう。

 吉村知事はこの間、医療提供体制や検査体制を強化することほとんどやろうとせず、変異株の危険性が指摘されていた2月末には逆に緊急事態宣言の前倒し解除を要請。3月1日に宣言が解除されると、重症病床の確保数を「215床」から3割減の「150床」まで縮小することを各病院に通知したのだ。いったんコロナ専用病床をなくしてしまったら、元に戻すのは新規に設置するのと同じだけ手間がかかる。実際、現場の医療関係者や専門家からは反対の声があがっていたが、吉村知事は言うことを聞かず、重症病床を減らしてしまったのである。

 この吉村知事の「コロナを軽く見ていた」愚策が、いまの大阪の医療崩壊の大きな原因になっていることは間違いない。

 しかし、大阪の医療体制をめぐっては、もうひとつ信じられないことが起きていた。コロナ感染が拡大の一途をたどった2020年度、大阪府内の病院では、一般病床がなんと「123床」も削減されていたのだ。

 病床を削減した病院と、削減病床数のリストを以下に列挙してみよう。

   ・高槻市 高槻赤十字病院 45 床(急性期病床)
   ・富田林市 済生会富田林病院 40 床(急性期病床)
   ・寝屋川市 医療法人道仁会道仁病院 7床(急性期病床)
   ・堺市 医療法人淳康会堺近森病院 12 床(急性期病床)
   ・枚方市 田ノ口診療所 19 床(慢性期病床)

 ほとんどが地域医療の中核を担っている病院で、高槻赤十字病院は救急指定病院、そして第二種感染症指定医療機関でもある。削減された病床はコロナ病床ではないが、123床中104床が急性期病床だ。急性期病床というのは、急性発症した病気や怪我、慢性疾患の急激な容体悪化の治療を目的とする入院ベッドのこと。コロナの感染拡大で他の疾病や外傷での急性期治療が圧迫されているというのに、その感染拡大のさなかに急性期病床をコロナと無関係にさらに削減するというのは、正気とは思えない


■コロナ再拡大で菅首相が「勝負の3週間」と言ったその日に、各都道府県に病床削減周知の通知

 しかし、これは大阪だけの話ではなかった。2020年度には全国で一般病床の削減が実施されており、合計約2700床が減らされているのだ。

 いったいなぜか。すでにお気付きの読者もいると思うが、これは、安倍政権時代から始まった政府の病床削減計画がコロナ禍でも強引に推し進められた結果だ

 2014年、安倍政権は「地域医療構想」なる制度を開始するのだが、これは実際には、医療費を削減するため、公立・公的病院の統廃合を進め、病床数を20万床減らすという医療カット制度だった。

 そして、このカット実現のために、2019年9月に「再編統合の議論が必要」だとする全国400以上の公立・公的病院を名指ししたリストを公表

 また、統廃合や病床削減をおこなう病院には全額国費で補助金を出すとし、2020年度予算で84億円を計上した。この制度は「病床削減支援給付金」と名付けられているが、ようは、病院側に「ベッドを減らしたらご褒美にお金をあげる」と持ちかけて病床を削減しようというものだ。言うまでもないが、その「ご褒美」の原資は我々の税金である

 余分な税金を使って医療をカットするとは、意味不明としか言いようがないが、もっと愕然とするのは、2020年にコロナ感染が広がり、医療逼迫が叫ばれるようになっても政府がこの政策を撤回しなかったことだ。

 いや、それどころか、昨年11月26日、厚労省は、各都道府県知事あてに、改めて「令和2年度地域医療構想を推進するための病床削減支援給付金の実施について」という通知を出し、そこで「貴管内関係者に対しては、貴職から周知されるよう御配慮願いたい」と念押ししていた。

 ようするに、全国の知事に「病床削減」に応じる病院を早く集めるよう催促したのだが、この通知がなされた11月26日というのは、感染再拡大を受けてコロナ担当の西村康捻・経済再生担当相が「勝負の3週間」と称する感染防止のための短期間の集中した取り組みを宣言した翌日、そして同じ言葉をぶら下がり取材で菅首相が口にした当日である。

 一方で、感染再拡大を受けて国民に行動の自粛を呼びかけながら、裏では医療逼迫にあえぐ病院にさらに病床を削減しろ、と迫るめちゃくちゃとしか言いようがないが、その結果が、前述した大阪の123床削減、全国での約2700床削減なのである。


■今年度は倍以上の全国で1万床削減、しかもご褒美の補助金は消費税から

 この一般病床削減が医療崩壊にどう拍車をかけたかについては、別途、検証が必要だが、普通に考えれば、影響がないわけがない。

 というのも、コロナ病床のほとんどは、特例を除いては一般病床を転用するかたちでおこなわれているからだ。批判が高まったことで吉村知事らは最近「コロナ病床の確保につとめている」と自己宣伝に努めているが、これは全体の病床を増やしているわけではない。そのぶん一般病床を削っているのである。そのうえ、「病床削減支援給付金」制度が実施されているのだから、一般病床は二重に減っているということになる。これでは、コロナ以外の医療が危機に陥るのも当然だろう。

 だが、驚いたことに、政府は2020年度に続いて、今年度もこの病床削減計画を進めるつもりだ。厚労省は2021年度予算に「自主的な病床削減や病院の統合による病床廃止に取り組む際の財政支援を実施する」として、昨年の2倍以上の195億円の予算を計上した。

 この問題を4月26日の参院厚労委員会で追及した日本共産党の倉林明子参院議員によると、この予算規模で病床削減がおこなわれれば、削減は1万床規模に及び、医師1600人、看護師5800人に影響が出るという

 さらにとんでもないのが、今年度の「病床削減支援給付金」の財源だ。政府は今年度より消費税を財源にできるよう今国会で法改正を進めているのだ。増税時、政府は「増収分はすべて社会保障財源に充てる」と説明していたが、このコロナ禍で、よりにもよって医療サービスを削減するために消費税を使うとは、まさしく常軌を逸した政策としか言いようがない。

 当然、こうした信じがたい政府の方針には、自治体の首長らからも批判が起こっている。

 たとえば、昨年12月25日におこなわれた厚労省の社会保障審議会医療部会では、全国知事会の新型コロナ緊急対策本部長代行で、コロナ対応の評価も高い平井伸治・鳥取県知事が「今、年末年始に向けて病床の確保をしようと一生懸命なわけであります。その病床の確保をしようとしている相手方の病院の皆様に、再編整理の話を持ちかける、あるいは調整するなどということは全くナンセンスであります」と指摘。久喜邦康・埼玉県秩父市長も「私ども市長会のほうとしても地域医療崩壊を加速させるおそれがあるのではないかということで大変懸念しております」と危機感を表明している。

 さらに、2月22日に日本記者クラブで会見をおこなった全国知事会長の飯泉嘉門・徳島県知事も、はっきりとこう述べている。

「もし、これ(再編統合)をやっていたら、今回のコロナとの闘いで、日本は確実に敗れていた」


■国民をコロナから守ることより、医療費カットを優先する菅首相と吉村知事の新自由主義思想

 だが、ここまで大きな批判が起こっても、菅政権はいまだに病床削減や公立・公的病院の統廃合を撤回する様子はまったくない

 3月4日の参院予算委員会では、追及を受けた田村憲久厚労相が地域医療構想の病床削減計画について見直す必要はないと明言。菅首相も「厚生労働省の田村厚労大臣のもとで、地方自治体と医師会とも連携しながら、地方医療制度というのは考えていく」と答弁し、撤回しようとしなかった

 さらに、4月26日の参院厚労委員会では、前出の倉林議員が「感染症対応と病床削減とは両立するのか」「感染拡大期の一般医療へのしわ寄せが避けられない」と追及したが、田村厚労相は一般病床をコロナ病床に対応できるようにする」「(病床削減しないと)平時に収益が上げられなくなると強弁し続けた

 繰り返すが、一度減らした医療体制を元に戻すのは、新規につくるのと同じように時間と手間がかかる。現に、新型コロナの発生によってその役割の重要性が再認識された保健所も、90年代の行政改革のなかで「地域保健法」を施行し保健所が統廃合された結果、1992年には全国852カ所あったのが2020年4月には469カ所と約半分にまでなった(「住民と自治」 2020年10月号)。田村厚労相は「保健師については2年間で1.5倍にする」などと言っているが、危機が起こってから対応していては遅いのだ

 にもかかわらず、「平時の収益」を持ち出してこんな愚策を進める──。それは、いまの菅政権の最優先事項が医療費カットであり、国民の生命をコロナから守ることなんて二の次だからだ。実際、今回の一般病床削減だけでなく、この間のコロナの後手後手対応、医療や検査の拡充の拒否は、まさにそうした政権に染み付いている医療カット優先の姿勢がもたらしたものと言っていいだろう。

 これは、非常事態宣言解除と同時にコロナの重症病床を大幅に減らし、政府の一般病床削減計画を率先して受け入れた大阪府の吉村知事も同様だ。医療コストの意識だけで動いているから、こんな府民の生命を危機に晒すような判断が平気でできてしまうのである。

 しかも、連中に共通するのは、そうやって医療費をケチって、医療や検査体制の拡充を放棄した結果、ひどい感染拡大を招き、さらに多大なコストがかかるという最悪の事態を引き起こしているのに、その責任をとろうとせず、国民や憲法に責任転嫁をはかろうとしていることだ

 本サイトでも指摘したように、吉村知事はこのところしきりに私権制限をわめきたて、菅首相も、昨日、日本会議系の改憲集会に「新型コロナへの対応を受けて、緊急事態への備えに対する関心が高まっている」などというビデオメッセージを寄せた。また、両者の応援団である橋下徹・元大阪市長にいたっては、何の関係もない「国民皆保険制度」の話を持ち出し、「普段はいいんだけれども、いざ有事になったときには、みんなそれぞれお医者さんの自由が、やっぱり前提になって、なかなかこれ政治が力を発揮できない」などと、めちゃくちゃな主張をしていた。

 ようするに、連中はいまなお、コロナを封じ込めるための検査や医療体制の整備をするつもりがないのだ。それはおそらく、この新自由主義政治家たちがめざししているのが、金持ちだけが自由に先進医療にかかることができて、カネもコネもない貧乏人には最低限の医療も受けられないような国をめざしているからだろう。そして、その代わりに、憲法を改正して、国民の私権を制限することで、国民の不満を封じ込めることのできる体制をつくろうとしているのだ。

 これは妄想でも誇張でもない。いまの日本や大阪のコロナをめぐる対応をきちんと見れば、このディストピアがすでに目の前に迫っていることがよくわかるはずだ。

野尻民夫
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●病床のダウンサイジング…《病床削減のために195億円もの巨額が計上…しかも、その病床削減のための財源は、消費増税分で賄われる》

2021年03月27日 00時00分42秒 | Weblog

[※《自助》大好きオジサン・元最低の官房長官と学商 (日刊ゲンダイ 2020年9月7日)↑]


/ (2021年03月14日[日])
リテラの記事【菅政権がコロナ病床確保を打ち出すも裏で「病床の削減」続行! 新年度予算でも消費税195億円使いベッド減らした病院に給付金】(https://lite-ra.com/2021/03/post-5819.html)。

 《菅政権の不作為によって数多くの救えたかもしれない命が見捨てられてしまったことを考えれば、「第3波のピークの2倍程度の感染者数に対応する」という方針は1波のあとにおこなうべき対策であって、あまりに遅すぎる。だが、問題は後手後手であることだけではない。いまもっとも大きな問題は、菅政権が病床確保を打ち出す一方で、それとは真逆の「病床削減」を進めようとしていることだ》。

 まだやってたよ…「病床のダウンサイジング」…デタラメ過ぎる。弱い者いじめの消費税制をさらなる悪用し、「病床のダウンサイジング」にドブガネする。正気かね? 天下の愚策。…何処まで冷酷陰湿強権な利権漁りカースーオジサンなのか? なぜ、自公お維を支持できるのか、理解に苦しむ。
 《菅首相は自分の無為無策によって病床不足が起こり、救えたかもしれない命を救えなかったという政治責任を問われる重大な事態を引き起こしながら、この期に及んでも、社会保障のために使われるべき消費税で病床削減を進めていくと言っているのである。ようするに、何ら反省をしていないのだ》。

   『●憲法の日に違憲に壊憲したいと言う…松元ヒロさん「私たちがこう言えば
       いいじゃないですか。『憲法に合わなかったら、政府を”変える“』」
   『●《「国家」の構成要素のうち、統治機構の安泰しか頭にない人々に
       「安全保障」を、いわんや国民の命の選別を論ずる資格などない》
    「《ただでさえ「尊厳死」の名のもとに、医療費削減を目的とする
     死なせる医療”が正当化されつつある時代》…以前も引用したが、
     「病床のダウンサイジング」」

   『●「〝安楽〟な訳がない。死ぬんだから、殺すんだから。やる方も
          やられる方も〝安楽〟な訳がない」…〝尊厳死〟も死語
    「《ただでさえ「尊厳死」の名のもとに、医療費削減を目的とする
     死なせる医療”が正当化されつつある時代》…以前も引用したが、
     「病床のダウンサイジング」。リテラの記事【安倍首相がコロナ医療
     危機を無視し「病院のベッド数削減」政策の維持を宣言! しかも削減
     するため予算644億円を投入】…によると、《そもそも安倍政権は、
     医療費削減を狙った「地域医療構想」を掲げ、その実現のためとして
     「病床のダウンサイジング」を打ち出した。これはその名の通り、
     入院ベッド数を減らすことで医療費を削減しようというものなのだが、
     さらに政府は昨年9月に「再編統合の議論が必要」だとする全国424の
     公立・公的病院を名指ししたリストを公表。名指しした病院がある
     都道府県に2020年9月までに統廃合の結論を出せと迫り、一方、
     統廃合や病床削減をおこなう病院には全額国費で補助金を出すとし、
     このために2020年度予算で84億円を計上。これらの施策により、
     2025年度までに全国の急性期病床を約20万床減らすという》。
      自公は、アタマ大丈夫か? 地域の医療の統合・効率化という名の
     「病床のダウンサイジング」、そこに税金。しかも、COVID19人災の今、
     それを議論する? 《そもそも医療資源をあえて貧しくしたのは政府》。
     《非常時だからと容認すれば、それはコロナ終息後も決定的な身分制度
     として定着していくだろう》という斎藤さんの予言」。

   『●《ああ、すべては東京五輪のために。…国威発揚と利権漁りの国策
     サーカスが、人間の生活にも生命にも優先されるのが、現在のこの国だ》
   『●中小零細事業も潰し、《死なせる医療》も正当化し、超監視社会へも
      誤誘導…何処まで冷酷陰湿強権な利権漁りカースーオジサンなのか?

