アブリコのCinema散策

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しあわせな孤独 2002年 デンマーク

2008-09-28 | ラブ・ストーリー
結婚を約束し、幸せの絶頂にいるとき、もし相手が不慮の事故で首から下がまったく機能しなくなっても、変わらぬ想いで一緒になることができるだろうか。

セシリは、本物と信じていた愛情が義理的なものに変わっていってしまうことに悩む。
当事者である恋人のヨアヒムも、セシリに優しくされればされるほど苦痛が増し、暴言を吐き、ままならないがゆえ気持ちもひねくれていく。

―― 今別れれば、セシリにとって、新たな幸せを見つけることが出来るだろう。 
これ以上、彼女を苦しめることは出来ない。 ――
ヨアヒムは、「また会いに来てくれれば、それでいい」と、悲しい笑顔をセシリに向けた。
相手を想うがゆえの別れ。

ヨアヒムを轢いてしまったマリーを庇い、夫ニルスは事故の責任を感じ、セシリの相談相手になる。
セシリはニルスを、いつしかヨアヒムの“代わり”として、たびたび呼び出すようになっていく。
ニルスもそれに応じていくのだが・・・

無理をして愛することほど辛いことはない。
抱けない苦しさを他者で埋めることで、自身をごまかせるのか。
優しさの押し売りも、ことによっては相手を傷つける。
よかれと思ってしたことが、かえって泥沼化し、よって自己コントロールを失っていく。
そんなお話。


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