書棚を整理していたら、こんなものが出てきた。
フランスに行った記念に買ってきた、歴代フランス国王
の肖像画が描かれた切手だ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/eb/c25c05b41d64c7702ccccc4d2ed24a59.jpg)
「それで?」
発行国はチャド。
なんでチャドがフランス国王の切手を発行するわけ?
そして、それがなぜノートルダム寺院の塔で売られているのか。
それにはこんな理由があるのだ。
鉱物資源も観光資源もない弱小国が外貨を獲得するため、
たまにこのような切手を発行することがある。
アフリカ大陸の国に多いようだ。
使用済みだが、裏に糊が付いている。
なぜなのか。
日本の切手を例にして説明しましょう。
例えば総務省印刷局が100円の切手を発行したとします。
これは当然、100円の切手として使用できますから、100円
以下で販売することができません。
しかし、使用済みならもう切手として使用できないのですから、
いくらの値段で販売してもいいわけです。
ですから、販売した時点ですでに使用済みなのです。
消印に見えるのは実は印刷です。
本当の消印なら、こんなにうまく肖像画の部分を外して
押してくれません。センターにドカッと押されてしまいます。
このような切手をオーダーキャンセルと呼んでいます。
フランスとしても、いくら売れるかわからないのに経費をかけて
自国で発行し在庫を抱えるより、チャドから買った方が
安く上がるのです。
ちなみに一番下段が、
「パンがなければペヤングでも食えばいいんでないの?」
と言ったマリーアントワネットとポンパドール夫人です。
彼女はバカ女の代表のような描かれ方をするけど、
貴族なんて多かれ少なかれ、みんなあんな感じだったと思うよ。
贅沢というのは、普段食べられないから贅沢と言うのであって、日常的に
食べていれば、それが贅沢であることすら理解できないであろう。
彼らの興味は何を食べるか、であって、働かなければ時には
食べられないこともある、などという考えは頭の隅にもないだろう。
この話には続きが・・・
切手をストックブックに整理しようと思ったらこんな
切手も出てきた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/23/71e70c27c184def146b1aa31c1742dbb.jpg)
本当はドイツの音楽家の切手が欲しくて切手雑誌に
「古いドイツ切手求む」と個人広告をだしたことがあったのだが、
その時手に入れたものだ。
さすがに未使用のヒトラー切手は価値あんじゃね?
と思ったのだが、通常切手は発行枚数が桁違いに多いので
ほとんど価値はないそうだ。
たとえ価値があったとしても、ヨーロッパ・アメリカあたりでは
この手の商品は取引自体が禁止されているので、売りようがない。
また表記は「ドイツ王国」だが、占領した国の切手を
「あなたは誰に従わなければならないか、よく見なさい」
という意味を込めて、この図案に変更したらしく、いろんな
国のバージョンがあるらしい。
国別に分類したり・・・そこまでの努力は、したくないね。
ちなみに、私はこの目的以外の主義・主張的に興味があったわけ
ではないので、念のため。
これ見て、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/e2/76a260cdbc28dc7cd34cf8d312ab17bd.jpg)
超インフレ時代の切手。2,000万マルク切手。
発行しても使う時点で、すでにもうその値段では送れなかったそうだ。
それでも、今の日本円で150円くらいの価値しかなかったそうだ。
サラリーマンの月給が4トントラック一杯の札束だったそうですよ。
この切手も大量にありすぎて、価値がないらしい。
これは逆に使用済みの方が価値がある。
それだけ現実的なものではなかったのだ。封筒一面切手だらけだ。
日本も戦時中・終戦後はひどかった。
目打ち無し、平版印刷、粗末な紙。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/a6/0f0e9e0e8844806458ad9123d95e20ed.jpg)
政府の印刷局が焼けたので、印刷を複数の民間業者に委託したのだが、
微妙に違っていて、それがマニアにはたまらないようです。
*本来なら額面部分に消しを入れるべきなのですが、2銭切手は現在使用できないため、入れてません。