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アブリコのCinema散策

のんびり映画でも観ませんか

Re:プレイ 2003年 イギリス・アメリカ

2013-06-12 | ミステリー&サスペンス
仏教用語でいえば、この映画は「成仏できない男」の話といえるだろう。
別ないい方をすれば、さしずめ「さまよう魂」とでもいうのだろうか。

こういうタイプの話は、一度観ただけではどうも理解できないのが難点。
終わってみれば、はて?これは一体どういうわけだ・・・?と、再度観直しを余儀なくされる。
映画館で観たとしたら、不満で頭が一杯になってしまう。(入れ替え制でない頃は、続けて観ることができたけど。)
どうにも釈然としない終わり方というのは、制作側の意図だろうが。

悔いを残さず「旅立てる」ということは、本当に幸せなことだろう。
主人公のサイモンを見ていると、この世に未練や後悔を残しすぎておくことがほとほと怖くなる。
まあ、彼の場合は極端だけど。
非常に「念」を感じるストーリーではあった。

カナダの女優サラ・ポーリーが、サイモンの兄ピーターの婚約者役で出演していた。
薄幸で、どことなくミステリアスな役が合うサラだが、彼女の微笑みは、なんと儚いことか。
ただ、ハリウッド女優たちのような「歯が命」とでもいいたげな完璧さのない素朴なその歯並びが、かえってとても可愛らしく見えたのが新たな発見であった。

Uターン ’97 アメリカ

2013-04-17 | ミステリー&サスペンス
ショーン・ペン版『大災難』といったらいいのか。
’87のそれは、まったくの喜劇で大いに笑わせてくれたが、本作品はというと、ブラック・ユーモアを所々にちりばめた悲劇、というよりも、“奇劇”というべきか。
いやしかし、これは意外にもスゴく面白かったのである。

出てくる連中は、とんでもないヤツらばかり。
借金まみれのボビー。
ぼったくり常習のあるイカレた修理工。
妻を殺してほしいとボビーに頼み込むダーティ野郎のジェイク。
ビッチなジェイクの妻グレース。
とてつもなくグレースにのめってしまった保安官。

主人公ボビーは、自身の愛車の故障により、砂漠地帯の田舎町で足止めをくらう。
そこがまたとんでもない、悪夢のような町であるということを彼はまだ知らなかった。

抜け出そうにも抜け出せない。
この町から出なければ、オレはどうにかなっちまう。
とにかくなにがなんでもここから出なければ・・・。

マフィアに返済しようとしていた金は、もうここにはない。
車の修理代に、150ドルも請求しやがった。
そんな金、どこにあるんだ!
妻に保険金5万ドルをかけているから、オレがやれば2万ドルよこすとジェイクは約束した。
グレースは、ヤツがベッドの床下に大金を隠しているのを知っているから、ヤツを殺せば金を山分けすると言っていた。
さて、オレはどうする・・・?
金がなきゃあ、動けない。
ここから出られない。
マフィアからも追われている。
ここにいれば殺(や)られる。
オレはこの町から出たいんだ。
ただ、それだけなんだよ!

次から次へと災難が、ボビーを待ち受ける。
運というものが、彼からすっかり消え失せてしまっている。
微かな望みもなく、始終、悲惨なのである。

とんと御無沙汰のビリー・ボブ扮する修理工はスゴかった。
ホント、彼はなんでも演っちゃうねえ(笑)。
かつて主役級のクレア・デインズやホアキン・フェニックスのカメオ出演にも驚いたが、リブ・タイラーの役なんて、こ、これだけ?

ブラック・スワン 2010年 アメリカ

2012-09-03 | ミステリー&サスペンス
「コワイですねー、コワイですねー」と、故淀川長治氏をマネた小松政夫のような口調で語りたくなるようなサイコ・サスペンス。

念願叶って「白鳥の湖」で主役の白鳥を射止めたニナ。
そのイメージはまさに、二ナにぴったりであった。
しかし白鳥を演じるには、そのま逆といっていい黒鳥もまた、踊らなくてはならなかった。

純真で清楚な彼女が、正反対の役に挑むうちに精神に異状をきたすようになる・・・。
二ナはもともと精神性疾患の気があった。
それは母の知るところであり、あまりにもプレッシャーのかかる役柄ゆえ、娘の抜擢に喜ぶ反面不安もあった。
しかし二ナがそうした精神のゆがみを覚えたのは、少なからず母親の重圧によるものだったのだろう。
それについて作中では語られてはいないが、娘の出産のために母はバレエを捨て、以降、娘ベッタリの超過保護ママへと変異してしまったようだ。
おそらく二ナは、母の期待に応えるため、常に母に気を遣い、いい子ちゃんでいなくてはならなかった。
それがあるとき、彼女の内の中で反撥心が無意識に出るようになったのであろう。

