カネマンダー・シゲシゲ金坂滋行政書士、
厳寒の北海道に震え立つ!(プラン)
東京都行政書士会所属の金坂滋行政書士が松田まゆみさんとその関係者の戸籍など個人情報を「職務上請求書」を使って違法に取得し、それらの個人情報が文芸社発注の興信所調査書に反映されていた問題は、現在、同書士会綱紀委員会で審査がおこなわれている。(鬼蜘蛛ブログ http://onigumo.kitaguni.tv/e1843088.html)
類似した不正取得例についての下記リポートを読むと、その実態はまさに目を覆うばかりだ(重複記事あり)。
http://住民票.com/?p=843
http://www.n-t-c.org/h-4-ki.html
金坂行政書士のケースでも、同書士会が本気で調査をおこなわない限り、実態に迫ることは出来ない。いったいどれくらいの個人情報が違法取得され、興信所に売りつけられていたのか。また、本人自身が興信所の調査員であった可能性だってあるし、なぜ違法取得に手を染めたのか、誰に頼まれたのか、など、あきらかにすべき問題は山積している。
ところで、この個人情報がらみでは実は昨2010年6月より、埼玉県の全市町村をはじめいくつかの県では、住民票・戸籍謄本等の本人以外の取得について、「本人通知制度」というのが発足している。これは、住民が居住自治体に登録すれば、代理人を含む本人以外の人間が個人情報を取得した場合、本人宛に取得通知がなされる、というもので、一見、抜本的な対応策のような装いである。
ところが、どの自治体のHPを見ても、あきれたことに行政書士を含むいわゆる8士業の職務上請求は従来どおりフリーパスなのである。まったく糞の役にもたたないシロモノとはこのことである。
一方、東京都行政書士会をはじめ各県の行政書士会(それに監督官庁の都道府県)は、“伝統”としてこの種の問題にはまったく及び腰。事実関係を偽ってさえ訓告などという軽い処分で済ませたりする東京の例など、せいぜい業務停止3か月も食らえば重い方という野放し状態とも言える有様なのである。
このような八方ふさがり的状態の中で、松田さんの場合も東京都行政書士会は“得意”の引き延ばし、むにゃむにゃ路線を継続しているようだし、どうやら刑事手続きも公訴時効の成立に阻まれた感がある。せっかく浮き出てきた違法取得も本質に迫ることなくうやむやに、というのが大方の見方とも言える情勢になってきた。
そうしたなかで、鬼蜘蛛ブログ本店の http://onigumo.kitaguni.tv/e1843088.htmlコメント欄に「jack」というハンドルネームであらたな投稿者があらわれたことを見出しで知った。
そして、次に引用するその投稿内容を見て、クンちゃんはギクッとしたのである。
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こんにちは。本籍地があるのが戸籍の閲覧請求書の開示を応じてもらえる自治体で良かったですね。これが田舎、特に福島のいわき市などになりますと、役所に個人情報開示請求しても開示してもらえませんので、当然不正請求が発覚するはずもありません。というわけで、田舎に本籍地がある方は「要注意」です。
民事での、プライバシー侵害ということでの提訴はされないのでしょうか。
Posted by jack at 2011年10月09日 09:43
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Jackさんというのがどういうお方であるか、もちろんわからない。
しかし、「不法行為(プライバシー侵害)による損害賠償」が可能ではないか、とおっしゃっているのである。ギクリ、である。
というのは、実はクンちゃんも、住基法違反、戸籍法違反という明白な犯罪がおこなわれた以上、その被害者たる松田さんは不法行為による損害賠償請求が出来るのではないかと考えていたが、そのままになっていたからである。
不法行為による損害賠償というのは、民法第709条に規定がある。その条文は次のとおりである。
「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」
クンちゃんは、では松田さんが侵害された“権利又は法律上保護される利益”は何か、というところで行き詰まってしまった。
もちろん、プライバシーという人格権を侵害したという不法行為が請求の原因である、と法律構成するのが最もふさわしいに違いない。
では、プライバシー侵害とは何か、ということになる。
かの有名な柳美里『石に泳ぐ魚』(新潮社)事件で最高裁判所は、プライバシー侵害が成立する場合として、
「人がみだりに公開されることを欲せず,それが公開されると精神的苦痛を与える性質の私生活上の事実が記述されている場合」としている。((2002年9月24日判決)
この最高裁確定判決の「公開」という文言にもひっかかってしまった。もし「公開」という水準がプライバシー侵害の成立要件であるなら、松田さんの場合、その水準に達したかどうかは大きな論点になるなあ、という思いである。
そうこうしているうちに、損害賠償の請求にかかる消滅時効「3年」も頭の片隅を行ったり来たりするようになった。この期間は、この度の公訴時効と同じ長さである。
(この項、明10月15日につづく)
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