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https://lite-ra.com/2021/03/post-5819.html

菅政権がコロナ病床確保を打ち出すも裏で「病床の削減」続行! 新年度予算でも消費税195億円使いベッド減らした病院に給付金
2021.03.09 09:02

     (3月4日参院予算委員会で答弁する菅首相
      (参院インターネット審議中継より))

 首都圏を中心に病床使用率がステージ3の指標を超えつづけ、病床の逼迫が解消されないなか、厚労省が病床確保計画を見直す方針を打ち出した。本日付の朝日新聞によると、〈第3波のピークの2倍程度の感染者数に対応できる体制をめざす〉という。

 何をいまごろ、という話だろう。大手マスコミの話題はすっかり緊急事態宣言解除に移っているが、あらためて問い直すべきは、医療崩壊を招いた菅政権の責任についてであることは論を俟たない。忘れようもないが、菅義偉首相は医療提供体制の脆弱さを指摘されながらも何の対応もとらずに「GoTo」を推進し、病床確保のためにコロナ患者受け入れ病院への緊急支援策を打ち出したのは暮れも押し迫った昨年12月25日になってのこと。結果、入院すべき患者が入院できず、治療も受けられないまま自宅で死亡するケースが相次いだ

 菅政権の不作為によって数多くの救えたかもしれない命が見捨てられてしまったことを考えれば、「第3波のピークの2倍程度の感染者数に対応する」という方針は1波のあとにおこなうべき対策であって、あまりに遅すぎる

 だが、問題は後手後手であることだけではない。いまもっとも大きな問題は、菅政権が病床確保を打ち出す一方で、それとは真逆の「病床削減」を進めようとしていることだ。

 本サイトでは昨年末にもいち早く報じたが、現在、参院で審議されている新年度予算案では、病床削減のために195億円もの巨額が計上されているのである。

 しかも、その病床削減のための財源は消費増税分で賄われるというのだ。

 そもそも、政府は医療費削減を狙った「地域医療構想」の実現のため、2019年9月に「再編統合の議論が必要」だとする全国400以上の公立・公的病院を名指ししたリストを公表。一方、統廃合や病床削減をおこなう病院には全額国費で補助金を出すとし、2020年度予算で84億円を計上していた。これらの施策により、2018年度には全国で計72.9万床だった高度急性期と急性期の病床を、2025年度までに計53.2万床万床まで減らすという。つまり、20万床も削減させるというのだ。

 しかし、こうした計画が進められるなかで、新型コロナという感染症の脅威がこの国を襲った。問題のリストでは、名指しした約440の病院がある都道府県に2020年9月までに統廃合の結論を出せと要求していたが、じつは政府が統廃合を要求した約440の病院のうち、53施設(106床)は国や自治体が認定する感染症指定医療機関であり、119施設がコロナ患者を受け入れてきた。とりわけ、これらの高度急性期の病床はコロナの重症患者を受け入れてきた。まさにコロナ患者治療の最前線となっているのだ

 にもかかわらず、菅政権はこの地域医療構想」を白紙にするどころか3波の最中にも推進させようとした。西村康稔・経済再生担当相が「勝負の3週間」を打ち出した昨年11月25日の翌日26日、なんと厚労省は、病院の病床の数を削減すると給付金を支給する病床削減支援給付金の実施を全国の知事宛てで通知をおこなっていたのである。


■コロナ真っ最中の病床削減政策に知事らからも批判の声「ナンセンス」「地域医療崩壊を加速」

 新規感染者の急激な増加や医療提供体制の逼迫が叫ばれていたなかで、むしろ「病床を削減したら給付金を出す」と迫る──。まったく正気の沙汰とは思えないが、政府の愚行はこれだけに終わらなかった。

 厚労省の新年度予算案をみると、「地域医療構想の実現を図るための病床機能再編支援」と題し、〈自主的な病床削減や病院の統合による病床廃止に取り組む際の財政支援を実施する〉と説明。さらに、消費税をこの財源にすべく、法改正をおこなうという。こうして、病床削減政策に全額国費負担で195億円を計上しているのである。

 昨年度に84億円も計上したこともさることながら、新型コロナの感染拡大によって病床不足が深刻化したというのに、2021年度予算ではさらにこれを約100億円も上回る予算を付ける。しかも、その財源は消費税──。増税時、政府は「増収分はすべて社会保障財源に充てる」と説明していたが、このコロナ禍で、よりにもよって医療サービスを削減するために消費税を使うとは、まさしく常軌を逸した政策としか言いようがない。

 当然、こうした信じがたい政府の方針には自治体の首長らからも批判が起こっている。

 たとえば、昨年12月25日におこなわれた厚労省の社会保障審議会医療部会では、全国知事会の新型コロナ緊急対策本部長代行で、コロナ対応の評価も高い平井伸治・鳥取県知事が「今、年末年始に向けて病床の確保をしようと一生懸命なわけであります。その病床の確保をしようとしている相手方の病院の皆様に、再編整理の話を持ちかける、あるいは調整するなどということは全くナンセンスであります」と指摘。久喜邦康・埼玉県秩父市長も「私ども市長会のほうとしても地域医療崩壊を加速させるおそれがあるのではないかということで大変懸念しております」と危機感を表明している。

 さらに、2月22日に日本記者クラブで会見をおこなった全国知事会長の飯泉嘉門・徳島県知事も、はっきりとこう述べている。

もし、これ(再編統合)をやっていたら、今回のコロナとの闘いで、日本は確実に敗れていた

 だが、ここまで大きな批判が起こっているというのに、菅政権はいまだに公立・公的病院の統廃合、病床削減を推進するというのである。


■田村憲久厚労相は病床削減計画を「見直す必要ない」 保健所統廃合の「二の舞」は確実なのに

 実際、この問題について追及を受けた3月4日の参院予算委員会で、田村憲久厚労相は地域医療構想の病床削減計画について見直す必要はないと明言。さらに、菅首相も「厚生労働省の田村厚労大臣のもとで、地方自治体と医師会とも連携しながら、地方医療制度というのは考えていく」と答弁し、撤回しようとしなかったのだ。

 指摘するまでもないが、一度減らしたものを増やすのには時間がかかる。現に、新型コロナの発生によってその役割の重要性が再認識された保健所も、90年代の行政改革のなかで「地域保健法」を施行し保健所が統廃合された結果、1992年には全国852カ所あったのが2020年4月には469カ所と約半分にまでなった(「住民と自治」 2020年10月号)。田村厚労相は「保健師については2年間で1.5倍にする」などと言っているが、危機が起こってから対応していては遅いのだ。

 しかも、菅首相は自分の無為無策によって病床不足が起こり、救えたかもしれない命を救えなかったという政治責任を問われる重大な事態を引き起こしながら、この期に及んでも、社会保障のために使われるべき消費税で病床削減を進めていくと言っているのである。ようするに、何ら反省をしていないのだ

 今後、コロナに終わらず新たな感染症が流行することも懸念されているなかで、195億円もの予算をかけて公的病院の統廃合、病床削減を推し進めるなど、もってのほかのあるまじき政策であり、これを押し進めることで、今度こそ「闘いに確実に敗れる」ことになるだろう。

(編集部)
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●中小零細事業も潰し、《死なせる医療》も正当化し、超監視社会へも誤誘導…何処まで冷酷陰湿強権な利権漁りカースーオジサンなのか?

2021年01月18日 00時00分50秒 | Weblog

[※《自助》大好きオジサン・元最低の官房長官と学商 (日刊ゲンダイ 2020年9月7日)↑]


(2020年12月29日[火])
日刊ゲンダイのコラム【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/もっと恐れよう 菅政権の正体はおぞましい「3つの支配欲」】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/283011)。
リテラの記事【菅政権が医療逼迫するなか195億円かけて「病床削減」する狂気の沙汰! コロナ治療最前線の公立病院リストラ政策も続行】(https://lite-ra.com/2020/12/post-5738.html)。

 《ひとつは新型コロナ禍を利用して利権を貪りたい銭ゲバ欲。次にコロナ禍に乗じて中小零細事業の淘汰を進め、市場を巨大資本に独占させたい新自由主義の暴力。そしてコロナで人々の恐怖を煽り、監視社会の完成を容易にしたい、人間支配へのリビドーだ》。
 《新型コロナの感染拡大によって病床が逼迫し、医療団体が合同で「医療の緊急事態」を宣言するほどにまで追い詰められている最中、信じられないような事実が判明した。西村康稔・経済再生担当相が「勝負の3週間」を打ち出した11月25日の翌日26日、なんと厚労省が、病院の病床の数を削減すると給付金を支給する「病床削減支援給付金」の実施を全国の知事宛てで通知をおこなっていたのだ》

   『●「〝安楽〟な訳がない。死ぬんだから、殺すんだから。やる方も
          やられる方も〝安楽〟な訳がない」…〝尊厳死〟も死語
    「《ただでさえ「尊厳死」の名のもとに、医療費削減を目的とする
     “死なせる医療”が正当化されつつある時代》…以前も引用したが、
     「病床のダウンサイジング」。リテラの記事【安倍首相がコロナ医療
     危機を無視し「病院のベッド数削減」政策の維持を宣言! しかも削減
     するため予算644億円を投入】…によると、《そもそも安倍政権は、
     医療費削減を狙った「地域医療構想」を掲げ、その実現のためとして
     「病床のダウンサイジング」を打ち出した。これはその名の通り、
     入院ベッド数を減らすことで医療費を削減しようというものなのだが、
     さらに政府は昨年9月に「再編統合の議論が必要」だとする全国424の
     公立・公的病院を名指ししたリストを公表。名指しした病院がある
     都道府県に2020年9月までに統廃合の結論を出せと迫り、一方、
     統廃合や病床削減をおこなう病院には全額国費で補助金を出すとし、
     このために2020年度予算で84億円を計上。これらの施策により、
     2025年度までに全国の急性期病床を約20万床減らすという》。
      自公は、アタマ大丈夫か? 地域の医療の統合・効率化という名の
     「病床のダウンサイジング」、そこに税金。しかも、COVID19人災の今、
     それを議論する? 《そもそも医療資源をあえて貧しくしたのは政府》。
     《非常時だからと容認すれば、それはコロナ終息後も決定的な身分制度
     として定着していくだろう》という斎藤さんの予言」。

   『●《ああ、すべては東京五輪のために。…国威発揚と利権漁りの国策
     サーカスが、人間の生活にも生命にも優先されるのが、現在のこの国だ》

 中小企業も潰し、《“死なせる医療”》も正当化し、超監視社会へも誤誘導…何処まで冷酷陰湿強権な利権漁りカースーオジサンなのか? なぜ、自公お維を支持できるのか、理解に苦しむ。

 利権漁りオジサンらは、未だに、金(カネ)色の五つの輪に御執心だ。このCOVID19禍の最中、絶望的に暢気だねぇ…。さっさと中止を! 斎藤貴男さん、《ああ、すべては東京五輪のために。…国威発揚と利権漁りの国策サーカスが、人間の生活にも生命にも優先されるのが、現在のこの国だ》。
 リテラの記事【専門家や組織委理事が「五輪は無理」…それでも菅首相は開催強行、医療逼迫を無視して1万人の医師・看護師を無償で五輪に動員】(https://lite-ra.com/2020/12/1-2.html)によると、《実際、分科会の尾身茂会長も「週刊文春」(2020年12月31日・1月17日合併号)の池上彰との対談で、池上から「今のままではオリンピックを開催できないということですね」と聞かれて、「最終的に来年の春には、政府は決断しなければなりません」と否定しなかった》。
 COVID19か解決しているとはとても思えないが、《開催強行、医療逼迫を無視して1万人の医師・看護師を無償で五輪に動員》というのはとても正気とは思えない。今でさへ、検査検査検査…・追跡・保護に非積極的…「人類が新型ウイルスに打ち勝った証し」「コロナ克服五輪」として開催など幻想。こんなCOVID19対策後進国に、選手を派遣しようという国があるはずもない。
 どのような社会を創造していくかのビジョンは無く、一方で、《政局的にはいろいろあっても、支配層が志向する国家ビジョンに大差はない》。斎藤さんの言うとおり、《もっと恐れよう。支配されない自由を勝ち取ろう》。

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/283011

斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。

二極化・格差社会の真相
もっと恐れよう 菅政権の正体はおぞましい「3つの支配欲」
公開日:2020/12/23 06:00 更新日:2020/12/23 06:00
今だけ無料

     (経済対策にデジタル1兆円(C)共同通信社)

 朝日新聞が今月19、20の両日に実施した全国世論調査によると、菅義偉政権の支持率は39%。前回11月の調査時より17ポイントも急落した。わずか3カ月前の発足時は65%だったことが嘘のような不人気ぶりである。

 なぜか。

 私見だが、菅政権とは3つのベクトルによって構成されているように思う。ひとつは新型コロナ禍を利用して利権を貪りたい銭ゲバ欲。次にコロナ禍に乗じて中小零細事業の淘汰を進め、市場を巨大資本に独占させたい新自由主義の暴力。そしてコロナで人々の恐怖を煽り、監視社会の完成を容易にしたい、人間支配へのリビドーだ

 Go Toと自粛要請が“共存”する愚劣さの正体感染症の災厄を己の損得ずくに利用することだけが大切で、人間の生命ごときは道具でしかない現実が見透かされて、無残な支持率がある。

 安倍晋三前政権も仮想敵をこしらえては利用した。よく使われたのが北朝鮮や韓国で、早い話が差別なので余計に卑劣だが、明治150年の近代化とともに“育まれた”白人コンプレックスと表裏一体の優越意識が、反発するのに必要な人権感覚を上回ってしまっていた。

 安倍氏の悲願は大日本帝国の“夢”よもう一度、だった。戦争というものの意味が、しかしバーチャル化されきった現代の日本では理解されにくい。

 一方で、戦争よりも、ただ“支配したい”人なのが菅氏である。人事権のダンビラを振り回して恥じない独善が証左だが、支配されることの恐ろしさは、大方にもさすがに伝わってきたらしい。

 それでも、なお4割近い支持率とは。警戒はまだまだ足りない。

 菅政権は2023年3月までに、ほぼ全住民に“マイナンバー”カードを保有させたい意向だ。健康保険証や免許証などとの連動、一体化が進められているのはそのためで、今後は民間の利用にも開放されていく。

 平井卓也デジタル改革担当相は「有効に使えることが増えたら、自然と(カードを)たなければ生きていけない世界になる」と発言している(東京新聞11月22日付朝刊など)。スマホの類いと同じで、要は事実上の携帯義務化だ。かくて個々人の全行動が政府と巨大資本に監視され、操られていくシステムが敷き詰められれば、それは戦時体制の整備にも通じる。政局的にはいろいろあっても、支配層が志向する国家ビジョンに大差はない

 もっと恐れよう。支配されない自由を勝ち取ろう。
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https://lite-ra.com/2020/12/post-5738.html

菅政権が医療逼迫するなか195億円かけて「病床削減」する狂気の沙汰! コロナ治療最前線の公立病院リストラ政策も続行
2020.12.24 02:10

     (政府インターネットTVより)

 新型コロナの感染拡大によって病床が逼迫し、医療団体が合同で「医療の緊急事態」を宣言するほどにまで追い詰められている最中、信じられないような事実が判明した。

 西村康稔・経済再生担当相が「勝負の3週間」を打ち出した11月25日の翌日26日、なんと厚労省が、病院の病床の数を削減すると給付金を支給する「病床削減支援給付金」の実施を全国の知事宛てで通知をおこなっていたのだ。

