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●大川原化工機冤罪事件、《警察内部の検証》でお茶濁し、上層部を守り下部のシッポ切りのように見える。一方、裁判所は何の検証も、御咎めも無し??

2025年08月21日 00時00分55秒 | Weblog

[↑ ※大川原化工機冤罪事件 『大川原化工機事件 冤罪再発防止策/公安事件 録音録画導入へ/約20人を処分へ』(朝日新聞、2025年08月04日[月])]


(2025年08月08日[金])    [Hatena Blog『日々読学』]
大川原化工機冤罪事件、《警察内部の検証》でお茶濁し。上層部を守り、下部のシッポ切りのように見えるのだが。それにしても、「相当」って、何? 退職者は御咎めなし?? とんでもない、でっち上げられた事件なのだけれど。
 一方、裁判所は何の検証も、御咎めも無しで済ますつもり???

   『●大川原化工機冤罪事件…上告断念により逮捕・起訴の違法性が確定: 検証? 折角の
      未来志向型検証アンケートへの《回答を廃棄》した〝前科〟ありなのですが…
   『●次は裁判所も《検証》を…《相嶋静夫さんは9月に不調を訴え10月に進行性癌
     と診断されたにもかかわらず、8回も保釈請求が却下されて2月に亡くなった》
   『●完全なるでっち上げだった大川原化工機冤罪事件…《警視庁公安部と東京地検…
      原告に謝罪して捜査の過程を検証》…第三者の目が無くして徹底検証は不可能
   『●大川原化工機冤罪事件…《人質司法は捜査機関の問題としてフォーカス》…
     《最も批判されるべきは安易に勾留請求を認め、保釈請求を却下する裁判官》
   『●福井冤罪事件、増田美希子福井県警察本部長…大川原化工機冤罪事件、《警察庁
       外事課のナンバー2である理事官の立場…監督責任を免れない》はずなのに

 福井冤罪事件では、警察が証言を誘導・捏造し、検察がそれを知りつつ、前川彰司さんに罪を押しつけ続けた、何十年にも渡って。《権力の暴走》、検察が《うそをぬけぬけと主張》…前川彰司さん「警察や検察は明らかなうその証拠で殺人という罪を自分に着せた。国家権力が…」。《検察官失格の検事》。
 一方、裁判官の問題については、大川原化工機冤罪事件に関す鴨志田祐美弁護士のつぶやきを…《人質司法は捜査機関の問題としてフォーカスされることが多いけど、最も批判されるべきは安易に勾留請求を認め、保釈請求を却下する裁判官だろう。過日の謝罪で謝罪すべき相手の名前を間違った警視副総監も、心から反省などしていないことが見え見えで酷いと思うけど、そんなことよりも、人命軽視も甚だしい裁判官たちの方がもっともっと許しがたい裁判所は検証しないと言っているので、第三者機関による徹底検証をすべきだ。これは司法の独立なんかで守られるべき問題ではない》。
 大谷昭宏さんの提言…《重大な証拠隠しがあった検察官は、それ以降、公判立ち会い検事として認めない公判途中で証拠隠しが発覚した場合、いったん裁判を打ち切り、起訴、疎明資料の提出からやり直させる-。当然ではないか。検察官失格の検事に、ぬけぬけだまされっ放しの裁判官に裁かれる市民は、たまったもんじゃないからである》。

 八木拓郎・比嘉展玖両記者による、アサヒコムの記事【大川原化工機冤罪事件で警察が19人処分 「大きな過ち」検証報告】(https://www.asahi.com/articles/AST863RZNT86UTIL005M.html?iref=comtop_7_01)によると、《「大川原化工機」(横浜市)をめぐる冤罪(えんざい)事件について、警視庁は7日、捜査の問題点や再発防止策をまとめた検証結果を発表した。公安部の捜査の進め方に問題があったうえ、公安部長らの捜査指揮が「機能不全」だったため、違法な逮捕などの「大きな過ち」につながったと指摘した》。
 この記事への江川紹子さんのコメントは、《【視点】 事件の冤罪被害者は第三者を入れた検証を望んでいたのに、警察内部の検証で終わったのは残念だ。公安委員会に適宜報告し、そこでの議論も踏まえた、というが…》。

 これは《警察内部の検証》だけで、いいのだろうか?? 全くのでっち上げ事件なのに、本当にいいの? また同じことが起こるのでは?
 同じく、比嘉展玖記者による、アサヒコムの記事【「大きな過ち」はなぜ? その時、捜査現場は 大川原冤罪事件検証】(https://www.asahi.com/articles/AST870F6VT87UTIL015M.html?iref=pc_extlink)によると、《大川原化工機の冤罪(えんざい)事件についての警視庁の検証報告書では、公安部による捜査のずさんさ幹部らによる指揮の機能不全ぶりが明らかになった。捜査が進むなか、捜査員と幹部らの間でどういう報告と判断がなされ、「大きな過ち」につながったのか、検証内容から見る》。

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https://www.asahi.com/articles/AST863RZNT86UTIL005M.html?iref=comtop_7_01

大川原化工機冤罪事件で警察が19人処分 「大きな過ち」検証報告
八木拓郎 比嘉展玖 2025年8月7日 11時10分

     (大川原化工機事件の検証結果を受けて謝罪する
      迫田裕治警視総監=2025年8月7日午前10時33分、
      東京都千代田区、友永翔大撮影)

