アブリコのCinema散策

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靴に恋して 2002年 スペイン

2006-03-20 | ラブ・ストーリー
靴に気をつかう人は、かなりのオシャレさんだろう。
この映画、題名だけ聞くとヴィヴィッドで、いかにもオシャレな恋物語に思えてきそうなんだが・・・

スニーカーを履く女、アニータ。
小さな靴を履く女、イサベル。
偏平足な女、アデラ。
盗んだ靴を履く女、レイレ。
スリッパを履く女、マリカルメン。
本作品ではこの5人の女性たちを、ストーリーの中でうまく交錯させている。

彼女たちは皆、幸せを求めている。
求めながらも嘆き傷つき、苦しんでいる。
だが、なるようになるのが人生というもの。
彼女たちの強さと、生まれ変わろうとする決意には感服する。

直接〈靴〉に係わっていたのは、イサベルとレイレだろうか。
特にレイレ役の、ナイワ・ニムリがよかった。
’98の『アナとオットー』で、個人的に注目していた女優である。
彼女、黒髪のときよりも若く見えたかな。

友人に送ったレイレの手紙。
彼女自身の朗読が流れるラストシーンでは、傷心の彼女が過去をふっきり、幸せを求める微妙な心境が綴られていた。

だが最後まで腑に落ちないのが、彼女の恋人であったクンの言う別れの理由。
最終的に、レイレの靴のデザイナーになる夢を叶えさせてあげようと、身を引く素振りを見せてたけど、あれが男の優しさだなんていったらとんでもない。
だってレイレ、未練たらたらだし。
本当のコト言ってあげたほうが、相手のためってこともあるんだよ。