goo blog サービス終了のお知らせ 

Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●福井冤罪事件、増田美希子福井県警察本部長…大川原化工機冤罪事件、《警察庁外事課のナンバー2である理事官の立場…監督責任を免れない》はずなのに

2025年08月20日 00時00分14秒 | Weblog

[↑ ※大川原化工機冤罪事件 国賠訴訟『警察・検察捜査再び「違法」/東京高裁 国・都に賠償命令/輸出規制の解釈「不相当」』『違法捜査謝罪、検証を」/原告「再発防止策 急いで」/捜査は事実に従うのが絶対/長年の体質 自浄作用望めず』/『公安独自解釈で始まった不正輸出事件―――捜査員「捏造だ」/聴取291回 作った「国家的事件」の図/保釈認めず病で死去 裁判所の責任は/[視点] 警察・検察 原因検証し公表と対策を』(朝日新聞、2025年5月29日[木])]


(2025年08月06日[水])    [Hatena Blog『日々読学』]
安倍政権また忖度に“ご褒美” 森友不起訴の特捜部長が栄転》したアノ山本真千子氏ではないですか。(NHK)《「検察の役割は適正な捜査・公判活動を行い、事案の真相を解明するなど法秩序を維持することだ検察の職責を果たすべく全力を尽くし、皆様が安心して生活できる、安全な地域社会の構築に貢献したい」と抱負を述べました》とさ…福岡高等検察庁の検事長に山本真千子氏が着任して、大変に呆れかえった。
 一方、福井県警察本部長 (女性初) に就任していた増田美希子氏…完全なるでっち上げ事件・大川原化工機事件の関係者で《警察庁外事課のナンバー2である理事官の立場…監督責任を免れない…警察庁外事課のナンバー2として警視庁公安部による逮捕立件を容認した》(高田剛弁護士)はずなのにね。

   『●公文書改竄では財務省関係者38人全員を不起訴処分にしといて、「法秩序を
     守りたい」ねぇ? 《安倍政権また忖度に“ご褒美”》人事だった山本真千子氏

時事通信【福井県警、前川さんに謝罪なく 「重く受け止め」繰り返す】(https://www.jiji.com/jc/article?k=2025080101021&g=soc)《前川彰司さん(60)の再審無罪が確定したことを受け、福井県警の増田美希子本部長は1日記者会見し、「重く受け止めている」と繰り返した。謝罪の言葉はなかった》

   『●「前川さんの身になってほしい!」: 「福井事件」という明々白な冤罪
   『●愚挙: 検察の異議が認められて福井事件の再審開始が取り消しに
    「《この事件でも物証がなく、関係者の証言のみで前川さんは
     罪に問われている。しかも、前川さんは逮捕から一貫して犯行を
     否認をしている》。検察(名古屋高検)も酷いけど、裁判所が
     一体何を考えているのか、理解に苦しむ。この裁判所(名古屋高裁)
     の愚挙、批判的な記事があまり出ないのはなぜ??」

   『●「「3.11」から2年③ 東北復興と壁」/
       『週刊金曜日』(2013年3月15日、935号)について
    「粟野仁雄さん【福井女子中学生殺害事件で前川彰司さんの
     再審請求棄却 立証責任回避の違法な決定】」

   『●「「アイドル」を守れ!」
     『週刊金曜日』(2014年6月6日、994号)についてのつぶやき
    「中嶋啓明さん【「一刻も早く再審開始決定を」
     福井女子中学生殺人】、《逮捕から28年が過ぎた……前川彰司さん
     ……指紋や目撃者など、前川さんと犯行を結び付ける直接証拠が
     一切ない》。青木理さん「前川さんの身になってほしい!」」

   『●福井事件 (1986年) は明らかな冤罪…7年間の服役を終えた前川彰司さん
      の第2次再審請求で、名古屋高裁金沢支部 (山田耕司裁判長) が再審決定
   『●福井事件、発生から38年も経って漸く再審を決定…《検察が手持ち証拠の
      開示に応じることが、冤罪を晴らす上で、どれほど重要かを示す好例だ》
   『●袴田事件や福井事件等の教訓《検察が手持ち証拠の開示に応じることが、冤罪
      を晴らす上で、どれほど重要か》…再審法改正し、同時に死刑制度の再考を
   『●明らかな冤罪・福井事件(1986年)の再審で「抗議の沈黙」…前川彰司さん
     「そもそも起訴すべき案件ではなかった。検察は判断を最初から誤っていた」
   『●福井事件、再審無罪…《2度目の再審請求で新たに出てきた287点の証拠が
     目撃証言を崩した形で、検察の証拠開示に左右される再審のあり方が問われる》
   『●《権力の暴走》、検察が《うそをぬけぬけと主張》…前川彰司さん「警察や
      検察は明らかなうその証拠で殺人という罪を自分に着せた。国家権力が…」
   『●福井冤罪事件、《検察官失格の検事》…【大谷昭宏のフラッシュアップ/
      検察官失格の検事に独自ルールを 前川彰司さんのやり直し裁判に思う】
   『●福井冤罪事件、名古屋高検は上訴権を放棄し、前川彰司さんの無罪確定…吉村悟
      弁護士「警察、検察は謝罪しなければいけない…再発防止策を公にしないと」

 増田美希子氏をWikipediaで見てみると…《東京都出身[1][2]。東京大学教養学部を卒業後、2000年 (平成12年)、警察庁に入庁[1][2]。入庁後、兵庫県警察本部警備部外事課長、警察庁警備局警備企画課理事官、在カナダ日本国大使館一等書記官、警察庁長官官房企画官兼警察庁警備局外事情報部外事課理事官などを歴任[2]警視庁公安部外事第一課長在任時には、大川原化工機事件噴霧乾燥器に関する追加の温度実験をするなど補充捜査に関わった[7]。警視庁公安部参事官在任時には、スパイが身近にいるとして企業に警鐘を鳴らした[8]。2023年3月27日、警察庁警備局警備運用部警備第三課長兼警備運用部付兼長官官房付に就任し[9][10]、同年9月15日、警察庁警備局警備運用部警備第二課長に就任[11][12]。2025年4月25日、福井県警察本部長 (女性初) に就任[2][3][5][6]。原発警備や拉致問題を最重要課題の一つとして取り組んでいきたいと抱負を述べた[4][13]》。

   『●大川原化工機冤罪事件…上告断念により逮捕・起訴の違法性が確定: 検証? 折角の
      未来志向型検証アンケートへの《回答を廃棄》した〝前科〟ありなのですが…
   『●次は裁判所も《検証》を…《相嶋静夫さんは9月に不調を訴え10月に進行性癌
     と診断されたにもかかわらず、8回も保釈請求が却下されて2月に亡くなった》
   『●完全なるでっち上げだった大川原化工機冤罪事件…《警視庁公安部と東京地検…
      原告に謝罪して捜査の過程を検証》…第三者の目が無くして徹底検証は不可能
   『●大川原化工機冤罪事件…《人質司法は捜査機関の問題としてフォーカス》…
     《最も批判されるべきは安易に勾留請求を認め、保釈請求を却下する裁判官》

=====================================================
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025080101021&g=soc

福井県警、前川さんに謝罪なく 「重く受け止め」繰り返す
時事通信 2025年08月01日18時52分配信

     (前川彰司さんの無罪が確定したことを受け、記者会見冒頭に
      一礼する福井県警の増田美希子本部長=1日午後、福井市)

 前川彰司さん(60)の再審無罪が確定したことを受け、福井県警の増田美希子本部長は1日記者会見し、「重く受け止めている」と繰り返した。謝罪の言葉はなかった


前川さん無罪確定 検察上告見送り「厳粛に受け止め」―福井中3殺害、逮捕から38年


 判決が不当と指摘した捜査手法については、「真摯(しんし)に反省している」と述べた。前川さんに直接謝罪するかを問われると、「今後警察の捜査について訴訟を提起されるとの報道にも接している。諸般の情勢を踏まえ考える」と慎重姿勢を崩さなかった。

 目撃証言の根拠となったテレビの歌番組の放送日について、一審段階で検察が誤りを把握しながら明らかにしなかったことの見解を問われると、「検察の公判手続きのことでコメントは控える」と回答。「県警では正しい放送日について捜査報告書を(検察に)送致している」と述べるにとどめた。

 事件の遺族に対しては「未解決となったことは申し訳ない」と謝罪当時の捜査が適正だったかどうかについては「重ねて検証することは考えていない」と強調した。

最終更新:2025年08月01日19時31分
=====================================================


 高田剛弁護士のつぶやき:

―――――――――――――――――――――――――――――――
https://x.com/WadakuraO/status/1952880975400292420

高田 剛 Tsuyoshi Takada | 和田倉門法律事務所
@WadakuraO

増田美希子氏(現:福井県警察本部長)と大川原化工機事件の関わりについて一部憶測が広がっているため、正確な事実を記載しておく。

本事件はガサ直前の2018年10月1日に「警察庁外事課長指定事件」に指定された。

それ以前から警察庁への報告はなされていたが、ガサ後の捜査は警察庁外事課と警視庁公安部が一体となって捜査に取り組む体制となった。

増田氏は、2019年1月〜2020年8月、警察庁外事課のナンバー2である理事官の立場にあった。

この間、警視庁公安部は、大川原化工機の役職員に対して延べ291回の任意取調べを行い、立件に不利な供述を得ていたが、これを黙殺するなどし、2020年3月11日に逮捕立件に及んだ。

増田氏が、警視庁公安部の違法な捜査にどこまで関与していたかは不明だ。

しかし少なくとも、捜査の状況について報告を受け、これを了承していた(警察庁外事課長の決裁がないと警視長は立件できない)という意味で、監督責任を免れない

その後増田氏は、2020年8月に警視庁公安部外事第一課長に異動する。

この時点では事件はすでに起訴されていたため、捜査は検察官(加藤和宏検事)が主導していた。増田氏は、加藤検事の指示を受け温度実験を指揮していた。

しかし繰り返しになるが、これは逮捕立件後の話だ。

以上のとおり、増田氏の冤罪への関与は、警察庁外事課のナンバー2として警視庁公安部による逮捕立件を容認したという点にあり、その関与度合いは不明ということだ。

今週公表される予定の検証結果では、この点について明らかにされることを期待したい。

https://x.com/WadakuraO/status/1952880975400292420/photo/1https://x.com/WadakuraO/status/1952880975400292420/photo/1
―――――――――――――――――――――――――――――――


 高田剛弁護士の図面から、名前を拾ってみると:

●新美恭生氏 … Wikipedia《2018年2月8日、経産省は突然、ガサ入れ(強制的な家宅捜査)を容認する姿勢に転じた。同省の課長補佐は「公安部の新美恭生部長が動いたと聞いている」と説明した[26]

近藤知尚氏 … [《佐藤氏を叱責して検証結果を破棄させた部長:近藤知尚氏 近藤氏は警視庁公安部長として大川原化工機事件のガサ・逮捕立件を実行した後、2020年8月に警察庁警備局外事情報部長に就任 冤罪検証の揉み消しは厳しく追及されるべきだ》(高田剛弁護士)](https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/423866f2f6a7418236883049df1dd382)

●迫田裕治氏 … Wikipedia《2017年2月 - 警察庁警備局公安課長[12] 2018年4月 - 警察庁警備局外事情報部外事課長[12] 2019年8月 - 長崎県警察本部長[6][12] 2020年8月 - 警視庁公安部長[7] 2021年9月 - 警察庁警備局外事情報部長[8][12] 2022年8月 - 警察庁警備局警備運用部長[9][12] 2023年6月 - 警察庁警備局長[2][12] 2025年1月 - 警視総監[3][12]

中島寛氏 … [《中島寛公安部長は19日にあった会見でアンケートの存在や破棄された事実を認めた上で、アンケート結果については「課の組織運営や業務管理に活用した」と述べた。アンケートについては、9月の東京都議会でも取り上げられていた。五十嵐えり都議(当時、現・衆院議員)が実施の有無などについて質問し、緒方禎己警視総監が「訴訟が係属中なので、お答えは差し控える」と答弁していた》(アサヒコム、2024年12月25日)](https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/cd9c0cc1b61320176328f024f562c5d9)

●高橋靖夫氏 … デイリー新潮《安積警部補が自身の判断で四ノ宮氏が言ってもいないことを「創作」し、立件に都合のよい調書やメモを仕立てたとは思われるが、報告先は第一課長の高濱裕章警視、さらには後任の高橋靖夫警視である。彼らの階級は安積警部補よりずっと上である》

●名倉圭一氏 … CALL4《被疑者弁解録取状況報告書 令和2年3月25日 警視庁公安部外事第一課長 司法警察員警視 名倉圭一殿 警視庁公安部外事第一課 司法警察員警部補 安積伸介 被疑会社大川原化工機株式会社ほか3名に対する外国為替及び外国貿易法違反 (無許可輸出) 被疑事件につき、令和2年3月11日、被疑者島田順司の弁解を録取した状況は、下記のとおりであるから報告する。...》。この件は、次のことに関連している…(東京新聞)【大川原事件、元公安部3人不起訴 うその捜査報告書作成容疑】《「大川原化工機」の社長ら幹部が外為法違反罪などの起訴を取り消された事件で、東京地検は8日、虚偽の文書を作成したなどとして告発され、虚偽有印公文書作成・同行使容疑などで書類送検された警視庁公安部元捜査員の男性3人を嫌疑不十分で不起訴にした。同庁などによると、3人は当時警部と警部補、巡査部長で、警部は既に退職した。巡査部長の書類送検容疑は2019年5月、同社の「噴霧乾燥装置」に関する温度実験で、うその捜査報告書を作成した疑い。退職した警部と警部補は20年3月、同社元取締役島田順司さんの言い分を聞き取る弁解録取書を裁断した上、過失で破棄したとする虚偽の報告書を同庁に出すなどした疑い。》

●増田美希子氏 … Wikipedia

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●福井冤罪事件、名古屋高検は上訴権を放棄し、前川彰司さんの無罪確定…吉村悟弁護士「警察、検察は謝罪しなければいけない…再発防止策を公にしないと」

2025年08月06日 00時00分06秒 | Weblog

[↑ ※『捜査側 謝罪明言せず/福井事件 再審無罪確定』『証拠開示の議論に影響も 再審制度見直し』『前川さん「当然のことをしてほしい」』『前川さん 再審無罪確定/福井事件 検察「真摯に反省」』(朝日新聞、2025年08月02日[土])]




(2025年08月02日[土])
福井冤罪事件、警察が証言を誘導・捏造し、検察がそれを知りつつ、前川彰司さんに罪を押しつけ続けた、何十年にも渡って。《検察官失格の検事》。一方、裁判官の問題については、大川原化工機冤罪事件に関す鴨志田祐美弁護士のつぶやきを…《人質司法は捜査機関の問題としてフォーカスされることが多いけど、最も批判されるべきは安易に勾留請求を認め、保釈請求を却下する裁判官だろう。過日の謝罪で謝罪すべき相手の名前を間違った警視副総監も、心から反省などしていないことが見え見えで酷いと思うけど、そんなことよりも、人命軽視も甚だしい裁判官たちの方がもっともっと許しがたい裁判所は検証しないと言っているので、第三者機関による徹底検証をすべきだ。これは司法の独立なんかで守られるべき問題ではない》。
 そして、大谷昭宏さんの提言…《重大な証拠隠しがあった検察官は、それ以降、公判立ち会い検事として認めない公判途中で証拠隠しが発覚した場合、いったん裁判を打ち切り、起訴、疎明資料の提出からやり直させる-。当然ではないか。検察官失格の検事に、ぬけぬけだまされっ放しの裁判官に裁かれる市民は、たまったもんじゃないからである》。

 恥ずかしくて、上告も出来なかったくせに、反省も無ければ、検証する気も無し。《権力の暴走》、検察が《うそをぬけぬけと主張》しておきながら…。福井中3殺害事件が起きたのは1986年。無罪が確定するまでに39年も経ってしまった。一審無罪で終わっていた、無罪を確定すべきであったし、それにしても、2013年3月の再審開始取り消しがあまりに酷かった ――― 《福井市で一九八六年に起きた女子中学生殺害事件の再審請求異議審で、名古屋高裁(志田洋裁判長)は六日、「確定判決の事実認定に合理的な疑いを差し挟む余地はない」として検察側の異議を全面的に認め、前川彰司・元被告(47)の再審開始を認めた高裁金沢支部の決定(二〇一一年)を取り消した。前川さんの弁護団は五日以内に、最高裁に特別抗告する》(東京新聞)、また、社説でも《福井の女子中学生殺害事件で、名古屋高裁が元被告の再審開始を取り消した。検察の「異議」を全面的に認めた結果だ。せっかく出た再審の扉を閉ざす「異議審」の手続きに異議を申し立てたい》。

 アサヒコムの記事【前川さん、再審無罪確定 検察「真摯に反省」 福井事件】(https://www.asahi.com/articles/DA3S16273284.html?iref=pc_ss_date_article)によると、《福井市で1986年に女子中学生を殺害したとして、殺人罪で服役した前川彰司さん(60)を無罪とした名古屋高裁金沢支部のやり直し裁判(再審)の判決について、名古屋高検は1日、上告しないことを決め、上訴権を放棄したと発表した。前川さんの無罪が確定した。▼37面=謝罪明言せず 高検の浜克彦次席検事は会見…》。
 もう一つのアサヒコムの記事【捜査側、謝罪明言せず 福井事件、再審無罪確定】(https://www.asahi.com/articles/DA3S16273220.html?iref=pc_ss_date_article)によると、《福井市で1986年に女子中学生を殺害したとして有罪判決を言い渡されてから30年。服役を終えた前川彰司さん(60)の再審無罪が確定した。警察と検察は謝罪を明言せず、前川さんや関係者らから失望の声が上がった。▼1面参照 「判決では捜査の一部が不正不当ないし、その合理的な疑いがあるとし供述の信用性が否…」》。

