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死ぬまでにしたい10のこと 2003年 カナダ・スペイン

2007-02-22 | ヒューマン・ドラマ
余命はあと2,3ヶ月。
突然そう告知されたアンは、一瞬動揺する。
だが、前を見据え考える。
わたしにはしなければならないことがたくさんある。
残された時間でできることは・・・

自分が然るべきことを10項目に分けリストアップしていく。
幼い娘たちに。
残される夫に。
そして自分自身に・・・

生きているって素敵なこと。
愛すること、愛されること。
雨を感じる。
素足に感じる大地。
普段何とも思わなかったことが、身体を通して伝わってくるこの感じ。
・・・じっと、かみしめよう。

隣に、同じ名前のアンという看護師が越してきた。
どことなくわたしに似ている。
子供たちも彼女になついている。
彼(夫)もきっと・・・、きっとみんな大丈夫だわ。

個人的に引っかかったのは、アンが別に恋人をもったこと。
リストの中にも書いている。
17才で最初の子を産んだ彼女であったから、また恋をしたいって気持ちもあったのかもしれない。
コンビニエンスな相手といっては失礼だが、恋人をも傷つけることを承知で関係を続ける狡さが痛々しい。
あの優しい夫に、背信行為を残した彼女の複雑な思いに首をひねる一方で、妻でも母でもない、一人の女として最期を迎えた意固地な姿勢に、ある種の潔さをも感じる。