 この病床削減の支援給付金は、医療費削減を狙った「地域医療構想」の実現のためのもので、昨年9月には「再編統合の議論が必要」だとする全国400以上の公立・公的病院を名指ししたリストを公表。一方、統廃合病床削減をおこなう病院には全額国費で補助金を出すとし、2020年度予算で84億円を計上していた。これらの施策により、2025年度までに全国の急性期病床を約20万床減らすという。

 だが、周知の通り、新型コロナの感染拡大によって病床不足が深刻化いざというときのために病床を余裕あるかたちで確保しておくことがいかに重要であるかが浮き彫りとなったのは言うまでもない。

 にもかかわらず、厚労省は新規感染者の急激な増加や医療提供体制の逼迫が叫ばれていたなかで、むしろ「病床を削減したら給付金を出す」と通知をおこなっていたのである。

 しかも、その通知によると、病床の稼働率が高ければ高いほど支払われる給付金が高く、たとえばベッドが90%以上稼働している場合では1病床当たり228万円。つまり、稼働率が100%に近くなるよう病床を減らせと迫っているのだ。

 この正気の沙汰とは思えない通知を厚労省がおこなっていた問題について、昨日23日の衆院国交委員会の閉会中審査で日本共産党の高橋千鶴子衆院議員が追及。しかし、厚労省の間隆一郎・大臣官房審議官は「これは我々が強制しているものではなく、地域でそういうことをやっていこうという合意のあった病床機能の再編をする、個別の事業を支援するもの」「募集したところ、現時点で全都道府県の7割を超えるところからご要望をいただいている」などと主張したのだ。

 これに対し、高橋議員は「そういうやり方で(病床削減を)誘導しているのが問題だと言っているんです。これだけ医療機関が悲鳴をあげているときにやることじゃない」と指摘したが、まさにそのとおり。病院団体の合同アンケートによるとコロナ禍で病院の半数以上が赤字経営に陥っており、いま必要なのは新型コロナ治療の最前線である病院を守るための減収補填や医療機関・従事者への追加支援であることは火を見るより明らかだ

 だが、むしろ緊迫した状況とは逆行するように、菅政権は病床削減を実行しようとしているのである。

 しかし、問題はこれだけではない。21日に閣議決定された来年度の予算案では、病床削減のためにさらに195億円もの巨額が計上されているからだ。


■コロナ感染拡大で医療が逼迫するなか、病床削減に195億円もの予算!

 厚労省の予算案をみると、「地域医療構想の実現を図るための病床機能再編支援」と題し、〈自主的な病床削減や病院の統合による病床廃止に取り組む際の財政支援を実施する〉と説明。さらに、消費税をこの財源にすべく、法改正をおこなうという。こうして、病床削減政策に全額国費負担で195億円を計上しているのである。

 前述したとおり、2020年度予算では病床削減のために84億円もの巨額が注ぎ込まれたが、来年度の2021年度予算ではさらにこれを約100億円も上回る予算を付ける──。まさしく常軌を逸した政策ではないか。

 しかも、先に触れたように、政府は昨年9月に「再編統合の議論が必要」だとする全国の公立・公的病院を名指ししたリストを公表し、名指しした約440の病院がある都道府県に2020年9月までに統廃合の結論を出せと要求していたが、じつは政府が統廃合を要求した約440の病院のうち、53施設(106床)は国や自治体が認定する感染症指定医療機関であり、119施設がコロナ患者を受け入れてきた。つまり、まさにコロナ患者治療の最前線となっているのである。

 だが、政府はこの統廃合を迫る検証期限を延期したものの、いまだに「リストの白紙撤回」をおこなっていない。実際、11月17日におこなわれた参院厚労委員会で共産党の倉林明子参院議員が「コロナを経験した今、検討のたたき台とすること自体が不適切」と追及したが、田村憲久厚労相はリストの白紙撤回を明言しなかったのだ。

 新型コロナによってこの国の医療提供体制の脆弱化が露呈し、いままさに危機に陥っているというのに、コロナ治療で中心的役割を担っている公立・公的病院の統廃合を目論み、病床削減に195億円もの予算を計上する……。安倍政権でも医療費抑制が進められてきたが、菅義偉首相はコロナ禍でさらにそれを推進させようというのだ。これだけ医療機関から悲鳴があがっているにもかかわらず、である。

 尋常ではないこの政権に、国民は殺されにかかっているということを、多くの国民がいまこそ気づかなくてはならないだろう。

(編集部)
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●「〝安楽〟な訳がない。死ぬんだから、殺すんだから。やる方もやられる方も〝安楽〟な訳がない」…〝尊厳死〟も死語

2020年08月30日 00時00分39秒 | Weblog

斎藤貴男著『決定版 消費税のカラクリ』(ちくま文庫) 筑摩書房↑]



ビデオニュースドットコムの記事【死は自分で選ぶことができるものなのか 橳島次郎氏(生命倫理政策研究会共同代表) マル激トーク・オン・ディマンド 第1011回(2020年8月22日)】(http://www.videonews.com/marugeki-talk/1011/)。

 《安楽死(euthanasia)という言葉は欧米ではナチスを連想させる言葉とされ、本人にとっての「安楽」を意味するものとはされていない尊厳死(death with dignity)についても、医療費を抑制する必要性から入院期間が短縮され、有効でないとされる医療行為が行われなくなっている現状では、「医療措置の中止」という言い方のほうが適当ではないかと橳島氏は語る》。

   『●リテラ《弱肉強食の新自由主義政策と安倍政権下でエスカレートする
     差別主義が合体した結果、起きた…「安楽死」の名を借りた殺人事件》
    「新自由主義イデオロギーと自己責任論。相模原事件からさへも、
     何も変わらないニッポン社会。2016年のリテラの記事
     【障がい者抹殺思想は相模原事件の容疑者だけじゃない! 石原慎太郎も
     「安楽死」発言、ネットでは「障がい者不要論」が跋扈】…《容疑者の
     “弱者を排除すべし”という主張は現在の日本社会において決して
     特殊なものではない。…教育行政にかかわる人物が公然と
     「金のかかる障がい児は産むべきではない」という見解を開陳する
     などおぞましいが、それを容認してしまう空気がいまの日本社会には
     ある石原慎太郎は、都知事に就任したばかりの1999年9月に
     障がい者施設を訪れ、こんな発言をした。…絶望的な気持ちに
     させられる事態》。…こういった「世界観」や「個人・民族間の平等,
     民主主義,議会主義,人道主義,国際平和否認」する深層心理は
     アベ様ら多くの自公議員や癒着党の議員に共通するもの。
     《「安楽死」や「尊厳死」と呼べるようなものではなく、容疑者たちの
     グロテスクな優生思想に基づいた命の選別にほかならない。いまの
     日本社会にはこうした容疑者たちとそっくりな主張をしている連中が
     ほかにも多数いる》。そしてまたしても石原慎太郎元「ト」知事の
     暴言ツイート《業病》。一方、舩後靖彦参院議員議員の貴重な
     メッセージ…《「死ぬ権利よりも生きる権利を守る社会に
     と訴えた。事件を安楽死の議論に結び付けるよりは、難病の人や高齢者が
     生きやすくする社会をどう構築するかを考える手掛かりとしたい》」

 橳島次郎氏の言葉「〝安楽〟な訳がない。死ぬんだから、殺すんだから。やる方もやられる方も〝安楽〟な訳がない」…〝尊厳死〟も死語。一方で、この件は、そもそも、「安楽死」の名を借りた殺人事件。《福生病院のマッドドクター》の件も含めて。

 神保哲生さんのビデオニュースドットコムのこの記事を見て、斎藤貴男さんの以前からの主張を思い出した。

   『●悍ましき《大増税か安楽死の推進か…「尊厳死」の議論の
     本質が、社会保障費の削減に他ならない》(斎藤貴男さん)
    《消費税がまた増税された。大義名分だった“社会保障の充実”など
     真っ赤な嘘。政府は今後も社会的弱者を片っ端から切り捨て、
     滅ぼしていく。では先々はどうか。私見だが、ごく近い将来、
     私たちは消費税のさらなる大増税か、安楽死の推進かの二択を迫られよう
    「《尊厳死の議論の本質が、社会保障費の削減に他ならない》。
     《その真意…。下々の病人など皆殺しにしてしまえば、権力と
     巨大資本に守られた層だけは財政の不安に苛まれることもなく、
     存分に長寿を堪能できるという筋書き》。悍ましくて吐き気がする」

   『●斎藤貴男さん《こうまでわかりやすく、アホらし過ぎる現実を
         突き付けられて、それでも騒然とならない日本社会…》
   『●斎藤貴男さん《片や、アリの這い出る隙もない監視社会で、生産性と
     消費の虜としてのみ生かされる私たち。一方では道義心のかけらもなく…》
   『●《新型コロナウイルス禍の対応に尽力している政府は絶対の正義で、
     社会防衛の前には人一人の命ごとき取るに足らないとでも言いたげ…》
    「【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/非常時だからこそ問われる
     政権の正統性と為政者の人間性】」

   『●《「国家」の構成要素のうち、統治機構の安泰しか頭にない人々に
     「安全保障」を、いわんや国民の命の選別を論ずる資格などない》
    「【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/新型コロナ「トリアージの基準」
     を安倍政権に任せる危うさ】…。《統一的な“ルール”を政府は
     もちろん、救命の現場以外の権威に委ねることは危険だ。医師には
     酷な話だが、ただでさえ「尊厳死」の名のもとに、医療費削減を
     目的とする死なせる医療が正当化されつつある時代。非常時だから
     と容認すれば、それはコロナ終息後も決定的な身分制度として
     定着していくだろう》」

 以下は、以前のブログからのコピペ。
 《明らかに政府が無能》…《新型コロナ「トリアージの基準」を安倍政権に任せる》訳にはいかない。消費税増税に関しての斎藤貴男さんの以前の指摘…《尊厳死の議論の本質が、社会保障費の削減に他ならない》、《その真意…。下々の病人など皆殺しにしてしまえば、権力と巨大資本に守られた層だけは財政の不安に苛まれることもなく、存分に長寿を堪能できるという筋書き》。
 《ただでさえ尊厳死」の名のもとに医療費削減を目的とする死なせる医療”が正当化されつつある時代》…以前も引用したが、「病床のダウンサイジング」。リテラの記事【安倍首相がコロナ医療危機を無視し「病院のベッド数削減」政策の維持を宣言! しかも削減するため予算644億円を投入】(https://lite-ra.com/2020/04/post-5401.html)によると、《そもそも安倍政権は、医療費削減を狙った「地域医療構想」を掲げ、その実現のためとして「病床のダウンサイジング」を打ち出した。これはその名の通り、入院ベッド数を減らすことで医療費を削減しようというものなのだが、さらに政府は昨年9月に「再編統合の議論が必要」だとする全国424の公立・公的病院を名指ししたリストを公表。名指しした病院がある都道府県に2020年9月までに統廃合の結論を出せと迫り、一方、統廃合や病床削減をおこなう病院には全額国費で補助金を出すとし、このために2020年度予算で84億円を計上。これらの施策により、2025年度までに全国の急性期病床を約20万床減らすという》。
 自公は、アタマ大丈夫か? 地域の医療の統合・効率化という名の「病床のダウンサイジング」、そこに税金。しかも、COVID19人災の今、それを議論する? 《そもそも医療資源をあえて貧しくしたのは政府》。《非常時だからと容認すれば、それはコロナ終息後も決定的な身分制度として定着していくだろう》という斎藤さんの予言。

   『●痴れ者(しれもの)=「常軌を逸した愚か者」な
     ウルトラ差別主義者は未だに副総理・財務相…誰が支持?
    《麻生氏の病人差別、社会的弱者に対する罵詈雑言は数限りない
     曽野綾子や長谷川豊、古市憲寿、落合陽一各氏らの同類も
     少なくないが、あろうことか権力者でさえある麻生氏は誰よりも
     罪深い。…福生病院のマッドドクターたちは、麻生氏に
     エンカレッジされ、あるいは尻を叩かれた思いで、殺人に手を染めた
     のではないのか。家柄だけの痴れ者を高い地位に就け続けておくから、
     こういうことが起こる。殺人を教唆してやまない政権など、
     一刻も早く解体しなければならない。当たり前だ

   『●(政界地獄耳)《麻生に一貫して流れているスピリッツは
       弱者をさげすみ、バカにする体質》…選んだ人々の責任
    《★「食いたいだけ食って飲みたいだけ飲んで糖尿病になって
     病院入っている奴の医療費を払っている」と日常的に言い続けている。》

   『●〈猛省と自重の決意の証…議員在職中において公私一切酒を
           口に致しません〉…飲酒で片づけられる暴言か?
    《というか、そもそも松井一郎代表じたいが、今年4月の
     大阪W選挙でネトウヨサイトのデマをリツイートして拡散する
     ような政治家だ。「透析患者は殺せ」の長谷川豊氏を
     2017年総選挙に続き今年の参院選と国政選挙に擁立している
     という“実績”も忘れてはならない》

 《この国の政府は信用に値しないからだ。彼らはつい最近まで、症状のある人の相談センターへのハードルを極端に高く設定していた。ようやく連絡が取れても検査もしてもらえず放置され、死に至ったケースが珍しくもない》。
 斎藤貴男さんの結論、《「国家」の構成要素のうち、統治機構の安泰しか頭にない人々に「安全保障」を、いわんや国民の命の選別を論ずる資格などない》。

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http://www.videonews.com/marugeki-talk/1011/


【【ダイジェスト】橳島次郎氏:死は自分で選ぶことができるものなのか】
 (https://youtu.be/S9k-5GxRows

2020年8月22日
死は自分で選ぶことができるものなのか
ゲスト 橳島次郎氏(生命倫理政策研究会共同代表)
番組名 マル激トーク・オン・ディマンド 第1011回(2020年8月22日)

 ALS(筋委縮性側索硬化症)で闘病中の京都の女性を「安楽死」させたとして、二人の医師が嘱託殺人容疑で7月23日に逮捕され、先週起訴された。

 本人から依頼されたとはいえ、主治医でもなかった二人の医師が、終末期ともいえない段階で女性を死に至らしめた行為が、医師として重大な倫理的問題を孕んでいることは言うまでもない。その意味では、この事件を端緒に安楽死や尊厳死の議論をすることは必ずしも適当ではないのかもしれない。

 しかし、とは言え、女性が死を望む気持ちに対して周囲がどのように対応していたのかや、女性と二人の医師との間でどのようなやりとりがあったかなどが、今後の裁判の過程で明らかになるにつれ、尊厳死や安楽死を巡る論争に火が付くことは避けられないだろう。ならばこの問題について基本的な論点は押さえておく必要がある。

 死を免れない病気や耐え難い苦痛のなかで、死を望む患者やその家族と医療現場との葛藤は、これまでもいくつも事件が起き、そのたびに安楽死や尊厳死のあり方が議論されてきた。海外でも同様の事件は繰り返し起きており、国によってさまざまな法整備が進められてきたが、日本ではまだ明確な基準やルールが確立されるまでには至っていない。

 生命倫理の立場から生と死の問題について研究を続け、海外の状況にも詳しい生命倫理政策研究会共同代表の橳島次郎氏は、「安楽死」や「尊厳死」といった言葉には使う人やその文脈によって特定の価値観や時代状況が潜り込みやすいので、現時点では安直に使わない方がいいのではないかと指摘する。

