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アブリコのCinema散策

のんびり映画でも観ませんか

LOVERS 2004年 中国

2006-04-26 | アクション
はかなくも美しい、絵巻仕立ての侠気物語。

唐の時代の中国。
朝廷守護派とその反乱軍。
味方が敵に、はたまた敵が味方に。
二転三転するこの愛憎劇の、あくまでもロマンを重視するか、それともおびただしいCG使い&ワイヤーアクションに熱狂するかは、観る者次第だろう。
両方同時に・・・だと、やや苦しい。

アジアン・ビューティのチャン・ツィイー演じるシャオメイと、金城武扮するジンが愛を貫こうとするその一途な姿が美しかった。
チャン・イーモウ監督お得意の、鮮やかな原色を全面に彩らせた幻想的な撮り方は、まさに芸術である。
’02の『HERO』に続く、彼のこだわりか。

いかんせん、先に述べたCGの多用。
あそこまでやっちゃうと、『少林サッカー』になってしまいますよ(笑)
アクションはわかるけど、シリアスなのかコメディなのか、わからなくなってきます。

ストーリーとしてはよくある作りだけど、やっぱりこういうのはスタンダード的で好きだな。
アン・ハッピーなんだけど。 

激突! ’72 アメリカ

2006-02-13 | アクション
この映画は、ひとりの男のある恐怖体験を描いたものである。
サイコ・サスペンス?
いえ、一応カー・アクションです、ジャンル分けすると。

ハイウェイを快適にひた走る一台の車。
やがて目の前に現れたのは、大型のタンクローリー。
セダンに乗っている者としては、その後方について走るなんて、不快度数を一気に上げるようなものである。
反対車線から車は無し。
男はグンと加速し、タンクローリーを追い抜く。
フフンとばかりに、男は車を飛ばす。

しばらくして、ふとバックミラーに目をやると、あのタンクローリーが映っているではないか!
強引にその物体は、男の車を追い抜き返す。
呆然とする男。
それに対し、タンクローリーは勝ち誇ったかのように、わざと速度を下げ、セダンの前を遮る・・・

驚いたことに、本編中、一度もタンクローリーの運転手の顔を映していない。
あくまでも、タンクローリー自体を生き物のように扱っているところが、当時25才だったスピルバーグ監督の才能を決定づけていたかのようだ。

煙を吐き、猛獣のように吠えながら、執拗に追ってくるタンクローリーの不気味さ。
「俺を殺そうとしている・・・」
妄想にかられ、恐怖におののく男。

製作費もほとんどかけず(たぶん)、登場人物もほとんどおらず(ほぼ、この男だけ)、ストーリーも非常にシンプルであるのに、この映画は何度観てもあきない。

莫大なお金をかけて、CG使いまくって、でも一度観たらもういいや、なんていう作品がゴロゴロある中、こういった映画は今でもとても新鮮にうつり、且つ非常に貴重な作品である。



ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ ’98 イギリス

2005-12-21 | アクション
女性たちには、「マドンナのダンナの・・・」と前置きしたほうがピンとくるであろう、ガイ・リッチー監督のギャング映画。
金の奪い合いに躍起になる男たちを、シニカル・タッチで描いたこの作品、なかなかの傑作である。

タランティーノ作品のイギリス版といった感じであろうか。
曲の使い方やカメラショットとか、何気に似た感があるなぁと思ったりもした。
本作品は女が一切からまない、野郎ばかりの、銭&銃取り合戦である。
なんとスティングが、やや奇妙がかった風のバーのオーナー役で出演していた。
登場頻度は少ないものの、存在感があったなぁ。

中~終盤にかけて、一気に面白くなってくる。
締めくくりもハラハラさせながらも、ニヤリとさせる巧さで一興である。
リッチー監督、今回脚本も兼ねているが、非凡だよなぁ。

少し前に、あらら!?どうしたの?と、首をかしげたくなるような駄作を出しちゃいましたけど、時間も才能も無駄にしてしまったようで残念でありますが、ま、おかあちゃんのためならエーンヤコーラ、なんでしょうかね(笑) 