 「大川原化工機」(横浜市)をめぐる冤罪(えんざい)事件について、警視庁は7日、捜査の問題点や再発防止策をまとめた検証結果を発表した。公安部の捜査の進め方に問題があったうえ、公安部長らの捜査指揮が「機能不全」だったため、違法な逮捕などの「大きな過ち」につながったと指摘した。


検証でわかったこと、そのとき捜査現場では
「違法捜査」認定された高裁判決とは


 また、警察庁と警視庁は、捜査当時の警視庁公安部の幹部や捜査員だった9人を処分、退職している10人を「処分相当」とすることを明らかにした。このうち懲戒処分にあたるのは、捜査を現場で取り仕切った管理官(当時)と係長(同)の2人に対する減給100分の10(1カ月)相当という。

 警視庁本部では7日午前、迫田裕治警視総監が記者会見し、「捜査の基本を欠き、その結果、控訴審判決で違法とされた捜査を行ったことを真摯(しんし)に反省している」と述べた。「逮捕された3人の方々、捜査対象となった方々に多大なご心労、ご負担をおかけし、改めて深くおわびする」などと謝罪した。

 また、同社への捜索差し押さえと任意取り調べが始まった時期に自身が警察庁外事課長だったことなどを報道陣に問われると、「捜査の詳細な内容までは承知をしていなかったが、警察庁外事課長在任中に、私の下で起きていたことの責任は私にもある」とした。そのうえで「本件により深く関与することができたかも知れないという点で、私個人としても忸怩(じくじ)たる思いがあり、反省すべきところだ」と話した。


捜査指揮系統「機能不全」

 警察庁の楠芳伸長官も定例記者会見で、「全国の公安・外事部門で、今般明らかになった反省点を真摯に受け止め、再発防止策を確実に実施していく」と述べた。

 公安部は2020年3月、大川原化工機が製造する噴霧乾燥機について、輸出規制があるのに無許可で輸出したとして、外国為替及び外国貿易法違反の疑いで社長の大川原正明さんら3人を逮捕し、東京地検が起訴した。しかし、地検は21年7月、起訴を取り消した。国家賠償訴訟で東京高裁は今年5月、公安部の捜査や逮捕、東京地検の起訴について、一審に続き違法性を全面的に認めた。都と国は上告を断念し、判決が確定した。


「壮大な虚構」主張は撤回

 警視庁は、公安部の捜査の違法性が全面的に認められた確定判決をベースに検証した。一貫して問題視したのが、捜査における最高責任者の公安部長や補佐役の外事1課長ら幹部がまともに指揮をせず、捜査指揮系統が「機能不全」だった点だ。「公安部が組織として慎重に検討していれば、関係者の逮捕に至ることはなかった可能性は否定できない」と指摘した。


■再発防止策は………………
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https://www.asahi.com/articles/AST870F6VT87UTIL015M.html?iref=pc_extlink

「大きな過ち」はなぜ? その時、捜査現場は 大川原冤罪事件検証
比嘉展玖 編集委員・吉田伸八 2025年8月7日 11時55分

     (大川原化工機事件の検証結果を受けて謝罪する
      迫田裕治警視総監=2025年8月7日午前10時34分、
      東京都千代田区、友永翔大撮影)

 大川原化工機の冤罪(えんざい)事件についての警視庁の検証報告書では、公安部による捜査のずさんさ幹部らによる指揮の機能不全ぶりが明らかになった。捜査が進むなか、捜査員と幹部らの間でどういう報告と判断がなされ、「大きな過ち」につながったのか、検証内容から見る。

 捜査をめぐる民事裁判で東京高裁が、公安部の捜査を違法と認定した。そのポイントの一つは、同社の噴霧乾燥機が輸出規制の対象にあたるとした警視庁の独自解釈に至る経緯だ。

 検証では、解釈を巡る警視庁と経済産業省の協議の経過を示した関係書類を精査。その結果、2017年10月以降の協議で、警視庁が規制対象に該当すると考えているなか、経産省の担当者が警視庁が考える解釈に疑問を示していたことが確認された。

 同年12月12日には、経産省が疑問を示していることについて担当係が外事1課長に報告していた。外事1課長は検証での聴取に「係長から経産省協議で苦労している旨の報告を受けた」と述べたが、18年2月に退職する際、後任に引き継ぎをしていなかった。この課長は公安部長に、経産省とのやりとりに苦労していることを報告しており、部長は聴取に「規制対象に該当するかが論点の一つだから経産省と丁寧に協議しなければならないと指示した」と回答。ただ、課がさらに検討した上で部長に報告した形跡はなかった。部長ら幹部も詳細な報告を求めなかったとみられる。

 裁判で捜査員が「部長が経産省に働きかけた」などと証言したことについては、検証では、経産省側などの証言などから「働きかけた事実はなかった」と結論づけた。

 裁判で捜査が違法とされた要因のもう一つが、噴霧乾燥機の内部に温度が上がらない箇所があるかどうかを調べる「温度測定実験」についてだ。一定の温度以上にならなければ規制対象には当たらない。判決では、同社従業員らが警視庁の事情聴取に、温度が上がらない箇所があるなどと述べていたと認定した。

 この経緯について、捜査主任官の係長は検証での聴取に「(従業員から)『温度が上がりにくい箇所がある』との供述があったという報告を受けていたとしても、単なる言い訳だと考えて、まともに取り合わなかったのかもしれない」と説明した。上司の管理官も係長に判断を任せており、課長を交えた詳しい検討がなされた形跡はなかった。