 安楽死(euthanasia)という言葉は欧米ではナチスを連想させる言葉とされ、本人にとっての「安楽」を意味するものとはされていない尊厳死(death with dignity)についても、医療費を抑制する必要性から入院期間が短縮され、有効でないとされる医療行為が行われなくなっている現状では、「医療措置の中止」という言い方のほうが適当ではないかと橳島氏は語る。

 安楽死が認められている国として知られるオランダでも、正式には「要請による生命の終結および自死の援助審査法」という法律によって、事前の審査や事後のチェック体制が細かく法律で定められており、一つ一つの事例が詳細に検討された上で実行されている。また「安楽死」を行うことができるのは長年患者とのつきあいがあるかかりつけ医のみで、それとて医師本人が拒否することができるようになっている。一方、医療措置の中止については、通常の医療行為の範囲内で認められており、特に法律は作られていない。そうした基準はいずれもこれまで様々な議論を経て、現在に至っているものだと橳島氏は言う。

 橳島氏はまた、生命の終結にいたる医療行為を、医療措置の中止または不開始という段階から、医師による致死薬の投与まできちんと区分けしたうえで議論することが重要だと指摘する。そして、法整備などという前に、まず医療措置中止について医学界の総意による容認と社会的合意を形成すべきだと語る。

 そもそも、死の自己決定とは何を指すのか。死を望むのは個人の自由かもしれないが、実際の死は自分一人のものではなく、家族や友人、医療者、ケアスタッフなど周囲の人々に大きく影響を与えるもので、そうした人々との関係性の中で考えられるべきものだ。尊厳死や安楽死といった言葉のイメージだけで安易な結論に逃げ込むのではなく、海外の事例も含めた現場の現実を直視した上で、真摯な議論を積み上げていくことが求められる。

 自ら望む死をどう考えたらよいのか。30年にわたって生命倫理の専門家として発言を続けてきた橳島氏と、社会学者の宮台真司、ジャーナリストの迫田朋子が議論した。


橳島次郎(ぬでしま じろう)
生命倫理政策研究会共同代表
1960年神奈川県生まれ。83年東京大学文学部卒業。88年東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。三菱化学生命科学研究所主任研究員などを経て2010年より現職。著書に『これからの死に方』、『先端医療と向き合う』など。(ぬでは木へんに勝)
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●金子勝さん《コロナ対応で失敗続きの小池…東京が感染のエピセンター(震源地)と化してしまうのではないか》? 「ト」政によって既に…

2020年07月04日 00時00分24秒 | Weblog

[※サンデーモーニング(2017年10月1日)(三「ト」物語)↑]



日刊ゲンダイのコラム【金子勝の「天下の逆襲」/東京知事選の最中に東京が感染のエピセンター化するリスク】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/275313)。

 《コロナ対応で失敗続きの小池は、都知事選が終わるまで「第2波ではない」と言い続けるのだろうが、その間に東京が感染のエピセンター(震源地)と化してしまうのではないか》。

 《都知事選が終わるまで「第2波ではない」と言い続け》た小池百合子「ト」知事…。《小池は「自粛から自衛の局面だ都民に責任を押し付け。このままでは都民はウイルスで死ぬか、経済苦で死ぬかのジレンマに直面》、あぁぁ…。
 <それにつけてもアベ様の無能さよ>…小池百合子東京「ト」知事も同様だ。<それにつけても小池「ト」知事の無能さよ>。金子勝さんは、《東京が感染のエピセンター(震源地)と化してしまうのではないか》?、と仰っているが、小池「ト」政のおかげで、もう既に…《震源地》と化している。
 その根っ子は、壊憲な新自由主義に由来する医療費削減自己責任論だ。しかも、アベ様のネポティズム、《クローニー(縁故)資本主義》な腐敗した政権。COVID19人災《アンダーコントロール》演出のための検査数抑制へとつながり、さらには、《火事場泥棒によるピンハネで日本は滅びてしまう》。

   『●国会からトンズラ総理・アベ様の縁故資本主義およびCOVID19
     無能無為無策…《火事場泥棒によるピンハネで日本は滅びてしまう》

 【世の中ラボ 斎藤美奈子/【第122回】コロナ禍でわかった医療費削減のツケ】(http://www.webchikuma.jp/articles/-/2067)によると、《本田宏『「医療崩壊」のウソとホント』はやや古めの本だが、日本の医療の問題点がコンパクトにわかる点で便利である。…医師不足による入院診療の閉鎖は首都圏各地で起き、2008年に千葉県銚子市の銚子市立総合病院の閉鎖(10年に銚子市立病院として再開)は大きな衝撃を与えた。〈病院崩壊の例は氷山の一角に過ぎません。首都圏は、山手線の内部など一部を除き、どこも似たような状況です。このままでは、東京のベッドタウンに広大な「無医村地区」ができてしまいます〉と上昌広『病院は東京から破綻する』は指摘する。…日本の医療崩壊は、もともとは高齢化社会の進行とセットで語られてきた。この種の本でよく出てくるのが「2025年問題」だ。団塊世代が75歳(後期高齢者年齢)を迎える2025年に日本の救急医療は決定的な危機に瀕するというのである。笹井恵里子『救急車が来なくなる日』もそうした観点から書かれた本で、救命救急センターがすでに70代、80代の高齢者でいっぱいの現状を紹介している》。
 《医療費削減》《病床のダウンサイジング》…アベ様の独裁政権も小池「ト」知事によるトンデモ「ト」政も、デタラメだらけではないか。

 再々度、リテラの記事【安倍首相がコロナ医療危機を無視し「病院のベッド数削減」政策の維持を宣言! しかも削減するため予算644億円を投入】(https://lite-ra.com/2020/04/post-5401.html)によると、《そもそも安倍政権は、医療費削減を狙った「地域医療構想」を掲げ、その実現のためとして「病床のダウンサイジング」を打ち出した。これはその名の通り、入院ベッド数を減らすことで医療費を削減しようというものなのだが、さらに政府は昨年9月に「再編統合の議論が必要」だとする全国424の公立・公的病院を名指ししたリストを公表。名指しした病院がある都道府県に2020年9月までに統廃合の結論を出せと迫り、一方、統廃合や病床削減をおこなう病院には全額国費で補助金を出すとし、このために2020年度予算で84億円を計上。これらの施策により、2025年度までに全国の急性期病床を約20万床減らすという》
 自公は、アタマ大丈夫か? 地域の医療の統合・効率化という名の「病床のダウンサイジング」、そこに税金。しかも、COVID19人災の今、それを議論する? そこにカネを使う?

   『●憲法の日に違憲に壊憲したいと言う…松元ヒロさん「私たちがこう言えば
      いいじゃないですか。『憲法に合わなかったら、政府を”変える“』」
   『●《「国家」の構成要素のうち、統治機構の安泰しか頭にない人々に
       「安全保障」を、いわんや国民の命の選別を論ずる資格などない》
    「《ただでさえ「尊厳死」の名のもとに、医療費削減を目的とする
     “死なせる医療”が正当化されつつある時代》…以前も引用したが、
     「病床のダウンサイジング」」

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/275313

金子勝 立教大学大学院特任教授
1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現職。慶応義塾大学名誉教授。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。新聞、雑誌、ネットメディアにも多数寄稿している。

金子勝の「天下の逆襲」
東京知事選の最中に東京が感染のエピセンター化するリスク
2020/07/01 06:00

     (都知事選が終わるまで「第2波ではない」
      と言い続けるのか(小池百合子都知事)/(C)日刊ゲンダイ)

 東京都内の新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかからない。新規感染者が50人以上で高止まりしている。「東京アラート」の発動指標は直近7日間平均の新規感染者数20人以上だったが、一度出してオシマイ。小池知事は都知事選への再選出馬を表明すると、休業の再要請の目安を50人に緩めた

 コロナ対応で失敗続きの小池は、都知事選が終わるまで「第2波ではない」と言い続けるのだろうが、その間に東京が感染のエピセンター震源地と化してしまうのではないか。

 厚労省は国立感染症研究所に新型コロナのゲノム分子疫学調査を委託しているが、東京発や埼玉発のウイルスが地方に拡散していることを隠蔽しているのではないか。日本モデルのプロパガンダを広めようとする安倍首相も、情報開示をしようとしない

 院内感染隠蔽されたままだ。埼玉の蕨市立病院、都内の武蔵野中央病院、関東労災病院では院内感染が大量発生。23区内の特別支援学校の教員も相次いで感染し、千葉では市川市内の小中学校で2人の感染が出た。このままでは学校がクラスターになりかねない。海外との往来解禁も懸念材料だ。この1カ月の空港検疫で約200人の陽性者が確認されているが、PCR検査だけでは感染者の8割しかつかめない。

 米疾病対策センター(CDC)の抗体検査で、米国内の新型コロナ感染者は2000万人を超えている可能性が判明。公式統計の10倍だ。東大先端科学技術研究センターの抗体検査でも、東京都の公表数値の18倍に当たる8万人超の感染可能性を示している。定期健康診断などを利用して職場ごと、学校ごとに全員の抗体検査を実施し、陰性者にPCR検査を重ねて無症状者をしっかり把握、その上で隔離と治療を行わなければダメだ

 ところが、小池は「自粛から自衛の局面だ都民に責任を押し付け。このままでは都民はウイルスで死ぬか、経済苦で死ぬかのジレンマに直面してしまう。都知事選候補者には抜本的な検査体制拡充とコロナ封じ対策を打ち出してもらいたい。

 最も期待できるのが元日弁連会長の宇都宮健児弁護士だ。全員の抗体検査と治療方針の確立を前面に打ち出してほしい。れいわ新選組の山本太郎代表の主要な訴えはカネのバラマキで、中央銀行を持たない地方自治体にMMT(現代貨幣理論)を適用するトンデモ論だ。都債15兆円を発行して一律10万円給付とか言っているが、そうなれば都は財政再建団体にまっしぐら。地方自治体に通貨発行権がないと批判されると、仮想通貨を持ち出すあたりを見ても、荒唐無稽で無責任すぎる。まるでカルトだ。
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●《「国家」の構成要素のうち、統治機構の安泰しか頭にない人々に「安全保障」を、いわんや国民の命の選別を論ずる資格などない》

2020年05月29日 00時00分59秒 | Weblog

[※ 『国民のしつけ方』(斎藤貴男著、インターナショナル新書010)…《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》↑]



日刊ゲンダインコラム【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/新型コロナ「トリアージの基準」を安倍政権に任せる危うさ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/273037)。

 《統一的な“ルール”を政府はもちろん、救命の現場以外の権威に委ねることは危険だ。医師には酷な話だが、ただでさえ「尊厳死」の名のもとに、医療費削減を目的とする死なせる医療が正当化されつつある時代。非常時だからと容認すれば、それはコロナ終息後も決定的な身分制度として定着していくだろう》。

   『●悍ましき《大増税か安楽死の推進か…「尊厳死」の議論の
     本質が、社会保障費の削減に他ならない》(斎藤貴男さん)
    《消費税がまた増税された。大義名分だった“社会保障の充実”など
     真っ赤な嘘。政府は今後も社会的弱者を片っ端から切り捨て、
     滅ぼしていく。では先々はどうか。私見だが、ごく近い将来、
     私たちは消費税のさらなる大増税か、安楽死の推進かの二択を迫られよう
    「《「尊厳死の議論の本質が、社会保障費の削減に他ならない》。
     《その真意…。下々の病人など皆殺しにしてしまえば、権力と
     巨大資本に守られた層だけは財政の不安に苛まれることもなく、
     存分に長寿を堪能できるという筋書き》。悍ましくて吐き気がする」

   『●斎藤貴男さん《こうまでわかりやすく、アホらし過ぎる現実を
         突き付けられて、それでも騒然とならない日本社会…》
   『●斎藤貴男さん《片や、アリの這い出る隙もない監視社会で、生産性と
     消費の虜としてのみ生かされる私たち。一方では道義心のかけらもなく…》
   『●《新型コロナウイルス禍の対応に尽力している政府は絶対の正義で、
     社会防衛の前には人一人の命ごとき取るに足らないとでも言いたげ…》
    「【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/非常時だからこそ問われる
     政権の正統性と為政者の人間性】」

 《明らかに政府が無能》…《新型コロナ「トリアージの基準」を安倍政権に任せる》訳にはいかない。消費税増税に関しての斎藤貴男さんさんの以前の指摘…《尊厳死の議論の本質が、社会保障費の削減に他ならない》、《その真意…。下々の病人など皆殺しにしてしまえば、権力と巨大資本に守られた層だけは財政の不安に苛まれることもなく、存分に長寿を堪能できるという筋書き》。
 《ただでさえ「尊厳死」の名のもとに、医療費削減を目的とする死なせる医療が正当化されつつある時代》…以前も引用したが、「病床のダウンサイジング」。リテラの記事【安倍首相がコロナ医療危機を無視し「病院のベッド数削減」政策の維持を宣言! しかも削減するため予算644億円を投入】(https://lite-ra.com/2020/04/post-5401.html)によると、《そもそも安倍政権は、医療費削減を狙った「地域医療構想」を掲げ、その実現のためとして「病床のダウンサイジング」を打ち出した。これはその名の通り、入院ベッド数を減らすことで医療費を削減しようというものなのだが、さらに政府は昨年9月に「再編統合の議論が必要」だとする全国424の公立・公的病院を名指ししたリストを公表。名指しした病院がある都道府県に2020年9月までに統廃合の結論を出せと迫り、一方、統廃合や病床削減をおこなう病院には全額国費で補助金を出すとし、このために2020年度予算で84億円を計上。これらの施策により、2025年度までに全国の急性期病床を約20万床減らすという》。
 自公は、アタマ大丈夫か? 地域の医療の統合・効率化という名の「病床のダウンサイジング」、そこに税金。しかも、COVID19人災の今、それを議論する? 《そもそも医療資源をあえて貧しくしたのは政府》。《非常時だからと容認すれば、それはコロナ終息後も決定的な身分制度として定着していくだろう》という斎藤さんの予言。

   『●痴れ者(しれもの)=「常軌を逸した愚か者」な
     ウルトラ差別主義者は未だに副総理・財務相…誰が支持?
    《麻生氏の病人差別、社会的弱者に対する罵詈雑言は数限りない
     曽野綾子や長谷川豊、古市憲寿、落合陽一各氏らの同類も
     少なくないが、あろうことか権力者でさえある麻生氏は誰よりも
     罪深い。…福生病院のマッドドクターたちは、麻生氏に
     エンカレッジされ、あるいは尻を叩かれた思いで、殺人に手を染めた
     のではないのか。家柄だけの痴れ者を高い地位に就け続けておくから、
     こういうことが起こる。殺人を教唆してやまない政権など、
     一刻も早く解体しなければならない。当たり前だ

   『●(政界地獄耳)《麻生に一貫して流れているスピリッツは
       弱者をさげすみ、バカにする体質》…選んだ人々の責任
    《★「食いたいだけ食って飲みたいだけ飲んで糖尿病になって
     病院入っている奴の医療費を払っている」と日常的に言い続けている。》