フェイス/オフ ’97 アメリカ

2005-11-22 | アクション
顔の皮膚をそっくり剥がして取り替えっこ。
考えてみると、やけにグロテスクな感じがするが、意外にもそれはない。
ちょっと間違えれば、コントにでもなってしまいそうな危うさがあるが、大真面目なこの話、アクション満載で、見応え十分である。

『パルプフィクション』で返り咲いたジョン・トラボルタと、フランシス・コッポラ監督の甥っ子、ニコラス・ケイジとの対決。
両者とも、これまでに善も悪も演じてきているから、どちらが悪を演っても違和感なさそうだ。
なので、今回は平等に(?)、どちらも悪を演じている・・・といっても、先に述べたように取り替えっこしているからなんであるが。

ニコラス扮する冷酷非情な男、キャスター・トロイ。
コートのすそを翻しながらの登場には、彼ならではの〈なりきり〉が堂に入っていて、ある意味笑えちゃう。
二大スターの共演とあって、二人の競演は見事であった。
前半ですでにお互いの立場を替えての演技も、なかなか自然であった。

ジーナ・ガーション姉御も頑張っていた。
彼女って、こういった役が合ってるよなぁ。
相変わらず、平たいひし形のような口は健在だった(笑)。

なんといってもこの作品の見どころは、派手なアクションだろう。
ジョン・ウー監督が、これでもかーっ!ってぐらいに、ぶんぶんムチをうならせて撮っていたかのように、見せ場を作っていた。
空中を舞いながらの銃撃戦など、いささか香港映画入ってますって感もありはしたが。

2時間以上の本作品を長く感じさせないのは、約70%を彼らの壮絶な戦いで占められているからだろう。 

レッドブル ’88 アメリカ

2005-09-16 | アクション
アーノルド・シュワルツェネッガー・現カリフォルニア州知事が、旧ソ連の刑事に扮し、麻薬組織の首領を追うべくアメリカ、シカゴに飛ぶ。

’84の『ターミネーター』の延長のような動きと、銃をブッ放す勢いは彼ならではだろう。

シカゴで組まされた相棒役に、ジム・ベルーシ。
確か彼は、’89の『K-9』で犬と組まされてたっけ。
二人の対照的な性格と、全くかみ合わない会話がおかしい。
「ソ連の銃が世界一だ」と主張するダンコー。
片や相棒は、「何を言ってる、マグナム44が世界一だ」と豪語する。
「なんてったって、ダーティハリーが使ってんだぞ」
「・・・ダーティハリーって誰だ?」

何事もソ連流に徹していたダンコーであった。
郷に入っても従わないガンコさである。

空港での別れのシーンでダンコーが、「俺たちは政治家ではない。 だから友人になれる」と言うところがいい。
腹のさぐり合いをしながら、表面上友と偽っているのはやっぱりよくないよね。
例えば、どっかの国とどっかの国とか。(笑) 
 

6ixtynin9(シックスティナイン) ’99 タイ

2005-09-08 | アクション
OLのトゥム(といっても冒頭で会社を解雇させられてしまうんだが)の住む部屋番号が〈6〉。
実はそのプレートが壊れていて、ちょっとの振動でもあると、クルンと逆さまになってしまい、なんと〈9〉になってしまう。
それが後々やっかいな事に・・・

本当の〈9〉号室の部屋へ向うはずが、「お、ここだ」とトゥムの部屋の前に、大金の入った箱を置いていく男。
限りなくヤバイ金に違いないのだが・・・

そこから展開がすごいことになっていく。
カワイイような顔をしていながら、この主人公のトゥム、自分の身を守るために次々と凄まじいことをやってのけていく。
度胸があるってモンじゃない。

演じているラリター・パンヨーパートって女優さん。
どうもタイ人ぽくないと思ったら、イギリス人とのハーフだそう。
あちらの女優や人気アイドルたちって、白人とのハーフが多いようだ。

おぞましいような場面も、何だかコントを見ているようだし、変にオドロオドロしくなく仕上がっていて、なによりテンポがいい。
メイド・イン・タイランドのアクション&サスペンス&コメディのごった煮、笑わせてもらいました! 

