goo blog サービス終了のお知らせ 

アブリコのCinema散策

のんびり映画でも観ませんか

スクール・オブ・ロック 2003年 アメリカ

2008-05-28 | コメディ
「ロックに目覚めた」という経験をもつ人は、それなりに多いのではないかと推測するのであるが、こういうことってきっかけだよなぁと、つくづく思う。
何気に借りた一枚のレコード、あるいはCDから衝撃を受けてしまっただとか、たまたま耳にした一曲に心を揺さぶられたとか。
「一体、これを歌っているのは(演奏しているのは)、何てグループなんだ!?」てとこから、そのアーティストのアルバムをそろえていく。
そのうちに、「彼らみたいにギターが弾けたら・・・」と、聴くにとどまらず、今度は、自ら演奏してみたいという野望をもち始めたりする。(ここで、しこたま練習してバンドを組んでみるか、指がついていけずに挫折するかパターンが分かれる。)

本作では、ハードロック一筋なので、念の為。
8ビートのスタンダードものや、ロックバラードなどが好みの人には、ただうるさいだけだろう。(全編歌ではないので、もちろん大丈夫です・笑)
ダーティな言葉もイヤなら尚更。
わめき声、止めどないドラムスとギターソロ、腹の底に響くベース音に聞き惚れるようでないと、ハードロックは鑑賞できません(笑)

あまりにも傍若無人な振る舞いでバンドをクビになってしまったデューイは、友人のネッドになりすまし、名門私立小学校の補充教師になる。
もうこれで、先のハチャメチャぶりが目に見えてくる。
だって、ジャック・ブラックが演じてるんだもん(笑)
彼を最初に見たのは、’00の『ハイ・フィデリティ』の音楽オタク役だったけど、相当のインパクトを放っていたっけ。

型破りな授業、いや、授業なんかやらない(笑)
彼の目的はただ一つ。
生徒たちに、ロック魂を叩き込むことであった。
幸い、デューイが受け持ったクラスは、音楽のセンスがあった。
それに目をつけたMR.S(彼の教師としての偽名。 何故“S”かは、観て確認してください・笑)は、自らのバンドを作ろうともくろむ。

とにかくジャック・ブラック最高! 
彼の表情、雄叫び、パフォーマンス、どれをとっても笑えます!
本物のバンドマンであり、ソングライターでもある彼だからこそ出来る演技だろう。
校長役のジョーン・キューザックも味を添えてます!

バンド名となる“スクール・オブ・ロック”。
後日、子どもたちのために、ロックの学校(放課後クラブ)なんて創っちゃう。
あんな教室があったら、楽しくていいだろうなぁ。

マルコヴィッチの穴 ’99 アメリカ

2008-02-15 | コメディ
奇想天外な映画がここにあり!
スパイク・ジョーンズ監督の奇抜なアイディアが、これまたなんとも愉しい。
ちょっと普通じゃ考えられないことを普通にしちゃったのだから、彼の奇才ぶりにはある種の感動を覚えてしまう。
正直、こういう不条理な話って好きなんです(笑)

どうしてジョン・マルコヴィッチなのか、ってところも笑える。
仮にこれが、ジョージ・クルーニーだとか、ジョニー・デップではどうもダメだろう。
『クルーニーの穴』『デップの穴』・・・
やっぱり『マルコヴィッチの穴』が完璧(笑)
穴といっても、どこの穴ってヘンな想像をされると困るが、これはマルコヴィッチの頭の中へと続く“穴”なんである。
原題は『Being John Malkovich』で、「あなたもマルコヴィッチになれる!」という、とんでもないお話(笑)

人形遣いのクレイグは、新しい仕事を得る。
オフィスはなんと、ビルの7と2分の1階。
7階と8階の間でエレベーターを止め、ドアをこじ開ける。
一般のフロアよりも半分の高さだから、みんなかがんだ姿勢で歩かねばならない。

ある日彼は、うっかり壁の隙間にファイルを落としてしまう。
それを拾うため書類ケースをどけてみると、そこには小さなドアが隠れていた。
ドアを開けて、恐る恐る中へ入ってみると・・・

15分後、高速道路沿いの空間からポーンと戻ってくる。
ここでまた、なんで高速道路沿いが出口なんだっていう、バカバカしさがいい!