   『●〈猛省と自重の決意の証…議員在職中において公私一切酒を
           口に致しません〉…飲酒で片づけられる暴言か?
    《というか、そもそも松井一郎代表じたいが、今年4月の
     大阪W選挙でネトウヨサイトのデマをリツイートして拡散する
     ような政治家だ。「透析患者は殺せ」の長谷川豊氏を
     2017年総選挙に続き今年の参院選と国政選挙に擁立している
     という“実績”も忘れてはならない》

 《この国の政府は信用に値しないからだ。彼らはつい最近まで、症状のある人の相談センターへのハードルを極端に高く設定していた。ようやく連絡が取れても検査もしてもらえず放置され、死に至ったケースが珍しくもない》。
 斎藤貴男さんの結論、《「国家」の構成要素のうち、統治機構の安泰しか頭にない人々に「安全保障」を、いわんや国民の命の選別を論ずる資格などない》。

   『●<それにつけてもアベ様の無能さよ>…大量検査・隔離・追跡、
        さらに、地域のサンプリング検査…どれ一つ出来ないアベ様ら
   『●相も変わらず大量検査せず…《政府は人々を犠牲にして「国難」を
     乗り切る集団免疫路線をとっていると思わざるをえない》(小倉利丸さん)
   『●【黒鉄好 アベノマスクはやはり利権だった!~「疑惑の1社」
     驚愕の事実】《復興副大臣へ「献金」…若松謙維参院議員(公明、比例)》
   『●《韓国…国防予算の削減…新型コロナウイルス対策に振り向け…極めて
       合理的な判断…その合理は日本では通用しない…》(立岩陽一郎氏)
   『●アベ様により報道・メディアは統制され、私権のみがますます制限…
     この期に及んでも、お預けした税金は市民のためには満足に使われず
   『●森ゆう子議員「本気度が足りない」…アベ様は《国民がどれくらい
     コロナに苦しんでいるかの数字ぐらい連日頭に入れておく》べきなのに…
   『●青木理さん「たかが検査なんですよね…検査がこれだけ増えない
     というのは…明らかに政府が無能だからだと思いますよ」と一刀両断!
   『●《スピード感》《やってる感》…《「いまさら」感》、《しかし
     コロナ対策で求められるのは一刻も早い政策実現だ》(西日本新聞)
   『●金子勝さん《PCR検査数が圧倒的に少なければ、何の意味もない。
          …東京の異様な数値は、検査数の圧倒的不足を示している》

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/273037

斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。

二極化・格差社会の真相
新型コロナ「トリアージの基準」を安倍政権に任せる危うさ
2020/05/13 06:00

     (新型コロナウイルス感染症対策専門家会議を終え、
       記者会見する尾身茂副座長=22日午後、厚労省(C)共同通信社)

 政府の新型コロナウイルス専門家会議は先月22日の「提言」で、人工呼吸器など限られた医療資源をどう配分すべきかの方針が存在しないので、「医療機関ごとに一任」されているが、「こうした状況下では、優生思想による判断が行われかねないという懸念も示されている」と述べている。いわゆるトリアージの問題で、高齢者や障害者を切り捨てた欧米の実例を踏まえれば、それも必要と示唆していた従来の姿勢が各方面に不安視されたのを受けた文章らしい。

 この提言の表現は実に微妙だ。一見両論併記的でも、「こうした状況」が感染拡大か、「医療機関に一任」のどちらを指すのかわかりにくい。後者であれば、だから命の軽重を国が明確に定めてほしいとの意味にも通じる

 統一的な“ルール”を政府はもちろん、救命の現場以外の権威に委ねることは危険だ。医師には酷な話だが、ただでさえ尊厳死」の名のもとに、医療費削減を目的とする死なせる医療が正当化されつつある時代。非常時だからと容認すれば、それはコロナ終息後も決定的な身分制度として定着していくだろう。

 言い切るのには理由がある。この国の政府は信用に値しないからだ。彼らはつい最近まで、症状のある人の相談センターへのハードルを極端に高く設定していた。ようやく連絡が取れても検査もしてもらえず放置され、死に至ったケースが珍しくもないゆえんである。

 一方、西村康稔経済再生担当相は、部下の官僚が感染しただけで、症状もないのにPCR検査を受けて職務に戻った。コロナ対策の責任者ではあるのだから、誰も見殺しにされない前提があれば、こんなことまで批判しようとは思わない。

 けれども、そもそも医療資源をあえて貧しくしたのは政府なのだ。厚生労働省の集計では、1993年度に848カ所だった全国の保健所数は、今や469カ所。感染病床も98年の9060床から1876床にまで減らされた。昨秋には同省が、公立および公的病院の424病院、つまり全体の4分の1以上を再編か統合の対象と決めている。生産性と巨大資本の利益を絶対視する新自由主義が招いた必然である。

 あれは“平時”の改革だから、などとの言い訳は無用だ。ならば“有事”への備えばかりが強調される軍事領域との乖離をどう説明するのか。「国家」の構成要素のうち、統治機構の安泰しか頭にない人々に「安全保障」を、いわんや国民の命の選別を論ずる資格などない
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●憲法の日に違憲に壊憲したいと言う…松元ヒロさん「私たちがこう言えばいいじゃないですか。『憲法に合わなかったら、政府を”変える“』」

2020年05月10日 00時00分25秒 | Weblog


井上峻輔記者による、東京新聞のインタビュー記事【成立時の理想を忘れないで 一人芝居「憲法くん」を演じ続けるコメディアン・松元ヒロさん <空気は、読まない。>5】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202005/CK2020050202100097.html)。

 《憲法を擬人化した一人芝居「憲法くん」を長年演じるコメディアンの松元ヒロさん。わずか七分間のネタをやり続けてきたからこそ感じている思いを、五月三日の憲法記念日を前に聞きました。(聞き手・井上峻輔)》。

 最近、新聞やニュースをほとんど見れず。東京新聞労働組合の以下のツイートで、本記事に気づきました。

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https://twitter.com/danketsu_rentai/status/1256850599787630592

東京新聞労働組合@danketsu_rentai

憲法は国民が国を縛るもの
 税金だって私たちが国に預けている
 憲法を持つ僕たちは
 『自粛するからお金を出せ』
 と政府に言える。
 空気を読んでそれを言わなくなったら
 本当に危ない」
コメディアン・松元ヒロさん

▼東京新聞 5月3日朝刊1面

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成立時の理想を忘れないで 一人芝居「憲法くん」を演じ続けるコメディアン・松元ヒロさん <空気は、読まない。>5
 自分が信じる道を突き進む人たちにインタビューする連載<空気は、読まない。>第五回は、憲法を擬人化した一人芝居「憲法くん」を長年演じるコメディアンの松元ヒロさ…
tokyo-np.co.jp
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午後4:38 2020年5月3日
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 COVID19のドサクサ紛れの火事場泥棒(ツイッター上では、火事・人災の原因者がアベ様であることから、より現実を言い表した〝放火泥棒〟とのこと)。
 憲法記念日5月3日、ハッシュタグ「 #安倍はやめろ 」はトレンドのトップ、数十万のツブヤキが溢れましたた。その後の「 #俺たち自粛お前は辞職  」もまた、同様に、数十万のツブヤキで利用されました。

   『●「ぼくらは差別が見えていない」 『週刊金曜日』
             (2014年5月9日、990号)

    「■⑩『週刊金曜日』(2014年5月9日、990号) / 松本ヒロさん
     【写日記その30】、「ドキュメンタリー映画『ザ・思いやり予算』…
     バクレーさんが「ヒロさん、ギャラなんですが……」
     「大丈夫、『予算』がないんでしょ? 私の『思いやり』!」。
     さすが「憲法くん
     (http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/9cf92a972ac07b0d0538d9f8b4167b3a)」

   『●「放射能と学校給食③」『週刊金曜日』
        (2013年6月7日、946号)についてのつぶやき

    「■『週刊金曜日』(2013年6月7日、946号) / 松本ヒロ
     【写日記 その10】、「日本国憲法を擬人化した『憲法くん』と
     言うネタで全国を飛び廻っているお笑い芸人」「憲法くん
     『私のことを自虐的とか言う人がいる。でも私は六六年間、
     戦争という名前で他国の人々を殺したことがない。それが誇りです
     私をどうするか、皆さんに託しましたよ』と締めくくると
     満場の拍手に包まれた」」

   『●松元ヒロさん「憲法くん」は語る
    「「だけど丸投げで頼むわけじゃない。
     頼まれたから何でもできると思って
     戦争なんか始めちゃダメだよ。そのために、
     憲法にしっかりと9条を書いてこれをわたす。
     この憲法に書いてあることをしっかり守って、
     頼まれごとをやってくれ、と」……
     松元ヒロさんの「憲法くん」は語る。
     アベ様をはじめとした自公議員、翼賛野党の
     壊憲派には理解できまい」

   『●死にゆく平和憲法: 伊藤真さんの憲法の
       『あなたこそ たからもの』と松本ヒロさんの「憲法くん」
    「いま憲法は瀕死の状態。アベ様により壊憲のトドメを刺されようとしていて、
     平和憲法は死に絶えようとしています。自公議員、翼賛野党の壊憲派
     それを支えていますし、彼らに投票した人達も同罪です。万死に値します」

   『●『憲法くん』の誇りとは? 《私は六六年間、
      戦争という名前で他国の人々を殺したことがない。それが誇り》
    《ドキュメンタリー映画「誰がために憲法はある」…これは、
     芸人・松元ヒロが舞台で演じ続けている日本国憲法を擬人化した
     ひとり語り「憲法くん」を基にした作品》

   『●《戦争という名前で他国の人々を殺したことがない》
       『憲法くん』の《未来はわれわれ主権者に託されている》


 憲法記念日にアベ様は違憲に壊憲して「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限」し、さらに、「緊急事態条項」の導入をしたいらしい…『憲法くん』の誇りとは? 《私は六六年間、戦争という名前で他国の人々を殺したことがない。それが誇り》。《私をどうするか、皆さんに託しましたよ》…と託されているのに、壊憲させてしまうの?


 リテラの記事【安倍首相の新型コロナを利用した「憲法に緊急事態条項を」メッセージに非難殺到! 失策を棚上げ、日本会議系集会でお仲間と改憲PR】(https://lite-ra.com/2020/05/post-5404.html)によると、《いったいどういう神経をしているのか。安倍首相がきょう3日の憲法記念日、日本会議が主体となった団体が開催するネット上の改憲集会「憲法フォーラム」に新型コロナを利用して緊急事態条項の必要性を訴えるビデオメッセージを出す。…現行の法律もきちんと活用できず、検査体制も治療体制も後手後手、接触機会削減やそのための休業が国民に浸透していないのも補償や生活支援をきちんとしていないからなのに安倍首相は自分の失策を棚上げ、全部憲法のせいにしようとしているのだ》。
 アベ様やその支持者に狂気を感じる…憲法記念日に国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限し、さらに、「緊急事態条項」の導入をしたいらしい…思考回路はどうなっているのでしょうね。

 COVID19のドサクサに紛れて、しかも、憲法の日に(アノ自民党壊憲案をご覧あれ)壊憲し、緊急事態条項を導入したいと口にするアベ様ら。アタマの中を覗いてみたいよ…。それに賛成する方々、《国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限》でいいの? 給付も休業補償もケチり、自粛ばかりを迫られる、報道・メディアは統制される…それを経験してもまだ、アノ壊憲案や緊急事態条項の導入に賛成するのですか?

 リテラの記事【これでなぜ総理待望論? 橋下徹のコロナをめぐる言動の無責任とゴマカシ! 「家で寝とけ」と検査求める声を封じながら自分は検査…】(https://lite-ra.com/2020/04/post-5399.html)によると、《新型コロナウイルスをめぐる無策・無能・国民軽視極まりない悪対応で、安倍政権の酷さにほとんど国民が気がついたなか、 “あの人”に「総理大望論」がもちあがっているという。“維新の生みの親”で元大阪市長の橋下徹だ》!?
 日刊ゲンダイのコラム【適菜収 それでもバカとは戦え/社会の敵を設定 大阪のパチンコ公表は全体主義の典型手法】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/272656)によると、《現在、新型コロナ騒動で人々の不安や不満はたまりにたまっている。連中にとっては最大のチャンスだ。世論に火をつけるにはスケープゴートが必要になる。今回ならパチンコ屋だ。…これが全体主義の典型的な手法であることを指摘したいだけだ。社会の共通の敵を設定し、さらしあげ、密告と私的制裁を奨励する現在異常ともいえる維新礼賛報道が続いているが、ボロボロの安倍政権に見切りをつけた売国壊国勢力は今度は維新を担ぐ可能性がある。先日は〈これが対コロナ最強布陣「橋下総理、小池長官、吉村厚生相」〉なるアドバルーン記事まで登場した》!?
 気持ち悪いなぁ、お維支持者の皆さん…悪い冗談は大阪「ト」無いだけにしといて。

   『●与党自公や癒党お維は、戦争したくて(させたくて)、
      人殺しに行きたくて(いかせたくて)しかたないのね?
    《■安倍首相の言い分を代弁し、サイバー攻撃への武力行使を主張した維
     …■橋下徹「安倍首相は頑張ってきたから最後に憲法改正したっていい」

 リテラの記事【安倍首相がコロナ医療危機を無視し「病院のベッド数削減」政策の維持を宣言! しかも削減するため予算644億円を投入】(https://lite-ra.com/2020/04/post-5401.html)によると、《そもそも安倍政権は、医療費削減を狙った「地域医療構想」を掲げ、その実現のためとして「病床のダウンサイジング」を打ち出した。これはその名の通り、入院ベッド数を減らすことで医療費を削減しようというものなのだが、さらに政府は昨年9月に「再編統合の議論が必要」だとする全国424の公立・公的病院を名指ししたリストを公表。名指しした病院がある都道府県に2020年9月までに統廃合の結論を出せと迫り、一方、統廃合や病床削減をおこなう病院には全額国費で補助金を出すとし、このために2020年度予算で84億円を計上。これらの施策により、2025年度までに全国の急性期病床を約20万床減らすという》。
 自公は、アタマ大丈夫か? 地域の医療の統合・効率化という名の「病床のダウンサイジング」、そこに税金。しかも、COVID19人災の今、それを議論する?

