黒い冷凍庫(冷凍品=文芸社、栗田工業、幻冬舎R等、クンちゃんブログ自費出版関連記事!クリタ創業者野崎貞雄氏発禁本全文)

旧文芸社=日本文学館、幻冬舎R等自費出版(費用著者負担エディション)よろず相談室 クンちゃんのエディタールームの過去記事

全額返金可能額は文芸社=日本文学館だけで10億円超か?②(通算No197)

2012年08月07日 07時03分04秒 | 特定商取引法違反全額返金問題
クンちゃんブログ「原発訓」“便利”が大好き! でも、ぜーんぶ無くしちゃうなら、“不便”でもええ!




  

 改正特定商取引法違反出版契約問題の行方②
文芸社・日文だけでも、全額返金可能総額は 10億円超
で、その計算根拠は、どうなってんだ、だと



 この問題は、そんなに難しい話ではないのです。

 ただ、えらく“非常識”です。

 なんの問題もトラブルもなく、本は出来上がり、広告・宣伝もおこなわれ、約束どおり流通にも置かれた。そうして、契約期間もとっくに満了した。著者は身近な人びとの間で面目を施し、大満足であった。版元に感謝感激の手紙を差し出してもいる。よくある、「売れると騙された」「その気もないのに本を作らされた」といった騒ぎとはまったく無縁の平穏な出版。
 こういう場合であっても、一定の条件にあてはまれば、著者が“忘恩の徒”と豹変し、支払い金全額の返還請求が可能だ、というのです。
 なかなか信じがたい話ではあります。

 著者側にとっては「こんなうまい話があるのか」ということになりますが、版元にとっては「こんなひどい話があるのか」の極みということになりますので、なんかヤバイ話、うさんくさい話なんじゃないの、と勘違いしている向きもあるかもしれません。
 そのへんにも或いは問合せの少なさの要因が潜んでいるのかもしれませんね。


 さて、要するに次のとおりなんです。ちょっと読んでみてください。

 「特定商取引法」という法律があって、いろんな商売のやり方が規制されている。
 通信販売、訪問販売、電話勧誘販売とか、連鎖販売とか、なんとなくヤバそうなやつね。

 んで、文芸社とか新風舎とかいう自費系版元の商売のやり方ですが、一般的にはこうでしたね。

 まず、あっちの新聞、こっちの雑誌、ネット等にじゃかじゃか広告を打って、原稿を募集したり、嘘っぱちコンテストをやらかしたりして原稿を背負ったカモ集めをする。
 引っかかってきたカモには、手ごたえがあろうとなかろうと、じゃんじゃん電話をかけて、ああでもない、こうでもない、となんだかんだ言いくるめて、結局、大金かけて紙の本を出すような気持ちにさせる。
 気持ちがととのったら、出版契約書を郵送でやりとりして、いっちょあがり、これが一番典型的な契約パターンだった。電話をよく使うんだよね、これが。

 それで、今となってはもう3年前なるでしょうか、この契約類型が特商法旧法の「電話勧誘販売」にあたるかどうか、が具体的なクレームを契機として問題になったことがあるんです。
 これについて、役所と版元で真っ向から見解が異なっていたのは前回、ちょっと触れました。
 なにが問題かというと、自費版元側というかクンちゃんとしては、仮に第一の関門で商売の形態が電話勧誘販売にあたる、としても、第二の関門である「指定商品・指定役務」のリストに自費出版は入らないと主張したわけだ。
 これに対して、役所は、「いんや、自費出版は間違いなくリストに該当する」と言い張って譲らない。各地の経済産業省出先に同じ問合せをしてもまったく同じ回答(あたりまえと言えばあたりまえ、か?)。しかし、行政官庁は別に特商法違反を自前で摘発する機関ではなく、公式には個別案件について違法であるかどうかを判断しないので、宙ぶらりんのまま沙汰やみとなった。結局、その後も自費出版と特商法旧法をめぐっての裁判例はあらわれず、黒白つかなかったというわけ。

 ところが、そうこうしているうちに、先に述べた「指定商品・指定役務」制度が廃止され、すべての商品・役務が法規制の対象になるという法改正がおこなわれたのです。
 こうなると、もう議論の余地などありません。

 そして、この新法が施行(実施)されたのが、何度もこのブログでうるさく言っている「平成21年(2009年)12月1日」なんです!

 新法施行日以降は、新法に対応した商売のやり方が当然必要だったんだが、文芸社や日本文学館はこれを翌年2010年の5月初頭まで完全に失念してしまったわけだ。それが、この問題が今日まで尾を引く原因なのです。

 余談ながら、その施行年月日を失念した責任はいずこにあるのか?
 と言えば、形式的にはまず法務室長のクンちゃんにあるといえなくもない。通常なら、そうなる。懲戒処分もやむを得ないかも知れんわな!