黒鳥を演じるうちに、彼女のもうひとつの顔がはっきりと出てきてしまった。
この映画を観ていて、いろんな作品が頭をよぎった。
『ファイト・クラブ』に『ストレンジャー』、そのものズバリの『サイコ』。
衝撃的な『バウンド』や、過激な争奪ものとして『ショー・ガール』とか。
とまあ、さまざまな要素を練りこんだようなストーリーであるが、なんといっても皆さまお解りのように、この映画のスゴイところはナタリー・ポートマンの演技そのものでしょう。
バレエの基礎力は備わっているからといって、あれほどの力技を見せてくれたのは、バレエの猛特訓もさることながら、彼女の演技力に他ならない。
しかしねえ、彼女って自虐的な、あるいは自滅しそうな役柄がどうもなぜか合ってしまうところが哀しい。

キラ星のごとく現れた天才子役。
’94の『レオン』で見せたマチルダ役。
子役からダメにならなかった数少ない女優のひとりであるポートマン。
あの少女を演じたときの、少女らしかぬ冷たさをたたえた強烈な眼差しは、いまも変わっていない。

ザ・バンク 堕ちた巨像 2009年 アメリカ

2012-07-13 | ミステリー&サスペンス
インターポール(国際警察)の捜査官であるサリンジャーが、ドス黒い国際メガバンクIBBCの不正に挑む!!
世界をまたにかけ、スケールも大きく、ロケ班もさぞ大変だったであろうと推測するが、ここまで力を入れたわりには内容がお粗末で、大味な作品となってしまったことにひどく気落ちしてしまった。

唯一の見どころといえば、ニューヨークにあるグッゲンハイム美術館での銃撃戦。
ここでの場面では、かなり興奮気味に見入ってしまったが、はっきりいってしまえばここだけ・・・といった感じでありましょうか(苦笑)。

サリンジャーはとことん正義を貫こうと自身の肩書きを捨て、悪に立ち向かっていく。
しかし、一人の頭取をし止めたところで、敵は痛くも痒くもない。
滅びることはないのである。
彼のしたことは、果たして何かプラスになったのであろうか。
決してマイナスではないにしろ、彼のその後が懸念される。

「正義は勝つ」と、はっきり言えずじまいなのがもどかしいところではあるが、この世の中には似たようなケースも多々あり、ある意味、闘いはこれからも延々と続いていくということをいいたかったのだろう。
だとしたら、元検事局の、かつてサリンジャーと共に捜査をしていたエレノア(エラ)も、彼と同じ道を辿ることになってしまうのか。

サリンジャー役のクライヴ・オーウェン。
彼の眉間のシワは、更に深く刻まれていた。
願わくは、ボトックスやヒアルロン酸やらでシワを取り除くことはしないでほしい。
ツルリとした眉間では、もはや彼ではなくなってしまうからである。

ソフィー・マルソーの過去から来た女 2007年 フランス

2011-12-12 | ミステリー&サスペンス
妻の死を受け入れられずに苦しむひとりの男。
パリ市警の警部である彼は、ある日、ミステリアスな女性に、こう依頼される。
「ホテル・ノルマンディの経営者失踪事件を調査してもらいたいの。 それから401号室に来て」
署はすぐそこだと、男はぶっきらぼうに言い放つが、女は「あなたでないとダメなの」と言い残し、去ってゆく。

その謎めいた印象が強すぎたせいか、妙にその依頼が気にかかり、男はノルマンディ橋を渡り、対岸にある目的地へと車を走らせていく。

支配人は、失踪した父が使っていたという部屋を客室係に案内させる。
だが〈401号室〉は、このホテルには存在しないらしい。

“父親の部屋”を調べてみる。
クローゼットを開け、高価なスーツに触れていく。
例の部屋のカギがきっとあるはず・・・。
探る・・・よし、あったぞ!
401号室へ急ぐ。
カギを回す・・・開いた。
足を踏み入れると、そこは別世界のようだった。
この件を依頼したあの女の写真が壁一面に、部屋のいたるところに飾ってある。
山積みにされた雑誌の表紙には、あの女の微笑む顔が。
なぜだ?
いや、これはあの女じゃあない。
ここにある顔は、36年前に事故死した女優ヴィクトリアのものだ。
それじゃあ、あの女は一体誰なんだ?