 最後に、もう一つ。リテラの記事【安倍首相が「PCR検査2万件」と現実の乖離を追及され逃亡、加藤厚労相は「能力あっても使うわけじゃない」と検査抑制続行宣言】(https://lite-ra.com/2020/05/post-5402.html)によると、《実際、「PCR検査体制を1日2万件に増やす」と国民に宣言してからもうすぐ1カ月を迎えるが、いまだその半分の1万件にも届かない状態にあり、宣言解除の判断材料となる感染状況がわからない状態》。
 アベ様や小池百合子「ト」知事は、この数カ月、一体何をやっていたのか? 東京のアノ惨状を見てください。

   『●《「憲法の議論をする政党か否か」が参院選の争点》…
          アベ様の「壊憲」=「■■■食え」 ⇒ 《「嫌だ」でOK》
   『●大量検査・隔離・追跡、さらに、地域のサンプリング検査が必要
     …アベ様や小池「ト」知事は、この数カ月、一体何をやってきたのか?
   『●アベノカビマスク…《予算は466億円…残り1社と差額はどうなって
        いるのか…パニックに乗じてカネを懐に入れた悪党がいたなら…》
   『●【黒鉄好 アベノマスクはやはり利権だった!~「疑惑の1社」
     驚愕の事実】《復興副大臣へ「献金」…若松謙維参院議員(公明、比例)》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202005/CK2020050202100097.html

成立時の理想を忘れないで 一人芝居「憲法くん」を演じ続けるコメディアン・松元ヒロさん <空気は、読まない。>5
2020年5月3日 配信

 自分が信じる道を突き進む人たちにインタビューする連載<空気は、読まない。>第五回は、憲法を擬人化した一人芝居「憲法くん」を長年演じるコメディアンの松元ヒロさん。わずか七分間のネタをやり続けてきたからこそ感じている思いを、五月三日の憲法記念日を前に聞きました。(聞き手・井上峻輔)


◆憲法は国民が国を縛るもの

 「こんにちは、憲法です。五月三日で七十三歳になります。でも、変なうわさを耳にしたのですが、本当ですか? 今の総理大臣が私をリストラするって話

 こんなふうに憲法になりきるネタ「憲法くん」を始めて二十三年。憲法記念日には必ずどこかで演じていたんです。今年は新型コロナウイルスの影響で延期になってしまいました。

 今のような状態だとみんな憲法のことなんて忘れてしまう。「家にいろ。まずは命だ。黙れ」と。でも命を守るために何をやってもいいわけじゃない。憲法は国民が国を縛るもの税金だって私たちが国に預けている。憲法を持つ僕たちは「自粛するからお金を出せ」と政府に言える。空気を読んでそれを言わなくなったら本当に危ない


◆現実を理想に近づける努力こそ必要

 「憲法くん」は七分間の短いネタです。僕は半年に一回、ネタを全部新しくするんですけど、なぜか憲法くんだけは、ずっとリクエストが絶えません。

 いつも演じる前に話すんですけど、憲法を単なる法律の親玉だと思っている人が多いんですよ。でも、私たちが私たちを縛る法律と、主権者である私たち国民が国を縛る憲法では、種類が違うんですよね。

 「私たちが国会でいろいろ決めたいけど忙しいよね。ちょっと君、暇? 悪いけど国会に行ってくれるか」。そういう人が国会議員です。「本当はみんなで集めたお金を近所を回って配って助け合いたいけど、私たちは忙しい。だから、おまえたちに預けておくからな」。それが税金です

 「もっと肝心なこと書いとくわ。天皇陛下から国会議員、国家公務員、俺たちの税金で国の仕事をしている連中はこの憲法をピシッと守るんだ。九九条。守れよ!」。これが憲法ですよね。

 最後はこんな感じです。「どうして私を変えるんですかって聞いたら、現実に合わないからって言われたんですよ。でも現実を理想に近づけるように努力するんじゃなかったですか」。そして「これが私の理想ですよね」と、憲法の前文を「日本国民は、正当に選挙された~」ってずっと話すんです。


◆崇高な理想の「憲法くん」が乗り移ってくる

 前文は般若心経みたいに最初、意味も分からずしゃべってましたが、ずっとやってると分かってくる。本当に崇高な理想が書いてあるんです。正しい言葉をしゃべっていると自分の心も浄化されて、そうなりたいっていう気持ちになる。憲法が自分に乗り移ってくるんですよ。

 (落語家の)立川談志師匠が亡くなる少し前に「昨日やった『芝浜』はすごかったらしいですね」と話し掛けたら「違うんだ。あれは俺が言ったんじゃないんだ。登場人物が勝手にしゃべり始めたんだよ」って言われたことがあります。僕も憲法くんになりきると、去年聞いた人にも「もう一回聞いてください。忘れてませんか?」という気持ちでしゃべれるんです。


◆空気変わり…苦渋のライブ中止

 その憲法くんも、最近は演じられていません。新型コロナの影響で、仕事はほぼキャンセル。四月初めのソロライブが最後の仕事でした。今はずっと家にいます。

 二月に安倍晋三首相がイベントの自粛とか言いだした時は「何やってるんだ」って頭にきちゃって、ソロライブで批判するつもりだったんですよ。今まで政府が市民の要請をまともに聞いたためしがないのに、政府から言われても聞くもんかって。それが、だんだん空気が変わってきた。うちのかみさんも「もう反発とかいう状況じゃない」と言うし。だからネタをつくるのに苦しみました。

 ソロライブは、四日間の公演を二日で中止にしました。苦渋の選択でした。「やってほしい」という人もたくさんいましたし。会場のホールには四日分の使用料を事前に払っていたので損害も相当なんですよ。


◆権力者の悪口を言わない風土?

 今はしゃべる場がないんです。この状況をネタにできない悔しさがあります。日本では、テレビで政治的なネタはカットされてしまう。米国では新型コロナで大変な状況なのに、トランプ大統領の悪口を言うコメディアンがちゃんとテレビに出ているっていう。日本じゃちょっと考えられないですよね。

 前にドイツ人の方に言われたことがあります。「イギリスでは王室ネタは当たり前で、米国では必ず大統領の悪口を言う。でも日本に来たら誰も総理大臣の悪口を言わない。ヒロさんがいきなり出てきて総理の悪口を言ったから、ドイツのコメディアンを思い出して泣きそうになっちゃった」と。やっぱり風土が違うのかもしれない。


◆私権の制限…戦争に向かう雰囲気

 僕たちのような「お笑い」ができなくなる世の中になると、戦争に近づくんですよ。戦時って必ず「まじめにやれ」となりますから。実際に「なんでこんな時にライブをやったんだ」という人もいました。二月にお客さんと撮った写真を公開した時も「マスクしていない人がいる」とツイッターで攻撃的な批判が来ました。

 政府は「自粛しろ」と言っても「補償」はしない。新型コロナとの「戦い」とかやたらと言うんなら、オスプレイとかイージス・アショアとか(新たな防衛装備品を)買うお金そのために使えよって思う。僕はよく「平和を食い物にしている」なんて言われますけど、戦争を食い物にする人よりマシだと思っているんですよ。

 今は緊急事態宣言が出されていて、私権の制限を強めることもできます。これがそのまんま戦争に向かうような雰囲気というか、何か怖い感じがしますね。


◆良いものは「押しつけ」とは言わぬ

 憲法は米国に「押しつけられた」という人もいます。でも良いものをもらった時に押しつけられたって言いますか。芸人で一番わかりやすい例はご祝儀です。僕は今までご祝儀をもらって押しつけられたって思ったことは一回もないですから

 同じものをずっと使っているからそろそろ変えようじゃなくて、良いものは良い普遍的なものがあると思うんですよね。憲法は主権者である一人一人を大事にしている。だから社会も大事にするし、世界も大事にする。基本が揺らいでない。二十三年ネタをやってきて、疑問を持ったことがない。どんどん憲法がすてきなものに思えてくるんですよ。

 ライブではいつもこう話します。「この危ない時代だからこそ、憲法が必要だと思うんですよ。時代に合わないから憲法を変えるって言うんだったら、主権者の私たちがこう言えばいいじゃないですか。『憲法に合わなかったら、政府を”変える“』」。会場からワーッと拍手が来るんですよ。


【憲法前文】

 松元ヒロさんのネタ「憲法くん」で取り上げられている日本国憲法前文の全文は次の通り。

    ◇    ◇

 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢(けいたく)を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅(しょうちょく)を排除する。

 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従(れいじゅう)、圧迫と偏狭(へんきょう)を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。
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●学生に退学処分をちらつかせ、〝就職〟で恫喝…学商・Mr.トリクルダウン氏の利益相反こそ問題にすべき

2019年02月02日 00時00分09秒 | Weblog

[※ パソナの学商・竹中平蔵氏による一人PDCAサイクルhttps://twitter.com/yohei_tsushima/status/1009649260697038848)↑]



日刊ゲンダイの記事【竹中平蔵教授を批判 東洋大4年生「退学」騒動の本人を直撃】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/246108)。
日刊スポーツの記事【東洋大が竹中平蔵氏批判立て看板設置学生に退学勧告】(https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/201901240000879.html)。

 《「表現の自由を奪うことは言論の府である大学の死を意味する」…■こんな男がいる大学に在籍は恥ずかしい》。
 《…さん(23)に退学を示唆するような発言をしていたことが24日、分かった。大学側は23日に退学処分としない旨の声明を出したが、その中で、…さんがSNSで実名を出して抗議しているにも関わらず、学生を守ることを理由にSNSなどでの流布をやめるよう訴えたことに、インターネット上で「(学生は)発言するなと言うのか」などと批判が高まっている》。

 常々思っていたのですが、学商Mr.トリクルダウン氏による利益相反なのではないのでしょうか? 大学は、学商・Mr.トリクルダウン氏による利益相反をこそ問題にすべきでは?
 「特区ビジネス」でも、「私腹を肥やしてきた」学商の利益相反。
 学商=竹中平蔵氏…「自分が関わったところで自分が利益を得るという構図」…それは、偶然ではない。《コネや肩書を利用した非・自由競争》、ヤラセ。《竹中氏は一体、どういう立場で諮問会議に参加しているのか学者なのか、企業の代表者なのか》? つまり、『学商』。大学は利益相反のチェックしていないの?、あるいは、チェックしなかったの??
 室井佑月さんが喝破、《自分でルールを作り、自分が儲けたわけな》! 

 日刊スポーツの別の記事【竹中氏批判の東洋大学生語る「組織の問題を指摘」】(https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/201901240001092.html)によると、《船橋さんは今回の行動を起こした要因として、国際化を進め14年に文部科学省からスーパーグローバル大学に認定され、竹中氏が教授に就任した16年以降、さらに国際化を加速した大学側が、1887年(明20)に「哲学館」として開学した際から専門分野にしてきた、哲学科を統合再編するなど縮小に向かったことへの疑問があったと語った。文学部にはインド哲学科と中国哲学文学科があったが、13年度からインド哲学科と中国哲学文学科が統合され、東洋思想文化学科に再編されたという。統廃合で1つの科になったため、教授の数と学生の数がつり合わなくなっており、特にゼミにおいて問題が顕著になっているという。…その上で「竹中教授を批判していますが、恨みつらみではなく大学の組織の問題を指摘したかった大学は最も自由で、議論が進む先導役になるべきだと思う」などと持論を語った。…一方で、哲学科については「2013年に定員を50人から100人に倍増させる、インド哲学科と中国哲学文学科を再編し東洋思想文化学科にするなどをしています。『哲学する心を持て』というスローガンをはじめ、全学での哲学教育などを拡充しています」と、再編が縮小にはなっていないことを強調した》。
 《縮小にはなっていない》…薄められた教育?

   『●竹中平蔵氏のパソナによる「自分が関わったところで 
       自分が利益を得るという構図」に乗っかって大丈夫か?
   『●必然的に「私腹を肥やしてきた」学商・竹中平蔵氏…
          大学は、利益相反の調査はしなかったのかな?

   『●「会社の奴隷」をどんどん育てよう…与党自公や
       学商竹中平蔵センセを応援するマゾな支持者・信者の皆さん
   『●一人PDCAサイクル「なんでも金、金、金」の竹中平蔵氏…
                「自分でルールを作り、自分が儲けたわけな」
    「週刊朝日のコラム【室井佑月竹中平蔵パソナグループ会長」】…
     《竹中平蔵さんて、ワルだよね。マスコミは大学教授とか、
     元経済財政担当相という肩書で、この人の意見を有り難がって使うけど、
     使うなら同時にこの人のワルさも伝えなきゃダメなんじゃないの。
     …自分でルールを作り、自分が儲けたわけな》」

   『●五輪ボランティアを派遣するのは…偶然にも? 
        パソナや竹中平蔵氏へのウラアリなオ・モ・テ・ナ・シ
    《知らんかった! ボランティアを派遣するのは竹中平蔵さんとこの
     パソナだって。怪しい。なんで金額がいえないの? まさか、ただで
     国民使うのに、中抜きで大儲けを企んでいるんじゃあるまいな

   『●移民法、水道民営化までも…カネの臭いに集る学商、
       またしても竹中平蔵センセが意地汚い政治家と共に蝟集

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/246108

竹中平蔵教授を批判 東洋大4年生「退学」騒動の本人を直撃
2019/01/25 06:00

     (まっとうな意見だ(右は東洋大立て看同好会ツイッターから)
       /(C)日刊ゲンダイ)

 東洋大学で大騒動だ。同大4年の学生が東京・白山キャンパスで教壇に立つ竹中平蔵教授の授業に反対する立て看板を設置、批判ビラをまいたところ、大学側に退学を勧告されたというのだ。

 当該学生が自身のフェイスブックで一連の経緯を“拡散”。ネット上には「表現の自由を奪うことは言論の府である大学の死を意味する」などと大学側への批判コメントがあふれている。日刊ゲンダイの取材に当該学生はこう振り返った。

   「21日朝9時から立て看板を出し、ビラを配り始めたら、
    10分と経たないうちに学生課の職員がビラ配布の中止と看板の撤去を
    求めてきました。その後、学生課の部屋に連れていかれ、
    職員5、6人から約2時間半にわたって詰問されました」


■こんな男がいる大学に在籍は恥ずかしい

 ビラは冒頭から竹中氏の規制緩和路線を批判。正社員はなくせばいい」「若者には貧しくなる自由がある」「トリクルダウンはあり得ないなど竹中氏の過去の暴言を列挙し、〈労働者派遣法の改悪は、自らが会長を務める(人材派遣)会社の利権獲得に通じていた〉〈まさに国家の私物化〉〈こんな男がいる大学に在籍していることが、僕は恥ずかしい〉と訴え、〈今こそ変えよう、この大学を、この国を〉と呼びかけた。

 至極まっとうな意見だが、大学側の対応は厳しいものだった。

   「職員らは学生生活ハンドブックの条項を示しながら、
    『大学の秩序を乱す行為』に該当するとし、退学処分をちらつかせてきました。
    さらに『君には表現の自由があるけど、大学のイメージを損なった責任を
    取れるのか』と大きな声で言われたり、『入社した会社で立場が
    危うくなるのでは』とドーカツされたりしました」(当該学生)

 就職を控えた4年生への退学勧告は未来を奪うのに等しい。大学側の対応は「やりすぎ」を超え、「卑劣」ですらある。まさか「竹中批判」は絶対に許さないという意思表示なのか。

 ネット炎上の影響だろう。東洋大は23日、この件に関する声明を慌てて公式サイトに発表。<無許可の立看板設置は学生生活ハンドブックに記された禁止行為だ>と指導したことは認めた上で、〈一部ネット等で散見されるような当該学生に対する退学処分の事実はありません〉と強調した。

 日刊ゲンダイは東洋大に「詰問は2時間半に及んだのか」「学生に退学処分をほのめかしたのか」などの質問状を送ったが、「現時点でお答えできる内容は公式サイトに発表している声明の通り」(広報課)と答えるのみ。当該学生が改めて語る。