 同社関係者への任意の取り調べが始まった時期から逮捕に至るまでの間に担当した後任の2人の課長には、同社関係者が容疑を否認しているなどとの内容は共有されていたが、報告文書には「温度が上がりにくい箇所がある」とする同社従業員の指摘は記載されていなかった。公安部幹部にも温度測定実験に関する具体的な論点が報告されていなかった。

 検証は、こうした捜査や報告の実態を「捜査の基本を欠くもの」と断じた。

………………。
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   『●《警察と検察が事件を捏造して、無辜の人たちを犯罪者に仕立て上げる。
     …大川原化工機の例は、この国がすでに“新しい戦前化”している…》
   『●大川原化工機捏造事件国賠…《女性検事は淡々と、「起訴当時の判断を
     間違っているとは思っていない。謝罪する気持ちなどない」と答えた》
   『●大川原化工機でっち上げ事件の国賠…《13年前の「正義の検事」が“冤罪”
       事件で謝罪拒む》、実は郵便不正事件当時も《問題検事》だった模様
   『●大川原化工機でっち上げ事件国賠訴訟…当然の勝訴判決ではあるが、《勾留
      後に亡くなった1人》の命は戻らないし、あまりに《大きな不利益》…
   『●大川原化工機捏造事件国賠、謝罪や責任を問うこともなく《国と東京都
     が控訴》…大川原正明社長「あきれた」「やっぱりか」「まだやるのか」
   『●大川原化工機でっち上げ事件:青木理さん《見込み捜査と強い政治性を特徴
     とする警備公安警察のゆがみが如実にあらわれた例として、大きな批判…》
   『●大川原化工機捏造事件国賠、国と都が控訴…《今回の事件は、日本の警
     察、検察、裁判所がいかなるものかを浮き彫りにしている》(長周新聞)
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
     死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》
    《◆デスクメモ …恣意的な捜査がえん罪を引き起こした最近の
     大川原化工機事件を頭に浮かべつつ、そう強く思う》。

   『●東京地裁・男沢聡子裁判長殿、一体どういうことですか? 大川原化工機冤
     罪事件「起訴取り消しによる名誉回復すら見届けられず亡くなった」のに…
   『●ニッポンの《刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》
      …《法曹三者が「冤罪を学び、冤罪から学ぶ」こと》が重要だが…
    《◆無罪主張するほど保釈されない「人質司法」問題

   『●人質司法…《保釈請求…東京地裁も却下。否認を貫く相嶋さんに妻が「うそを
     ついて自白して、拘置所から出よう」と頼んだが、首を縦に振らなかった》
   『●大川原化工機でっち上げ事件《勾留後に亡くなった1人》…《無罪主張
       するほど保釈されない「人質司法」》の問題点が最悪の形で顕在化
    (福島みずほさん)《相嶋静夫さんは9月に不調を訴え10月に
     進行性癌と診断されたにもかかわらず、8回も保釈請求が却下
     されて2月に亡くなった。この却下判断は妥当であるか。
     誰が考えても不相当だ。…保釈請求却下にかかわった
     裁判官は23人ともいう。なぜ進行性癌と診断されて
     8回の保釈却下なのか。》

   『●《恣意的な捜査がえん罪を引き起こした》大川原化工機でっち上げ事件…
     《取調官は「知ったこっちゃないですよ。組織の方針に従うだけですよ」》
   『●大川原化工機でっち上げ事件の国家賠償訴訟・東京高裁控訴審…《原告側
      は事件そのものを「捏造」》《社長らは「真相を明らかにする」》と
   『●大川原化工機でっち上げ事件…《完全なる虚偽報告…都側は「捜査員が
     同僚に雑談として見せるだけのつもりで書いた」と反論》(東京新聞)
   『●大川原化工機でっち上げ事件…《「うそをつかれたり、脅されたり。悪意に
     満ちてましたよ」…島田順司さん…警視庁公安部の取り調べに対する憤り…》
   『●袴田冤罪事件、何の反省もない検察の《控訴断念》を受け、漸くの謝罪記事
      …マスコミの罪も非常に重い…検察が控訴したら、どうしたのだろうか?
    「最近でも、公安警察は大川原化工機でっち上げ事件を起こした
     ではないか、検察はその片棒を担いだではないか ―――
     (元木昌彦さん)《女性検事は淡々と、「起訴当時の判断を
     間違っているとは思っていない
     謝罪する気持ちなどない
     と答えた》 ――――。この「女性検事」は塚部貴子検事で、
     村木厚子さん冤罪・証拠捏造事件郵便不正事件)の際には、
     《この主任検事の証拠改ざんを「告発」した》真っ当な検事だった
     のです…でも、いまや、大川原化工機でっち上げ事件では
     コノ有様。現畝本直美検事総長を彷彿とさせる」