ソフィー・マルソーが3年を費やして脚本化し、監督も担った本作品。
彼女曰く、かなりの自信作なようですが・・・。
始まりはいささか唐突なようではあるが、ストーリー自体は悪くない。
カメラワークもよく頑張っていたと思うのだが、大きなミスがあることに、これを観た人は必ず気づくことでしょう。
いやでも目につく音声マイクの先っちょが、完璧に画面上部に入っちゃってます。
しかも何度も。
これ、プロとしてどうなんでしょうか。
許されちゃったんでしょうか?
だから日本では未公開だったんでしょうか?(苦笑)
これほどトーシロー的アバウトな映画もめずらしいです。

主役のクリストファー・ランバート。
かなり久し振りに見たら、ずいぶんと老けましたな。
彼、昔日本のCMにも出てましたよね、確か洋酒の。
ダイアン・レインの元ダンナでしたけど、なんとこの映画を撮り終わってからかどうかは知りませんが、ソフィーと付き合っているらしいのです。
ま、監督としてランバートに目をつけたソフィーのほうが、早くもその気だったのかは定かではありませんが、〈共演=デキる〉という法則は、もうめずらしくも何ともないことなので、あえて論じることもないでしょう(笑)。

バンテージポイント 2008年 アメリカ

2010-10-25 | ミステリー&サスペンス
アメリカ大統領が演説中に暗殺された。
その瞬間をさまざまな“視点”から映し出した異色作。
スペインで行われた国際テロ対策会議での最中、テロリストによる暗殺計画がまさに実行されたのである。

事件の23分前にカメラは戻り、8人のそれぞれの観点を導き出してゆく。
あらゆる角度から見せられる実態に観る者は惹きつけられるが、一つの章が終わると、また23分前に戻るこの繰り返しは、やや興味がそがれやすくもある。

中盤頃にはタネは明かされ、以後、ありがちなカーチェイスが続く。
この程度のカーチェイスは見飽きた感もあり、いささか興ざましな方向へ。
そしてラストは、大統領から「御苦労だった」とねぎらいの言葉を頂戴し、任務をまっとうした達成感に酔う一人のシークレットサービスの姿がそこにあったという、全くのお約束どおりで、一気に満足度は急降下してしまったのであった。

ほぼオープニングにしか登場しなかったシガニー・ウィーバーは、さすがの存在感。
もっと出番があるかと思ったのにこれだけとは・・・。
それなのに出演する(友情出演ではあるまいし)その寛大さが素晴らしい。
大統領を助け出したバーンズをデニス・クエイドが好演。
前は考えたこともなかったが、彼、歳をとったらハリソン・フォードにタイプが似てきたように思う。
顔は全然似てないのだが、感じが、ね。
フォードがもっと若かったらこれ、適役だったのでは?
正義に徹する心意気、何とも似通っておりました。


ザ・インタープリター 2005年 イギリス

2010-06-29 | ミステリー&サスペンス
国連会議の通訳者シルヴィアは、アフリカ、マトボ共和国大統領の暗殺計画を偶然耳にしてしまう。
その囁き声は、彼女の出身地で聞くことのできるクー族の言葉であった。

故米原万里氏がロシア語通訳者であった頃、国際会議で同時通訳をしていたときの悲喜こもごものエピソードを記した著書を前に読んだことがある。
言葉から言葉への変換というのはとても奥深い作業であり、中でも同時通訳という技術は、相当な訓練を要する。
通訳のエキスパートを今回演じたのが、ニコール・キッドマンであった。

陶器のような肌合いをもっていそうなニコールは、インテリっぽい容貌もマッチする。
だが容貌とは別に、演技としてみると、ミスマッチなのであった。
シークレット・サービスのケラーにショーン・ペン。
思えば、アカデミー受賞者同士の共演だったんだが、どうもペンの方が頑張っちゃってて、同等の演技には見えないんだよね。
特に終盤近くの、彼女が大統領に銃をつきつけるシーン。
緊迫感がまるでなくて、ペンだけが踏ん張ってた感じすらある。
ニコールが演技派に見えないのは、やはりあのヒヤリと冷たそうな美によるものなのだろうか。
『めぐりあう時間たち』では、ある意味、“変装”をしたからよかったのかもしれない。
素であの地味さは出せなかっただろうから。

そもそも何故、題名が『ザ・インタープリター』なのだろうか。
事件の発端となる例の会話を聞いてしまったのが“通訳者”だったからか。
それがもし、清掃のおばさんだったらどうだったのか。(クー語がわかったかどうかはわからないが。)
個人的に付けるのなら、『ザ・リスト』とか、『初心忘るべからず』なんていいと思うがなぁ(笑)。

グリフターズ 詐欺師たち ’90 アメリカ

2010-03-17 | ミステリー&サスペンス
我が道を行く、いや、貫くと言ったほうがいいか。
自分の子よりも、己の人生を最優先させる。
何がなんでもそれだけは譲れない。
そんな母親役が似合ってしまう、アンジェリカ・ヒューストン。