   「今の東洋大は権力に抑えつけられているような雰囲気。もっと自由な校風に
    なって欲しい。騒動の直後、東洋大の3年生や東洋大を目指す高校生からも
    協力したいとの連絡がありました。“どうせ変わらない”という諦めの意識を
    変えていくためにも、自分の考えが下の世代に受け継がれていくことを
    期待します」

 諦めない若者の言動は、大人たちの心にも突き刺さる。
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https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/201901240000879.html

東洋大が竹中平蔵氏批判立て看板設置学生に退学勧告
[2019年1月24日21時13分]

     (東洋大から退学の勧告を受けたと訴える船橋秀人さんが
      校内に立てた、竹中平蔵氏を批判する立て看板(船橋さん提供))

 東洋大学が、元総務大臣でグローバル・イノベーション学科教授の竹中平蔵氏(67)を批判する立て看板を21日に校内に立て、ビラを配った文学部哲学科4年の船橋秀人さん(23)に「退学を示唆するような発言をしていたことが24日、分かった。

 大学側は23日に退学処分としない旨の声明を出したが、その中で、船橋さんがSNSで実名を出して抗議しているにも関わらず、学生を守ることを理由にSNSなどでの流布をやめるよう訴えたことに、インターネット上で「学生は発言するなと言うのか」などと批判が高まっている。

 船橋さんは、授業前の21日午前9時に「竹中平蔵による授業反対!」と書いた立て看板を校内に立て、人材派遣会社の取締役だった同氏が、13年の労働者派遣法の規制緩和の旗振り役だったなどと批判するビラを配った。その10分後に大学関係者に撤去された上、学生課の男性職員4、5人に2時間半にわたって事情聴取されたという。

 船橋さんによると、その聴取の中で、立て看板は「校則で認められない」と指摘され、大声で「大学のイメージを下げているんだぞ」と言われたという。さらに「本学の秩序を乱し、その他学生に反した者」など退学に関して規定された学則第57条を示しながら「表現の自由には責任が伴う。何らかの処分で責任を取ってもらう」と追及された。一般企業への就職が内定している中で内定先で不利な立場に遭うとも言われたという。

 東洋大学は、日刊スポーツの取材に「退学を勧める勧告はしていない。禁止行為を行うと場合によっては処分となる。処分の中には重いものでは退学もある、という趣旨で説明しています」と答えた。内定先で不利益をこうむると追及した件についても「いろいろな意見が生じやすいネットで記事が残り続けることは、学生本人に不利益が生じないかを案じているという趣旨で説明しています」としている。
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●都民じゃないが、宇都宮健児さんに真の都知事に

2012年11月29日 00時00分18秒 | Weblog


CMLの記事http://list.jca.apc.org/public/cml/2012-November/020825.html)、少し古くなりましたが都知事選で「小々皇帝」氏が楽勝するというgendai.netの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/139679)と東京新聞の社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012112702000136.html)。

 都民じゃないのですが、前〝ト〟知事があまりに酷すぎたので、それに、今の副知事「小々皇帝」氏にもほとんど期待できないし、是非、「東京なのに宇都宮、弁護士なのに健児」の宇都宮けんじさんに真の都知事になってもらいたいものです。都民の皆さんには投票所に足を運んでいただき、熟慮の上で、投票をお願いしたい。五輪招致・新銀行東京・築地移転など、「東京に原発を」・「我欲」など問題点・問題発言のてんこ盛りだった小皇帝・石原慎太郎〝ト〟知事の3.5期13年の空白・暗黒を宇都宮けんじさんに払拭してもらいたい。石原都政を否定できず、それを踏襲するにきまっている「小々皇帝」氏では、暗黒とまでは言わないが、空白都政が続くだけ。

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http://list.jca.apc.org/public/cml/2012-November/020825.html

[CML 021007] 東京を変えるキックオフ集会
hayariki.net info at hayariki.net
2012年 11月 15日 (木) 22:36:38 JST



「人にやさしい東京をつくる会」は東京を変えるキックオフ集会「宇都宮けんじさんとともに人にやさしい東京を!」を2012年11月14日、東京都中野区の「なかのZERO大ホール」で開催した。会場に入りきらないほどの集まり、熱気に包まれた。中野駅前ではギターを弾いて歌っている人がいた。「東京なのに宇都宮。弁護士だけど、けんじ」と。

「人にやさしい東京をつくる会」代表の中山武敏・弁護士が主催者挨拶をした。石原知事の辞任表明後に親しい人が集まって声明を出した。所属や立場を越えて、やさしい東京を作るという一点で集まった。多くの都民に参加を呼び掛ける。言葉と行動が一致して裏表がない。ヒューマニズムに基づいている。平和や人権は私達の行動で作り上げる。

続いてコメディアンの松本ヒロ氏のパフォーマンスである。「太陽の党は火傷しそうなので離しておきましょう」「私は平和を食い物にしていると言われるが、平和を食い物にすることは、戦争を食い物にすることよりいい」などの発言で会場を笑わせた。

宇都宮けんじ氏が思いを語った。石原都政を変える闘いに参加できることを喜ばしく思っている。東京に民主主義を取り戻す運動と思っている。「出馬してくれてありがとう」と激励された。脱原発の東京を作らなければならないと改めて認識した。原発のない日本は人にやさしい、環境にやさしい日本になる。

脱原発の運動は福島の被災者の支援、被害実態と向き合わなければならない。避難者には家族がバラバラになるケースがある。高齢者は環境が異なると体を壊す。配偶者が亡くなられたことを数日間も知らされなかった。見ず知らずの土地で火葬をしなければならなかった。原発事故は惨たらしい。原発事故被害は国が責任を負うべきである。東京都や東京都民は福島原発事故被災者を支援しなければならない。

私は弁護士として貧困問題に取り組んできたため、石原都政の福祉切り捨てを許すことができない。石原都政の福祉切り捨てで貧困と格差が拡大している。労働者の最低賃金は生活保護以下の水準である。石原都政は大規模開発をやってきたが、貧困と格差を拡大した。人に優しくない都政であった。

日の丸や君が代の強制は思想信条の自由を侵害する憲法違反。管理統制の一番の被害者は子ども達である。学力競争などがイジメの原因になっている。いじめのない学校を取り戻す。

憲法を守る。東京が平和のメッセージを出すことはアジア諸国との良好な関係を作る。


宇都宮氏と雨宮処凜氏の掛け合いである。

雨宮「宇都宮さんと言えば、あんパンと牛乳。反貧困ネットワークの会議でコンビニの袋から、あんパンと牛乳を取り出して食べていた。都知事選挙のへの立候補は思いきった決断」

宇都宮「もっといい人がいるのではないか、と思っていた。二年前にも声をかけられたが、日弁連会長を目指しており、断った。東京のような財政力のある都市ならば、貧困問題にできることがあると考えた。日弁連は福島原発事故以前からエネルギー政策の転換を求める決議をしていた。先進性があるが、決議だけではダメである。

福島原発事故被害における弁護士の発想は東電への賠償請求であった。しかし、この考え方では申し立てた被害者だけは救済される。現実には申し立てる余裕がない人も多い。申し立てない人が救済されなくてもいいということにはならない。国が責任をもって被災者の生活支援をすべき。

原発都民投票34万人の署名は重い。住民参加の仕組みについて考えていこうと思っている。

貧困問題では追い出し屋の問題などに取り組む。高齢者の施設など解決しなければならない問題がある。住まいは基本的人権の一つである。家賃補助をする。

公契約条例を制定して、最低賃金以上の企業にしか入札させないことを考えている。これは内需拡大になり、経済の活性化になる」

雨宮「石原都政で破壊されたものが復活しそうである」


続いて応援者の発言である。

鎌田慧「長い間、東京都の都民でいることを恥ずかしく思ってきた。東京ほど非国際的な都市はない。都知事が差別的な人間であった。女性や障害者、マイノリティへの差別。差別は犯罪である。彼は自分から投げ出した。これはチャンスである。デタラメで勝手放題の暴君は去った。後継者を指名する。民主主義ではない。脱石原都政、脱石原後継者、脱原発で日本を変えるチャンスである」

落合恵子「関係ないが、私は宇都宮出身である。脱原発の集会を栃木で行った。原発単体だけでなく、原発的体質を批判しなければならない。石原単体のみならず、石原的体質を批判しなければならない。人が生きていく痛みが分からない人が政治をやってはならない。選挙のためだけに脱原発を言ってはいけない。選挙の日まで怒りを抱き続け、やさしさに手渡したい」

佐高信「石原慎太郎には都民という言葉はなかった。国民としか言わなかった。猪瀬直樹を相手にしたくない。かつて猪瀬は小泉純一郎の子分であった。今は石原慎太郎の子分である。子分を親分にしてはならない。宇都宮さんは藤沢周平ファン。サラ金問題などでは暴力団の追い込みなど凄まじい問題と闘ってきた。

海渡雄一「私は原発訴訟に取り組んできた。宇都宮会長から日弁連の事務総長を任命された。宇都宮さん以上に都知事にふさわしい人はいない。その理由を5点述べる。

第一に弱いものに共感する素晴らしい人格である。
第二に人の気持ちを変えていく包容力がある。日弁連会長として、守旧派弁護士と議論になることもあるが、
第三に勉強熱心である。日弁連の会長となるとシンビジウムなどでは最初に挨拶して返ってしまうことも多いが、宇都宮さんはシンポジウムの最後まで聴いていく。真剣にメモをとる。
第四に行動力である。被災地に出かけるなどである。
第五に決断力である。ローンの問題などを解決してきた」


サプライズゲストとして、山本太郎氏が登場し、宇都宮氏と対談した。

山本「サプライズも何も一聴衆として来た。東京を市民の手に取り戻せる時が来た。宇都宮さんについて悪いことを言う人はいない。

現在、東京都は原発によって発電した電気を1ワットも使っていない。原発は不要と宣言するか」

宇都宮「宣言する」

山本「被災地の瓦礫の処理について」

宇都宮「住民の意見を聞く。石原はトップダウンで決めていたが、私は住民と話して決める」

山本「焼却文化は問題」

宇都宮「十分検討する」

山本「東京都には汚染されていく地域もある」

宇都宮「健康調査をやっていく」

山本「細かな土壌調査をやってほしい」

宇都宮「調査をしてきたい」


続いて湯浅誠・反貧困ネットワーク事務局長からのメッセージが読み上げられた。宇都宮氏とは共に貧困問題に取り組んできた。宇都宮氏から政治姿勢を学んだ。どのような政党も一面的ではないし、ある論点で対立する人とも別の論点で組める。宇都宮氏に理想的な活動家像を見る。


再び応援者の発言である。

鎌仲ひとみ(映画監督)「一緒に応援しましょう。東京が抱える様々な問題を一つ一つ解決していきましょう」

田中優子・法政大学教授「福島の事故は東京によって起こされたようなものである」

鈴木邦男・一水会顧問「今憲法を改正したら米国の傭兵になる。ギスギスした暗い戦争を準備するような東京ではだめだ」

鎌仲「都知事選挙では私達のネットワーク力が試されている」


続いて市民からの応援者の発言である。

土井とみえ「石原慎太郎の女性差別発言は酷い発言である。石原を提訴したが、不特定多数への発言は不法行為にならないとの理由で敗訴した。石原の都知事就任時は臨海副都心の開発の赤字で財政難であったが、福祉や女性施策を切り捨てた。一人以上の女性副知事を誕生してほしい」

星野直之・「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会共同代表「日の丸や君が代を強制し、従わない教師を処分することは石原教育行政の破壊的教育改革の象徴である。教師への管理統制が進み、教員の志望者が減っている。教師になってもパワハラなどで精神疾患になる若者も多い。教室に学ぶ喜びを回復する」

赤石千衣子(しんぐるまざあず・ふぉーらむ)「児童扶養手当てが削減されそうになった。宇都宮さんの助言でロビー活動し、撤回に成功した。東京都でも子どもの貧困が深刻化している。仕事に就けない若者がいる。東京都は定時制高校を統廃合した」

渡辺弁護士(築地市場移転問題)「築地市場は都政の重大な争点である。豊洲移転を東京都は進めている。移転予定地は汚染まみれ。築地市場は世界も認める食品市場である。東京都は土地を買い取っているが、汚染浄化を売り主に義務付けなかった。汚染浄化費用は都民の税金で使われる。豊洲移転は確定していない。やさしい都政であれば築地市場問題への結論は明白であると確信している」

黒田節子さん(原発はいらない福島の女たち)「東京の電気は福島で使われている。東京と福島と共に手を携えながら脱原発を進めていこう。東京の人と金と情報を正しく使って福島を助けてください。待ったなしの時間を未来の命のために使いましょう」


続いて会場やtwitterから寄せられた質問への一問一答である。

質問「野宿者の排除が行われている」

宇都宮「強制排除には反対する。区などによる強制排除を止めさせるべく全力をあげる」

質問「朝鮮学校の差別について」

回答「日弁連でも差別反対の声明を出した。これは個人の考えでもある」

質問「外環道や都市計画道路について」

回答「現在の状況下で、これ以上の道路建設はムダ。開発に金を使うならば福祉を充実させる。石原都政の大型開発は住んでいる人が幸せにならない」

質問「青少年健全育成条例について」

回答「表現の自由を侵害する。知事になっても見解を変えるつもりはない」

質問「性的少数者の人権や同性婚について」

回答「一個の人間として人権侵害は許されない」

質問「風営法によるダンス規制」

回答「京都で中村弁護士がダンス規制等に反対する運動を起こしているが私も呼びかけ人の一人。当然、規制は許されない」

質問「住宅政策について」

回答「日本社会では住まいの問題が基本的人権の一つとして理解されていない。ゼロゼロ物件で一日でも家賃の滞納をしたら、追い出されるという問題がある。住まいの保障が重要である。一方で都内では空き家が広がっている。家賃補助によってマッチできないか。ヨーロッパでは人間らしい住まいは基本的人権の一つとされる」

上原公子・元国立市長が締めくくりの挨拶をした。これほどの人が集会に来てくれるとは思わなかった。やっと石原慎太郎が辞めてくれた。このチャンスを逃したら、歴史の恥になる。ネット社会で表現方法が変わってきた。新しいやり方で怒りを乗り越えていこう。都民の選挙にしなければならない。勝手連を山ほど作ってください。宇都宮さんの本を読むと涙が出る。イメージカラーはオレンジ。オレンジカラーに染めようと述べた。

サプライズゲストの山本太郎氏との対談は宇都宮氏の政治的センスを示した。山本氏は宇都宮氏の応援ではなく、脱原発についての自己の主張に同意を求めるスタンスであった。主催者側にはリスクある、文字通りのサプライズゲストであった。しかし、宇都宮氏は見事に対応した。まず原発からの即時撤退を即答した。これは電力の安定供給を理由に原発の再稼動を容認した橋下徹・大阪市長らとの大きな差別化になる。