   『●大川原化工機事件、《相嶋静夫さんは9月に不調を訴え10月に進行性癌と
     診断されたにもかかわらず、8回も保釈請求が却下されて2月に亡くなった》
   『●大川原化工機でっち上げ事件の《捜査の問題点を検証するアンケートを
     捜査員に実施していた》にもかかわらず、《回答は廃棄》されて隠蔽された…
   『●大川原化工機でっち上げ事件の《捜査の問題点を検証するアンケートを
     捜査員に実施していた》にもかかわらず、《回答は廃棄》されて隠蔽された…
   『●大川原化工機でっち上げ事件、アンケート回答を隠蔽廃棄…《強い要望…事実
      関係の確認が進んでいたこと》が廃棄せねばならない理由となるだろうか?
   『●大川原化工機でっち上げ事件…《警視庁人事1課が2023年、匿名で公益
     通報をした警視庁の警察官に対し、身分を明かすよう執拗に迫っていた》
   『●大川原化工機でっち上げ事件、例のアンケートの廃棄問題…折角の「未来志向
     型の検証」アンケートへの《回答は廃棄》、その理由は隠蔽以外見当たらない
   『●NHK《警視庁公安部内の会議内容が録音された音声記録…独自の法令解釈で事件化
     を押し進める幹部らと、そこに戸惑い抗う部下たちの生々しい肉声が記録》
   『●大川原化工機でっち上げ事件、東京地検は《警視庁公安部捜査員ら3人を
     不起訴》…弁護士「犯罪の成否について裁判所の判断を仰ぐ機会が奪われる…」
   『●完全なるでっち上げな大川原化工機冤罪事件で東京高裁も国と東京都に賠償を
     命じた…この源流はまたしてもアベ様、《公安部長が経産省に圧力をかけた》
   『●《捜査当局が無辜の市民を犯罪者に仕立てようとした》完全なるでっち上げ、
     大川原化工機冤罪事件…「人質司法」による無辜の市民の死、消えた「推定無罪」
   『●大川原化工機冤罪事件…上告断念により逮捕・起訴の違法性が確定: 検証? 折角の
      未来志向型検証アンケートへの《回答を廃棄》した〝前科〟ありなのですが…
   『●次は裁判所も《検証》を…《相嶋静夫さんは9月に不調を訴え10月に進行性癌
     と診断されたにもかかわらず、8回も保釈請求が却下されて2月に亡くなった》
   『●完全なるでっち上げだった大川原化工機冤罪事件…《警視庁公安部と東京地検…
      原告に謝罪して捜査の過程を検証》…第三者の目が無くして徹底検証は不可能
   『●大川原化工機冤罪事件…《人質司法は捜査機関の問題としてフォーカス》…

     《最も批判されるべきは安易に勾留請求を認め、保釈請求を却下する裁判官》
   『●福井冤罪事件、増田美希子福井県警察本部長…大川原化工機冤罪事件、《警察庁
       外事課のナンバー2である理事官の立場…監督責任を免れない》はずなのに

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●福井冤罪事件、《検察官失格の検事》…【大谷昭宏のフラッシュアップ/検察官失格の検事に独自ルールを 前川彰司さんのやり直し裁判に思う】

2025年08月05日 00時00分49秒 | Weblog

[※ 『福井中3殺害 再審無罪/「目撃証言 信用できない」捜査機関の誘導の疑い指摘/再審制度 冤罪被害者のため』『38年 求めた無罪/前川さん「つらかった」言葉詰まらせ/出し渋る検察 弁護に「壁」/「証拠開示ルール化 影響も」/袴田巌さん姉・秀子さん「これからの人生がある」/女子生徒遺族コメントせず 真相究明難しく』『「不公正」捜査側を非難/裁判長指摘「不利益な事実隠す意図」/もろかった6人の「証言」/「決め手」の証拠 開示まで20年 再審見直し議論に影響も』(朝日新聞、2025年7月19日[土])]


(2025年07月30日[水])
福井冤罪事件、警察が証言を誘導・捏造し、検察がそれを知りつつ、前川彰司さんに罪を押しつけ続けた、何十年にも渡って。
 《権力の暴走》、検察が《うそをぬけぬけと主張》…前川彰司さん「警察や検察は明らかなうその証拠で殺人という罪を自分に着せた。国家権力が…」。

 再度の引用。毎日新聞の記事【「うそをぬけぬけと主張」裁判長が検察を非難 中3殺害で再審無罪】(https://mainichi.jp/articles/20250718/k00/00m/040/159000c)によると、《増田啓祐裁判長は判決の冒頭で「1審の無罪判決に誤りはない」と結論を示し、前川さんを犯人だとした最初の関係者の証言について「うそだった」と認定。「捜査に行き詰まった捜査機関がうその供述に基づき、(他の関係者に)供述を誘導する不当な働きかけをした。有罪の根拠となる事実は認定できない」と述べた》。

 《検察官失格の検事》。一方、裁判官の問題については、大川原化工機冤罪事件に関す鴨志田祐美弁護士のつぶやきを…《人質司法は捜査機関の問題としてフォーカスされることが多いけど、最も批判されるべきは安易に勾留請求を認め、保釈請求を却下する裁判官だろう。過日の謝罪で謝罪すべき相手の名前を間違った警視副総監も、心から反省などしていないことが見え見えで酷いと思うけど、そんなことよりも、人命軽視も甚だしい裁判官たちの方がもっともっと許しがたい裁判所は検証しないと言っているので、第三者機関による徹底検証をすべきだ。これは司法の独立なんかで守られるべき問題ではない》。大谷昭宏さんの提言…《重大な証拠隠しがあった検察官は、それ以降、公判立ち会い検事として認めない公判途中で証拠隠しが発覚した場合、いったん裁判を打ち切り、起訴、疎明資料の提出からやり直させる-。当然ではないか。検察官失格の検事に、ぬけぬけだまされっ放しの裁判官に裁かれる市民は、たまったもんじゃないからである》。
 日刊スポーツのコラム【大谷昭宏のフラッシュアップ/検察官失格の検事に独自ルールを 前川彰司さんのやり直し裁判に思う】(https://www.nikkansports.com/general/column/flashup/news/202507280000092.html)によると、《判決公判だけではない。昨年の再審決定で、山田耕司裁判長は前川さんのアリバイを隠していた検察に事実に反することをぬけぬけと主張し続けていると断罪。裁判官が検察をここまで罵倒するのは、長年だまされてきたことへの怒りがさく裂したとしか言いようがない》。