 東京新聞の記事【前川彰司さんの再審無罪確定 事件39年、検察が上告断念】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/425570)によると、《上告には憲法違反や判例違反などの理由が必要で、理由を見いだせないと判断したとみられる》。
 もう一つの東京新聞の記事【待ち望んだ無罪確定に安堵の表情 前川さん「冤罪犠牲者の希望に」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/425665)によると、《「多くの冤罪犠牲者の希望になれた」。1日の再審無罪確定を受けて福井市内で記者会見した前川彰司さん(60)は、安堵した様子だった。同席した吉村悟弁護団長は「遅きに失したが、ようやくこの日を迎えられた」と晴れやかな表情を見せた。前川さんは穏やかな口調で質問に応じた。無罪確定を疑わなかったと言い、「落ち着いてこの日を迎えられた」。再審判決が警察や検察を厳しく指弾したことを踏まえ「今後同じような失態を起こさないよう、当局には重く受け止めてほしい」とも語った》。

 前川彰司さんに謝罪する気は無し、捜査の問題点を検証する気も無し…《権力の暴走》、検察が《うそをぬけぬけと主張》しておきながら、呆れるしかない。
 島袋太輔記者による、毎日新聞の記事【福井・中3殺害、無罪確定も捜査当局の検証なく 「謝罪が常識」】(https://mainichi.jp/articles/20250801/k00/00m/040/266000c)によると、《上告を断念した捜査当局側は「真摯(しんし)に反省する」と繰り返すのみで、前川さんへの謝罪や事件の検証の実施には踏み込まなかった。前川さんは「当然のことをしてほしい。(謝罪・検証をしないというのなら)それが県警の当然の判断なんでしょう」と皮肉り、弁護団長の吉村悟弁護士は「失望した警察、検察は謝罪しなければいけない。それに、再発防止策を公にしないと、この事件の意味はない」と憤った》。

   『●「前川さんの身になってほしい!」: 「福井事件」という明々白な冤罪
   『●愚挙: 検察の異議が認められて福井事件の再審開始が取り消しに
    「《この事件でも物証がなく、関係者の証言のみで前川さんは
     罪に問われている。しかも、前川さんは逮捕から一貫して犯行を
     否認をしている》。検察(名古屋高検)も酷いけど、裁判所が
     一体何を考えているのか、理解に苦しむ。この裁判所(名古屋高裁)
     の愚挙、批判的な記事があまり出ないのはなぜ??」

   『●「「3.11」から2年③ 東北復興と壁」/
       『週刊金曜日』(2013年3月15日、935号)について
    「粟野仁雄さん【福井女子中学生殺害事件で前川彰司さんの
     再審請求棄却 立証責任回避の違法な決定】」

   『●「「アイドル」を守れ!」
     『週刊金曜日』(2014年6月6日、994号)についてのつぶやき
    「中嶋啓明さん【「一刻も早く再審開始決定を」
     福井女子中学生殺人】、《逮捕から28年が過ぎた……前川彰司さん
     ……指紋や目撃者など、前川さんと犯行を結び付ける直接証拠が
     一切ない》。青木理さん「前川さんの身になってほしい!」」

   『●福井事件 (1986年) は明らかな冤罪…7年間の服役を終えた前川彰司さん
      の第2次再審請求で、名古屋高裁金沢支部 (山田耕司裁判長) が再審決定
   『●福井事件、発生から38年も経って漸く再審を決定…《検察が手持ち証拠の
      開示に応じることが、冤罪を晴らす上で、どれほど重要かを示す好例だ》
   『●袴田事件や福井事件等の教訓《検察が手持ち証拠の開示に応じることが、冤罪
      を晴らす上で、どれほど重要か》…再審法改正し、同時に死刑制度の再考を
   『●明らかな冤罪・福井事件(1986年)の再審で「抗議の沈黙」…前川彰司さん
     「そもそも起訴すべき案件ではなかった。検察は判断を最初から誤っていた」
   『●福井事件、再審無罪…《2度目の再審請求で新たに出てきた287点の証拠が
     目撃証言を崩した形で、検察の証拠開示に左右される再審のあり方が問われる》
   『●《権力の暴走》、検察が《うそをぬけぬけと主張》…前川彰司さん「警察や
      検察は明らかなうその証拠で殺人という罪を自分に着せた。国家権力が…」
   『●福井冤罪事件、《検察官失格の検事》…【大谷昭宏のフラッシュアップ/
      検察官失格の検事に独自ルールを 前川彰司さんのやり直し裁判に思う】

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/425570

前川彰司さんの再審無罪確定 事件39年、検察が上告断念
2025年8月1日 14時12分 (共同通信)

     (前川彰司さん)

 1986年の福井中3殺害事件で殺人罪に問われ、服役した前川彰司さん(60)の再審無罪が1日、確定した。無罪とした7月18日の名古屋高裁金沢支部の再審判決について、検察側が上告する権利を放棄した。前川さんは一貫して無実を主張事件から39年を経て、冤罪が晴れた

 上告には憲法違反や判例違反などの理由が必要で、理由を見いだせないと判断したとみられる。

 再審判決は、警察が前川さんの知人らの供述誘導した疑いを指摘。さらに検察が知人証言に一部誤りがあること一審途中に把握しながら明らかにしなかったと認定した。有罪立証の柱だった「事件後、前川さんの服に血が付いているのを見た」といった知人らの証言は信用できないとし、無罪と結論づけた

 前川さんは事件翌年の87年に逮捕され、一貫して無実を主張してきた。一審無罪だったが、二審で懲役7年の逆転有罪判決が言い渡され、その後確定。第2次再審請求で、高裁金沢支部は昨年10月、再審開始を認め、検察は異議を申し立てず裁判やり直しが決まった。
=====================================================

=====================================================
https://mainichi.jp/articles/20250801/k00/00m/040/266000c

福井・中3殺害、無罪確定も捜査当局の検証なく 「謝罪が常識」
2025/8/1 20:26(最終更新 8/1 20:26)

     (検察側の上告断念の発表を受け、記者会見に臨んだ前川彰司さん
      =福井市で2025年8月1日午後5時6分、島袋太輔撮影)

 福井女子中学生殺害事件は発生から39年を経て、前川彰司さんがぬれぎぬを着せられていたことが1日、確定した。ただ、捜査当局から謝罪の言葉はなく、前川さんは「ごめんなさいと謝るのが社会の常識だ」と訴えた。

 弁護団に一報が入ってきたのは正午ごろ。名古屋高裁金沢支部から「検察側から上訴権を放棄する書類が届いた」と電話があったという。「良かった。無罪を勝ち取ることができた」。無罪確定後に福井市内で開かれた記者会見で、前川さんは率直な思いを口にした。

 1審で無罪とされるも、2審で逆転有罪とされた。1度目の再審開始決定後に取り消され、2度目の再審請求が通って、ようやく無実の罪が証明された。

 前川さんは「冤罪(えんざい)というものに、司法(の手続き)は時間がかかるのだなと1986年に事件が起きて、なんで犯人が捕まらないのかと長い道のりを振り返った。

 上告を断念した捜査当局側は「真摯(しんし)に反省する」と繰り返すのみで、前川さんへの謝罪や事件の検証の実施には踏み込まなかった。前川さんは「当然のことをしてほしい。(謝罪・検証をしないというのなら)それが県警の当然の判断なんでしょう」と皮肉り、弁護団長の吉村悟弁護士は「失望した警察、検察は謝罪しなければいけない。それに、再発防止策を公にしないと、この事件の意味はない」と憤った。

 弁護側はまず、国に前川さんの身体拘束に対する刑事補償を求める方針で、捜査の違法性を問う国賠訴訟の提訴も視野に入れる。【島袋太輔】
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●福井冤罪事件、《検察官失格の検事》…【大谷昭宏のフラッシュアップ/検察官失格の検事に独自ルールを 前川彰司さんのやり直し裁判に思う】

2025年08月05日 00時00分49秒 | Weblog

[※ 『福井中3殺害 再審無罪/「目撃証言 信用できない」捜査機関の誘導の疑い指摘/再審制度 冤罪被害者のため』『38年 求めた無罪/前川さん「つらかった」言葉詰まらせ/出し渋る検察 弁護に「壁」/「証拠開示ルール化 影響も」/袴田巌さん姉・秀子さん「これからの人生がある」/女子生徒遺族コメントせず 真相究明難しく』『「不公正」捜査側を非難/裁判長指摘「不利益な事実隠す意図」/もろかった6人の「証言」/「決め手」の証拠 開示まで20年 再審見直し議論に影響も』(朝日新聞、2025年7月19日[土])]


(2025年07月30日[水])
福井冤罪事件、警察が証言を誘導・捏造し、検察がそれを知りつつ、前川彰司さんに罪を押しつけ続けた、何十年にも渡って。
 《権力の暴走》、検察が《うそをぬけぬけと主張》…前川彰司さん「警察や検察は明らかなうその証拠で殺人という罪を自分に着せた。国家権力が…」。

 再度の引用。毎日新聞の記事【「うそをぬけぬけと主張」裁判長が検察を非難 中3殺害で再審無罪】(https://mainichi.jp/articles/20250718/k00/00m/040/159000c)によると、《増田啓祐裁判長は判決の冒頭で「1審の無罪判決に誤りはない」と結論を示し、前川さんを犯人だとした最初の関係者の証言について「うそだった」と認定。「捜査に行き詰まった捜査機関がうその供述に基づき、(他の関係者に)供述を誘導する不当な働きかけをした。有罪の根拠となる事実は認定できない」と述べた》。

 《検察官失格の検事》。一方、裁判官の問題については、大川原化工機冤罪事件に関す鴨志田祐美弁護士のつぶやきを…《人質司法は捜査機関の問題としてフォーカスされることが多いけど、最も批判されるべきは安易に勾留請求を認め、保釈請求を却下する裁判官だろう。過日の謝罪で謝罪すべき相手の名前を間違った警視副総監も、心から反省などしていないことが見え見えで酷いと思うけど、そんなことよりも、人命軽視も甚だしい裁判官たちの方がもっともっと許しがたい裁判所は検証しないと言っているので、第三者機関による徹底検証をすべきだ。これは司法の独立なんかで守られるべき問題ではない》。大谷昭宏さんの提言…《重大な証拠隠しがあった検察官は、それ以降、公判立ち会い検事として認めない公判途中で証拠隠しが発覚した場合、いったん裁判を打ち切り、起訴、疎明資料の提出からやり直させる-。当然ではないか。検察官失格の検事に、ぬけぬけだまされっ放しの裁判官に裁かれる市民は、たまったもんじゃないからである》。
 日刊スポーツのコラム【大谷昭宏のフラッシュアップ/検察官失格の検事に独自ルールを 前川彰司さんのやり直し裁判に思う】(https://www.nikkansports.com/general/column/flashup/news/202507280000092.html)によると、《判決公判だけではない。昨年の再審決定で、山田耕司裁判長は前川さんのアリバイを隠していた検察に事実に反することをぬけぬけと主張し続けていると断罪。裁判官が検察をここまで罵倒するのは、長年だまされてきたことへの怒りがさく裂したとしか言いようがない》。

   『●「前川さんの身になってほしい!」: 「福井事件」という明々白な冤罪
   『●愚挙: 検察の異議が認められて福井事件の再審開始が取り消しに
    「《この事件でも物証がなく、関係者の証言のみで前川さんは
     罪に問われている。しかも、前川さんは逮捕から一貫して犯行を
     否認をしている》。検察(名古屋高検)も酷いけど、裁判所が
     一体何を考えているのか、理解に苦しむ。この裁判所(名古屋高裁)
     の愚挙、批判的な記事があまり出ないのはなぜ??」

   『●「「3.11」から2年③ 東北復興と壁」/
       『週刊金曜日』(2013年3月15日、935号)について
    「粟野仁雄さん【福井女子中学生殺害事件で前川彰司さんの
     再審請求棄却 立証責任回避の違法な決定】」

   『●「「アイドル」を守れ!」
     『週刊金曜日』(2014年6月6日、994号)についてのつぶやき
    「中嶋啓明さん【「一刻も早く再審開始決定を」
     福井女子中学生殺人】、《逮捕から28年が過ぎた……前川彰司さん
     ……指紋や目撃者など、前川さんと犯行を結び付ける直接証拠が
     一切ない》。青木理さん「前川さんの身になってほしい!」」

   『●福井事件 (1986年) は明らかな冤罪…7年間の服役を終えた前川彰司さん
      の第2次再審請求で、名古屋高裁金沢支部 (山田耕司裁判長) が再審決定
   『●福井事件、発生から38年も経って漸く再審を決定…《検察が手持ち証拠の
      開示に応じることが、冤罪を晴らす上で、どれほど重要かを示す好例だ》
   『●袴田事件や福井事件等の教訓《検察が手持ち証拠の開示に応じることが、冤罪
      を晴らす上で、どれほど重要か》…再審法改正し、同時に死刑制度の再考を
   『●明らかな冤罪・福井事件(1986年)の再審で「抗議の沈黙」…前川彰司さん
     「そもそも起訴すべき案件ではなかった。検察は判断を最初から誤っていた」
   『●福井事件、再審無罪…《2度目の再審請求で新たに出てきた287点の証拠が
     目撃証言を崩した形で、検察の証拠開示に左右される再審のあり方が問われる》
   『●《権力の暴走》、検察が《うそをぬけぬけと主張》…前川彰司さん「警察や
      検察は明らかなうその証拠で殺人という罪を自分に着せた。国家権力が…」

=====================================================
https://www.nikkansports.com/general/column/flashup/news/202507280000092.html

コラム
大谷昭宏のフラッシュアップ
2025年7月28日8時0分
検察官失格の検事に独自ルールを 前川彰司さんのやり直し裁判に思う

 死刑囚から無罪が確定した袴田巌さんの姉、ひで子さんから贈られた青い帽子を高く掲げる前川彰司さん(60)。私もかつて現地を取材した福井中3殺害事件で7年間服役した前川さんのやり直し裁判は、名古屋高裁金沢支部が無罪を言い渡し、検察が上告を断念すれば8月1日、前川さんの無罪が38年ぶりに確定する。

 増田啓祐裁判長は判決のあと、「1審の無罪判決が確定した可能性のある事件でした。長期間ご苦労をかけて申し訳なく思います」と深々と頭を下げたという。

 私は、その姿勢を評価する一方で、ことここに至って、なぜ裁判官は猛烈な怒りを検察にぶつけないのかいら立ちが募る

 判決で増田裁判長は、控訴審で前川さんを犯人に仕立て上げるための検察側証人に警官が現金を渡したことについて到底看過できない批判

 さらに事件当日、前川さんにアリバイがあったとする捜査報告書を、検察も把握しながら隠していたことについては「公益を代表する検察官として、あるまじき不誠実で罪深い不正検察官失格の烙印(らくいん)を押している。

 判決公判だけではない。昨年の再審決定で、山田耕司裁判長は前川さんのアリバイを隠していた検察に事実に反することをぬけぬけと主張し続けていると断罪。裁判官が検察をここまで罵倒するのは、長年だまされてきたことへの怒りがさく裂したとしか言いようがない。

 ここまで来たら、議員立法による再審法制定や法務・検察主導の法制審議会の審議を待たずに、裁判所は裁判官対検察官の独自のルールを作るべきではないか。

 重大な証拠隠しがあった検察官は、それ以降、公判立ち会い検事として認めない公判途中で証拠隠しが発覚した場合、いったん裁判を打ち切り、起訴、疎明資料の提出からやり直させる-

 当然ではないか。検察官失格の検事に、ぬけぬけだまされっ放しの裁判官に裁かれる市民は、たまったもんじゃないからである


大谷昭宏(おおたに・あきひろ)ジャーナリスト。TBS系「ひるおび」東海テレビ「ニュースONE」などに出演中。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《国への賠償請求は棄却したが》西山美香さんの《身に起きた悲劇を、司法全体が真摯に受け止め、改革を進めなければならない》、いやぁ、無理でしょう…

2025年07月27日 00時00分54秒 | Weblog

[※ 違法捜査 滋賀県に賠償命令/再審無罪 元看護助手の訴訟/虚偽の供述 誘導認定 地裁判決/不利な証拠 送致なら不起訴も 判決指摘/西山さん「国に勝つのは難しいのかな」(朝日新聞、2025年7月18日[金])]


(2025年07月21日[月])
湖東記念病院人工呼吸器事件、なぜ、《国への賠償請求》を棄却? 《患者が自然死した可能性を示す捜査報告書を検察に送らなかった》…申し訳ないけど、本当なのかね? 検察が本当にそれを知らなかった? 《捜査の問題点と刑事司法の改善》は行われたか? 未だ《(湖東記念病院冤罪事件) 西山美香さんの15年を無駄にして》しまったままなのではないか?