「再稼動容認論者は脱原発派ではない」との見解は偏狭であり、ナイーブである。ギリギリの局面で再稼働を容認するということは電力供給への不安を増幅させる。その結果、企業としては自衛のために自家発電に傾斜する。このような状況自体が大阪維新の会の掲げる小規模分散型発電の推進につながり、電力独占を崩す戦略になる。故に再稼動容認論者を「偽りの脱原発派」と罵倒することは浅はかであるが、宇都宮氏の宣言は再稼動容認論者とは異なる脱原発の立場を鮮明にするものとして意味がある。

原発からの即時撤退には即答した宇都宮氏であったが、瓦礫処理については「住民の意見を聞く」と述べ、受け入れ反対の山本氏に同意しなかった。これは懸命な回答である。

同種の主張は、あぜ上三和子・東京都議(日本共産党)にも共通する。あぜ上議員は「人道的見地からガレキ受け入れ自体は否定しない」ものの、「安全性などを都民に何の説明もしないこと」を問題視した。「民主主義のプロセスを大事にする必要がある」と指摘する。

実際、北九州や大阪での過激な瓦礫焼却阻止行動に眉をひそめる良識派市民も多い。放射能の危険性を過剰に強調し、自主避難やベクレル・フリーを呼びかける過激な放射脳カルトは市民社会と相容れない。世田谷区で重層長屋の問題に取り組むグループが主催したシンポジウム「世田谷住民のリスクを考える9.1 緊急シンポ」でも福島第一原発事故の放射能汚染による健康被害は小さいという立場からの講演がなされた。脱原発は支持しても放射脳お断りという人々は多い。

管見はゴミの発生地処理という原則的立場から被災地の瓦礫受け入れには反対する。これは発生地処理の原則に基づくものであり、被災地の瓦礫を差別するものではない。それ故に1万7000ベクレルの放射性セシウムが検出された多摩地域の汚泥焼却灰を江東区に持ち込み、埋め立てることにも反対する。そもそも放射性廃棄物に限らず、一般の廃棄物にも発生地処理を主張する。放射能を特別視して被災地瓦礫焼却による汚染を騒ぎ立てる放射脳カルトには拒否感を抱いている。

http://www.hayariki.net/8/7.htm

放射脳カルト的な要素も含む山本氏の要望に是々非々で応えた宇都宮氏は「脱原発は支持しても放射脳お断り」の市民層が支持できるものである。但し、山本氏はゴミを焼却場で焼却する焼却文化そのものへの異議申し立ても主張しており、「放射能怖い」だけの放射能とは異なる見識を示していることを付言する。放射脳カルトが山本氏を神輿として持てはやすことは山本氏にとってもマイナスだろう。

東急不動産だまし売り裁判原告としては、宇都宮氏が「石原都政の大型開発は住んでいる人が幸せにならない」と大型開発見直しの姿勢を示したことに注目する。宇都宮氏は「住まいは人権」との立場から、ゼロゼロ物件の追い出し屋など住まいの貧困に取り組む。開発問題も居住者が立ち退きを迫られる点で住まいの貧困問題である。

さらに反貧困運動の出発点となる貧富の差は決して自由な競争から生まれたものではない。富の偏重は政府が特定の大手開発業者やゼネコンを潤すだけの大型開発に莫大な税金を垂れ流すことでも形成されている。大型開発の見直しは反貧困の闘いでもあり、ひとにやさしい都政が目指すべきものである。
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http://gendai.net/articles/view/syakai/139679

ドッチラケ都知事選 猪瀬直樹副知事 楽々当選という絶望
2012年11月16日 掲載

これで都政の私物化はますます深刻化
 東京都知事選がドッチラケの展開になってきた。民主党などが立候補を要請していた舛添要一・新党改革代表(63)が「総選挙の対応に専念する」として出馬を見送ったからだ。衆院選に出る東国原英夫・前宮崎県知事(55)なんかはどうでもいいとして、松沢成文・前神奈川県知事(54)、宇都宮健児・日弁連前会長(65)、笹川尭・元科技担当相(77)など、既に立候補表明しているメンメンは、事前の世論調査では全然ダメだ。で、このままでは、猪瀬直樹副知事(65)が、ラクラク当選しそうなのである。

   「先週末に自民党が行った情勢調査では、猪瀬が支持率40%で
    ダントツでした。東国原は10%、宇都宮6%、松沢6%。メディアの
    調査でも同じ傾向です。自民党は党本部が猪瀬を推したが、
    都議団は難色を示していた。でも、こんな数字が出たことで、
    押し切られそうです」(都政記者)

 猪瀬は来週中に出馬を正式表明する見通し。石原慎太郎の太陽の党、みんなの党、公明党も猪瀬を支援するという。投票日が総選挙とのダブルになったことで、各党は都知事選どころではなくなり、「もう猪瀬で決まり」という空気だ。
 しかし、本当にそれでいいのか。猪瀬は石原都政の継承者だから、五輪招致や新銀行東京といった石原の“負の遺産”にスパッと見切りをつけることは絶対にできない。それどころか、都政をブン投げた石原から子飼いの特別秘書2人を「専門委員」として押し付けられても文句も言わず、黙認しているのだ。専門委員の報酬は月額33万5000円。たかり老人の公私混同で都民の税金が消えていくこんなデタラメにストップをかけられない猪瀬が新知事なんて、絶望的だ。ジャーナリストの横田一氏がこう言う。

   「猪瀬さんは、東電批判やエネルギーシフトは主張しているものの、
    脱原発ではない。八ツ場ダムについても、当初『都の需要予測は
    あまりに過大ではないか』と言っていたが、結局、石原氏のダム推進を
    見過ごした。著書の『日本国の研究』では公共事業のムダを
    指摘していたのに、変節です」

 そもそも、石原はなぜ知事を辞めたのか。新銀行で失敗し、五輪招致がほぼ絶望になり、尖閣という“オモチャ”も国有化され、居座っても非難の的になるだけなのが分かったからだ。しかし、まったく新しい知事では旧悪をバラされてしまう。だから身内の猪瀬にすべく、突然、ブン投げ、“後継指名”で流れをつくったのである。
 こういうことを政治の私物化という。猪瀬知事では、都政の私物化がますます深刻化することになる。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012112702000136.html

【社説】
東京都知事選 首都のかたち問うとき
2012年11月27日

 千三百万人を抱える首都の顔を選ぶ東京都知事選の告示が二十九日に迫った。衆院選と同じ十二月十六日に投開票が行われる。国政選挙の動向に振り回されないよう足元の自治を見つめ直したい。
 二〇一一年の春、東日本大震災と福島原発事故で日本中は大わらわだった。その最中に行われた統一地方選で、前都知事の石原慎太郎氏は四度目の東京のかじ取りを託されたはずだった。
 未曽有の複合災害からくみ取るべき教訓はまだまだ山積している。それなのに国政に転身するからと、その重責を任期途中で投げ出したのは身勝手極まりないと指摘しておく。
 降って湧いた都知事選だが、主な候補予定者がほぼ出そろったようだ。十三年八カ月ぶりに新人ばかりが争う選挙になる。
 作家で副知事の猪瀬直樹氏は石原氏から後継指名されている。対して前神奈川県知事の松沢成文氏、前日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏、元自民党総務会長の笹川尭氏らが都政刷新を訴える。
 東京新聞の都民世論調査によれば、石原都政を評価する人は「大いに」と「ある程度」を合わせて76%に達した。大半の人は変化を望んでいないように読み取れる。
 けれども、この結果がそのまま投票行動に反映されるかは甚だ疑わしい。候補者による論戦はこれからが本番だからだ。
 東京は世界最悪レベルの原発事故を引き起こした国の首都だ。電気の大消費地であり、東京電力の大株主でもある。原発に対する姿勢は間違いなく問われる。
 宇都宮、笹川の両氏ははっきりと脱原発を志向している。松沢氏は遠い将来にかけての脱原発依存を掲げ、猪瀬氏は原発の是非には触れず電力改革を主張する。
 都民世論調査では、選挙で重視する分野として「医療・福祉」や「教育・子育て」「雇用対策」が上位に並んだ。少子高齢化の進展や非正規雇用の増大、貧困などの問題が都民の暮らしを直撃している様子が浮かぶ。
 二〇二〇年夏季五輪の東京招致や千四百億円をつぎ込んだ新銀行東京の取り扱い、築地市場の移転、東京メトロと都営地下鉄の一元化といった大型事業をどう着地させるかも大事な論点だ。
 東京が目指すべきはグローバル時代の世界都市か、地域に目配りする生活都市か、それとも教育文化の都市か-など、候補者には自らが描く首都のかたちを示し、政策本位の論争をしてほしい。
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●廃炉と、核燃サイクル撤退を

2011年11月30日 00時52分23秒 | Weblog


asahi.comの社説2本(http://www.asahi.com/paper/editorial20111123.html)。どちらも原発絡み。もう一本、同所から(http://www.asahi.com/politics/update/1125/TKY201111250672.html)。

 衆院決算行政監視委員会から、〝ナトリウム温め装置〟もんじゅ」などの高速増殖炉の開発については「中止も視野に入れて徹底した見直し」、原子力関連の公益法人の整理統廃合を求め」られ、「政権も勧告が出れば尊重する意向」だそうだ。どこまで実行できるのやら、期待して良いのかどうか。

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http://www.asahi.com/paper/editorial20111123.html

原子力仕分け―まず脱原発を固めよ

 深く考える材料にしたいと思って傍聴した人にとっては、消化不良だっただろう。
 行政刷新会議による政策仕分け作業のトップを切って、20日におこなわれた原子力をめぐるやりとりのことだ。
 今回の仕分けは、個別の事業ではなく、中長期的な政策について選択肢を示す「提言型」と銘打った。だが、国会議員を含む仕分け人の指摘は断片的で、誤認や勉強不足としか思えない発言も目立った。
 たとえば、高速増殖炉「もんじゅ」をめぐる討議だ。
 成果の上がらない研究や運営する独立行政法人の不透明な税金の使い方を問題視するのは、当然だ。ただ、「新たな炉に改め、主体も民間企業など別組織に移管する」といった仕分け側の意見は、核燃料サイクルの全体像や、危険性の高い高速増殖炉そのものの問題点を踏まえない乱暴な指摘だった。
 原発が立地する自治体への交付金についても同様だ。原発事故があったからといって、地域振興目的だった使途を、いきなり「安全対策へ絞り込め」と主張するだけで、原発を受け入れてきた自治体が納得するだろうか。交付金問題の抜本的な解決にはつながらない。
 根幹となるエネルギー政策が定まる前に、つまみ食いのように仕分けするのは無理がある。まずは脱原発への道筋を確かなものにする必要がある。
 私たちは、原発を段階的にゼロにすることを提言し、もんじゅだけでなく核燃料サイクル計画からの撤退や、廃炉に向けた立地自治体と政府との話し合いを求めてきた。
 野田政権は、脱原発依存に向けた新たなエネルギー政策を、来夏までにまとめる方針だ。予定通り仕上げることに全力を尽くさなければならない。
 もちろん、仕分け作業が無駄だったわけではない。
 今回の議論で、もんじゅが初発電から20年近く事故続きでほとんど稼働していないのに、維持費だけで年間200億円かかっていることを知った人もいるだろう。交付金についても、財源は毎月の電気料金として徴収されている税金だ。
 公の場での議論が増えることは、原子力政策を「我がこと」としてとらえ直す、いい機会になる。
 仕分けの最後には、経済産業相や環境相、文部科学相らが出席し、エネルギー予算の大胆な組み替えを公言した。政権自らが設定した場での現職大臣の言及だ。口先で終わらないか。こちらも厳しく見守りたい。



地方議会―原発の議論を興すとき

 震災と原発事故で延期され、7カ月遅れの実施となった地方選挙が、先週末で終わった。

 福島県議選では多くの候補者が、除染対策や生活再建に加えて「脱原発」を訴えた。1週早かった宮城県議選では、停止中の女川原発のある選挙区で「原発ゼロ」を主張した新顔が、当選したのが目を引いた。
 福島県議会では先月、こんな動きもあった。
 県内すべての原発の「廃炉」を求める請願を、選挙前最後の本会議で採択した。「再稼働は認めない」としてきた佐藤雄平知事の姿勢から、さらに一歩踏み込んだのだ。
 多数派の自民は、前日の委員会では不採択を求めたが、賛成に転じた。選挙を意識したとみられる。県はその後、復興計画に「全基廃炉」を明記する方針を固めた。
 全国に目を転じても、3月以降、原発周辺のまちむらで、議会の意思表明が相次ぐ。
 静岡県牧之原市議会は、10キロ圏内にある浜岡原発の「永久停止」を求める決議をした。
 福井県小浜市議会は、期限を切っての「脱原発」を掲げた意見書を出し、原発が立地する隣の町の議会と、意見交換を始めた。同じ福井でも、高浜原発がある高浜町議会の意見書は「原発を堅持し、再稼働すべし」と国に求めた。
 意見書や請願の採択をめぐって、意見が割れた議会も少なくない。3・11後の地域の未来を原発に託すかどうか、地方議会が真剣勝負の議論を迫られている、いや始めつつある、とは言えまいか。
 これまで、ひとたび原発を受け入れた地域の議会は、その後は「追認機関」になりがちだった。関心は交付金や雇用に集まり、安全確保は国の責任だと片づける。少数の反対意見や危険性への指摘に耳を傾け、調べ、熟議する道すじは十分でなかった。その反省も必要だ。
 住民を巻き込む議論を興し、多様な意見をまとめ、地域の意思決定をする。利害がかかわる周辺のまちとも連携をとる。再稼働の是非や安全協定の見直しなど、目の前に切実な課題がある。住民に近い所にいる地方議員の役割は、重い。
 そもそも原発の運転や電力供給のあり方に対し、自治体が及ぼせる権限は小さい。だが住民の生活に深くかかわることを、国策と独占企業体だけに任せておいてよいのだろうか
 そうでなくても、地方議会の形骸化がいわれてきた。エネルギー政策に自治をどう取り戻すのか。議会が問われている。
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http://www.asahi.com/politics/update/1125/TKY201111250672.html

2011112631
国会版仕分け、もんじゅ見直し勧告へ 政権は尊重の方向

 衆院決算行政監視委員会(新藤義孝委員長)が、国会版「仕分け」の結論を予算編成に反映させるよう、野田政権に初の「勧告」を出す見通しとなった。高速増殖原型炉「もんじゅ」の中止を含む抜本的見直しなどを求めることにしており、政権も勧告が出れば尊重する意向だ。
 決算行政監視委は行政刷新会議と異なり、1998年に改正された衆院規則に基づく内閣への勧告権が与えられている。内閣は改善状況を監視委に報告しなければならず、藤村修官房長官は「勧告が出れば重く受け止める」としている。野田政権は来年夏に関係閣僚による「エネルギー・環境会議」で、「もんじゅ」も含むエネルギー政策見直しの方向性を示す方針だ。
 16、17日の与野党委員による「仕分け」の結果を受け、与野党理事が25日に勧告案をまとめた。「もんじゅ」などの高速増殖炉の開発については「中止も視野に入れて徹底した見直し」、原子力関連の公益法人の整理統廃合を求める。埼玉県朝霞市の公務員宿舎の建設計画も「中止し即刻廃止すべきだ」とした。勧告への対応状況を半年以内に報告するよう求めるとともに、今後も「仕分け」による監視を続けるとしている。
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