   『●「前川さんの身になってほしい!」: 「福井事件」という明々白な冤罪
   『●愚挙: 検察の異議が認められて福井事件の再審開始が取り消しに
    「《この事件でも物証がなく、関係者の証言のみで前川さんは
     罪に問われている。しかも、前川さんは逮捕から一貫して犯行を
     否認をしている》。検察(名古屋高検)も酷いけど、裁判所が
     一体何を考えているのか、理解に苦しむ。この裁判所(名古屋高裁)
     の愚挙、批判的な記事があまり出ないのはなぜ??」

   『●「「3.11」から2年③ 東北復興と壁」/
       『週刊金曜日』(2013年3月15日、935号)について
    「粟野仁雄さん【福井女子中学生殺害事件で前川彰司さんの
     再審請求棄却 立証責任回避の違法な決定】」

   『●「「アイドル」を守れ!」
     『週刊金曜日』(2014年6月6日、994号)についてのつぶやき
    「中嶋啓明さん【「一刻も早く再審開始決定を」
     福井女子中学生殺人】、《逮捕から28年が過ぎた……前川彰司さん
     ……指紋や目撃者など、前川さんと犯行を結び付ける直接証拠が
     一切ない》。青木理さん「前川さんの身になってほしい!」」

   『●福井事件 (1986年) は明らかな冤罪…7年間の服役を終えた前川彰司さん
      の第2次再審請求で、名古屋高裁金沢支部 (山田耕司裁判長) が再審決定
   『●福井事件、発生から38年も経って漸く再審を決定…《検察が手持ち証拠の
      開示に応じることが、冤罪を晴らす上で、どれほど重要かを示す好例だ》
   『●袴田事件や福井事件等の教訓《検察が手持ち証拠の開示に応じることが、冤罪
      を晴らす上で、どれほど重要か》…再審法改正し、同時に死刑制度の再考を
   『●明らかな冤罪・福井事件(1986年)の再審で「抗議の沈黙」…前川彰司さん
     「そもそも起訴すべき案件ではなかった。検察は判断を最初から誤っていた」
   『●福井事件、再審無罪…《2度目の再審請求で新たに出てきた287点の証拠が
     目撃証言を崩した形で、検察の証拠開示に左右される再審のあり方が問われる》
   『●《権力の暴走》、検察が《うそをぬけぬけと主張》…前川彰司さん「警察や
      検察は明らかなうその証拠で殺人という罪を自分に着せた。国家権力が…」

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https://www.nikkansports.com/general/column/flashup/news/202507280000092.html

コラム
大谷昭宏のフラッシュアップ
2025年7月28日8時0分
検察官失格の検事に独自ルールを 前川彰司さんのやり直し裁判に思う

 死刑囚から無罪が確定した袴田巌さんの姉、ひで子さんから贈られた青い帽子を高く掲げる前川彰司さん(60)。私もかつて現地を取材した福井中3殺害事件で7年間服役した前川さんのやり直し裁判は、名古屋高裁金沢支部が無罪を言い渡し、検察が上告を断念すれば8月1日、前川さんの無罪が38年ぶりに確定する。

 増田啓祐裁判長は判決のあと、「1審の無罪判決が確定した可能性のある事件でした。長期間ご苦労をかけて申し訳なく思います」と深々と頭を下げたという。

 私は、その姿勢を評価する一方で、ことここに至って、なぜ裁判官は猛烈な怒りを検察にぶつけないのかいら立ちが募る

 判決で増田裁判長は、控訴審で前川さんを犯人に仕立て上げるための検察側証人に警官が現金を渡したことについて到底看過できない批判

 さらに事件当日、前川さんにアリバイがあったとする捜査報告書を、検察も把握しながら隠していたことについては「公益を代表する検察官として、あるまじき不誠実で罪深い不正検察官失格の烙印(らくいん)を押している。

 判決公判だけではない。昨年の再審決定で、山田耕司裁判長は前川さんのアリバイを隠していた検察に事実に反することをぬけぬけと主張し続けていると断罪。裁判官が検察をここまで罵倒するのは、長年だまされてきたことへの怒りがさく裂したとしか言いようがない。

 ここまで来たら、議員立法による再審法制定や法務・検察主導の法制審議会の審議を待たずに、裁判所は裁判官対検察官の独自のルールを作るべきではないか。

 重大な証拠隠しがあった検察官は、それ以降、公判立ち会い検事として認めない公判途中で証拠隠しが発覚した場合、いったん裁判を打ち切り、起訴、疎明資料の提出からやり直させる-

