「筆者は学生時代、1年次に簿記を学習し、2年次以降に会計学や管理会計等を受講した。いわゆる『商大タイプ』であり、会計実務に強いビジネスマンの養成を目的とするカリキュラムである。しかし同じ経営系でも1年次に会計学を教え、2年次に簿記を教えるところもあった。
教育プロセスから言えば、最初に簿記をマスターし、その後で会計学を学ぶ方が効率的である。実際、簿記を選択科目にしている国立大学で財務会計論を担当したとき、学生に仕訳の意味が通じず、取引ごとにB/SやP/Lを書いて説明しなければならなかった。
しかし商大タイプにも問題がある。最初に教える簿記が多くの学生を会計嫌いにするという点である。実際、1年次の終了前に『今後一切、簿記・会計とは付き合わない』と決心する学生が少なからずいる。」
上記の文章は、雑誌『企業会計』8月号で、同志社大学の松本敏史先生が「大学教育の現場における会計教育の課題」と題した論文中「簿記をどうするか」と見出しを付けた中で述べている文章です(pp.84-85)。
簿記が先か会計学が先かという問題は、会計教育を行う立場からすれば、解決策の見つからない(あるいは意見が分かれる)問題の一つです。その解決策の一つとして、今年から始めた新しい試みが簿記と会計学を融合した科目「会計入門」(1年前期)という科目です。
しかし「会計入門」とはいえ、簿記のボぐらいは扱うわけで、教える立場にとっても、受講する立場にとっても、回を重ねるごとに骨の折れる科目になることが予測されます。たとえ「簿記のボしか扱ってないよ」といっても、結果的に「今後一切、簿記・会計とは付き合わない」と決心する学生が出る可能性も否定できません。やっぱり担当者にとっては難しい科目といえるでしょう。
というわけで、そういう難しい科目は小生は担当せず、ベテランのM先生にお任せすることにしました。(苦笑)
教育プロセスから言えば、最初に簿記をマスターし、その後で会計学を学ぶ方が効率的である。実際、簿記を選択科目にしている国立大学で財務会計論を担当したとき、学生に仕訳の意味が通じず、取引ごとにB/SやP/Lを書いて説明しなければならなかった。
しかし商大タイプにも問題がある。最初に教える簿記が多くの学生を会計嫌いにするという点である。実際、1年次の終了前に『今後一切、簿記・会計とは付き合わない』と決心する学生が少なからずいる。」
上記の文章は、雑誌『企業会計』8月号で、同志社大学の松本敏史先生が「大学教育の現場における会計教育の課題」と題した論文中「簿記をどうするか」と見出しを付けた中で述べている文章です(pp.84-85)。
簿記が先か会計学が先かという問題は、会計教育を行う立場からすれば、解決策の見つからない(あるいは意見が分かれる)問題の一つです。その解決策の一つとして、今年から始めた新しい試みが簿記と会計学を融合した科目「会計入門」(1年前期)という科目です。
しかし「会計入門」とはいえ、簿記のボぐらいは扱うわけで、教える立場にとっても、受講する立場にとっても、回を重ねるごとに骨の折れる科目になることが予測されます。たとえ「簿記のボしか扱ってないよ」といっても、結果的に「今後一切、簿記・会計とは付き合わない」と決心する学生が出る可能性も否定できません。やっぱり担当者にとっては難しい科目といえるでしょう。
というわけで、そういう難しい科目は小生は担当せず、ベテランのM先生にお任せすることにしました。(苦笑)