   『●湖東記念病院人工呼吸器事件…冤罪服役13年、
     【元看護助手、再審で無罪が確定的に 滋賀の病院患者死亡】
   『●湖東記念病院人工呼吸器事件で冤罪服役…《刑事司法の
      よどみや曇り》の解明を、《冤罪が生まれる構造に光》を!
   『●警察・検察・裁判所は何も責任をとらないつもり? それなくして、
       《西山さんが待ち続けた「名誉回復」》が叶ったといえるのか?
   『●《判決後、大西直樹裁判長は、捜査の問題点と刑事司法の改善の必要性
      を説き、「西山さんの15年を無駄にしてはならない」と話している》
    《無実でも有罪判決が確定すると、それを晴らす道は極めて狭い
     再審関係の条文は古いままで、手続きも事実上、裁判官のさじ加減
     次第である。無辜(むこ)を救う究極の人権救済の法整備は急ぐべきだ
    《元看護助手・西山美香さん…「…鹿児島・大崎事件(第4次
     再審請求中=懲役10年)の原口アヤ子さんは41年間無実を
     訴えていますし、松橋事件(懲役13年)も無罪確定まで34年
     かかっています。正直、再審開始が決まったときはほっとした
     と同時に、長く闘われている方には申し訳ない気持ちも
     ありましたね。」》

   『●《裁判長は「取り調べや証拠開示などが一つでも適切に行われていれば、
       逮捕・起訴はなかったかもしれません」》と仰ってたのですがね?
    《だが、県は、15日に地裁へ提出した準備書面で「取り調べ担当官に
     好意と信頼を寄せて虚偽の殺害を自白することなど、
     根本的にあり得ない」とし、捜査の違法性を否定。「被害者を
     心肺停止状態にさせたのは、原告である」と主張した。
     再審の無罪判決で、裁判長は「取り調べや証拠開示などが一つでも
     適切に行われていれば、逮捕・起訴はなかったかもしれません
     と説諭したが、「滋賀県警としては、承服し難い」とも反論した》

   『●湖東記念病院人工呼吸器事件で冤罪服役…《刑事司法の
     よどみや曇り》の解明を、《冤罪が生まれる構造に光》を!
   『●再審無罪が確定した西山さんの国家賠償請求訴訟で、冤罪を生んだ滋賀県警が
           《今になって西山さんを犯人視する書面を作成、裁判所に》…
   『●袴田事件や福井事件等の教訓《検察が手持ち証拠の開示に応じることが、
     冤罪を晴らす上で、どれほど重要か》…再審法改正し、同時に死刑制度の再考を
    《弁護団によると、大津地方裁判所で行われた再審の判決で、
     裁判長15年の歳月を経て初めて開示された証拠が多数ある
     1つでも適切に開示されていれば起訴されなかったかもしれない
     と述べた》

   『●《捜査の問題点と刑事司法の改善》は行われたか? 未だ《(湖東記念病院
     冤罪事件) 西山美香さんの15年を無駄にして》しまったままなのではないか?

 東京新聞の【<社説>冤罪に賠償命令 刑事捜査改革の契機に】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/421883?rct=editorial)によると、《違法な捜査が冤罪(えんざい)を生む怖さを改めて印象づけた判決だ。滋賀県東近江市の病院で2003年、患者が死亡した「呼吸器事件」。再審無罪が確定した元看護助手、西山美香さんが国と県に損害賠償を求めた訴訟で、大津地裁は県に賠償を命じた。再審無罪の判決同様、捜査の違法性を認め日本の刑事捜査が抱える根源的な問題を問うた判決だ。国への賠償請求は棄却したが、西山さんの身に起きた悲劇を、司法全体が真摯(しんし)に受け止め、改革を進めなければならない》…いやぁ、無理だと思いますよ。

 大滝哲彰記者による、アサヒコムの記事【【そもそも解説】無罪になっても認められない? 国家賠償のハードル】(https://www.asahi.com/articles/AST7J0J1HT7JPTIL00DM.html)によると、《違法捜査などの被害について、国や自治体に裁判で「国家賠償」を求めるケースが相次いでいます。国家賠償とはどのようなもので、どんな場合に認められるのでしょうか。》《「湖東記念病院事件」で再審無罪となり、国家賠償を求めた西山美香さん(右)=2024年5月、大津市》。
 真常法彦記者による、アサヒコムのもう一つの記事【元看護助手への取り調べを違法と認定、滋賀県に賠償命令 再審で無罪】(https://www.asahi.com/articles/AST7J24XRT7JPTJB00MM.html?iref=pc_ss_date_article)によると、《滋賀県東近江市湖東記念病院で2003年に死亡した患者への殺人罪で服役後、裁判をやり直す再審で無罪が確定した元看護助手の西山美香さん(45)が、国と県(県警)に計約5500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が17日、大津地裁であった。池田聡介裁判長は、警察の捜査は違法だったと認め、県に約3100万円の賠償を命じた。一方で、国への請求は棄却した。西山さん側は控訴する方針。》

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/421883?rct=editorial

<社説>冤罪に賠償命令 刑事捜査改革の契機に
2025年7月18日 08時07分

 違法な捜査が冤罪(えんざい)を生む怖さを改めて印象づけた判決だ。滋賀県東近江市の病院で2003年、患者が死亡した「呼吸器事件」。再審無罪が確定した元看護助手、西山美香さんが国と県に損害賠償を求めた訴訟で、大津地裁は県に賠償を命じた。再審無罪の判決同様、捜査の違法性を認め日本の刑事捜査が抱える根源的な問題を問うた判決だ。

 国への賠償請求は棄却したが、西山さんの身に起きた悲劇を、司法全体が真摯(しんし)に受け止め、改革を進めなければならない

 西山さんは男性患者の人工呼吸器を外したとして殺人罪で懲役12年の判決を受け、服役後の再審で無罪となった。今回の判決は、西山さんが「自白」したのは、担当刑事が強く誘導して虚偽の供述をさせた結果だとして、違法な捜査だったと指摘。

 さらに、たんを詰まらせるなど患者が自然死した可能性を示す証拠検察に送致しなかったことは違法と断じた。そうした状況下で検察の起訴が違法とまでは言えないと判断した。

 無辜(むこ)の一女性の貴重な時間を奪っておきながら、滋賀県警に冤罪をつくり出したことへの深い反省があったとは言い難い。再審無罪の確定後、当時の本部長は県議会で西山さんに謝罪し、取り調べの適正化などを約束した。

 しかし県警は、西山さんを再び犯人視する準備書面を提出。その後、撤回したが、証人として出廷した捜査員は「記憶にない」と繰り返すなど、この訴訟に誠実に向き合ったとは到底言えない

 県警は今回こそ、判決の指摘を正面から受け止め、当時の捜査や立証の過程を徹底検証し、再発防止策を根本から模索するよう、強く求めたい。西山さんにも改めて深く謝罪すべきである。

 捜査現場に根強い「自白偏重主義」の危険性も指摘したい。捜査当局がいったんストーリーを作り上げると、軌道修正が極めて難しい組織が正常と言えるのか。「密室」での取り調べが冤罪の温床になっている面も否めない。

 各地の弁護士会などが求めているように、取り調べの全過程の可視化(録音・録画の義務化)や弁護士の立ち会い、裁判における証拠の全面的な開示などは、いずれも喫緊の課題。同じような悲劇を二度と起こさないために、今回の判決を重要な契機とすべきだ。
=====================================================

=====================================================
https://www.asahi.com/articles/AST7J0J1HT7JPTIL00DM.html

【そもそも解説】無罪になっても認められない? 国家賠償のハードル
大滝哲彰 2025年7月17日 9時00分

 違法捜査などの被害について、国や自治体に裁判で「国家賠償」を求めるケースが相次いでいます。国家賠償とはどのようなもので、どんな場合に認められるのでしょうか。

     (「湖東記念病院事件」で再審無罪となり、
      国家賠償を求めた西山美香さん(右)
      =2024年5月、大津市)

 Q 一般的な損害賠償との違いは。

 A 損害賠償は民法に定められた手続き。個人や私企業が、故意や過失によって他人の権利を傷つけた場合に償う。
 国家賠償は「国家賠償法」という別の法律にもとづく。公務員が誰かに損害を生じさせると、国や自治体が賠償責任を負う。


 Q なぜ別の法律になっているのか。

 A 法務省によると、戦前は、公務員の不法行為について国は責任を負わないという「国家無答責」が一般的だった。だが日本国憲法の制定によって、国家賠償の考え方が設けられたという。
 憲法17条は「何人も公務員の不法行為で損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国や公共団体に賠償を求めることができる」としている。これが国賠法の根拠だ。


     (ハンセン病をめぐる国賠訴訟で「勝訴」の旗を掲げる
      原告団=2001年5月11日、熊本市京町1丁目)


 公務員個人の不法行為だけでなく、道路や堤防といった「公の営造物」に欠陥があって何らかの被害が生じた場合も、国や自治体が賠償責任を負うとしている。


 Q 国賠訴訟の件数は。

 A 最高裁によると、2024年に地裁が受理した国賠訴訟は約2700件。中身は、自治体のごみ収集車の事故や税金の徴収ミスといったものから、ハンセン病患者への差別、東京電力福島第一原発事故による避難まで幅広い。


     (東京電力福島第一原発事故をめぐって国賠訴訟を
      起こした避難者ら=2022年6月17日、東京都千代田区)


 行政のあり方や立法の不備を………………。
=====================================================

=====================================================
https://www.asahi.com/articles/AST7J24XRT7JPTJB00MM.html?iref=pc_ss_date_article

元看護助手への取り調べを違法と認定、滋賀県に賠償命令 再審で無罪
真常法彦 2025年7月17日 18時55分

     (国家賠償訴訟の判決を前に大津地裁に入る西山美香さん
      (手前)=2025年7月17日午後1時29分、大津市、
      伊藤進之介撮影)

 滋賀県東近江市湖東記念病院で2003年に死亡した患者への殺人罪で服役後、裁判をやり直す再審で無罪が確定した元看護助手の西山美香さん(45)が、国と県(県警)に計約5500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が17日、大津地裁であった。池田聡介裁判長は、警察の捜査は違法だったと認め、県に約3100万円の賠償を命じた。一方で、国への請求は棄却した。西山さん側は控訴する方針。


【これまでの経緯】「供述弱者」が抱いた恋愛感情を利用 刑事の取り調べに「違法」判決


 西山さんは警察の取り調べに対し、患者の人工呼吸器を外したと「自白」したことに基づき04年に逮捕され、殺人罪で懲役12年の判決が確定し、服役した。大津地裁の再審で20年、患者は病死の可能性があり、「自白も誘導されたとして無罪判決を受け、確定した。

 この日の判決は、取り調べを担当した男性警察官が、人工呼吸器の操作について虚偽供述を強く誘導した一方で、西山さんの心情をコントロールして虚偽自白を維持させようとしたと指摘。県警の取り調べを「社会通念上相当と認められる範囲を超えたもの」と厳しく指摘した。

 患者が自然死した可能性を示す捜査報告書を検察に送らなかったことについては、「証拠調べされていれば、患者の死因判断にも重大な疑義が生じ、検察官は起訴に及ぶことはなかった」と言及。警察が職務上の法的義務に反した判断だったとして、事案の真相を明らかにする刑事訴訟法の目的に反すると断じた。

 一方、検察の捜査、判断については相応の合理性があったとし、違法性を認めなかった

 滋賀県警は「判決の内容を精査した上で、今後の対応を検討する」、大津地検は「判決は基本的に国の主張が認められたものと考えている」とそれぞれコメントを出した。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《権力の暴走》、検察が《うそをぬけぬけと主張》…前川彰司さん「警察や検察は明らかなうその証拠で殺人という罪を自分に着せた。国家権力が…」

2025年07月26日 00時00分38秒 | Weblog

[※ 『福井中3殺害 再審無罪/「目撃証言 信用できない」捜査機関の誘導の疑い指摘/再審制度 冤罪被害者のため』『38求めた無罪/前川さん「つらかった」言葉詰まらせ/出し渋る検察 弁護に「壁」/「証拠開示ルール化 影響も」/袴田巌さん姉・秀子さん「これからの人生がある」/女子生徒遺族コメントせず 真相究明難しく』『「不公正」捜査側を非難/裁判長指摘「不利益な事実隠す意図」/もろかった6人の「証言」/「決め手」の証拠 開示まで20 再審見直し議論に影響も』(朝日新聞、2025年7月19日[土])]







(2025年07月21日[月])
福井冤罪事件、警察が証言を誘導・捏造し、検察がそれを知りつつ、前川彰司さんに罪を押しつけ続けた、何十年にも渡って。
 国本ようこ記者による、3つの毎日新聞の記事【「お前の記憶は飛んでいる」福井・中3殺害で起きた権力の暴走】(https://mainichi.jp/articles/20250715/k00/00m/040/079000c)/《警察は「犯人を知っている」とする元暴力団組員の供述に基づき、前川さんの逮捕に突き進んだ。「警察が本気になれば簡単に冤罪(えんざい)はでっち上げられる」。前川さんと同様に元組員によって事件に巻き込まれた会社員男性(56)が取材に応じ、自らも体感した「権力の暴走」を振り返った》。

 《権力の暴走》…前川彰司さん「そもそも起訴すべき案件ではなかった検察は判断を最初から誤っていた」。
 国本ようこ記者による、2番目の毎日新聞の記事【「うそをぬけぬけと主張」裁判長が検察を非難 中3殺害で再審無罪】(https://mainichi.jp/articles/20250718/k00/00m/040/159000c)によると、《増田啓祐裁判長は判決の冒頭で「1審の無罪判決に誤りはない」と結論を示し、前川さんを犯人だとした最初の関係者の証言について「うそだった」と認定。「捜査に行き詰まった捜査機関がうその供述に基づき、(他の関係者に)供述を誘導する不当な働きかけをした。有罪の根拠となる事実は認定できない」と述べた》。

 前川彰司さん「警察や検察は明らかなうその証拠で殺人という罪を自分に着せた国家権力がうそを利用していいわけがない」。
 国本ようこ記者による、3番目の毎日新聞の記事【事件から39年、絶望の先にあった希望 福井・中3殺害、再審無罪】(https://mainichi.jp/articles/20250715/k00/00m/040/094000c)によると、《警察の取り調べでは犯行を認めるよう迫られたが、「違うものは違うと一貫して無実を訴えた。1審では無罪とされたものの、2審で懲役7年の逆転有罪を言い渡され、服役した》、《父母の存在支えに それでも心は折れなかった。「警察や検察は明らかなうその証拠で殺人という罪を自分に着せた国家権力がうそを利用していいわけがない」。心に宿った怒りは消えなかった》。

 明らかな冤罪・福井事件 (1986年)、再審無罪。警察が証言を誘導し、捏造。何十年にも渡って、検察はそれを知っていながら、前川彰司さんに罪を押しつけ続けた。そして、いつも思うのですが、遺族への大変大きな裏切り行為でもある。
 発生から38年も経って漸く再審、即日結審。当然、再審無罪。結審の日 (2025年3月)、(東京新聞)《「そもそも起訴すべき案件ではなかった検察は判断を最初から誤っていた」。こう話した前川彰司さん(59)は3秒間、手を震わせ険しい表情で検察官と目を合わせた―。再審初公判の意見陳述で、「抗議の沈黙の時間が法廷に流れた。…閉廷後、前川さんは「抗議の思いだった」と説明》していた。

   『●「前川さんの身になってほしい!」: 「福井事件」という明々白な冤罪
   『●愚挙: 検察の異議が認められて福井事件の再審開始が取り消しに
    「《この事件でも物証がなく、関係者の証言のみで前川さんは
     罪に問われている。しかも、前川さんは逮捕から一貫して犯行を
     否認をしている》。検察(名古屋高検)も酷いけど、裁判所が
     一体何を考えているのか、理解に苦しむ。この裁判所(名古屋高裁)
     の愚挙、批判的な記事があまり出ないのはなぜ??」

   『●「「3.11」から2年③ 東北復興と壁」/
       『週刊金曜日』(2013年3月15日、935号)について
    「粟野仁雄さん【福井女子中学生殺害事件で前川彰司さんの
     再審請求棄却 立証責任回避の違法な決定】」

   『●「「アイドル」を守れ!」
     『週刊金曜日』(2014年6月6日、994号)についてのつぶやき
    「中嶋啓明さん【「一刻も早く再審開始決定を」
     福井女子中学生殺人】、《逮捕から28年が過ぎた……前川彰司さん
     ……指紋や目撃者など、前川さんと犯行を結び付ける直接証拠が
     一切ない》。青木理さん「前川さんの身になってほしい!」」

   『●福井事件 (1986年) は明らかな冤罪…7年間の服役を終えた前川彰司さん
      の第2次再審請求で、名古屋高裁金沢支部 (山田耕司裁判長) が再審決定
   『●福井事件、発生から38年も経って漸く再審を決定…《検察が手持ち証拠の
      開示に応じることが、冤罪を晴らす上で、どれほど重要かを示す好例だ》
   『●袴田事件や福井事件等の教訓《検察が手持ち証拠の開示に応じることが、冤罪
      を晴らす上で、どれほど重要か》…再審法改正し、同時に死刑制度の再考を
   『●明らかな冤罪・福井事件(1986年)の再審で「抗議の沈黙」…前川彰司さん
     「そもそも起訴すべき案件ではなかった。検察は判断を最初から誤っていた」
   『●福井事件、再審無罪…《2度目の再審請求で新たに出てきた287点の証拠が
     目撃証言を崩した形で、検察の証拠開示に左右される再審のあり方が問われる》

=====================================================
https://mainichi.jp/articles/20250715/k00/00m/040/079000c

「お前の記憶は飛んでいる」福井・中3殺害で起きた権力の暴走
国本ようこ 2025/7/16 05:30(最終更新 7/16 18:01)

     (再審の初公判が終わり、記者会見に臨む前川彰司さん
      =金沢市で2025年3月6日、阿部弘賢撮影)

 1986年に福井市で中学3年の女子生徒(当時15歳)を殺害したとして、殺人罪で懲役7年が確定し、服役した前川彰司さん(60)に対するやり直しの裁判(再審)で、名古屋高裁金沢支部が18日、判決を言い渡す。

 警察は「犯人を知っている」とする元暴力団組員の供述に基づき、前川さんの逮捕に突き進んだ

 「警察が本気になれば簡単に冤罪(えんざい)はでっち上げられる」。前川さんと同様に元組員によって事件に巻き込まれた会社員男性(56)が取材に応じ、自らも体感した「権力の暴走」を振り返った。


覚醒剤使用容疑のはずが……

 福井市の市営住宅で、めった刺しにされた女子生徒の遺体が発見されてからおよそ9カ月後、男性は福井県警の捜査員に覚醒剤の使用容疑で任意同行を求められた。

 事態がのみ込めない中、捜査員からは覚醒剤ではなく、女子中学生殺害事件への関与を追及された。

 男性は身に覚えがなく「誰がそう言っているのか」と問うと、捜査員は、手錠をかけられた元組員を取調室に連れてきた。

 当時、元組員は別事件に関与したとして警察に身柄を拘束されていた。

 元組員が語るストーリーに沿って女子中学生殺害事件の捜査が進んでいることに男性は気付いた。

 元組員の供述では、事件の犯人は前川さんで、男性は前川さんを車に乗せ、現場を行き来したことになっていた。男性にとって元組員と前川さんはいずれも「先輩格」の知人だった。