キス☆キス☆バン☆バン 2000年 イギリス

2005-08-16 | アクション
プロの殺し屋ジェフ・フィリックスは、裏社会から身を引くことにした。
銃の腕がおちたことが原因らしい。
しかし組織である〈クラブ〉は、それを許さなかった。
何故ならそこは、“終身制”だから・・・

勝手に足を洗おうとするジェフは、組織からその命を狙われることになる。

転職をした(笑)、ジェフの初仕事は、子供のお守りだった。
子供といっても実は大人。
正真正銘の33才である男性なのだが、親の過保護により、一度も表に出されたことがなかった〈ひきこもり〉ならぬ、〈ひきこまされた〉男であった。
名前はババ。
彼をクリス・ペンが演じている。
彼は今や、演技派の域に入ったショーン・ペンの実弟だが、兄貴とは正反対のあったかモードな俳優である。
とってもババ役に合ってました!

全くの子供から、男の教育を受けるババ。
彼がだんだんと頼もしくも見えてくる。
元殺し屋と、子供みたいなババのユニークなコンビから目が離せない。
しかし、ふたりの永遠の別れとなってしまう非常な展開には胸を痛めてしまう。
ジェフよ、自分を呪ったか!?

海辺でのハッピーなエンディングで、ジェフも観る者たちも、救われたような思いである。
彼が、「子供を抱いたときにわかった」と言っているが、それはきっと・・・

ところで、ジェフの子分にあたるジミー。
彼が命を懸けてジェフを守る姿、慕う思い、敬う気持ち。
仁義をわきまえてるイギリス人ってーのも、いらっしゃるんでやんすねぇ。 

ディナーラッシュ 2001年 アメリカ

2005-07-16 | アクション
マフィア映画にしてはそれらしくない、ちょっと変わった趣向でおもしろい作品だ。

舞台が、ニューヨークのイタリアン・レストランである。
その内外で、様々な人間模様をホイップさせながら、多岐にわたる展開を見せる。

厨房から流れるように出来上がる料理の数々。
賑わう店内でサーブされる芸術品のようなそれらは、十分に我々の目を楽しませてくれる。

個人的には、料理人はやはり男性であってほしい。
なんといっても手際のよさ、スピードが違う。
見ていても小気味いいのである。
’01の『マーサの幸せレシピ』では、フレンチ・レストランが舞台だったが、女性向の作品らしく、料理よりも恋愛に重きを置いていた。

本作品では、ソースのようにサスペンスをうまくからめているのだが、映画の終盤、なんと客のひとりが・・・!
驚きました!
無駄な推理場面や泥臭さがなく、料理が仕上がるスピードと同様に飽きさせない。
ラストへのもっていき方や、カメラワークも粋でよかった。

演出やテンポもほどほどに、腹八分目って仕上がりでよろしいのではないでしょうか。  

ザ・ドライバー ’78 アメリカ

2005-06-14 | アクション
スリリングなカー・アクション。
ライアン・オニール扮する〈ドライバー〉は、犯人たちを車に乗せて逃亡に手を貸す、言わば「逃し屋」である。
パトカーなる追っ手からも、見事なハンドルさばきで逃げおおすところなんざ、実に気分がいい!

仏女優イザベル・アジャー二が、今とほとんど変わらぬ風貌で出演している。(今よりはスリムだけど)
女賭博師〈プレイヤー〉。
いいじゃないか。
彼女の場合、ほとんどセリフがない。
やたらなセリフがない分、余計に謎めいていていいんだろうな。

後半のカー・チェイスは必見!
もう、ずっとカー・チェイス。
息をのむカー・チェイス。
カッコイイのである。
同乗の〈プレイヤー〉が、表情ひとつ変えないのがまた、いいじゃないか(笑)

今のハリウッド・アクションの大味な作りに比べると、実にムダの無い、スッキリとしたストーリーである。

このカー・チェイスを見て、スカーッとするのもまた、いいじゃないか。