 ところが、施行の1年前ぐらいだったか、ある段階で、この特商法関連はすべて法務室の手を離れ、取締役直接取り扱いの会社顧問・田宮総合法律事務所扱いとなった。つまり、文芸社はこの問題からクンちゃんを完全に召喚したってことになります。
 したがって、新法施行日が近づいたころには、田宮事務所から新法対応をどうすんべかの協議話が担当取締役に来て然るべきところ、それがなかったために、このような事態が招来されることとなってしまったのです。
 これはお粗末すぎますね。はっきり言って、損害賠償請求モノじゃねえのか?という思いが強いよ、まったく!

 もうひとつ。当時の文芸社出版企画部長「エロサイト旦那立っチン」はさすが検索が早いというのかどうか、日ごろの“研鑽”の甲斐あってあらゆるサイトに通じているため、この新法施行日が近付いているのを知っていた。そこで、“出入りのクレジット会社担当者”に「あれは(特商法新法は)ウチには関係ないよね」とふったという。ところが、このクレジット会社のスタッフいわく、「関係ないすよ」ということで、安心していたと、問題が露見した際に告白していた。(註・このクレジット会社各社が、おカネのない、かつ売れっ子作家になりたい、という方々のローン契約に大きく“寄与”していたのであります。)

 クレジット会社のやつなんかじゃなくて、社内の人間誰かにこれを一言ふってればね、と悔やまれるが、すべては後の祭り。まさか、エロサイト検索に忙しくて、クレジット会社見解が正しい、ということにしてしまったんじゃないだろうね。いかにも残念、と思ったクンちゃんでありました(当時だよ、当時ね)。

 で、この新法対応策をとらなかった期間の契約、いったいどうなるんだべか?

 当時、これを調べていって、あまりの悲惨さに愕然としましたね。足ががくがく、手がぶるぶる、口がわなわな。

 あわてて、田宮事務所に著者センターのUちゃん(これは野崎問題のところで出てきたUちゃんと同じ人ね)と一緒に駆けつけましたが、対応の弁護士は、「その期間の契約は、原則、全額返金せにゃならぬ。もう本が出てて、すべての債務が履行済みで、出版契約が終了しててもおんなじですワ! 該当する著者に連絡せにゃならんね」と涼しい顔。

 自分たちが調べてきたことと同じことを弁護士の口から改めて聞かされ、真っ青になったクンちゃんとUちゃんは、口々に「そんなんをいっぺんに請求されたら、間違いなく会社がつぶれますワン!」「だいたい、何億円になるかわかりまっせん!」と泣き叫んだが、この弁護士は冷然と「そりゃあ、しゃあないですワ、武富士なんかの過払い金返還請求と似た側面がありますなあ」と、すっかり他人事。クンちゃんたちは、暗ーい顔で赤坂見附の駅で地下鉄に飛び込みたくなるのをあやうく抑えて帰社したのでありました。そう言えば、武富士の顧問弁護士もこの事務所だったわな、といまにして思うよ!


 さて、いらん話が長くなりましたが、表題の10億円超とかいう、一見いい加減な数字。
 しかし、これは決してあてずっぽうにでたらめを書いたわけではないのです。

 ながいこと、文芸社本体では月150点ばかりの新刊を刊行していました。当時も。
 そして、1件当たりの出版費用(契約額面)はいろいろですが、大雑把に少なく見積もって150万円として勘定してみました。

 すると、12月、1月、2月、3月、4月の5か月で、150点×150万円×5となるわけで、11億2500万円とはじき出してみました。
 それから、嘘っぱちコンテスト商法の日本文学館も、文芸社の1割程度の業容として、だいたい1億円強と数字を立ててみました。
 そうすんと、あわせて12億円強になりますね。見出しの10億円超、は少なく見積もったほうだと思っています。

 もちろん、返還請求が出てくるのは全部が全部というわけではないでしょう。
 大満足の著者のうち、支払い金返還を求めることを潔しとしない人ももちろんいるでしょう。
 しかし、この話が超過疎ブログの枠を超えていって、請求権利者の耳にだんだん届くようになれば、いったいどうなるのか。

 なんせ、消滅時効はないんだってんだから!

 まあ、どうなるかは、そうなってみなければわからにゃいね、ということですなあ。


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参考
一応、上述の田宮事務所弁護士の弁の根拠となっている法文を念のため掲載しておきます。
クンちゃん程度のふつーの人には難解なんですが、参考になるかもしれません。

特定商取引法
(電話勧誘販売における契約の申込みの撤回等)
第24条 (抜粋) 
5  役務提供事業者又は指定権利の販売業者は、役務提供契約又は指定権利の売買契約につき申込みの撤回等があつた場合には、既に当該役務提供契約に基づき役務が提供され又は当該権利の行使により施設が利用され若しくは役務が提供されたときにおいても、申込者等に対し、当該役務提供契約に係る役務の対価その他の金銭又は当該権利の行使により得られた利益に相当する金銭の支払を請求することができない。
6  役務提供事業者は、役務提供契約につき申込みの撤回等があつた場合において、当該役務提供契約に関連して金銭を受領しているときは、申込者等に対し、速やかに、これを返還しなければならない。
8  前各項の規定に反する特約で申込者等に不利なものは、無効とする。
                                                                         (つづく)


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