「お前もやったのか」捜査員の追及

 男性は前川さんをかくまった容疑で逮捕され、午前8時過ぎから翌日未明までの取り調べを受けた。

 「お前の記憶は飛んじゃっている」「なぜ認めないんだ。お前も一緒にやったのか」――。

 凄惨(せいさん)な現場写真を突き付けられたこともあった。

 耐えきれず「現場に行ったことにしてくれていい」と一度は容疑を認めたこともあったが「うそをついたら、彰ちゃんに顔向けできない」と撤回。捜査員は机を押して男性を壁に押し付け「いいかげんにしろよ」とすごんだという。

 だが、逮捕から12日目………………。
=====================================================

=====================================================
https://mainichi.jp/articles/20250718/k00/00m/040/159000c

「うそをぬけぬけと主張」裁判長が検察を非難 中3殺害で再審無罪
2025/7/18 16:12(最終更新 7/19 10:42)

     (再審公判で無罪判決が出たことを示す弁護士ら
      =金沢市の名古屋高裁金沢支部前で2025年7月18日
      午後2時9分、三村政司撮影)

 1986年に福井市で中学3年の女子生徒(当時15歳)を殺害したとして、殺人罪で懲役7年が確定し、服役した前川彰司さん(60)に対するやり直しの裁判(再審)で、名古屋高裁金沢支部は18日、無罪判決を言い渡した。

 前川さんが事件に関与したとする関係者証言の信用性が争点だった。増田啓祐裁判長は判決の冒頭で「1審の無罪判決に誤りはない」と結論を示し、前川さんを犯人だとした最初の関係者の証言について「うそだった」と認定。「捜査に行き詰まった捜査機関がうその供述に基づき、(他の関係者に)供述を誘導する不当な働きかけをした。有罪の根拠となる事実は認定できない」と述べた。

     (前川彰司さんの再審判決公判が開かれた名古屋高裁
      金沢支部の法廷。中央上は増田啓祐裁判長
      =金沢市で2025年7月18日午後2時(代表撮影))

 また、増田裁判長は検察側の対応についても批判。事件では、前川さんの知人男性が「音楽番組を視聴中に電話があり、前川さんと会った。前川さんの服には血が付いていた」と証言し、有罪の一つの根拠となっていた。

 しかし、実際には音楽番組は事件当日に放送されておらず、検察官もその事実を把握しながら確定審の公判で明らかにしていなかった

 増田裁判長は「(検察側は)事実に反することをぬけぬけと主張し続けた。検察側が誤りを明らかにしていれば、確定審で無罪が確定していた可能性が十分にある」と指摘した。

 女子生徒は86年3月20日、福井市の市営住宅で、めった刺しにされて死亡しているのが見つかった。

 「前川さんから犯行の告白を受けた」「血が付いた服を着た前川さんを見た」などとする証言に基づき、福井県警は87年3月、前川さんを逮捕した。

 前川さんは遺体発見前夜に事件を起こしたとされたが、関与を一貫して否。1審・福井地裁判決(90年9月)は「証言は信用しがたいとして無罪を言い渡した。

 これに対し、2審・名古屋高裁金沢支部判決(95年2月)は「証言は大筋で一貫し、高度の信用性が認められる」として無罪を破棄し、懲役7年を言い渡した。逆転有罪判決は後に確定した。

 前川さんは服役後の2004年に第1次となる再審請求をした。11年11月に名古屋高裁金沢支部が再審開始を決定したが、検察が異議を申し立て、名古屋高裁が13年3月、再審開始決定を取り消した

 前川さんは第2次の再審を請求。名古屋高裁金沢支部が24年10月、弁護側が提出した新証拠を基に、前川さんが事件に関与したとする証言について「捜査に行き詰まった警察の不当な誘導を受けて、体験していない事実を証言したのではないかという重大な疑問が生じている」として、再審開始を決定した。

 また、前川さんに有利な証拠を検察が隠そうとしたとも指摘し、「不誠実で罪深い到底容認できないと異例の批判をしていた。

 再審は今年3月に初公判が開かれ、即日結審した。

 検察側は「証言は互いに支え合い、高い信用性がある」と有罪を求め、弁護側は「捜査機関の証拠隠しや事実の捏造(ねつぞう)があった」と無罪を訴えていた。【国本ようこ】


福井・中3殺害再審 名古屋高裁金沢支部判決(骨子)

・捜査に行き詰まった警察が、うその供述を基に、関係者の供述を不当に誘導した

検察は不利益な証拠を確定審に提出せず、主張・立証の機会を奪った

・前川さんが犯人であるとの立証がなされていない。前川さんは無罪
=====================================================

=====================================================
https://mainichi.jp/articles/20250715/k00/00m/040/094000c

事件から39年、絶望の先にあった希望 福井・中3殺害、再審無罪
国本ようこ 2025/7/18 14:09(最終更新 7/18 16:48)

     (再審開始決定を受け、両手を上げて喜ぶ前川彰司さん(中央)
      =金沢市の名古屋高裁金沢支部前で2024年10月23日
      午前10時、萱原健一撮影)

 「無実の者は無罪。裁判所はしっかりと判断してほしい」

 福井女子中学生殺害事件で有罪が確定した前川彰司さん(60)に、名古屋高裁金沢支部は18日、再審無罪の判決を言い渡した。

 事件発生から39年を経て、裁判所は前川さんの訴えをようやく受け入れた。

 絵に描いたような青年期ではなかった。中学時代はバスケットボール部の活動に打ち込み、1年生から先発メンバーとして試合に出た。しかし、次第に生活が荒れ始め、不良仲間とつるんで遊ぶようになった。


福井・中学3年女子生徒殺害事件の経緯

 事件は1986年3月に起きた。女子生徒が殺害されたことはリアルタイムで把握していなかった。被害者と面識はなく、後で知人から聞かされ「そんなことがあったんや」と受け止めた。

 ところが半年ほどたって「疑われてるよ」と情報が入ってくるようになった。素行の悪さから警察に事情を聴かれたことも確かにあったが、「接点がない」とされていたはずだった。

 殺人容疑で逮捕されたのは事件から1年後。「前川さんが事件の犯人だ」とする知人の供述が引き金だった。

 当時21歳。「親の育て方が悪かった」「被害者と交際していたらしい」――。根拠のないうわさが独り歩きした。非行歴のある前川さんを信じる人は、ほとんどいなかった。

 警察の取り調べでは犯行を認めるよう迫られたが、「違うものは違うと一貫して無実を訴えた。1審では無罪とされたものの、2審で懲役7年の逆転有罪を言い渡され、服役した


父母の存在支えに

 それでも心は折れなかった。「警察や検察は明らかなうその証拠で殺人という罪を自分に着せた国家権力がうそを利用していいわけがない」。心に宿った怒りは消えなかった

 「無罪が出るまで頑張ろう」と声をかけてくれた父、「絶対に裁判をやり直してもらおう」と強く望んでいた母の存在も支えになった。

 前川さんは潔白を証明して人生をやり直すため、再審を求めることを決意する。有罪判決後に洗礼を受けた、キリスト教の信仰も心のよりどころだった。

 第1次再審請求で開始決定が出た後、取り消される憂き目にも遭ったが、支援者や弁護団に支えられ、第2次再審請求で再審の扉をこじ開けた。

 「ハードルはあまりに高く険しく、絶望に近いものがあるされどその向こうに希望のともしびがともっているのもまた事実」。捜査当局と司法判断に翻弄(ほんろう)された半生を前川さんは、そう振り返る。

 自分を犯人視した知人を恨む気持ちはほとんどない。むしろ、その知人の供述にしがみつき、自分を犯人に仕立て上げた警察や検察が厳しく非難されるべきだと思っている。

 母は亡くなり、高齢の父は施設で暮らす。

 「無罪と判断してもらったよ」。2人のために、しみじみと祝杯を上げるつもりだ。【国本ようこ】
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●福井事件、再審無罪…《2度目の再審請求で新たに出てきた287点の証拠が目撃証言を崩した形で、検察の証拠開示に左右される再審のあり方が問われる》

2025年07月24日 00時00分12秒 | Weblog

[※ 『福井中3殺害 再審無罪/「目撃証言 信用できない」捜査機関の誘導の疑い指摘/再審制度 冤罪被害者のため』『38年 求めた無罪/前川さん「つらかった」言葉詰まらせ/出し渋る検察 弁護に「壁」/「証拠開示ルール化 影響も」/袴田巌さん姉・秀子さん「これからの人生がある」/女子生徒遺族コメントせず 真相究明難しく』『「不公正」捜査側を非難/裁判長指摘「不利益な事実隠す意図」/もろかった6人の「証言」/「決め手」の証拠 開示まで20年 再審見直し議論に影響も』(朝日新聞、2025年7月19日[土])]







(2025年07月21日[月])
明らかな冤罪・福井事件 (1986年)、再審無罪。警察が証言を誘導し、捏造。何十年にも渡って、検察はそれを知っていながら、前川彰司さんに罪を押しつけ続けた。そして、いつも思うのですが、遺族への大変大きな裏切り行為でもある。
 発生から38年も経って漸く再審、即日結審。当然、再審無罪。結審の日 (2025年3月)、(東京新聞)《「そもそも起訴すべき案件ではなかった検察は判断を最初から誤っていた」。こう話した前川彰司さん(59)は3秒間、手を震わせ険しい表情で検察官と目を合わせた―。再審初公判の意見陳述で、「抗議の沈黙の時間が法廷に流れた。…閉廷後、前川さんは「抗議の思いだった」と説明》していた。

 荻原千明・椎木慎太郎両記者による、アサヒコムの記事【39年前の福井・女子中学生殺害事件、再審無罪 懲役7年確定し服役】(https://www.asahi.com/articles/AST7K1C2XT7KPJLB00RM.html?iref=comtop_7_03)によると、《福井市で1986年に女子中学生を殺害したとして、懲役7年の判決が確定して服役した前川彰さん(60)の裁判をやり直す再審で、名古屋高裁金沢支部(増田啓祐裁判長)は18日、前川さんを無罪とする判決を言い渡した。知人男性ら6人の目撃証言いずれも信用できない」とした》。

 増田啓祐裁判長「一審の無罪で確定していた可能性もある事件でした」。
 荻原千明・椎木慎太郎両記者による、アサヒコムの記事【39年前の福井・女子中学生殺害、再審無罪 裁判長「申し訳ない」】(https://www.asahi.com/articles/AST7K1C2XT7KPJLB00RM.html?iref=comtop_7_03)/《増田裁判長は「一審の無罪で確定していた可能性もある事件でした。長期間にわたりご苦労をおかけしてしまい、大変申し訳なく思っています」と謝罪した。2度目の再審請求で新たに出てきた287点の証拠が目撃証言を崩した形で、検察の証拠開示に左右される再審のあり方が問われる》。

   『●「前川さんの身になってほしい!」: 「福井事件」という明々白な冤罪
   『●愚挙: 検察の異議が認められて福井事件の再審開始が取り消しに
    「《この事件でも物証がなく、関係者の証言のみで前川さんは
     罪に問われている。しかも、前川さんは逮捕から一貫して犯行を
     否認をしている》。検察(名古屋高検)も酷いけど、裁判所が
     一体何を考えているのか、理解に苦しむ。この裁判所(名古屋高裁)
     の愚挙、批判的な記事があまり出ないのはなぜ??」

   『●「「3.11」から2年③ 東北復興と壁」/
       『週刊金曜日』(2013年3月15日、935号)について
    「粟野仁雄さん【福井女子中学生殺害事件で前川彰司さんの
     再審請求棄却 立証責任回避の違法な決定】」

   『●「「アイドル」を守れ!」
     『週刊金曜日』(2014年6月6日、994号)についてのつぶやき
    「中嶋啓明さん【「一刻も早く再審開始決定を」
     福井女子中学生殺人】、《逮捕から28年が過ぎた……前川彰司さん
     ……指紋や目撃者など、前川さんと犯行を結び付ける直接証拠が
     一切ない》。青木理さん「前川さんの身になってほしい!」」

   『●福井事件 (1986年) は明らかな冤罪…7年間の服役を終えた前川彰司さん
      の第2次再審請求で、名古屋高裁金沢支部 (山田耕司裁判長) が再審決定
   『●福井事件、発生から38年も経って漸く再審を決定…《検察が手持ち証拠の
      開示に応じることが、冤罪を晴らす上で、どれほど重要かを示す好例だ》
   『●袴田事件や福井事件等の教訓《検察が手持ち証拠の開示に応じることが、冤罪
      を晴らす上で、どれほど重要か》…再審法改正し、同時に死刑制度の再考を
   『●明らかな冤罪・福井事件(1986年)の再審で「抗議の沈黙」…前川彰司さん
     「そもそも起訴すべき案件ではなかった。検察は判断を最初から誤っていた」

=====================================================
https://www.asahi.com/articles/AST7K1C2XT7KPJLB00RM.html?iref=comtop_7_03

39年前の福井・女子中学生殺害事件、再審無罪 懲役7年確定し服役
荻原千明 椎木慎太郎 2025年7月18日 14時05分

【動画】女子中学生を殺害したとして服役した前川彰司さん(60)に対するやり直しの裁判で無罪判決=杜宇萱、砂山風磨撮影

     (再審を勝ち取った袴田巌さんの帽子と青木恵子さんから
      贈られたネクタイをつけて再審の判決に臨む前川彰司さん
      =2025年7月18日午後0時14分、金沢市、伊藤進之介撮影)

 福井市で1986年に女子中学生を殺害したとして、懲役7年の判決が確定して服役した前川彰司さん(60)の裁判をやり直す再審で、名古屋高裁金沢支部(増田啓祐裁判長)は18日、前川さんを無罪とする判決を言い渡した。知人男性ら6人の目撃証言いずれも信用できない」とした。


【そもそも解説】福井事件とは 39年前の中3女子殺害
【前川さんストーリー】バスケ部の人気者から人生暗転、好奇心から運の尽き


 2度目の再審請求で新たに出てきた287点の証拠が目撃証言を崩した形で、検察の証拠開示に左右される再審のあり方が問われる。検察側は今後、最高裁に上告するか検討するとみられる。

 前川さんは86年3月19日夜、自宅で留守番をしていた女子中学生(当時15)を包丁で刺したなどとして逮捕・起訴され、「面識もない」と無罪を主張。物証がないなかで、「事件の夜、血の付いた前川を見た」という知人男性ら6人の証言が焦点になった。

 90年の一審・福井地裁判決は、男性が「血の付いた衣類のある場所」の説明を二転三転させたことや、事件後に前川さんが乗ったという車から被害者の血痕が見つからないことなどを重視。証言は信用できないとして無罪を言い渡した

 だが二審は「男性らの供述の大要は一致している」として逆転有罪とし、97年に最高裁で確定した。1度目の再審請求で2011年に開始決定が出たが、検察の不服申し立てを受け、高裁が覆した

 22年の2度目の請求では、裁判官の要請を受けて検察側が捜査報告書など計287点を新たに開示した。これによって「前川さんを目撃した日」の裏付けとされたテレビ番組の放映日が1週間ずれていたことなど、検察の主張と矛盾する事実が相次いで明らかになった

 高裁支部は昨年10月、検察官が放映日の違いに一審で気づきながら事実に反する主張を続けたことや、証言した1人に警察官が結婚祝いを渡していたことなどから捜査機関の姿勢を批判目撃証言を誘導した疑いがあるとして再審開始決定を出し、確定した。

 検察の証拠開示については………………。
=====================================================

=====================================================
https://www.asahi.com/articles/AST7K1C2XT7KPJLB00RM.html?linkType=article&id=AST7K1C2XT7KPJLB00RM&ref=app_flash

39年前の福井・女子中学生殺害、再審無罪 裁判長「申し訳ない」
荻原千明 椎木慎太郎 2025年7月18日 14時05分(2025年7月18日 20時35分更新)

【動画】女子中学生を殺害したとして服役した前川彰司さん(60)に対するやり直しの裁判で無罪判決=杜宇萱、砂山風磨撮影

     (再審を勝ち取った袴田巌さんの帽子と青木恵子さんから
      贈られたネクタイをつけて再審の判決に臨む前川彰司さん
      =2025年7月18日午後0時14分、金沢市、伊藤進之介撮影)

 福井市で1986年に女子中学生を殺害したとして、懲役7年の判決が確定して服役した前川彰司さん(60)の裁判をやり直す再審で、名古屋高裁金沢支部(増田啓祐裁判長)は18日、前川さんを無罪とする判決を言い渡した。知人男性ら6人の目撃証言いずれも信用できない」とした。


【判決要旨】検察官に「失望禁じ得ない」 福井中学生殺害 再審無罪


 増田裁判長は「一審の無罪で確定していた可能性もある事件でした。長期間にわたりご苦労をおかけしてしまい、大変申し訳なく思っています」と謝罪した。

 2度目の再審請求で新たに出てきた287点の証拠が目撃証言を崩した形で、検察の証拠開示に左右される再審のあり方が問われる。検察側は最高裁に上告するか検討する。

 前川さんは86年3月19日夜、自宅で留守番中の中学3年の女子生徒(当時15)を包丁でめった突きにしたなどとして逮捕・起訴され、「面識もない」と無罪を主張物証がないなかで、「事件の夜、血の付いた前川を見た」という知人男性ら6人の証言が焦点になった。

 判決は新たに開示された証拠をもとに、覚醒剤事件などで逮捕されていた男性が減刑される方法を取調官に尋ね、証言を始めたと指摘。自身の利益のためにうそを言う危険があったのに、警察は様々な便宜を図りながら客観的な裏付けが取れない証言に頼ったと述べた。

 その上で、開示された捜査報告書によって、ほかの関係者が言う「前川さんを見た日」の根拠とされたテレビ番組の放映日が1週間ずれていたことが判明したと指摘。男性の証言を起点に、捜査機関が関係者を誘導した疑いを拭えないとした。

 さらにこの捜査報告書について、検察官が一審段階で認識しながら、公判を続けたと厳しく批判。自ら明かしていれば再審請求に及ばずに無罪判決が確定した可能性があった」とした。


「不利益な事実隠す意図」福井再審無罪判決、捜査の不公正厳しく批判


 90年の一審・福井地裁判決は、男性の証言に「異常な変遷」があるとして無罪としたが、二審は「6人の供述の大要は一致している」として有罪とし、97年に最高裁で確定。1度目の再審請求で2011年に開始決定が出たが、検察の不服申し立てを受け、高裁で覆った。2度目の再審請求で高裁支部は昨年10月に「証言の誘導」を指摘して開始決定を出し、確定していた。

 再審での証拠開示については、国による制度改正の議論でも焦点となっている。日本弁護士連合会は、今回の事件で「裁判所の訴訟指揮や証拠開示がいかに重要かが再認識された」と指摘。再審開始決定が出ても検察が不服申し立てで覆せる仕組みとあわせ、法改正が必要だと訴えている。


【前川さんの歩んだ道】バスケ部の人気者から人生暗転、好奇心から運の尽き


福井県警も福井地検も「コメントは差し控える」

 1986年3月に殺害された女子中学生(当時15)の母親は、昨年10月の再審開始決定時、県警を通じて報道各社に「健康上の理由でコメントは出せない」との意向を示した。今回もコメントは出さなかった。

 事件から39年。現場の市営住宅は建て替えられ、捜査を指揮した県警幹部の多くが亡くなった。過ぎ去った時間が事件の真相究明を難しくした可能性がある。

 判決を受け、福井県警と福井地検はともに「コメントは差し控える」とした。名古屋高検は「判決内容を精査し、上級庁とも協議の上、対応を検討したい」とコメントした。


【視点】再審制度 冤罪被害者のために

 再審制度の見直しが議論され………………。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●西日本新聞《再審法…の改正に関し、超党派の国会議員連盟が目指す今国会での改正が極めて困難になった…成立どころか提出すら見通せない状況…》

2025年07月06日 00時00分44秒 | Weblog

[↑ ※『再審 法制審に見直し諮問へ/証拠開示・開始判断 課題を議論/袴田さん姉早急に改正を」/ルール不在 裁判官の姿勢次第』(朝日新聞、2025年02月08日)]


(2025年06月15日[日])
再審法改正、見送りの模様。溜息しかないなぁ…袴田冤罪事件福井冤罪事件等の教訓は何処に? 少数与党の国会、期待したブログ主がバカでした。選択的夫婦別姓も、まったく進まず。「利権」「裏金」「脱税」党の問題はどうなったの? 農業破壊、畜産破壊は? 少子化は? 軍事費倍増?