 当然ではないか。検察官失格の検事に、ぬけぬけだまされっ放しの裁判官に裁かれる市民は、たまったもんじゃないからである


大谷昭宏(おおたに・あきひろ)ジャーナリスト。TBS系「ひるおび」東海テレビ「ニュースONE」などに出演中。
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●《権力の暴走》、検察が《うそをぬけぬけと主張》…前川彰司さん「警察や検察は明らかなうその証拠で殺人という罪を自分に着せた。国家権力が…」

2025年07月26日 00時00分38秒 | Weblog

[※ 『福井中3殺害 再審無罪/「目撃証言 信用できない」捜査機関の誘導の疑い指摘/再審制度 冤罪被害者のため』『38求めた無罪/前川さん「つらかった」言葉詰まらせ/出し渋る検察 弁護に「壁」/「証拠開示ルール化 影響も」/袴田巌さん姉・秀子さん「これからの人生がある」/女子生徒遺族コメントせず 真相究明難しく』『「不公正」捜査側を非難/裁判長指摘「不利益な事実隠す意図」/もろかった6人の「証言」/「決め手」の証拠 開示まで20 再審見直し議論に影響も』(朝日新聞、2025年7月19日[土])]







(2025年07月21日[月])
福井冤罪事件、警察が証言を誘導・捏造し、検察がそれを知りつつ、前川彰司さんに罪を押しつけ続けた、何十年にも渡って。
 国本ようこ記者による、3つの毎日新聞の記事【「お前の記憶は飛んでいる」福井・中3殺害で起きた権力の暴走】(https://mainichi.jp/articles/20250715/k00/00m/040/079000c)/《警察は「犯人を知っている」とする元暴力団組員の供述に基づき、前川さんの逮捕に突き進んだ。「警察が本気になれば簡単に冤罪(えんざい)はでっち上げられる」。前川さんと同様に元組員によって事件に巻き込まれた会社員男性(56)が取材に応じ、自らも体感した「権力の暴走」を振り返った》。

 《権力の暴走》…前川彰司さん「そもそも起訴すべき案件ではなかった検察は判断を最初から誤っていた」。
 国本ようこ記者による、2番目の毎日新聞の記事【「うそをぬけぬけと主張」裁判長が検察を非難 中3殺害で再審無罪】(https://mainichi.jp/articles/20250718/k00/00m/040/159000c)によると、《増田啓祐裁判長は判決の冒頭で「1審の無罪判決に誤りはない」と結論を示し、前川さんを犯人だとした最初の関係者の証言について「うそだった」と認定。「捜査に行き詰まった捜査機関がうその供述に基づき、(他の関係者に)供述を誘導する不当な働きかけをした。有罪の根拠となる事実は認定できない」と述べた》。

 前川彰司さん「警察や検察は明らかなうその証拠で殺人という罪を自分に着せた国家権力がうそを利用していいわけがない」。
 国本ようこ記者による、3番目の毎日新聞の記事【事件から39年、絶望の先にあった希望 福井・中3殺害、再審無罪】(https://mainichi.jp/articles/20250715/k00/00m/040/094000c)によると、《警察の取り調べでは犯行を認めるよう迫られたが、「違うものは違うと一貫して無実を訴えた。1審では無罪とされたものの、2審で懲役7年の逆転有罪を言い渡され、服役した》、《父母の存在支えに それでも心は折れなかった。「警察や検察は明らかなうその証拠で殺人という罪を自分に着せた国家権力がうそを利用していいわけがない」。心に宿った怒りは消えなかった》。

 明らかな冤罪・福井事件 (1986年)、再審無罪。警察が証言を誘導し、捏造。何十年にも渡って、検察はそれを知っていながら、前川彰司さんに罪を押しつけ続けた。そして、いつも思うのですが、遺族への大変大きな裏切り行為でもある。
 発生から38年も経って漸く再審、即日結審。当然、再審無罪。結審の日 (2025年3月)、(東京新聞)《「そもそも起訴すべき案件ではなかった検察は判断を最初から誤っていた」。こう話した前川彰司さん(59)は3秒間、手を震わせ険しい表情で検察官と目を合わせた―。再審初公判の意見陳述で、「抗議の沈黙の時間が法廷に流れた。…閉廷後、前川さんは「抗議の思いだった」と説明》していた。

   『●「前川さんの身になってほしい!」: 「福井事件」という明々白な冤罪
   『●愚挙: 検察の異議が認められて福井事件の再審開始が取り消しに
    「《この事件でも物証がなく、関係者の証言のみで前川さんは
     罪に問われている。しかも、前川さんは逮捕から一貫して犯行を
     否認をしている》。検察(名古屋高検)も酷いけど、裁判所が
     一体何を考えているのか、理解に苦しむ。この裁判所(名古屋高裁)
     の愚挙、批判的な記事があまり出ないのはなぜ??」

   『●「「3.11」から2年③ 東北復興と壁」/
       『週刊金曜日』(2013年3月15日、935号)について
    「粟野仁雄さん【福井女子中学生殺害事件で前川彰司さんの
     再審請求棄却 立証責任回避の違法な決定】」

   『●「「アイドル」を守れ!」
     『週刊金曜日』(2014年6月6日、994号)についてのつぶやき
    「中嶋啓明さん【「一刻も早く再審開始決定を」
     福井女子中学生殺人】、《逮捕から28年が過ぎた……前川彰司さん
     ……指紋や目撃者など、前川さんと犯行を結び付ける直接証拠が
     一切ない》。青木理さん「前川さんの身になってほしい!」」