『ダージリン急行』で演じたときも、息子を思いやる一面を覗かせてはいながらも、さっさと姿を消してしまう身勝手なおっかさん役であった。
この『グリフターズ』で扮した詐欺師である母親も、息子を誤って死なせてしまっても、自分の身が危ういとばかり、血まみれで倒れている息子を放って、しかも彼が(イカサマで)稼いだ大金をそっくり持ち逃げしてしまうというとんでもなさ。

色気を武器に詐欺を続けてきた性悪な息子の恋人を、アネット・ベニングが好演。
こういったすれっからし役も、シリアスなドラマも見事にこなす実力派の彼女だが、年齢不詳に見えるアンジェリカを前にすると、どうしても判定が(なんの?)ついてしまうのでありました。

このとき、アンジェリカは39才。
とても老けて見えたけど、映画の中では「お若い!」と言われてたわねぇ。
14才で息子を産んだという設定であったから、役柄では年相応ではあったのだけど、ちょっと貫禄がありすぎて、とてもアラフォーには見えなかったなぁ(苦笑)。

題名のない子守唄 2006年 イタリア

2010-02-28 | ミステリー&サスペンス
地獄のような毎日を強いられ、常に“黒カビ”に監視されている。
ひどい扱いを受けても、逃げ場はない。

そんなわたしでも、恋することができた。
素晴らしいときだった。
永遠に続くかと思った幸せ。
子どももお腹にいる。
悪夢のような日々から脱することができるかと思った。
でもそんなこと、できるわけはない。
わたしは、見張られている。
わたしは、“黒カビ”の商品であり、奴隷でもある。
わたしに自由はない。
そしてわたしの夢は、砕け散った・・・。

わたしは子どもを産み、そしてすぐに引き離された。
子どもがいては“仕事”ができない。
彼女はその後、養子に出されたと聞いた。
確か・・・アダケル家といったか・・・。
わたしは誓った。
どんな手を使ってでも、娘を探し出そうと。

娼婦だったイレーナは、自分の娘を引取ったとされるアダケル夫妻のメイドとして家に入り込む。
しかしイレーナもまた、かつての売春組織に狙われていた。
“黒カビ”を殺し(殺したつもりだった)、組織の金を持ち逃げしたためであった。

懸命に娘を引き戻そうとするイレーナ。
だが報われることはなかった。
ただ、胸が裂ける事実を突きつけられるだけであった。

報われず、ひたすら辛い日々のイレーナであったが、心持、救われそうなラストシーンにホッとする。
ジュゼッペ・トルナトーレ監督としては、意外なほど、観ていてところどころ息苦しくなるくらいのサスペンス映画に仕上がっていた。
『ニュー・シネマ・パラダイス』の印象が強いだけに、180度違うこの作品は、衝撃的でもありました。

シー・オブ・ラブ ’89 アメリカ

2009-09-17 | ミステリー&サスペンス
“覚えているかい? 僕たちが出会った頃を”
甘味なメロディの『シー・オブ・ラブ』
その曲が流れると、ニューヨークの一室で、また事件が起こる。

連続殺人事件の容疑者は女だろうと確信していた。
ことが終わった後であろう全裸の男が、背後からピストルで撃たれているのである。
その状況から、普通に考えるとターゲットは女性になる。
被害者たちは、新聞に出会い広告を出していた。
共通した点は、詩を添えていたこと。
フランクとシャーマンはこの事件を担うこととなり、ある計画をたてる。
「俺たちも詩を添えて新聞に載せよう。 それに飛びついてくる女の中に犯人がいる」

シロだとはっきりしていないヘレンに惹かれていくフランク。
指紋のついたグラスを証拠品としてビニール袋に入れようとするが、サイドテーブルに戻してしまう。
首を振るフランク。
だが気持ちはどんどんヘレンにむかう一方で、やはり彼は刑事(デカ)なのである。
ふとしたことで、彼女への不信感が爆発することに。

フランクを演じたアル・パチーノ。
お久し振りでした(笑)。
あと、かなり久しかったエレン・バーキン。
ヘレン役をセクシーに演じてましたが、この人って不思議な魅力があるんだよね。
すっぺらとした顔なんだけど、妙な色っぽさがある。
存在感のある女優だ。

今回の捜査でフランクと組んだシャーマンに扮したのが、ジョン・グッドマン。
彼やホンジャマカの石塚“系統”のに~んまり顔には、ある意味救われる。
なんだかものすごく、ご飯が美味しく食べられそうな気がする(笑)。