   『●《判決後、大西直樹裁判長は、捜査の問題点と刑事司法の改善の必要性
     を説き、「西山さんの15年を無駄にしてはならない」と話している》
    《殺害容疑をかけられて12年間服役した元看護助手・西山美香さんは
     今年3月、再審無罪が確定した。…西山さんの弁護団長を務めた
     井戸謙一弁護士は…「冤罪で絶望している人に道を開いた裁判だ
     と思います」…判決後、大西直樹裁判長は、捜査の問題点と刑事司法の
     改善の必要性を説き、「西山さんの15年を無駄にしてはならない
     と話している》。
    《無実でも有罪判決が確定すると、それを晴らす道は極めて狭い
     再審関係の条文は古いままで、手続きも事実上、裁判官のさじ加減次第
     である。無辜(むこ)を救う究極の人権救済の法整備は急ぐべきだ

   『●日野町事件《遺族による「死後再審」の請求を認めた大津地裁の決定を
     支持…決め手は、元の公判で検察が開示していなかった実況見分の際の…》
    《「疑わしきは被告の利益にという原則を再審請求の審理にも適用
     した妥当な判断だ。元受刑者は他界しており、名誉回復への道は
     遠かった審理の長期化を改め、情報開示の制度化など、えん罪を
     防ぐための仕組みづくりを急ぐべきだ

   『●控訴断念、畝本直美検事総長談話…(袴田事件弁護団事務局長・小川秀世さん)
      《無罪判決が確定すれば、だれも巖さんを犯人として扱ってはならない》
   『●「袴田さんを犯人視することない」と、静岡地検の検事正が直接謝罪しつつ、
      《検事総長談話について「袴田さんを犯人視しているわけではない」》?
   『●《袴田さん無罪 最高検の検証、不十分だ》…醜悪な畝本直美検事総長談話
     《改めて関係証拠を精査した結果、被告人が犯人であることの立証は可能…》
   『●袴田巌さんの姉ひで子さん《戦中を生き抜き、弟の無罪を信じて幾多の苦難にも
      へこたれ》なかった姿、そして、「再審法の改正には、皆さんにお力を…」
   『●京都新聞《袴田巌さん…。判決から3カ月の検証結果はおざなり…第三者の視点
      を加えた本気の検証に取り組まねば、地に落ちた国民の信頼は取り戻せまい》
   『●《検事総長がいまでも犯人と考えていると公言したに等しい》…畝本直美
     検事総長にお聞きしたい、《捜査機関の者》以外で誰が証拠の捏造をできるの?
   『●袴田巌さんの《弁護団 再審無罪判決での検事総長談話めぐり国提訴へ》!
     受けて立つのか、検事総長? 前代未聞の事態! さて、裁判所はどう判断?
   『●袴田事件や福井事件等の教訓《検察が手持ち証拠の開示に応じることが、
     冤罪を晴らす上で、どれほど重要か》…再審法改正し、同時に死刑制度の再考を
   『[再・復刻] ●《罪を認めなければ身体拘束が長引く「人質司法」について考える
        シンポジウム》…袴田巌さんの姉ひで子さん《人質司法を批判
                   《人質司法を批判 「痛めつけ白状させた」》
   『●畝本検事総長も、鈴木法相も反省無しの中…【袴田ひで子さんは「何を言っても
     国に届かない」と… それでも再審制度見直しの会合で訴えた、ありったけ】
   『●《捜査の問題点と刑事司法の改善》は行われたか? 未だ《(湖東記念病院

     冤罪事件) 西山美香さんの15年を無駄にして》しまったままなのではないか?

 小川勝也記者による、西日本新聞の記事【再審法改正、今国会の成立困難に 自民の議論停滞…公明や維新にも慎重論/西日本新聞】(https://news.yahoo.co.jp/articles/5b3938f16a2d90b109289d534e9868872918d867)によると、《再審法刑事訴訟法の再審規定)の改正に関し、超党派の国会議員連盟が目指す今国会での改正が極めて困難になった。議連がまとめた改正案について各党の党内手続きを進める予定だったが、慎重だった自民党に加え、公明党や日本維新の会も意見をまとめていない。議連は11日、各党実務者で協議し、今国会での法案提出を改めて確認。会期末まで国会日程に余裕はなく、成立どころか提出すら見通せない状況にある》。

=====================================================
https://news.yahoo.co.jp/articles/5b3938f16a2d90b109289d534e9868872918d867

再審法改正、今国会の成立困難に 自民の議論停滞…公明や維新にも慎重論
6/12(木) 12:05配信
西日本新聞

 再審法刑事訴訟法の再審規定)の改正に関し、超党派の国会議員連盟が目指す今国会での改正が極めて困難になった。議連がまとめた改正案について各党の党内手続きを進める予定だったが、慎重だった自民党に加え、公明党や日本維新の会も意見をまとめていない。議連は11日、各党実務者で協議し、今国会での法案提出を改めて確認。会期末まで国会日程に余裕はなく、成立どころか提出すら見通せない状況にある。

 与野党の388人が名を連ねる議連は5月下旬、再審請求審での証拠開示の義務化検察による不服申し立ての禁止などを含む改正案を了承。6月6日までに各党の党内手続きを終え、速やかに衆院に提出する予定だった。議連幹部によると、立憲民主党や国民民主党など野党5党が合意を取り付けた

 法制審議会(法相の諮問機関)の部会は4月から改正に向け議論を開始。自民内には「重要な法改正なので、専門家や法務省に任せるべきだ」(幹部)と議連の動きに慎重論が根強く、党内の議論が停滞今後の日程も決まっていない。議連事務局長の井出庸生衆院議員(自民)は「個人だと理解してくれるが組織になると理解してもらえない」と語った。党司法制度調査会は今月2日に法制審の議論に期待するとした提言を同省に提出した。

 公明や維新の中にも「政府主導の改正が望ましい」「法制審に早急な議論を働きかければいい」などの声がある。実務者協議はこの日、多くの党の賛同を得て可能な限り速やかに提出すると一致したが、足並みがそろうかは不明。議連内では野党のみで提出する案も浮上するが、「各党が一致結束しないと提出すべきでない」との意見もあり、流動的だ。

 衆院に提出できても国会の審議日程を確保できそうにない。法務委員会で扱うことになり、延長がなければ審議可能な定例日は数日のみ。現在、選択的夫婦別姓制度の導入に向けた民法改正案や旧姓の通称使用を法定化する法案を審議中で、会期末までかかる可能性もある。自民幹部は「再審法が入る隙間はない成立は到底無理だ」と話す。

 議連の活動を支援し、法制審の部会で委員を務める元裁判官の村山浩昭弁護士は「法制審は議論を始めたばかりで改正する中身がどのようになるか分からない冤罪で苦しむ人を早く救うため、議連の動きを止めてはいけない」と強調する。(小川勝也)
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《捜査の問題点と刑事司法の改善》は行われたか? 未だ《(湖東記念病院冤罪事件) 西山美香さんの15年を無駄にして》しまったままなのではないか?

2025年07月05日 00時00分48秒 | Weblog

[↑ ※『再審 法制審に見直し諮問へ/証拠開示・開始判断 課題を議論/袴田さん姉早急に改正を」/ルール不在 裁判官の姿勢次第』(朝日新聞、2025年02月08日)]


(2025年07月02日[水])
冤罪・湖東記念病院人工呼吸器事件西山美香さん…《判決後、大西直樹裁判長は、捜査の問題点と刑事司法の改善の必要性を説き、「西山さんの15年を無駄にしてはならない」と話してい》たというのに…あれから、何か変わっただろうか? 《捜査の問題点と刑事司法の改善》は行われたか? 未だ《西山さんの15年を無駄にして》しまったままなのではないか?

 NHKの記事【「無罪へ 声なき声を聞け」滋賀・看護助手 知られざる15年】(https://www.nhk.jp/p/ts/P1124VMJ6R/episode/te/56K65391MP/)によると、《2004年、滋賀県の病院で働く看護助手・西山美香さんは突如、殺人容疑で逮捕された。裁判で否認するも、懲役12年の判決が確定。獄中から「私はやっていないとの手紙を両親に送り続けた。その声に立ち上がったのは、裁判官から転身したばかりの新米弁護士と地元の新聞記者。新たな調査で驚きの事実を発見、7度も繰り返された有罪判決の誤りを明らかにした。次々浮かぶ不当な捜査司法の闇に挑んだ、15年の闘い。7月5日(土) 午後8:00〜午後8:48》。
 詳しい番組内容については、【気になるNHK/NHK【新プロジェクトX】滋賀・看護助手冤罪事件の全貌と無罪を勝ち取るまでの15年|2025年7月5日放送】(https://nhk.shigeyuki.net/?p=7753)をご覧ください。その目次は、以下の通り。

―――――――――――――――――――――――――――
        目次

 声なき声が届いた日 15年の闘いの記録

  1. 2004年 突然の逮捕と始まった苦しみ
  2. 獄中からの350通の手紙がつないだ希望
  3. 若き弁護士と新聞記者が見つけた違和感
  4. 驚きの新事実と警察の問題
  5. 7度も繰り返された有罪判決の壁
  6. 司法の闇と人々の信じる力
  7. 15年を越えて無罪が確定し、今も続く闘い
―――――――――――――――――――――――――――


   『●湖東記念病院人工呼吸器事件…冤罪服役13年、
     【元看護助手、再審で無罪が確定的に 滋賀の病院患者死亡】
   『●湖東記念病院人工呼吸器事件で冤罪服役…《刑事司法の
      よどみや曇り》の解明を、《冤罪が生まれる構造に光》を!
   『●警察・検察・裁判所は何も責任をとらないつもり? それなくして、
       《西山さんが待ち続けた「名誉回復」》が叶ったといえるのか?
   『●《判決後、大西直樹裁判長は、捜査の問題点と刑事司法の改善の必要性
      を説き、「西山さんの15年を無駄にしてはならない」と話している》
    《無実でも有罪判決が確定すると、それを晴らす道は極めて狭い
     再審関係の条文は古いままで、手続きも事実上、裁判官のさじ加減
     次第である。無辜(むこ)を救う究極の人権救済の法整備は急ぐべきだ
    《元看護助手・西山美香さん…「…鹿児島・大崎事件(第4次
     再審請求中=懲役10年)の原口アヤ子さんは41年間無実を
     訴えていますし、松橋事件(懲役13年)も無罪確定まで34年
     かかっています。正直、再審開始が決まったときはほっとした
     と同時に、長く闘われている方には申し訳ない気持ちも
     ありましたね。」》

   『●《裁判長は「取り調べや証拠開示などが一つでも適切に行われていれば、
       逮捕・起訴はなかったかもしれません」》と仰ってたのですがね?
    《だが、県は、15日に地裁へ提出した準備書面で「取り調べ担当官に
     好意と信頼を寄せて虚偽の殺害を自白することなど、
     根本的にあり得ない」とし、捜査の違法性を否定。「被害者を
     心肺停止状態にさせたのは、原告である」と主張した。
     再審の無罪判決で、裁判長は「取り調べや証拠開示などが一つでも
     適切に行われていれば、逮捕・起訴はなかったかもしれません
     と説諭したが、「滋賀県警としては、承服し難い」とも反論した》

   『●湖東記念病院人工呼吸器事件で冤罪服役…《刑事司法の
     よどみや曇り》の解明を、《冤罪が生まれる構造に光》を!
   『●再審無罪が確定した西山さんの国家賠償請求訴訟で、冤罪を生んだ滋賀県警が
           《今になって西山さんを犯人視する書面を作成、裁判所に》…
   『●袴田事件や福井事件等の教訓《検察が手持ち証拠の開示に応じることが、
     冤罪を晴らす上で、どれほど重要か》…再審法改正し、同時に死刑制度の再考を
    《弁護団によると、大津地方裁判所で行われた再審の判決で、
     裁判長15年の歳月を経て初めて開示された証拠が多数ある
     1つでも適切に開示されていれば起訴されなかったかもしれない
     と述べた》

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●畝本検事総長も、鈴木法相も反省無しの中…【袴田ひで子さんは「何を言っても国に届かない」と… それでも再審制度見直しの会合で訴えた、ありったけ】

2025年06月17日 00時00分19秒 | Weblog

[↑ ※『再審 法制審に見直し諮問へ/証拠開示・開始判断 課題を議論/袴田さん姉早急に改正を」/ルール不在 裁判官の姿勢次第』(朝日新聞、2025年02月08日)]


(2025年05月31日[土])
(NHK)《この判決に対し、最高検察庁の畝本直美検事総長は談話を発表し「判決は多くの問題を含む到底承服できないものであり、控訴して上級審の判断を仰ぐべき内容と思われる」とした一方で、袴田さんの法的地位が長期間にわたり不安定な状況に置かれてきたなどとして、控訴しないと表明しました》。(東京新聞)【畝本直美検事総長が談話】《そして、袴田さんが相当な長期間にわたり法的地位が不安定な状況に置かれてきたことにも配意し、迅速な訴訟遂行に努めるとともに、客観性の高い証拠を中心に据え、主張立証を尽くしてまいりました》。

 「…不安定な状況に置くこととなった」…これって、畝本直美検事総長同様、鈴木馨祐法相も、捜査機関による証拠捏造に対して、何の反省も無いのでは? 検証作業をやってんの??
 時事通信の記事【鈴木法相、袴田さん姉に直接謝罪 「心からおわびした」】(https://www.jiji.com/jc/article?k=2025053000587&g=soc)によると、《鈴木馨祐法相は30日の記者会見で、1966年に静岡県で起きた一家4人殺害事件で再審無罪となった袴田巌さん(89)の姉ひで子さん(92)と29日に東京都内で面会し、直接謝罪したことを明らかにした。「法相としておわびを心からさせていただいた」と説明した。法相は「死刑判決の確定から43年以上、(袴田さんを)極めて長い間にわたって不安定な状況に置くこととなった。ご家族のひで子さんも大変なご苦労があったと考えている」と語った》。

   『[再・復刻] ●《罪を認めなければ身体拘束が長引く「人質司法」について
       考えるシンポジウム》…袴田巌さんの姉ひで子さん《人質司法を批判
                           「痛めつけ白状させた」》

 それでも、袴田ひで子さんは再審法改正に向けて訴え続けている。《人質司法を批判 「痛めつけ白状させた》。《「法務省の皆さま、弟巌が47年7カ月頑張ってきたということを、人間として考えていただけますでしょうか再審法改正を早急にお願いします」》(東京新聞)。
 三宅千智記者による、東京新聞の記事【袴田ひで子さんは「何を言っても国に届かない」と… それでも再審制度見直しの会合で訴えた、ありったけ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/408405)/《刑事裁判の再審制度見直しを検討する法制審議会(法相の諮問機関)部会が30日、法務省であった。1966年の静岡県一家4人強盗殺人事件で昨秋に再審無罪が確定した袴田巌さん(89)の姉ひで子さん(92)ら冤罪(えんざい)被害者が参考人として出席し、意見を述べた》。