   『●福井事件 (1986年) は明らかな冤罪…7年間の服役を終えた前川彰司さん
      の第2次再審請求で、名古屋高裁金沢支部 (山田耕司裁判長) が再審決定
   『●福井事件、発生から38年も経って漸く再審を決定…《検察が手持ち証拠の
      開示に応じることが、冤罪を晴らす上で、どれほど重要かを示す好例だ》
   『●袴田事件や福井事件等の教訓《検察が手持ち証拠の開示に応じることが、冤罪
      を晴らす上で、どれほど重要か》…再審法改正し、同時に死刑制度の再考を
   『●明らかな冤罪・福井事件(1986年)の再審で「抗議の沈黙」…前川彰司さん
     「そもそも起訴すべき案件ではなかった。検察は判断を最初から誤っていた」
   『●福井事件、再審無罪…《2度目の再審請求で新たに出てきた287点の証拠が
     目撃証言を崩した形で、検察の証拠開示に左右される再審のあり方が問われる》

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https://mainichi.jp/articles/20250715/k00/00m/040/079000c

「お前の記憶は飛んでいる」福井・中3殺害で起きた権力の暴走
国本ようこ 2025/7/16 05:30(最終更新 7/16 18:01)

     (再審の初公判が終わり、記者会見に臨む前川彰司さん
      =金沢市で2025年3月6日、阿部弘賢撮影)

 1986年に福井市で中学3年の女子生徒(当時15歳)を殺害したとして、殺人罪で懲役7年が確定し、服役した前川彰司さん(60)に対するやり直しの裁判(再審)で、名古屋高裁金沢支部が18日、判決を言い渡す。

 警察は「犯人を知っている」とする元暴力団組員の供述に基づき、前川さんの逮捕に突き進んだ

 「警察が本気になれば簡単に冤罪(えんざい)はでっち上げられる」。前川さんと同様に元組員によって事件に巻き込まれた会社員男性(56)が取材に応じ、自らも体感した「権力の暴走」を振り返った。


覚醒剤使用容疑のはずが……

 福井市の市営住宅で、めった刺しにされた女子生徒の遺体が発見されてからおよそ9カ月後、男性は福井県警の捜査員に覚醒剤の使用容疑で任意同行を求められた。

 事態がのみ込めない中、捜査員からは覚醒剤ではなく、女子中学生殺害事件への関与を追及された。

 男性は身に覚えがなく「誰がそう言っているのか」と問うと、捜査員は、手錠をかけられた元組員を取調室に連れてきた。

 当時、元組員は別事件に関与したとして警察に身柄を拘束されていた。

 元組員が語るストーリーに沿って女子中学生殺害事件の捜査が進んでいることに男性は気付いた。

 元組員の供述では、事件の犯人は前川さんで、男性は前川さんを車に乗せ、現場を行き来したことになっていた。男性にとって元組員と前川さんはいずれも「先輩格」の知人だった。


「お前もやったのか」捜査員の追及

 男性は前川さんをかくまった容疑で逮捕され、午前8時過ぎから翌日未明までの取り調べを受けた。

 「お前の記憶は飛んじゃっている」「なぜ認めないんだ。お前も一緒にやったのか」――。

 凄惨(せいさん)な現場写真を突き付けられたこともあった。

 耐えきれず「現場に行ったことにしてくれていい」と一度は容疑を認めたこともあったが「うそをついたら、彰ちゃんに顔向けできない」と撤回。捜査員は机を押して男性を壁に押し付け「いいかげんにしろよ」とすごんだという。

 だが、逮捕から12日目………………。
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https://mainichi.jp/articles/20250718/k00/00m/040/159000c

「うそをぬけぬけと主張」裁判長が検察を非難 中3殺害で再審無罪
2025/7/18 16:12(最終更新 7/19 10:42)

     (再審公判で無罪判決が出たことを示す弁護士ら
      =金沢市の名古屋高裁金沢支部前で2025年7月18日
      午後2時9分、三村政司撮影)

 1986年に福井市で中学3年の女子生徒(当時15歳)を殺害したとして、殺人罪で懲役7年が確定し、服役した前川彰司さん(60)に対するやり直しの裁判(再審)で、名古屋高裁金沢支部は18日、無罪判決を言い渡した。

 前川さんが事件に関与したとする関係者証言の信用性が争点だった。増田啓祐裁判長は判決の冒頭で「1審の無罪判決に誤りはない」と結論を示し、前川さんを犯人だとした最初の関係者の証言について「うそだった」と認定。「捜査に行き詰まった捜査機関がうその供述に基づき、(他の関係者に)供述を誘導する不当な働きかけをした。有罪の根拠となる事実は認定できない」と述べた。

     (前川彰司さんの再審判決公判が開かれた名古屋高裁
      金沢支部の法廷。中央上は増田啓祐裁判長
      =金沢市で2025年7月18日午後2時(代表撮影))

 また、増田裁判長は検察側の対応についても批判。事件では、前川さんの知人男性が「音楽番組を視聴中に電話があり、前川さんと会った。前川さんの服には血が付いていた」と証言し、有罪の一つの根拠となっていた。

