当たり前の場所に、当たり前の時間に行っても、
当たり前の写真しか撮れない。
禅問答のような、格言のような話だが事実だ。
わかってはいるんだが、私の写真に対するポリシーは、
「つらくなるまでは、やらない」
なのだ。
これが、楽しく長く続けるコツだと思っている。
だから、極寒の猪苗代湖の飛沫氷の写真を見ても、
「すごいなあ」とは思うが、自分も撮ってみたいとは
思わない。つらいに決まっているからだ。
「そこまでしないと、いい写真は撮れないよ」
と言われれば、それはそれでけっこう。
そういうのは、根性とモチベーションのある方にまかせます。
しかし、ちょっと早起きするくらいならハードルが低い。
というわけで、早朝、猪苗代湖に出かけてみた。
こういうのは、場数を踏まないといいショットは撮れない。
気まぐれで行っても、ハズレの方が多い。
しかも猪苗代湖は、自分の守備範囲外なのだ。
風景写真を撮る人は、必ず自分のお気に入りポイントを
いくつか持っている。
しかし、私の引き出しに「猪苗代湖」はないのだ。
「会津に住んでいて、猪苗代湖のポイント知らないのはイタいね」
と言われそうだが、それにお釣りがくるくらい裏磐梯には
いいポイントがある。
喜多方市からは道一本だし。
ここをフィールドワークにすれば、けっこういい写真が撮れるのだよ。
何枚か撮影したが、とれ高が足りない。
しかたなく、猪苗代町から裏磐梯へ、いつもとは違うルートで
向かった。
風がなく、「凪」の状態。ありそうで、なかなかない。
逆さ富士ならぬ、逆さ磐梯。
あいかわらず派手なブーゲンビリア。ピンク色の花に見えるのは葉っぱの変形。花は中心の白い点。
この藤棚は、実は1列しかない。写真のマジック。
このサイズでは良さが伝わらないシリーズ。
この新緑の季節にあえて「赤」という、神様がおだちんをくれた木。
おまけ
裏磐梯を廻っていたら、毘沙門沼でドローンを飛ばしているバカ集団がいた。
みんな、いい歳だ。
最初、今日は大量に虫がいるな、と思ったんだがプロペラの音だった。
飛んでいる姿を写真に撮っていたが、誰かに自慢するのだろうか。
「国立公園でドローン飛ばしてるよ。バカじゃね?」
と思われるのがわからないのか。無駄な歳のとりかたをしているよね。
観光客に当たったら、どういう言い訳をするのだろう。
まあ、朝早いというのが、ヤツらのせめてもの良心なのだろう。
でも、スマホで話してる観光客がいたから、ひょっとしたら通報されたかも。
かわいそうだが、ああいうゴミを一掃してもらわないと、
どんどん規制が厳しくなる。
厳密に言えば、山菜を採るのも、記念に小石を持ち帰るのも
ダメなのだ。だけど、他人に迷惑をかけるわけではないので、
みんな黙認している。
しかし、人に危害を与える可能性のある物はNGだ。
自分も、ああならないようにしようと再確認した。
でもさあ、柳沼で釣りをしていて、私が近づいたら逃げ出した
ヤツがいたけど、そんなことして楽しいのかね?
釣り禁止だから、そりゃ魚はたくさんいるわな。
でも、別に珍しい魚がいるわけではないぞ。