   『●控訴断念、畝本直美検事総長談話…(袴田事件弁護団事務局長・小川秀世さん)
      《無罪判決が確定すれば、だれも巖さんを犯人として扱ってはならない》
   『●「袴田さんを犯人視することない」と、静岡地検の検事正が直接謝罪しつつ、
      《検事総長談話について「袴田さんを犯人視しているわけではない」》?
   『●《袴田さん無罪 最高検の検証、不十分だ》…醜悪な畝本直美検事総長談話
     《改めて関係証拠を精査した結果、被告人が犯人であることの立証は可能…》
   『●袴田巌さんの姉ひで子さん《戦中を生き抜き、弟の無罪を信じて幾多の苦難にも
      へこたれ》なかった姿、そして、「再審法の改正には、皆さんにお力を…」
   『●京都新聞《袴田巌さん…。判決から3カ月の検証結果はおざなり…第三者の視点
      を加えた本気の検証に取り組まねば、地に落ちた国民の信頼は取り戻せまい》
   『●《検事総長がいまでも犯人と考えていると公言したに等しい》…畝本直美
     検事総長にお聞きしたい、《捜査機関の者》以外で誰が証拠の捏造をできるの?
   『●袴田巌さんの《弁護団 再審無罪判決での検事総長談話めぐり国提訴へ》!
     受けて立つのか、検事総長? 前代未聞の事態! さて、裁判所はどう判断?
   『●袴田事件や福井事件等の教訓《検察が手持ち証拠の開示に応じることが、
     冤罪を晴らす上で、どれほど重要か》…再審法改正し、同時に死刑制度の再考を
   『[再・復刻] ●《罪を認めなければ身体拘束が長引く「人質司法」について
       考えるシンポジウム》…袴田巌さんの姉ひで子さん《人質司法を批判
                          「痛めつけ白状させた」》

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/408405

袴田ひで子さんは「何を言っても国に届かない」と… それでも再審制度見直しの会合で訴えた、ありったけ
2025年5月30日 21時00分

 刑事裁判の再審制度見直しを検討する法制審議会(法相の諮問機関)部会が30日、法務省であった。1966年の静岡県一家4人強盗殺人事件で昨秋に再審無罪が確定した袴田巌さん(89)の姉ひで子さん(92)ら冤罪(えんざい)被害者が参考人として出席し、意見を述べた。

◆法務省、検察、裁判官側からの質問は…

 会合は非公開。法務省によると、委員から参考人側に「証拠開示はどのような規定が望ましいか」との質問があり、袴田さんの弁護団の間光洋弁護士が「再審請求との関連を厳格に求めるのではなく、広く開示を認めるべきだ」と訴えた。

     (法制審の部会終了後、会見する袴田ひで子さん=東京都千代田区で)

 会合でひで子さんら参考人に質問をしたのは学者や弁護士の委員だけで、法務省幹部や検察官、裁判官らは質問しなかったという。6月20日の次回会合でも関係者の聞き取りをし、その後に論点を整理する。

 再審制度の見直しを巡っては、超党派の国会議員連盟が28日の総会で法改正案を了承し、6月6日までに各党内の手続きを済ませて法案提出を目指す。(三宅千智


   ◇   ◇


◆「長い苦労がせめて法改正に役に立つのであれば」

 「法務省の皆さま、弟巌が47年7カ月頑張ってきたということを、人間として考えていただけますでしょうか再審法改正を早急にお願いします」。30日の法制審部...
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

[再・復刻] ●《罪を認めなければ身体拘束が長引く「人質司法」について考えるシンポジウム》…袴田巌さんの姉ひで子さん《人質司法を批判 「痛めつけ白状させた」》

2025年04月26日 00時00分05秒 | Weblog

 (2025年05月11日[日])
ブログ主記:
 再度、2025/04/26に、「穴」が開いた状態になっていた。腹立たしいので、再度、「穴」を埋めておく。どうせ、11月にはすべて消え行くし。

 《アフィリエイト、商用利用、公序良俗等の規約違反により、又は、法令上規定された手続により現在、1件の記事を公開停止させていただいております》…とのことだ。《【理由1】差別表現などの不適切な表現》…だそうだ。
 前回と全く同じ。意味が分からない。

   『●《罪を認めなければ身体拘束が長引く「人質司法」について考えるシンポジウム》
       …袴田巌さんの姉ひで子さん《人質司法を批判 「痛めつけ白状させた」》

 東京新聞の記事【袴田さん姉、人質司法を批判 「痛めつけ白状させた」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/389571?rct=national)を引用したもの。《罪を認めなければ身体拘束が長引く人質司法」について考えるシンポジウムが4日、東京・永田町の国会内で開かれた。静岡県一家4人殺害事件で再審無罪が確定した袴田巌さん(88)の姉ひで子さん(92)が登壇し「巌を痛めつけたり、ひどい目に遭わせたりして虚偽の内容を白状させたと捜査機関の対応を批判した》。

 《「人質司法」の闇》、冤罪の温床…に関するブログ。一体どこに、《差別表現などの不適切な表現》があるか、理解できない。―――― 一応、石川一雄さんの死去に関する記事中の一部を伏字「■■■■に基づく冤罪事件」」「〇〇〇〇〇出身」「▲▲▲▲運動の象徴」とした。なぜ《差別表現などの不適切な表現》となるのか、是非、説明してほしいもの。

------------------------------------
[※ 「裁かれるべきは警察、検察、裁判所 袴田事件」(週刊金曜日 1490号、2024年09月27日) ↑]


(2025年05月02日[金])
ブログ主記:
 2025/04/26に、「穴」が開いた状態になっていた。75件のリアクションを頂いていたのに。腹立たしいので、「穴」を埋めておく。どうせ、11月にはすべて消え行くし。

 《アフィリエイト、商用利用、公序良俗等の規約違反により、又は、法令上規定された手続により現在、1件の記事を公開停止させていただいております》…とのことだ。《【理由1】差別表現などの不適切な表現》…だそうだ。
 意味が分からない。

   『●《罪を認めなければ身体拘束が長引く「人質司法」について考えるシンポジウム》
       …袴田巌さんの姉ひで子さん《人質司法を批判 「痛めつけ白状させた」》

 東京新聞の記事【袴田さん姉、人質司法を批判 「痛めつけ白状させた」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/389571?rct=national)を引用したもの。《罪を認めなければ身体拘束が長引く人質司法」について考えるシンポジウムが4日、東京・永田町の国会内で開かれた。静岡県一家4人殺害事件で再審無罪が確定した袴田巌さん(88)の姉ひで子さん(92)が登壇し「巌を痛めつけたり、ひどい目に遭わせたりして虚偽の内容を白状させたと捜査機関の対応を批判した》。

 《「人質司法」の闇》、冤罪の温床…に関するブログ。一体どこに、《差別表現などの不適切な表現》があるか、理解できない。


------------------------------------
[※ 「裁かれるべきは警察、検察、裁判所 袴田事件」(週刊金曜日 1490号、2024年09月27日) ↑]


(20250406[])
袴田巌さんの姉ひで子さん《人質司法を批判 「痛めつけ白状させた」》。

   『●控訴断念、畝本直美検事総長談話…(袴田事件弁護団事務局長・小川秀世さん)
      《無罪判決が確定すれば、だれも巖さんを犯人として扱ってはならない》
   『●「袴田さんを犯人視することない」と、静岡地検の検事正が直接謝罪しつつ、
      《検事総長談話について「袴田さんを犯人視しているわけではない」》?
   『●《袴田さん無罪 最高検の検証、不十分だ》…醜悪な畝本直美検事総長談話
     《改めて関係証拠を精査した結果、被告人が犯人であることの立証は可能…》
   『●袴田巌さんの姉ひで子さん《戦中を生き抜き、弟の無罪を信じて幾多の苦難にも
      へこたれ》なかった姿、そして、「再審法の改正には、皆さんにお力を…」
   『●京都新聞《袴田巌さん…。判決から3カ月の検証結果はおざなり…第三者の視点
      を加えた本気の検証に取り組まねば、地に落ちた国民の信頼は取り戻せまい》
   『●《検事総長がいまでも犯人と考えていると公言したに等しい》…畝本直美
     検事総長にお聞きしたい、《捜査機関の者》以外で誰が証拠の捏造をできるの?
   『●袴田巌さんの《弁護団 再審無罪判決での検事総長談話めぐり国提訴へ》!
     受けて立つのか、検事総長? 前代未聞の事態! さて、裁判所はどう判断?

 東京新聞の記事【袴田さん姉、人質司法を批判 「痛めつけ白状させた」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/389571?rct=national)によると、《罪を認めなければ身体拘束が長引く人質司法」について考えるシンポジウムが4日、東京・永田町の国会内で開かれた。静岡県一家4人殺害事件で再審無罪が確定した袴田巌さん(88)の姉ひで子さん(92)が登壇し「巌を痛めつけたり、ひどい目に遭わせたりして虚偽の内容を白状させたと捜査機関の対応を批判した》。

   『●完全なるでっち上げ「関西生コン事件」に再び無罪…《◆「人質司法がまかり
      通っている…」》《◆8回の起訴、勾留日数は644日に》(こちら特報部)
   『●《関西生コン支部…委員長…裁判では懲役10年を求刑…京都地裁は全面無罪
     判決…しかも、裁判所の判断は明確でした》(デモクラシータイムス&Tansa)

 《「人質司法」の闇》、冤罪の温床。
 西田直晃記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/「認めないと罪が重くなるよ」延々続く拘束と自白の強要…苦しんだ当事者が語る「人質司法」の闇とは】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/389844?rct=tokuhou)によると、《否認すれば身体拘束が長引く日本の人質司法」。長期の取り調べと自白の強要が冤罪(えんざい)を生むという指摘は根強い。4日に参院議員会館で開かれた集会では、虚偽自白を迫られたと訴える人たちが自らの経験を語った。折しも国会では、超党派議連による再審制度の見直しの動きも進んでいる。苦しんだ当事者が語る司法制度のゆがみとは。(西田直晃)》

   『●司法権力の〝執念〟:映画『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』
    「名張毒ぶどう酒事件について、昨年5月末、第7次再審請求
     差戻審で名古屋高裁が再審の求めを却下している。綿井さんの言う
     ように、正に「別の意味で恐るべし、司法権力の執念」である」

 そして、石川一雄さんの死去。《◆「死刑執行になったのと同じ」》…冤罪を訴えることが出来なくなるのを待つという冷酷…《司法は、何を望んでいるのだろうか?》
 福岡範行中根政人両記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/これでは死刑と同じ…狭山事件の「無罪」訴えつつ石川一雄さん死去 再審制度見直しの「骨抜き」を防ぐには】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/391614?rct=tokuhou)によると、《62年前の1963年、埼玉県狭山市で女子高校生が殺害された「狭山事件」で、無期懲役が確定した後、無実を訴えて裁判をやり直す再審を求めてきた石川一雄さんが11日、86歳で亡くなった。東京高裁に第3次の再審請求を申し立て、審理中だったが、高齢で健康が懸念されていた。時間がかかりすぎる再審制度の問題と法改正の必要性が改めて浮かび上がる。(福岡範行中根政人)》。

   『●大川原化工機でっち上げ事件、東京地検は《警視庁公安部捜査員ら3人を不起訴》
         …弁護士「犯罪の成否について裁判所の判断を仰ぐ機会が奪われる…」
   『●袴田事件や福井事件等の教訓《検察が手持ち証拠の開示に応じることが、冤罪
      を晴らす上で、どれほど重要か》…再審法改正し、同時に死刑制度の再考を

 中根政人記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/冤罪被害者に残された時間はわずか… 袴田ひで子さんが、大川原正明さんが、「再審法改正」早期成立を訴えた】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/394163?rct=tokuhou)によると、《70年以上見直されないままの再審法(刑事訴訟法の再審規定)の改正を目指す日弁連主催のシンポジウムが25日、国会内で開かれ、出席した冤罪(えんざい)被害者やその家族らが、今国会での速やかな法改正の必要性を強調した。「再審無罪」を訴え続ける当事者の高齢化が進む中、早期救済は待ったなしの状況だ。(中根政人)》、《◆袴田ひで子さん「巌だけが助かればよいという問題ではない》。

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/389571?rct=national

袴田さん姉、人質司法を批判 「痛めつけ白状させた」
2025年3月4日 18時38分 (共同通信)

     (「人質司法」について考えるシンポジウムで
      スピーチする袴田ひで子さん=4日午後、国会)

 罪を認めなければ身体拘束が長引く人質司法」について考えるシンポジウムが4日、東京・永田町の国会内で開かれた。静岡県一家4人殺害事件で再審無罪が確定した袴田巌さん(88)の姉ひで子さん(92)が登壇し「巌を痛めつけたり、ひどい目に遭わせたりして虚偽の内容を白状させたと捜査機関の対応を批判した

 袴田さんの再審公判の判決で、静岡地裁は当時の捜査に関し「肉体的・精神的苦痛を与えて供述を強制する非人道的な取り調べだった」と判断。ひで子さんと同席した弁護団の小川秀世弁護士は「(逮捕、勾留された容疑者に)取り調べを受ける義務があり、拒否できないことが根本的な問題だ」と指摘した。
=====================================================

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/389844?rct=tokuhou

こちら特報部
「認めないと罪が重くなるよ」延々続く拘束と自白の強要…苦しんだ当事者が語る「人質司法」の闇とは
2025年3月6日 06時00分

 否認すれば身体拘束が長引く日本の人質司法」。長期の取り調べと自白の強要が冤罪(えんざい)を生むという指摘は根強い。4日に参院議員会館で開かれた集会では、虚偽自白を迫られたと訴える人たちが自らの経験を語った。折しも国会では、超党派議連による再審制度の見直しの動きも進んでいる。苦しんだ当事者が語る司法制度のゆがみとは。(西田直晃


◆誰が私を助けてくれるのか…

 「取り調べの際、最初に言われたのが『僕の仕事はあなたの供述を変えさせることだ』と。誰が私を助けてくれるのか絶望した

     (人質司法の弊害を訴える(左から)角川被告、
      大川原さん、村木さん)

 元厚生労働次官の村木厚子さん(69)はこう振り返った。2009年の郵便不正事件で大阪地検特捜部に逮捕・起訴された。勾留は164日間に及び、自身が語っていない内容が記された調書にサインを求められたこともあった。「取り調べは密室。弁護士も近くにおらず、1人で闘わなければならない。自白こそしなかったが、『認めないと罪が重くなるよ脅かされたり、ウソの情報を教えられたりした」という。

 「警察官と検察官が有罪を求めるのは、猟犬が獲物を追いかけるような本能的なもの」と例え、取り調べの録音・録画(可視化)の重要性を強調。「密室で悪い行いをしたら、表に出る仕組みが歯止めになる全ての事件、全ての過程の録音・録画は必須だ」と主張した。


◆「推定無罪が通用しない」

 東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で贈賄罪に問われ、公判中の出版大手KADOKAWA元会長角川歴彦(つぐひこ)被告(81)も登壇した。無実を主張し、226日間の身体拘束により精神的、肉体的苦痛を受けたとして、2億2000万円の国家賠償を求めて東京地裁に提訴している。

 「他の被疑者は自白し、みんな保釈されたが、1人だけ取り残された。心臓に持病があり、3度目の貧血を起こしたときに『もう助からない』と思った」と角川被告。「推定無罪が通用しない。実感からすると、人質司法は巧妙化されて、むしろひどくなっているのではないか」と訴えた。


◆他者の調書をもとに責められる

 「大川原化工機」社長の大川原正明さん(75)は………………。
=====================================================

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/391614?rct=tokuhou

こちら特報部
これでは死刑と同じ…狭山事件の「無罪」訴えつつ石川一雄さん死去 再審制度見直しの「骨抜き」を防ぐには
2025年3月14日 06時00分

 62年前の1963年、埼玉県狭山市で女子高校生が殺害された「狭山事件」で、無期懲役が確定した後、無実を訴えて裁判をやり直す再審を求めてきた石川一雄さんが11日、86歳で亡くなった。東京高裁に第3次の再審請求を申し立て、審理中だったが、高齢で健康が懸念されていた。時間がかかりすぎる再審制度の問題と法改正の必要性が改めて浮かび上がる。(福岡範行中根政人


◆「死刑執行になったのと同じ」

 「悔しいという声が東京高裁前で何度も響いた。石川さんの訃報を受けて13日午前に開かれた緊急行動。全国の支援者ら20人ほどが集まり、速やかな再審開始決定を訴えた

     (東京高裁前に設置した献花台の前で手を合わせる支援者
      =13日、東京・霞が関で(坂本亜由理撮影))

 石川さんの顔写真を掲げた即席の献花台に、好きだったというヒマワリに見立てた黄色のガーベラと白い菊の花束が置かれた。

 「実質、死刑執行になったのと同じです」。最初にマイクを握った「石川一雄さんを支える埼玉東部市民の会」の事務局長、西田立郎さん(70)は、そう語気を強めた。命日となった11日は、ちょうど61年前に埼玉県の浦和地裁(現さいたま地裁)の死刑判決が出た日だった。


◆「■■■■に基づく冤罪事件」

 事件は1963年5月1日に発生。狭山市で女子高生=当時(16)=が誘拐され、3日後に遺体で見つかった。

 当時24歳だった石川さんは同月23日、窃盗などの別件容疑で逮捕された。1カ月間否認したが、取調官から兄の逮捕を示唆され自白」した。二審の東京高裁で「自白」を撤回し、無罪を主張したが、無期懲役が言い渡され、最高裁で確定。94年に55歳で仮釈放されるまで、31年以上、獄中で過ごした

     (石川一雄さんの死去を受け、支援者らの前で話す金聖雄監督
      =13日、東京・霞が関の東京高裁前で(坂本亜由理撮影))

 石川さんが〇〇〇〇〇出身だったことから、支援者らは「差別に基づく冤罪(えんざい)事件だ」と訴えてきた。

 2010年に石川さんと出会い、映画を撮ってきた金聖雄(キムソンウン)監督(61)は「石川さんは冤罪や▲▲▲▲運動の象徴。支援者の前で弱音を吐かず、闘志を見せていた」と振り返る。


◆「袴田さん再審無罪」喜びつつも…

 ただ、加齢による衰えは避けられなかった。石川さんは両親のお墓参りは「無罪を勝ち取ったら」と決めていたが、「再審が始まったら」に変わったという。………………。
=====================================================

