「きさんじ…」
祖母、母がこの言葉使っていました
『お気楽なもんやね』
という意味だったと思います
もう二人ともこの世にはいませんが
知らない間に家族にはいろんなことを
教えてもらったんだなあ~と思います
その名も「きさんじ」さんが出て来た
戯作者
朋誠堂喜三二(ほうせいどう・きさんじ)
この名は
秋田藩江戸留守居役の平沢常富
(ひらさわつねまさ)
の世を忍ぶ仮の名
吉原のおなじみさんらしく蔦重も知っていた
吉原で花魁道中があった時
派手な着流しの男が
遊女の視線を感じ舞い上がってましたが
あの人がそうなんですね
あの人を蔦重は
プロジェクトの成功のための
サポーターにするようですね
実は吉原の親父さん達に命じられたことがある
座敷芸「俄」を盛大なお祭りにして
男性だけでなく女性や子供も
吉原に呼び寄せる!
なんで?
錦絵本「青楼美人合姿鏡」 蔦重 作
(せいろうびじんあわせすがたかがみ)
これが高値で売れなかった
(地本問屋・鶴屋の主人がこの本は売れない
といや~な笑みを浮かべてましたが当たりました)
これで出来た借金
おやじさん達に返せない蔦重
で、お祭を企画してお客を集めろと親父さん達
もう蔦重はやるしかない
女将のりつさんから
浄瑠璃の富本午之助太夫
あだ名は馬面太夫
この人を招きたいと言われてもいる
勉強のためりつと義兄次郎兵衛に
芝居小屋につれてもらった
馬面太夫は「俄」のいちおしになる
蔦重は本人に頼んでは見たが断られ
その理由は
浄瑠璃の元締めは鳥山検校ということ、なんと!
蔦重は鳥山の屋敷に行ったが
瀬川がいる
迷惑をかけることになると判断し
それ以上は頼まなかった
やさしいですね、重三…
でもまだ諦めないのが蔦重
吉原に宴席を設け富本太夫を招き、押します
花魁や遊女たちも同席、はい喜んで~♫
どうやらいい結果に繋がったようですね♪
蔦重はまだ満足しません
「富本豊前太夫」の襲名をチャンスにと
浄瑠璃の正本に富本太夫の「直伝」のお墨付きを
おねだりする蔦重
お相手の好機を我が好機として
こそっと頼む甘え上手な蔦重ですね~
自分が自分がでなく時に相手に甘える
世渡り上手
さあ、右大臣源内、左大臣喜三二
整いました
が
その年は午之助はいるのにいま一つ盛り上がらず
次の年
親父さん達は今年こそと蔦重をあおった
お祭は若木屋 VS 大文字屋
が表面に出過ぎているが…
雀踊りをそれぞれの振り付けで踊り
吉原の大通りで真っ向勝負
でも踊りも最終日
張り合う術もなく両方の連は、あらあら
ひとつになった!
蔦重も心から楽しみながら…
やっぱり転んでも只では起きない蔦重
このお祭りの様子を今すぐ本にしたいと思った
ライブ配信ですね、紙ですけど
絵:勝川春章(墨書きのみの時短です)
序・朋誠堂喜三二
これを「明月余情」と名付けた
出版・耕書堂(代表・蔦屋重三郎)
「明月余情」はお祭りの最中に出版され
大いに売れました
こういうお祭りは今はどうなってるんでしょうね
まだあるのか、消えてしまったのか…
松葉屋の花魁の松の井さんが
”お祭りの最中にはよく神隠しが起きる”
と言ってました
神様、小田新之助とうつせみを
じようずにかくしといてね~
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