クレイグ役のジョン・キューザックのむさくるしい姿も妙に合っていて、彼の妻を演じた、キャメロン・ディアスの意外な役柄がこれまたよかった。
いつものパーフェクト・ボディとキャピ・キャラとは程遠く、体型まで崩して、ほぼスッピンで挑んだ今回の彼女の演技を誉めてあげたいけど、これが見納めみたいに、以降、ぼてっとした役はやらないなぁ。

ホーンテッドマンション 2003年 アメリカ

2007-08-20 | コメディ
先日、うだるような暑さの中、ディズニーランドへ行ってきた。
といっても、スターライトパスポートで15時からの入園であったから、朝から行っていた人達に比べれば、格段に楽であったと思う。
入口付近で家路につく人達とすれ違ったけど、みんな疲れきった表情をしていた。
そりゃあね、あの陽射しと暑さだし、もう参った参ったって顔でした。

やはり夏のディズニーランドは夜がいい。

というわけで、久し振りに入ったホーンテッドマンション。
懐かしかった。
このアトラクションを基に創られたという本作品。
たまたま先週末にTV放映されていたので観てみた。

あははは。
感想を述べるほどでもないが、エディ・マーフィーもすっかり子ども向け映画が板についたなぁ。
’82の『48時間』とか、初期の頃の作品をうっかり忘れてしまいそうだ。

棺桶からゾロゾロとゾンビが這い出してくるあたり、マイケル・ジャクソンの『スリラー』を思い出してしまうのだが。
西洋だと、〈お化けと館〉って必ずセットになってるとこがあるけど、未だに「怖い」と思えるのは、’80の『シャイニング』。
それも幽霊とかじゃなくて、出演者たちのあの演技がコワイ(笑)

おいしい生活 2000年 アメリカ

2007-05-09 | コメディ
ウディ・アレンは好きではないが、この作品はわりとひいきにしている。

銀行の金をかっさらって、今の暮らしからおさらばしようと計画を練るレイとその仲間たち。
銀行から2軒ほどおいた店は“テナント募集中”。
そこで店を開き、そこから地下トンネルを掘って金をいただこうと作戦を立てるのだが、レイの妻フランシスは猛反対する。
しかし・・・

カモフラージュとして開いたクッキー店は大盛況。
フランシスの焼くクッキーは、ニューヨークでも大評判となる。
当初の計画は失敗に終わるが、皮肉なことに、彼女のおかげで大儲けする事となった。
だが・・・

大金持ちとなって上流社会と付き合う中、如何に自分たちが無知であったかを思い知らされる。
教養ももちろん大事なことではあろうが、生きていく過程の中で学び取ってゆくことも多々ある。
成功と挫折は紙一重。
フランシスが言う。
「人生を学べたわ。 違う形ではあったけど」

彼女に近寄るデヴィッド役のヒュー・グラントは、相変わらずのキャラ。
フランシスを演じた、多芸なトレイシー・ウルマンも、コメディエンヌぶりを大いに発揮しておりました。

ともあれ、人生の中で、連れ合いから学ぶことも非常に大事だということを忘れないようにいたしましょう。

うるさい女たち ’88 アメリカ

2007-03-30 | コメディ
ベット・ミドラーといえば、コメディはもちろん、シリアスものも完璧にこなす女優である。
ウーピー・ゴールドバーグとは、その点が似ているかもしれない。
個人的には、コメディ作品の彼女たちの方が好きではある。

邦題で同じ〈女〉のつく’86の『殺したい女』では、ダニー・デビートとの共演で笑えた。
超ド迫力のオーバー・リアクション(歩きかたも楽しい!)も彼女ならではでいい。
思うに、非常にスマートな(スタイルではなくて・・・)女性であろう。

