アブリコのCinema散策

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パリ、テキサス ’84 フランス・(旧)西ドイツ

2006-03-06 | ヒューマン・ドラマ
個人的にロードムービーは好きだ。
どこか退廃的なのがいい。
ロードムービーに絡む人間模様も、実に様々だ。
またこうした作品は、必ずといって切ない余韻が残る。
その哀しさもいい。

本作品は、ヴィム・ヴェンダース監督の代表的な作品である。
この映画でカンヌ映画祭のグランプリをとり、彼の名が一躍有名となったのにも納得がいく。

題名の『パリ、テキサス』
ロードムービーだから、パリ―テキサス間の話か?と思うかもしれないが、これはテキサス州の中にある〈パリ〉という地名なんである。

Paris.Texas
素敵ではないか。

くたびれた男が、8才になる息子と共に、かつて家族を捨てて出て行った妻を捜しに行く。
過去の深い傷を心にすえながらも、妻と再会を果たす。
だが男は、息子を妻に託し、自分はまた旅に出る。
これでいいのさ、と心の中でつぶやいてでもいるかのように。

孤独を愛する男を絵に描いたようなエンディングであったが、〈後は野となれ山となれ〉的な男の身勝手さと取るか、自虐的な男の性格を憐れむか・・・

それぞれの道が続いていく。