等倍病の続きです。
フルサイズのイメージセンサーが普及し始めてから、フォーカスの精度が相当シビアになりました。
撮影した画像を等倍で鑑賞すると、フルサイズイメージセンサーの場合は、フォーカスの精度がモロに見えます。
画像が甘いと観ずるのは、手ぶれの他に、フォーカスがきっちりと合っていない事が原因の一つだと感じます。
デジタル一眼レフカメラは黎明期では「位相差オートフォーカス」と言われる方法だけでしたが、現在は「コントラストオートフォーカス」と言われる方法も使えます。
コントラスト方式は、ライブビューと言った方が分かりやすいかと思います。
コンパクトデジタルカメラやフォーサーズシステムの場合は、このコントラスト方式が使われています。
昔は合焦スピードに難があったのですが、相当の動きモノを別にして、通常の撮影では問題のない合焦速度になりました。
ただ、デジタル一眼レフカメラのコントラスト方式は、やはり合焦速度は遅めです。
しかし、合焦速度が遅くても、フォーカスの精度が高いと言う利点があります。
下の写真は、タニウツギです。
上の写真は、コントラスト方式で、下の写真はマニュアルでフォーカスを合わせました。
この手の被写体だと、位相差方式はフォーカスを合わせたい部分(花の場合はシベ)に合わせるのが難しいです。
コントラスト方式の場合は、三脚へカメラを乗っければ、実に凄い合焦精度を見せてくれます。
APS-Cのデジタル一眼レフカメラにもライブビューがついていたんですが、いささか操作が面倒でした。
でも、フルサイズのデジタル一眼レフカメラはライブビューの方法が改善されて、合焦スピードさえ問題なければ、実に快適です。
今までは悪いイメージがあって、この機能を使わなかったのですが、風景撮影で使ってみたら、手放せなくなりました。
一番上の写真もライブビューで撮影しました。
等倍に拡大すると、葉っぱが一枚一枚解像しています。
しかも、ライブビューの場合、ミラー上げて撮影するので、原理的にミラーショックがありません。
デジタル一眼レフカメラ特有のミラーショックがなくなるので、ミラーショックによるブレから開放されます。
一番上の写真は、絞りF11でシャッタースピードは1/13秒で撮影しました。
ライブビューを使わない場合は、ミラーアップ機能を使って撮影したとしても、多分振動によるブレが発生していたと思います。
ただし、このライブビューにも欠点があります。
それは、常にディスプレイを動作させて、ミラーをアップしっぱなしにするために、相当の電源を食います。
結果として一つの充電池で撮影できる枚数が大幅に少なくなるので、予備電池が必須です。
でも、それでも余りあると感じました。