本作品での主演は彼女と、80年代のコメディエンヌの一人、シェリー・ロングであるが、今回は気持ち、シェリーの方が活躍する話である。
とにかく、彼女たちのやりとりが愉快。
言いたい放題のドタバタ喜劇だ。

同じ男を好きになってしまった対照的な二人。
しかし、その男が二重スパイで行方をくらました途端、対立していた彼女たちは力を合わせて男を追いかけてゆく。
映画の中での二人の結束が、スカッとしていて気持ちがいい。
男としてはたまったもんではないだろうが、女たちの執念は男が思う以上にスゴイもんである(笑)

シェリーの大活躍を見ていると、“好きこそ物の上手なれ”のお手本みたいであるが、役の上とはいえ、バレエ歴9年で、これほどの手柄を残せたことに、本人も驚いたに違いないだろう(笑) 

百万長者と結婚する方法 ’53 アメリカ

2006-11-28 | コメディ
「結婚に愛なんて必要ないわ! お金よ、お金!」
・・・と、息巻く三人の美女。
高級マンションの一室で共同生活する彼女たち。
あの手この手を使って、金持ち男をゲットしようと奮闘する。

こういったストーリーは、現代版にしてもリメイクはいくらでもききそうな気がする。
だが明らかに、コメディ向きだと思わせる女優を使っても面白くない。
ありきたりな作品になってしまうのがオチだ。

本作品で起用されたのが、なんとローレン・バコール。
ローレン・バコールといえば、クールでミステリアスな印象が強いではないか。
あのハスキー・ボイスに、あの眼差し。
コメディには程遠いイメージだが、だからこそいいのである。
ハードボイルド女優が振られたり、家財道具を売ってまで見栄を張るさまは意外だし、なかなか目にできない経験だ(笑)

三人のうちのもう一人をマリリン・モンローが演じている。
セクシー路線まっしぐらの彼女とは違う、一風変ったコミカルな演技がとっても新鮮。
こっち路線でいっていたら、もしかしたら悲劇的な最後を遂げずに済んだのかも・・・と思ったりもしてしまう。

さて、高飛車な彼女たちが本当に好きになった相手とは?
ちょっと気負い気味のときに本作品を観ると、ふっと気持ちが軽くなるかもしれない。 

ミート・ザ・ペアレンツ 2000年 アメリカ

2006-06-15 | コメディ
今まさに、カノジョの両親と会ったグレッグは、一向に気の休まらない男であった。
未来の妻となるパムの父親ジャックは、元CIA。
何にでも疑いの目を光らす、これまたできれば関わりたくない相手であった。
可愛い娘に近寄るとんでもない奴とばかりに、ネチネチとグレッグに意地悪するジャック。

ジャックを演じたロバート・デ・ニーロ。
’99の『アナライズ・ミー』(続編あり)やらのコメディにも楽しそうに出ていたし、ある意味いい息抜きになっているんでしょう。

グレッグをウソ発見器にまでかけちゃったり、ジャックのマンガみたいなイビリぶりと、グレッグの振り回されぶりが笑えるところだ。
ベン・スティラーとデ・ニーロの意表をついたコンビのお陰で、楽しめる作品となった。

パムの実家に滞在していた間、ジャックの書斎を借りていたグレッグは、夜、ジャックの写真に向って、何やらグチり始める。
到底、養父に太刀打ちできない彼のささやかな抵抗であった。
隠しカメラが設置されているとも知らずに、かなり強気な様子。
後で、そのテープを見ながらニンマリするジャック・・・
やっぱりこの人、意地悪だぁ(笑)  

ウエディング・バンケット ’93 台湾・アメリカ

2006-05-13 | コメディ
1993年度ベルリン映画祭グランプリ作品。

台湾出身のウェイトンは、ニューヨークで働くビジネスマン。
彼はアメリカ人の整体師、サイモンと暮らしている。
二人は・・・まぁ、そういう関係なのだが、お互いを一番信頼し合っている。

