アブリコのCinema散策

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女はみんな生きている 2001年 フランス

2008-09-15 | ヒューマン・ドラマ
フランス映画では、男性が女性に翻弄され“すぎる”ものが多い気がする。
もちろん現実は、男性みんながみんな振り回されっぱなしってことはないだろう。
前に、故岡本太郎氏が対談か何かで語っていたのを読んだことがあったが、映画では、そういった作品が目立つけど、実際のフランスは男性優位の国で、だから逆に女性を強くイメージすることで観客が喜ぶ、のだとか。

本作品の構成はすごくよく出来ている。
主婦のエレーヌの行動力には驚かされたけど。
彼女と主役を二分する、娼婦のノエミのこれまでの生き様がすごい。
厳格、かつ男尊女卑の家庭で起こる悲劇。
娘を人身売買さながら嫁がせようとする、父親の横暴さ。

ノエミを何としても助けようとするエレーヌ。
次々と折り重なるように問題が噴出する中、二人はそれらを乗り越えていく。
彼女たちが何故ここまで強くなれたかは、それぞれ心に負った傷が深かったからだろう。

一言で、「女、強し」といった作品。
とにかく徹底的に女性が〈賢者〉で、男性を〈愚者〉に描いている。
うーん、ここまで男たち(特に、エレーヌのダンナ)を愚かしく表現されては、当の男性諸氏も、観ていて苦笑いするしかないだろうなぁ。