 しかし、実際には音楽番組は事件当日に放送されておらず、検察官もその事実を把握しながら確定審の公判で明らかにしていなかった

 増田裁判長は「(検察側は)事実に反することをぬけぬけと主張し続けた。検察側が誤りを明らかにしていれば、確定審で無罪が確定していた可能性が十分にある」と指摘した。

 女子生徒は86年3月20日、福井市の市営住宅で、めった刺しにされて死亡しているのが見つかった。

 「前川さんから犯行の告白を受けた」「血が付いた服を着た前川さんを見た」などとする証言に基づき、福井県警は87年3月、前川さんを逮捕した。

 前川さんは遺体発見前夜に事件を起こしたとされたが、関与を一貫して否。1審・福井地裁判決(90年9月)は「証言は信用しがたいとして無罪を言い渡した。

 これに対し、2審・名古屋高裁金沢支部判決(95年2月)は「証言は大筋で一貫し、高度の信用性が認められる」として無罪を破棄し、懲役7年を言い渡した。逆転有罪判決は後に確定した。

 前川さんは服役後の2004年に第1次となる再審請求をした。11年11月に名古屋高裁金沢支部が再審開始を決定したが、検察が異議を申し立て、名古屋高裁が13年3月、再審開始決定を取り消した

 前川さんは第2次の再審を請求。名古屋高裁金沢支部が24年10月、弁護側が提出した新証拠を基に、前川さんが事件に関与したとする証言について「捜査に行き詰まった警察の不当な誘導を受けて、体験していない事実を証言したのではないかという重大な疑問が生じている」として、再審開始を決定した。

 また、前川さんに有利な証拠を検察が隠そうとしたとも指摘し、「不誠実で罪深い到底容認できないと異例の批判をしていた。

 再審は今年3月に初公判が開かれ、即日結審した。

 検察側は「証言は互いに支え合い、高い信用性がある」と有罪を求め、弁護側は「捜査機関の証拠隠しや事実の捏造(ねつぞう)があった」と無罪を訴えていた。【国本ようこ】


福井・中3殺害再審 名古屋高裁金沢支部判決(骨子)

・捜査に行き詰まった警察が、うその供述を基に、関係者の供述を不当に誘導した

検察は不利益な証拠を確定審に提出せず、主張・立証の機会を奪った

・前川さんが犯人であるとの立証がなされていない。前川さんは無罪
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https://mainichi.jp/articles/20250715/k00/00m/040/094000c

事件から39年、絶望の先にあった希望 福井・中3殺害、再審無罪
国本ようこ 2025/7/18 14:09(最終更新 7/18 16:48)

     (再審開始決定を受け、両手を上げて喜ぶ前川彰司さん(中央)
      =金沢市の名古屋高裁金沢支部前で2024年10月23日
      午前10時、萱原健一撮影)

 「無実の者は無罪。裁判所はしっかりと判断してほしい」

 福井女子中学生殺害事件で有罪が確定した前川彰司さん(60)に、名古屋高裁金沢支部は18日、再審無罪の判決を言い渡した。

 事件発生から39年を経て、裁判所は前川さんの訴えをようやく受け入れた。

 絵に描いたような青年期ではなかった。中学時代はバスケットボール部の活動に打ち込み、1年生から先発メンバーとして試合に出た。しかし、次第に生活が荒れ始め、不良仲間とつるんで遊ぶようになった。


福井・中学3年女子生徒殺害事件の経緯

 事件は1986年3月に起きた。女子生徒が殺害されたことはリアルタイムで把握していなかった。被害者と面識はなく、後で知人から聞かされ「そんなことがあったんや」と受け止めた。

 ところが半年ほどたって「疑われてるよ」と情報が入ってくるようになった。素行の悪さから警察に事情を聴かれたことも確かにあったが、「接点がない」とされていたはずだった。

 殺人容疑で逮捕されたのは事件から1年後。「前川さんが事件の犯人だ」とする知人の供述が引き金だった。

 当時21歳。「親の育て方が悪かった」「被害者と交際していたらしい」――。根拠のないうわさが独り歩きした。非行歴のある前川さんを信じる人は、ほとんどいなかった。

 警察の取り調べでは犯行を認めるよう迫られたが、「違うものは違うと一貫して無実を訴えた。1審では無罪とされたものの、2審で懲役7年の逆転有罪を言い渡され、服役した


父母の存在支えに

 それでも心は折れなかった。「警察や検察は明らかなうその証拠で殺人という罪を自分に着せた国家権力がうそを利用していいわけがない」。心に宿った怒りは消えなかった

 「無罪が出るまで頑張ろう」と声をかけてくれた父、「絶対に裁判をやり直してもらおう」と強く望んでいた母の存在も支えになった。

 前川さんは潔白を証明して人生をやり直すため、再審を求めることを決意する。有罪判決後に洗礼を受けた、キリスト教の信仰も心のよりどころだった。

 第1次再審請求で開始決定が出た後、取り消される憂き目にも遭ったが、支援者や弁護団に支えられ、第2次再審請求で再審の扉をこじ開けた。

 「ハードルはあまりに高く険しく、絶望に近いものがあるされどその向こうに希望のともしびがともっているのもまた事実」。捜査当局と司法判断に翻弄(ほんろう)された半生を前川さんは、そう振り返る。

 自分を犯人視した知人を恨む気持ちはほとんどない。むしろ、その知人の供述にしがみつき、自分を犯人に仕立て上げた警察や検察が厳しく非難されるべきだと思っている。

 母は亡くなり、高齢の父は施設で暮らす。

 「無罪と判断してもらったよ」。2人のために、しみじみと祝杯を上げるつもりだ。【国本ようこ】
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