そこへ、一人息子であるウェイトンを心配してか、郷里の母が、そろそろ身を固めろと言ってくる。
結婚相談所に入会しただとか、いろいろと世話を焼いてくるのだ。
もちろんウェイトンは聞く耳持たずである。
適当に返事をしとけばいいだろうと。
親の心子知らずである(笑)

そうこうしているうちに、両親共々、二人の住む家にやってくることになり、彼はサイモンの提案で、知人の女性、ウェイウェイと偽装結婚をすることになるのだが・・・

両親の願い、サイモンの優しさ、そしてウェイウェイの複雑な思い。
人としての本音がズバッと表現されている後半は、観る価値十分にアリである。

みんなで披露宴の写真を見ている場面は、ちょっと風変わりな家族の出来上がり!って感じで微笑ましい。

この作品で一番注目すべきところは、人格者であるウェイトンの父親だろう。
ラスト、母の涙に「どうした?」と訊く父。
「幸せで・・・」とつぶやく母に、うなづく父。
お互いの胸中を察しての、この短いやり取りを見て、小津安二郎作品を観ているような切なさを、ふと感じたのであった。



他人のそら似 ’94 フランス

2006-03-26 | コメディ
世の中には、自分と似た者が3人いるといわれている。
何とも神秘的で聞こえはいいが、もし、自分とウリふたつな者がとんでもない奴だったら!?

実名で本人を演じたミシェル・ブラン。
彼はコメディ俳優ながら、’89の『仕立て屋の恋』で、ひたすら暗く、不幸な男を演じていた。
本作品では、監督・脚本も担っている。

同じく実名で登場した女優のキャロル・ブーケ。
大人の素敵な女性である。
彼女、本当に友人思いでいい人なんである。
ニセ者ミシェルを追うために奔走し、ストレスで仕事ができない彼を気遣い、自分の別荘を宛がう。(この別荘がまた素敵なんだなぁ)

偶然にもこの土地で、ミシェルになりすまして悪行を働いていたふとどき者パトリック(ミシェルが二役演じている)を見つけ、とっ捕まえようとする二人。
当の本人よりも、女性であるキャロルの方が、断然頼もしいのである(笑)
外見とは違って、かなりの男勝り。
カッコイイです。

そして遂に、自分を他人にのっとられてしまったミシェル。
憤慨した彼がとった行動とは!?

芸能界や社会でもある〈取って代わる〉現象。
よくよく考えれば、人生なんて皮肉なうえに、油断できないってことなんですね。

ファール・プレイ ’78 アメリカ

2006-02-26 | コメディ
元祖ラブコメの女王、ゴールディ・ホーンの初期の作品。
彼女に驚かされるのは、今もこの頃とほとんど変わっていないというところ。
スタイルの維持、スゴイです。
’92の『永遠に美しく・・・』の秘薬をまさか愛飲してるなんてことは・・・ないですよね(笑)

バリー・マニロウの曲が時代を感じさせるオープニング。
颯爽とオープンカーを乗りこなすグロリア。
これから彼女の身に迫り来る、ハチャメチャ大騒動をまったく予感させない幕開けである。

やはりゴールディは笑わせてくれる。
まぁ、今となってはそうは簡単に言えなくなってしまったけど。
パチクリと大きなお目めも、よくしゃべりまくるそのお口も、今風に言えば〈キモカワ〉となるんだろうか!?

ヒッチコック映画をパロディ風にとり入れたりして、映画ツウな人なら楽しめるだろう。
何より細身だった(笑)、チェビー・チェイスの硬派ばりの刑事役も見どころである。

グロリアがバーで知り合った男の部屋。
数々の仕掛けに、バカらしくて大笑い。
いいなぁ、こういうの。
昔のドリフのコント観てるみたいで。