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/394163?rct=tokuhou

こちら特報部
冤罪被害者に残された時間はわずか… 袴田ひで子さんが、大川原正明さんが、「再審法改正」早期成立を訴えた
2025年3月26日 06時00分

 70年以上見直されないままの再審法(刑事訴訟法の再審規定)の改正を目指す日弁連主催のシンポジウムが25日、国会内で開かれ、出席した冤罪(えんざい)被害者やその家族らが、今国会での速やかな法改正の必要性を強調した。「再審無罪」を訴え続ける当事者の高齢化が進む中、早期救済は待ったなしの状況だ。(中根政人


◆袴田ひで子さん「巌だけが助かればよいという問題ではない」

 シンポジウムでは、1966年に静岡県清水市(現静岡市清水区)であった一家4人強盗殺人事件で再審無罪が確定した袴田巌さん(89)の姉ひで子さん(92)が登壇。「巌だけが助かればよいという問題ではない皆さんが苦しんでいる」と、冤罪被害者の立場を代弁した

     (「今国会での再審法改正の実現を求める院内会議」で、
      袴田巌さんや冤罪(えんざい)などについて話す姉のひで子さん
      =25日、衆院第1議員会館で(川上智世撮影))

 軍事転用可能な機械を不正輸出したとして警視庁公安部に逮捕され、その後起訴が取り消された大川原化工機」(横浜市)の大川原正明社長(75)は、犯人として扱われた過去を振り返り「検察が隠している証拠を開示させ、再審を速やかに行う法(制度)の実現を」と訴えた。

 関係者の思いは切実だ。埼玉県狭山市で1963年に女子高校生=当時(16)=が殺害された狭山事件を巡って、第3次再審請求中だった石川一雄さんが今月11日、86歳で亡くなった。妻早智子さんは「無念を晴らす闘いをこれからも支援してほしい」などとするメッセージを寄せた。


◆鈴木馨祐法相は見直しを諮問するとしているが…

 再審制度の問題に関心が高まる中、鈴木馨祐法相は今月14………………。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●明らかな冤罪・福井事件(1986年)の再審で「抗議の沈黙」…前川彰司さん「そもそも起訴すべき案件ではなかった。検察は判断を最初から誤っていた」

2025年04月02日 00時00分53秒 | Weblog

[↑ 【「無実」貫き 道再び/供述の誤り気づいていた証人に祝儀】、【38年前の中3殺害 再審決定/「知人証言 誘導の疑い」】(朝日新聞、2024年10月24日[木])]




(2025年03月09日[日])
発生から38年も経って漸く再審。即日結審。(東京新聞)《「そもそも起訴すべき案件ではなかった検察は判断を最初から誤っていた」。こう話した前川彰司さん(59)は3秒間、手を震わせ険しい表情で検察官と目を合わせた―。再審初公判の意見陳述で、「抗議の沈黙の時間が法廷に流れた。…閉廷後、前川さんは「抗議の思いだった」と説明した》。
 《今回の再審開始決定につながった弁護側の新証拠は、検察が開示した捜査報告メモなど287点の中に含まれていた。これにより、関係者の1人が前川さんに不利な法廷証言をした後、警察官から結婚祝い名目の金銭を受け取っていたことや、検察が証拠の不正を知りながら、それを隠して公判を続けていたことなどが判明。決定は「不誠実で罪深い不正の所為と捜査機関を厳しく批判した》(東京新聞)…「福井事件」(福井女子中学生殺し福井女子中学生殺人福井女子中学生殺害事件)は明らかな冤罪…7年間の服役を終えた前川彰司さんの第2次再審請求で、名古屋高裁 (山田耕司裁判長) が再審決定。7年間も冤罪で服役し、終始一貫して無実の訴え。事件発生から38年も経って漸く再審を決定し、3月6日に裁判が。

 東京新聞の4つの記事。
 【前川さん再審初公判 福井中3殺害、即日結審へ】(2025年3月6日、https://www.tokyo-np.co.jp/article/389869)によると、《1986年の福井中3殺害事件で、懲役7年が確定して服役した前川彰司さん(59)の裁判をやり直す再審初公判が6日、名古屋高裁金沢支部(増田啓祐裁判長)で開かれる。検察と弁護側が弁論し、無実を訴えている前川さんが意見陳述。即日結審し、判決は7月ごろ言い渡される見込み。検察は有罪主張を維持する一方、新たな証拠を出さないとし、無罪の公算が大きくなっている。指紋など犯人を示す直接的な証拠はなく「事件直後に血の付いた前川さんを見た」などとする知人供述の信用性が争点。再審開始を認めた昨年10月の高裁金沢支部決定は、知人について「自己の利益のためにうそを言った可能性があると信用性を否定警察による供述誘導の疑いや検察が重要な誤りを把握しながら隠した点も指摘した。再審公判前の協議で、検察は知人供述に関する主張を一部撤回すると表明している。前川さんは90年に一審福井地裁で無罪判決を受けたが、二審の高裁金沢支部で逆転有罪となり確定。第2次再審請求で、高裁金沢支部は再審開始を認め、検察は異議を申し立てず、確定した》。

 冤罪・福井事件…《検察が手持ち証拠の開示に応じることが、冤罪を晴らす上で、どれほど重要かを示す好例だ》(東京新聞社説)。
 【福井中3殺害、前川さん無罪確実 再審が即日結審、7月18日判決】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/390000)によると、《1986年の福井中3殺害事件で、懲役7年が確定して服役した前川彰司さん(59)の裁判をやり直す再審初公判が6日、名古屋高裁金沢支部(増田啓祐裁判長)で開かれ、前川さんが「私は決して犯人ではありません」と意見陳述し、即日結審した。判決は7月18日。検察側は改めて前川さんの有罪を主張したが、新しい証拠を出さなかった。再審請求審までの証拠で結論が出ることになり、再審無罪が確実になった。指紋など犯人を示す直接的な証拠はなく、確定判決は「血の付いた前川さんを見た」などとする知人供述を有罪の根拠とした。再審請求段階に続き、この日の再審公判でもこれらの供述の信用性が争点となった。再審公判で、検察側は知人供述について「おおむね信用性が認められる」と訴えた。確定判決は、前川さんが1986年3月19日夜、福井市の市営団地で中学3年の女子生徒=当時(15)=といさかいになり、頭部を殴るなどして殺害したと認定した》。

 【冤罪被害者ら、声を上げ背中押す 「人生をかけて共に闘ってきた」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/390033)によると、《前川彰司さん(59)の再審初公判の開廷前、名古屋高裁金沢支部前は熱気に包まれた。「人生をかけて共に闘ってきた。最後まで気を抜かずに頑張って」。他の事件の冤罪被害者らも足を運び、約30人が声を張り上げ、背中を押した。硬い表情を崩さない前川さんを支援者が囲んだ。大阪市東住吉区の女児死亡火災を巡り、再審無罪が確定した青木恵子さん(61)は「無罪を勝ち取ることが獄中の仲間の希望になる検察は間違いを認め謝罪を」と訴えた。滋賀県の「日野町事件」で服役中に死亡した阪原弘元受刑者の長男弘次さん(63)は裁判のやり直しを求めており、「希望を与えてください」と握手を交わした》。

 【前川さん、検察にらみ3秒間沈黙 福井中3殺害、抗議の意見陳述】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/390046)によると、《「そもそも起訴すべき案件ではなかった検察は判断を最初から誤っていた」。こう話した前川彰司さん(59)は3秒間、手を震わせ険しい表情で検察官と目を合わせた―。再審初公判の意見陳述で、「抗議の沈黙の時間が法廷に流れた。刈り込まれた短髪に黒のスーツ、白い小紋柄のネクタイで入廷。検察官が改めて有罪を主張しても、前川さんは終始無表情で手元の資料に視線を落とし、時折ペンでメモを取っていた。前川さんが意見陳述を始めると、検察官は硬い表情で初めてその様子を見つめた。検察の誤りを前川さんが訴えると、両者はにらみ合いに。閉廷後、前川さんは「抗議の思いだった」と説明した》。

   『●「前川さんの身になってほしい!」: 「福井事件」という明々白な冤罪
   『●愚挙: 検察の異議が認められて福井事件の再審開始が取り消しに
    「《この事件でも物証がなく、関係者の証言のみで前川さんは
     罪に問われている。しかも、前川さんは逮捕から一貫して犯行を
     否認をしている》。検察(名古屋高検)も酷いけど、裁判所が
     一体何を考えているのか、理解に苦しむ。この裁判所(名古屋高裁)
     の愚挙、批判的な記事があまり出ないのはなぜ??」

   『●「「3.11」から2年③ 東北復興と壁」/
       『週刊金曜日』(2013年3月15日、935号)について
    「粟野仁雄さん【福井女子中学生殺害事件で前川彰司さんの
     再審請求棄却 立証責任回避の違法な決定】」

   『●「「アイドル」を守れ!」
     『週刊金曜日』(2014年6月6日、994号)についてのつぶやき
    「中嶋啓明さん【「一刻も早く再審開始決定を」
     福井女子中学生殺人】、《逮捕から28年が過ぎた……前川彰司さん
     ……指紋や目撃者など、前川さんと犯行を結び付ける直接証拠が
     一切ない》。青木理さん「前川さんの身になってほしい!」」

   『●福井事件 (1986年) は明らかな冤罪…7年間の服役を終えた前川彰司さん
      の第2次再審請求で、名古屋高裁金沢支部 (山田耕司裁判長) が再審決定
   『●福井事件、発生から38年も経って漸く再審を決定…《検察が手持ち証拠の
      開示に応じることが、冤罪を晴らす上で、どれほど重要かを示す好例だ》
   『●袴田事件や福井事件等の教訓《検察が手持ち証拠の開示に応じることが、冤罪
      を晴らす上で、どれほど重要か》…再審法改正し、同時に死刑制度の再考を

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●袴田事件や福井事件等の教訓《検察が手持ち証拠の開示に応じることが、冤罪を晴らす上で、どれほど重要か》…再審法改正し、同時に死刑制度の再考を

2025年02月06日 00時00分36秒 | Weblog

[↑ 【「無実」貫き 道再び/供述の誤り気づいていた証人に祝儀】、【38年前の中3殺害 再審決定/「知人証言 誘導の疑い」】(朝日新聞、2024年10月24日[木])]






(20250117[])
福井事件、発生から38年も経って漸く再審を決定…《検察が手持ち証拠の開示に応じることが、冤罪を晴らす上で、どれほど重要かを示す好例だ》(東京新聞社説)。袴田冤罪事件福井事件大川原化工機でっち上げ事件飯塚事件等々…証拠や証言を捏造するわ、被告に有利な証拠は開示しないわ、税金と権力を使って集めた証拠のリストの開示さへも裁判官のやる気次第とはね…何処まで警察や検察の闇は深いのか。再審法の改正が必要であり、また、再審開始判決への検察の控訴や上告を禁止すべき。同時に、死刑存置で良いのか、再考すべき時期はとっくに過ぎている。

   『●湖東記念病院人工呼吸器事件で冤罪服役…《刑事司法の
     よどみや曇り》の解明を、《冤罪が生まれる構造に光》を!
   『●《死刑制度「廃止含め議論を」》…《現在の制度には放置が許されない多くの
      問題があり、「現状のままに存続させてはならない」との認識を示した》
   『●大谷昭宏さん「無実で犯行をでっちあげられながら、それを立証できずに
     人生を奪われた人は無数にいるかもしれない」…飯塚事件の真相解明を望む
   『●初めての死刑執行後の再審請求「福岡事件」…《無実を訴えながら死刑を
     執行された西武雄さんが獄中で詠んだ》〈叫びたし寒満月の割れるほど〉
   『●《平野啓一郎氏…「人を殺してはいけない」のは絶対的な禁止なのに、死刑
     制度はひどいことをした人間は殺してもよいという例外規定を設けている…》
   『●清水潔さん《死刑執行後に冤罪の可能性が指摘…「飯塚事件」…検察は証拠
     開示をしないと。…これも袴田事件のように間違った判決だったのでしょう》
   『●笹倉香奈教授「袴田さんの再審無罪…現に死刑判決を言い渡された無実の人が
      いる…著しい不正義が実在…死刑制度に対する根源的な問題が改めて提起」
   『●飯塚事件《久間三千年…元死刑囚は自身も含めた確定死刑囚の名前と判決確定日
      が記されたリストを透明の仕切り板越しに示した。執行済みの死刑囚は…》

 再掲する。東京新聞の【<社説>福井の中3殺害 検察異議断念は当然だ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/363448?rct=editorial)。《検察が手持ち証拠の開示に応じることが、冤罪(えんざい)を晴らす上で、どれほど重要かを示す好例だ。1986年、福井市で中学3年の女子生徒が殺害された事件で懲役7年の殺人罪が確定、服役した前川彰司さん(59)に対する名古屋高裁金沢支部の「再審開始」決定について、同高検は異議の申し立てを断念した。決定は確定し、事件から38年を経て、ようやく裁判がやり直される。前川さんは無罪判決を受ける公算が大きい。前川さんは、逮捕時から一貫して容疑を否認物証に乏しく、一審は無罪だったが、検察の控訴で二審は逆転有罪となり、最高裁で有罪が確定。服役後、前川さんが起こした第1次再審請求で、裁判所は一度は再審開始を決定したものの、検察の異議を認めて決定が取り消され、最高裁で確定した》。

   『●「前川さんの身になってほしい!」: 「福井事件」という明々白な冤罪
   『●愚挙: 検察の異議が認められて福井事件の再審開始が取り消しに
    「《この事件でも物証がなく、関係者の証言のみで前川さんは
     罪に問われている。しかも、前川さんは逮捕から一貫して犯行を
     否認をしている》。検察(名古屋高検)も酷いけど、裁判所が
     一体何を考えているのか、理解に苦しむ。この裁判所(名古屋高裁)
     の愚挙、批判的な記事があまり出ないのはなぜ??」

   『●「「3.11」から2年③ 東北復興と壁」/
       『週刊金曜日』(2013年3月15日、935号)について
    「粟野仁雄さん【福井女子中学生殺害事件で前川彰司さんの
     再審請求棄却 立証責任回避の違法な決定】」

   『●「「アイドル」を守れ!」
     『週刊金曜日』(2014年6月6日、994号)についてのつぶやき
    「中嶋啓明さん【「一刻も早く再審開始決定を」
     福井女子中学生殺人】、《逮捕から28年が過ぎた……前川彰司さん
     ……指紋や目撃者など、前川さんと犯行を結び付ける直接証拠が
     一切ない》。青木理さん「前川さんの身になってほしい!」」

   『●福井事件 (1986年) は明らかな冤罪…7年間の服役を終えた前川彰司さん
      の第2次再審請求で、名古屋高裁金沢支部 (山田耕司裁判長) が再審決定
   『●福井事件、発生から38年も経って漸く再審を決定…《検察が手持ち証拠の
      開示に応じることが、冤罪を晴らす上で、どれほど重要かを示す好例だ》

 《今回の再審開始決定につながった弁護側の新証拠は、検察が開示した捜査報告メモなど287点の中に含まれていた。これにより、関係者の1人が前川さんに不利な法廷証言をした後、警察官から結婚祝い名目の金銭を受け取っていたことや、検察が証拠の不正を知りながら、それを隠して公判を続けていたことなどが判明。決定は「不誠実で罪深い不正の所為と捜査機関を厳しく批判した》(東京新聞)…「福井事件」(福井女子中学生殺し福井女子中学生殺人福井女子中学生殺害事件)は明らかな冤罪…7年間の服役を終えた前川彰司さんの第2次再審請求で、名古屋高裁 (山田耕司裁判長) が再審決定。7年間も冤罪で服役し、終始一貫して無実の訴え。事件発生から38年も経って漸く再審を決定。
 川端奈緒・廣瀬瑞紀・田村真菜実の3記者による、NHKの記事【WEB特集 えん罪救済阻む“壁” 埋もれた無罪の証拠/なぜ私が服役】(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250116/k10014693391000.html)によると、《「警察官が証言を誘導し、犯人でない人を犯罪者として扱うのは、ひきょうなやり方だと思う」 39年前、福井市で女子中学生が殺害された事件。有罪判決の決め手となった目撃証言をした男性は、当時の取り調べを振り返り、記者にこう訴えた。えん罪の被害者を救済する最後のとりで」と呼ばれる再審制度。しかし、救済までに数十年単位の年月が費やされるケースが相次ぎ、制度本来の役割が揺らいでいる。今回、目撃証言の矛盾を突く無罪を示す証拠」が開示されたのは、最初の再審請求からおよそ20年後だった》。

=====================================================
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250116/k10014693391000.html

WEB特集
えん罪救済阻む“壁” 埋もれた無罪の証拠
なぜ私が服役
2025年1月16日 19時18分

警察官が証言を誘導し、犯人でない人を犯罪者として扱うのは、ひきょうなやり方だと思う」

39年前、福井市で女子中学生が殺害された事件。有罪判決の決め手となった目撃証言をした男性は、当時の取り調べを振り返り、記者にこう訴えた。

えん罪の被害者を救済する最後のとりで」と呼ばれる再審制度。しかし、救済までに数十年単位の年月が費やされるケースが相次ぎ、制度本来の役割が揺らいでいる。

今回、目撃証言の矛盾を突く無罪を示す証拠」が開示されたのは、最初の再審請求からおよそ20年後だった


39年前の殺人事件 逮捕の決め手は目撃証言

事件が起きたのは1986年3月の夜。

福井市の団地で、卒業式を終えたばかりの中学3年の女子生徒が自宅で刃物で刺されるなどして殺害されているのが見つかった。

     (1986年 事件があった現場)

警察は当初、被害者と同年代の非行グループによる犯行と見ていたが、物的な証拠が乏しく捜査は難航する。

事件から1年後、当時21歳だった前川彰司さんが殺人の疑いで逮捕された。

     (逮捕当時の前川さん)

決め手となったのは、複数の関係者の目撃証言だった。

その1人である前川さんの知人は次のように証言した。


―――――――――――――
知人の証言

「テレビで音楽番組を見ている時に呼び出され、前川さんを迎えに行った。胸のあたりに血が付いた前川さんを見た」
―――――――――――――


事件と無関係なのに逮捕され、ショックと絶望感で目の前が真っ暗になった」という前川さん。

一貫して無実を訴え続け、1審の福井地方裁判所は「証言は信用できないとして無罪を言い渡した。

検察は控訴し、知人が見ていたという音楽番組のシーンが事件当日に放送されていたことなどを根拠に「証言は信用できる」と主張。

     (1995年の2審判決 名古屋高裁金沢支部)

知人も証人として2審の法廷に立ち、検察の主張に沿う証言をした。

名古屋高裁金沢支部は、検察の主張を認めて無罪を取り消し、懲役7年を言い渡した

その後、最高裁判所で有罪が確定した。


再審の手続き 証拠開示のルールなく

再審=裁判のやり直しが認められるには、無罪であることを明らかに示す新たな証拠を弁護側が提示する必要がある。

しかし、その肝心な証拠は、検察や警察が保管していることがある

裁判員裁判などでは、検察が証拠の一覧表を示すことが定められているが、再審の手続きではこうしたルールが一切ない

服役を終えた前川さんは、えん罪だと訴え、2004年に裁判のやり直しを求めた。

審理の中で弁護団は証拠開示を求めたが、検察はこれを拒否

裁判所が検察に勧告した結果、これまで提出されていなかった遺体の写真などが開示された。

2011年には開示された証拠などをもとに再審を認める決定が出されたが、検察の異議申し立てを受けて取り消され、1回目の再審請求は認められなかった

     (2013年 名古屋高裁前)

それでも諦めなかった前川さん。

2022年に2回目の再審請求を行った。

弁護団は「重要な証拠が埋もれている可能性がある」と考え、検察に証拠の一覧表や目録の開示を請求

これに対し検察は「交付に応じるべき義務はない拒否した。

     (検察の意見書)

事態が大きく動いたのは、2023年5月の3者協議。

裁判官が自身の裁量で、検察に対して開示を強く促したのだ。


―――――――――――――
裁判官
「法的な勧告または命令について検討する」

検察官
「組織的意思統一での結論なので変わらない」

裁判官
任意開示は拒否したと調書に書いてよいか

検察官
「では、持ち帰って検討する」
―――――――――――――


開示証拠が語る真実 誘導された証言

検察は一覧表などの開示には応じなかったが、これまで出していなかった287点もの証拠を新たに開示した。

その1つが、1989年、1審の裁判の途中で警察が作成した捜査報告書だ。

そこには、目撃証言をした知人が、事件が起きた3月19日の夜に見たという音楽番組のシーンについて、テレビ局に照会した結果がまとめられていた。

放送日は、3月26日

     (開示された捜査報告書)

事件の1週間後だったことが記されていたのだ。

最初の再審請求から20年近くたって開示された捜査報告書。

重要な証拠が長年埋もれていたことに、弁護団は大きな衝撃を受けた。


―――――――――――――
弁護団長 吉村悟弁護士
ここまで隠していたのかとびっくりした。検察官は1審でも2審でもこの事実を把握していながらうそをついていたことになり、決して許されない」
―――――――――――――


それでは「音楽番組を見ている時に呼び出された」という知人は、なぜ、血が付いた前川さんを見たと証言したのか。

NHKの取材に対し知人は、事件の夜に前川さんに会っていないことを認め、「警察による誘導があった」と説明した。

裁判で証言したあと、取り調べを担当した警察官から結婚祝いを受け取ったのだという。


―――――――――――――
知人
「取り調べで警察官は、別の関係者の調書を見ながら『これはこうだっただろ』『ああだったろ』と事件のことを聞いてきた。僕もそんなことあったかなと思いつつ、『ああそうですね』と返事をした。

証言を誘導し、犯人でない人を犯罪者として扱うのはひきょうなやり方だと思う。僕たちの証言のせいで前川さんは犯人に仕立てられ長い間苦しんできた。非常に心が痛く、悪いことをしたなという気持ちでいっぱいです」
―――――――――――――


悲願の再審開始も やりきれない思い

2024年10月。

名古屋高裁金沢支部は、捜査報告書などを「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」と判断、再審を認める決定を出した。

検察官が番組の放送日が違うことを把握したとみられるのに、裁判で明らかにしなかったことは「不誠実で罪深い不正な行為といわざるをえず、到底容認できない」と厳しく批判した。

     (2024年10月 再審開始決定)

さらに決定では、警察官が取り調べでうその証言を誘導したと認定。

結婚祝いを渡したことは「国民の信頼を裏切る不当な行為で許されない」と指摘した。

裁判所の指摘について、名古屋高検と福井県警は「今後、再審公判が予定されているので答えを差し控える」としている。

検察は決定に異議申し立てを行わず、再審が開かれることが決まった。

初公判はことし3月に開かれる見通しで、無罪となる公算が大きくなっている。

現在、59歳の前川さん。

決定に安どする一方、捜査機関への怒りや、人生の大半を奪われたことへの失望が入り交じり、心境は複雑だ。


―――――――――――――
前川彰司さん
無実の証拠を長年隠していた。正義の名のもとで働く検察官や警察官の名折れだと思うし、あきれている。再審が始まるまでにあまりにも時間がかかりすぎていて、やりきれない自分がいる」
―――――――――――――


進まぬ証拠開示 審理の長期化に

再審の手続きでの証拠開示は、どれだけ重要なのか

NHKでは、日本弁護士連合会が現在、再審のために支援している全国14の弁護団に聞き取りを行った。

検察から開示された証拠がその後の審理に影響したか尋ねると、あわせて8つの弁護団が「再審開始の決め手になるなど重要な証拠になった」と回答した。

しかし、このうち5つの弁護団は、こうした重要証拠について、検察から当初「ない」と説明を受けたと回答した。

裁判所が勧告するなどしてその後に開示されたが、検察からは「警察署に保管されていた」とか「調査不足だった」などと説明があったという。

また、検察から開示を拒否された経験がある弁護団は10にのぼり、開示しない理由については「必要性がない」とか「開示する義務や法的根拠がないなどと説明されたという。

59年前に静岡県で一家4人が殺害された事件で一度死刑が確定し、去年10月に再審で無罪が確定した袴田巌さんのケースをみてみると、2010年に検察から開示された「血の付いた衣類のカラー写真」が、再審開始につながる重要な証拠となった。

     (5点の衣類のカラー写真)

しかし、最初に再審を求めてから開示までにおよそ30年かかっていて、審理が長期化する要因となった。

検察は弁護団からの開示の求めに対し、当初、「必要不可欠の重要写真が隠匿されている事実はない。検察官の手持ちについて、いわゆる証拠あさりをするものとしか考えられない」と強く拒否していた。

また、検察は写真のネガの開示請求に対し、「存在しない」と回答していたが、その後、静岡県警の倉庫から発見され、提出されるに至った。

さらに、再審請求の審理が終わったあとで、弁護側に有利な証拠が開示されたケースもある。

滋賀県東近江市の湖東記念病院で患者が死亡したことをめぐり、当時看護助手だった女性が人工呼吸器を外して殺害した罪で服役した事件では、女性の再審開始が決まったあとで、「人工呼吸器の管にたんが詰まって心停止に至った可能性もある」という医師の所見を記した捜査報告書などが検察から開示された。

弁護団によると、大津地方裁判所で行われた再審の判決で、裁判長15年の歳月を経て初めて開示された証拠が多数ある1つでも適切に開示されていれば起訴されなかったかもしれない」と述べた。

前川さんのケースでは、裁判官の強い働きかけがあって重要な証拠の開示につながったが、検察への対応は担当する裁判官によっても異なっている。

こうした状況を受けて、再審制度の改正が必要だと指摘する専門家もいる。


―――――――――――――
大阪大学法科大学院 水谷規男教授
「全く証拠開示の制度がないまま放っておくと、検察官が『制度がないから証拠を出す理由がない』とか、『そんなに重要な証拠ではない』などと自ら判断してしまい、えん罪の被害者が救済されず、誤判が埋もれたままになりかねない。

また、審理に積極的な裁判官は検察に証拠開示を働きかけている一方、そうでない裁判官もいて、いわゆる『再審格差』も生まれている。

こうしたことを防ぐために、証拠開示制度を再審請求の段階にも設けなければいけない
―――――――――――――


“最後のとりで” ふさわしい制度に

再審制度について法務省は、審理の長期化を招いているとの指摘も踏まえ、法改正の議論を始める方向で調整している。

早ければこの春にも、法制審議会に検討を諮問したい考えだ。

一方、国会では法改正を目指して超党派の議員連盟も発足していて、議員立法の選択肢も視野に議論が進められている。

えん罪の被害者にとって、奪われた時間は取り戻せない

被害者や家族は「私たちの犠牲をむだにしてほしくない。救済を待っている人たちのためにも、一刻も早く制度を改めてほしい」と声をあげている。

専門家の議論だけに委ねるのではなく、私たちひとりひとりが関心を持ち、「最後のとりで」と呼ばれるにふさわしい制度を早期に実現していく必要がある。

(2024年12月18日「おはよう日本」で放送)


福井局記者
川端奈緒
2023年入局
福井県出身
警察・司法担当として事件や裁判を取材

名古屋局記者
廣瀬瑞紀
2020年入局
初任地の名古屋局で警察担当を経て、現在は検察・裁判取材を担当

社会部記者
田村真菜実
2017年入局
新潟局と静岡局を経て2022年から現所属
司法担当として裁判などを取材
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●福井事件、発生から38年も経って漸く再審を決定…《検察が手持ち証拠の開示に応じることが、冤罪を晴らす上で、どれほど重要かを示す好例だ》

2024年12月15日 00時00分01秒 | Weblog

(2024年11月4日[月])
《今回の再審開始決定につながった弁護側の新証拠は、検察が開示した捜査報告メモなど287点の中に含まれていた。これにより、関係者の1人が前川さんに不利な法廷証言をした後、警察官から結婚祝い名目の金銭を受け取っていたことや、検察が証拠の不正を知りながら、それを隠して公判を続けていたことなどが判明。決定は「不誠実で罪深い不正の所為と捜査機関を厳しく批判した》(東京新聞)…「福井事件」(福井女子中学生殺し福井女子中学生殺人福井女子中学生殺害事件)は明らかな冤罪…7年間の服役を終えた前川彰司さんの第2次再審請求で、名古屋高裁 (山田耕司裁判長) が再審決定。7年間も冤罪で服役し、終始一貫して無実の訴え。事件発生から38年も経って漸く再審を決定。

   『●「前川さんの身になってほしい!」: 「福井事件」という明々白な冤罪
   『●愚挙: 検察の異議が認められて福井事件の再審開始が取り消しに
    「《この事件でも物証がなく、関係者の証言のみで前川さんは
     罪に問われている。しかも、前川さんは逮捕から一貫して犯行を
     否認をしている》。検察(名古屋高検)も酷いけど、裁判所が
     一体何を考えているのか、理解に苦しむ。この裁判所(名古屋高裁)
     の愚挙、批判的な記事があまり出ないのはなぜ??」

   『●「「3.11」から2年③ 東北復興と壁」/
       『週刊金曜日』(2013年3月15日、935号)について
    「粟野仁雄さん【福井女子中学生殺害事件で前川彰司さんの
     再審請求棄却 立証責任回避の違法な決定】」

   『●「「アイドル」を守れ!」
     『週刊金曜日』(2014年6月6日、994号)についてのつぶやき
    「中嶋啓明さん【「一刻も早く再審開始決定を」
     福井女子中学生殺人】、《逮捕から28年が過ぎた……前川彰司さん
     ……指紋や目撃者など、前川さんと犯行を結び付ける直接証拠が
     一切ない》。青木理さん「前川さんの身になってほしい!」」

   『●福井事件 (1986年) は明らかな冤罪…7年間の服役を終えた前川彰司さん
      の第2次再審請求で、名古屋高裁金沢支部 (山田耕司裁判長) が再審決定





(朝日新聞、2024年10月24日[木])

 海外からの視線…《日本の司法は中世なみ》《日本の前時代的な刑事司法制度》。特に、再審に関わる条文を改正し、充実させねば、冤罪者は救われない…《検察が手持ち証拠の開示に応じることが、冤罪(えんざい)を晴らす上で、どれほど重要かを示す好例だ》。(東京新聞)《再審法は、検察有利に過ぎるなど、これまでも不備が指摘されており、国会でも超党派の議員連盟が法改正を目指している。支部の裁判長は、今回の決定は「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の大前提に従ったと述べた。現状の再審制度の根本に欠けているものがまさにそれであろう》。《かねて検察が証拠開示に消極的な点は問題視されてきた。今回も裁判所に強く命じられ、ようやく応じた形という。しかし、その結果、やっと再審に道が開いた。換言すれば、検察が不利な証拠を隠すことが冤罪の土壌にもなり得るということだろう。証拠開示の規定がないなど現在の再審法刑事訴訟法の再審関連部分には明らかに不備がある。可及的速やかな抜本的改正が強く求められる》。
 東京新聞の【<社説>福井の中3殺害 検察異議断念は当然だ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/363448?rct=editorial)。《検察が手持ち証拠の開示に応じることが、冤罪(えんざい)を晴らす上で、どれほど重要かを示す好例だ。1986年、福井市で中学3年の女子生徒が殺害された事件で懲役7年の殺人罪が確定、服役した前川彰司さん(59)に対する名古屋高裁金沢支部の「再審開始」決定について、同高検は異議の申し立てを断念した。決定は確定し、事件から38年を経て、ようやく裁判がやり直される。前川さんは無罪判決を受ける公算が大きい。前川さんは、逮捕時から一貫して容疑を否認物証に乏しく、一審は無罪だったが、検察の控訴で二審は逆転有罪となり、最高裁で有罪が確定。服役後、前川さんが起こした第1次再審請求で、裁判所は一度は再審開始を決定したものの、検察の異議を認めて決定が取り消され、最高裁で確定した》。

   『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…
       代用監獄…人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚
   『●《えっ、じゃあ日本はフランスより民度が高いの?》(鈴木耕さん)
                 …金(カネ)色の五つの輪と刑事司法等々
   『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
     刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ
   『●《冤罪を起こしてはならない。再審法の改正が待たれる。杉山さんや桜井
       さんらが残した人間の笑い泣き、そして袴田さんの思いを見逃すまい》
   『●再審法の改正を…桐山桂一さん《冤罪ほど人生や人権を踏みにじる不正義
     はない。…袴田巌さんの再審が決まった…大崎事件は…冤罪が疑われる》
   『●死刑台からの生還、島田事件・赤堀政夫さん「僕は無罪である以前に無実」
     「青春を返してほしい」…そして飯塚事件・久間さんの〝命を返してほしい〟
   『●鹿児島県警、呆れた…《「再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管して
      いた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!」…》
   『●再審法改正…《法規定の不備が救済の障壁になっているのは明白だ。無実
     人にとっては「法との闘い」が強いられている。何という非人道的なことか》
   『●《<無実者を罰することは、犯罪事実よりも犯罪的である>…無実の人を罰する
       のは究極の国家犯罪といえる。理不尽な刑事司法とはもう決別すべき時だ》
   『●検察・警察、裁判所、マスコミによって《大きく人生を変えられたのは、
     巌さんだけではありません。巌さんを58年支え続けてきた、姉のひで子さん》
    《48年、巌が(拘置所に)入っていたってことはね、それこそ
     大変苦労してる。だから、(無罪判決が出たからといって
     それでいいとしてはいけないと思って、再審法の改正には、
     皆さんにお力をお借りしたいと思っております》

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/363448?rct=editorial

<社説>福井の中3殺害 検察異議断念は当然だ
2024年10月30日 07時57分

 検察が手持ち証拠の開示に応じることが、冤罪(えんざい)を晴らす上で、どれほど重要かを示す好例だ

 1986年、福井市で中学3年の女子生徒が殺害された事件で懲役7年の殺人罪が確定、服役した前川彰司さん(59)に対する名古屋高裁金沢支部の「再審開始」決定について、同高検は異議の申し立てを断念した。決定は確定し、事件から38年を経て、ようやく裁判がやり直される。前川さんは無罪判決を受ける公算が大きい。

 前川さんは、逮捕時から一貫して容疑を否認物証に乏しく、一審は無罪だったが、検察の控訴で二審は逆転有罪となり、最高裁で有罪が確定。服役後、前川さんが起こした第1次再審請求で、裁判所は一度は再審開始を決定したものの、検察の異議を認めて決定が取り消され、最高裁で確定した。

 そして先週、第2次再審請求で再度の再審開始決定が出て、検察の対応が注目されていた。無罪と有罪の判決、再審開始と取り消しの決定に翻弄(ほんろう)されながら、前川さんが続けてきた長い戦いに、ようやく終止符が打たれそうだ

 欧米主要国の多くでは、下級審で無罪判決や再審開始決定が出た場合、検察は原則、上訴(控訴や上告、抗告など)できない。「疑わしきは被告人の利益にという刑事裁判の大原則に沿った仕組みだが、同じ原則を掲げながら、上訴に制限がない上、異議申し立てもできる検察有利な日本のシステムは、かなり異質だ

 今回の再審開始決定につながった弁護側の新証拠は、検察が開示した捜査報告メモなど287点の中に含まれていた。これにより、関係者の1人が前川さんに不利な法廷証言をした後、警察官から結婚祝い名目の金銭を受け取っていたことや、検察が証拠の不正を知りながら、それを隠して公判を続けていたことなどが判明。決定は「不誠実で罪深い不正の所為と捜査機関を厳しく批判した。

 かねて検察が証拠開示に消極的な点は問題視されてきた。今回も裁判所に強く命じられ、ようやく応じた形という。しかし、その結果、やっと再審に道が開いた。換言すれば、検察が不利な証拠を隠すことが冤罪の土壌にもなり得るということだろう。証拠開示の規定がないなど現在の再審法刑事訴訟法の再審関連部分には明らかに不備がある。可及的速やかな抜本的改正が強く求められる。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする