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癒し系獣医師の動物病院開業日誌

アニマルセラピー団体で活動している癒し系獣医師。農業団体職員から脱サラし、動物病院を開業しています!

コンプライアンスからアドヒアランスへ?

2011年03月09日 | 動物医療
中々、春らしい日が続きません。
今日も少し遅く帰ったら、寒いし・・・・明日も雪のようで、また雪かきか!

先日、獣医系の雑誌を読んでいたら、「コンプライアンスからアドヒアランスとかコンコーダンス」なんて見出しの記事がありました。
やっと、コンプライアンスの意味が分かったのに、こんだ何だ?

コンプライアンスは医療においては治療や病気に関して説明して、医療者からの指示を遵守することだと思いますが、これは医療側から患者側にベクトルが向いたものですね。
これに対して、「アドヒアランス」は患者自身が医療の方方向性に積極的に関わる、つまり治療に関して理解して患者自身が病気に向かい合うというものらしいです。ある意味、コンプライアンスの対極にくるものでしょうか?
コンコーダンスはアドヒアランスに近い意味ですが、医療者と患者の同盟、協力関係を指すようです。

まあ、概念ですから無意識のうちにすでに実施している医療者もいると思いますが、概念として定着するにはまだ時間がかかるような気がします。
しかし、インターネットの時代になり、患者さんの医療に対する知識も感心も高くなってきた時代には、来るべきものが来たという感じがします。


ONとOFF

2011年03月08日 | アニマルセラピー
ここ、数日珍しく忙しく、更新もままならないのですが、「更新は毎日」を基本とする僕は意地でも更新するのです。

適性検査の練習は同じことの繰り返しですが、野球とかサッカーのように「シーズンオフ」があると勘が戻らないものです。
何回も試験を担当した方でも、半年程度のブランクがあると勘を戻すのにほんの少しですが時間が必要なものです。今回練習会を開催して改めてそう思いました。

プロ野球でもシーズンオフから自主練習、キャンプ、練習試合、オープン戦そして開幕に持っていきますが、まどろっこしいようで、必要な道のりなのでしょう。
さりとて、OFFがないと体が持ちません。
ONとOFFを上手に使うことが選手として活動を長く続ける条件なのでしょうね。

自分は・・・・・
まあ、たいした仕事もしていませんが、ONとOFFの使い方が下手!
貧乏症でじっとしているのが嫌い・・・・・
休みでもつい用事を作るタイプで、ほんといつも反省して改善しようとしてはいるのですが、性分ですかね。
だめだこりゃ!

春よ来い!はやく来い!

2011年03月07日 | Weblog
3月としては記録的に積雪が残っているのでは。
昨日、セラピー犬の練習会でお借りした、江別市の酪農学園大学もまだまだ、深い雪に埋もれていました。

もう、1ヶ月もすると新入生が入るのでしょうか、北海道以外の地からくる生徒さんは驚くでしょうね。

酪農学園大学は今年から、学部の編成が大きく変わり、大きくは「農食環境学群」と「獣医学群」に分かれるそうです。この獣医学群には新たに、獣医保健看護学類というのが新設され、50名の所謂動物看護を専門とする学生を育成するそうです。すでに校舎は新築中で6月には完成とか。

校名も近い将来、北海道三愛大学変わりそう・・・・・・
僕らの時代とは大きく変わります。
寂しいような、うれしいような・・・・・

適性検査練習会

2011年03月06日 | アニマルセラピー
今日は午前中勤務して、そのまま酪農大をお借りしてセラピー犬の適性検査の練習会でした。

日曜日でしたが、15名くらいの人が集まってくれて、見学の動物の専門学校生もいて、熱心に参加してくれました。遠くは旭川、さらに帯広から来てくれました。
本当にありがとうございました。

3月26日の開催までまだ間があるのですが、やはり検査は繰り返し練習しなくてはならないので、何度練習しても練習は欠かせません。

細かい点ですが、必ず見直しと復習が必要であることを実感しました。

本番に向けてさらに、準備を進めます。
沢山の方が受けてくれればいいのですが。

達成感  

2011年03月05日 | Weblog
先日、東京に家畜診療に関する発表会があり、2日間かけてそれぞれの地域の産業動物に関わる獣医師の日頃の研究成果を聞かせていただいた。

奇抜なものではなく、実際の臨床にすぐに応用できる内容が多く、大変参考になりました。産業動物ですから、治療も大切ですがやはり生産性を上げたり、予防したり、効率的な診療に役立つものが多かったのですが、少し異質と言うか、昨年の宮崎の口蹄疫に関係した発表があり、僕は一番印象に残りました。

それは、動物ぼ殺処分に関するもので、しかも豚です。
通常はこういうテーマは発表の題材になることはなく、そういう意味で異質です。
従って、従来処分の方法に体系だって述べられることは少なく、口蹄疫が発生したことから、検証の中で題材として出てきたのだろうと思います。

具体的内容は書きませんが、如何に豚を安楽に死亡に至らしめるかについて詳細に検討が加えられていました。単に、死亡させることだけでなく、殺処分をする獣医師やその周辺の人の心理的な面にまで考察が加えられていました。

殺処分に参加した者にとって、見に迫る思いで聞いていましたが、演者は途中で鼻をすすりながら発表していました。最初は風邪かアレルギーによるものかと思いましたが、僕には感極まり、泣きながら発表しているものと理解されました。

対象は豚です。
しかし、生きとし生けるものとして生命をただ絶たれるのは無念でしょうし、それを実行する者も無念の思いです。
演者は言いました。殺処分を実行することでこの恐ろしい伝染病を防御することができたことは当然大きな意義があったが、「なんら達成感のない」気持ちであったと締めくくりました。

同様の感想を述べる人が多かったです。
達成感を得るには、辛い仕事であったのだと、改めて思った次第です。

ペットの飼育頭数

2011年03月04日 | 動物一般
イヤー、もう雪勘弁してほしい。
この時期になって、札幌が積雪90cmに達したとか・・・
  

ペットの飼育頭数が高いまま維持されいるようです。ペkツトフード協会のデータによると・・・

平成21年犬猫飼育率全国調査 
    世帯数  飼育世帯率 飼育世帯数 平均飼育頭数   飼育頭数
<犬>
2009年 52,327,382  18,3%   9,576,000   1.29     12,322,000
2008年 51,783,430   18.2%   9,435,000   1.39     13,101,000
2007年 51,180,360   18.9%   9,648,000   1.30     12,522,000
<猫>
2009年 52,327,382  11.2%    5,883,000  1.70      10,021,000
2008年 51,783,430  11.4%    5,906,000   1.84      10,890,000
2007年 51,180,360   11.2%   5,746,000   1.77      10,189,000

ここ数年じは横ばいですが、
飼育意向調査では・・・・

        犬    猫
現在飼育率 18.3% 11.2%
飼育意向率 42.8% 25.3%

これから見ると潜在的マーケットは大きいようです。
後は、景気の問題ですかね。


最近では猫の専門病院の出始めています。

「飼い主の方から『犬と一緒の待合室や診療室だと猫が怖がってしまう』という意見を多数いただいていた」と小澤賢記院長。診療の時間をずらしたり、車の中で待ってもらっていたりと工夫をして対応していたが、同時に「別の建物で猫の診察ができる場所を探していた」という。

 院内は「猫たちが自分の家のリビングにいるような感じでゆったりできる雰囲気に」と配色にもこだわり、木目を基調とした落ち着いた空間が広がる。病院名は「猫を神様として崇拝し、大切に扱っていた古代エジプトの人たちに倣い、猫たちを大切に扱いたい」と、古代エジプトの猫の神様「バステト」にちなんで名付けたという。院内にはバステト像も。

 「本院は救急にも対応しているので、(以前は)タイミングによっては待ち時間が長くなってしまうこともあった」と小澤院長。開院後は、「ゆっくり診察できるようになっているので、飼い主さんたちからも好評を得ている」

という。


僕が知る猫専門病院で確か院長が犬飼さんとか・・・・・


生命の防御

2011年03月03日 | 動物医療
写真は今日の写真ではありませんが、今日は猛吹雪でした。
北海道では今日から公立高校の入試ですから、大丈夫だったでしょうか?
せっかく融けていた雪が盛り返して、ちょっとがっかり。
札幌に来た日ハムの斉藤祐樹選手も驚いているだろうなぁ・・・なんて考えたりして。
まあ、いつかは融ける雪。最後の冬将軍のあがきです。

渡辺淳一氏の「白夜」は二巻目を読み終えました。僕は本を読むと浮気症であちこちと違う本も読みかじる癖があり、なかなか1冊を読み終えるのに時間がかかります。
今は、ほかに三島由紀夫とか吉田 類さんとか司馬遼太郎さんまで読んでます。

白夜は医師を志して進みだした、若き日の渡辺淳一氏の気持ちが素直に書かれていて、気持ちを共有できます。
大学を卒業して、インターンを1年。そして、国家試験に合格し、すぐに道東の炭鉱町に派遣されて、初めて一人で医療に立ち向かうのですが、技術的には甚だ未熟な中で苦悶します。しかし、何事も経験しなければ習得できないのですから、誰しもが経験することなのですが、若い主人公は自責の念に苦しめられるといったストーリーです。
第二巻では、何といっても炭鉱町の病院で産婦人科の医師が不在の中で「子宮破裂」した婦人の緊急手術の場面が迫真に描かれ、かつ人間の、いや女性のもつ生命力について触れていてとても面白い。

何せ、主人公はもともと整形外科医ですが、緊急手術で急に子宮の手術をするのですから、お腹の中で子宮を探すことから始まるのです。しかも、子宮破裂で物凄い出血で視野が確保できないなかで、子宮を縫合しなくてはなりません。本には合計で2000ccくらい出血して血圧が測定できなくなったとあります。
それでもとにかく、子宮をくくるようにして縫合して形だけはととのえたものの、血圧は測定できないまま、手術は終了。当然死亡するものを思い、家族にもその旨説明したのですが、これが蘇ったのです。
なにせ、腹腔から血液を膿ぼんですくうほど出血したらしいですし、2000ccといったら体重から換算して血液の半分近くを失っていたと推定されます。普通は1/3失うと死亡するといわれていますから、死ぬと思うのが普通です
多分、男性だったら死亡していたのかも・・・・・

失敗というか、稚拙な技術で失敗したに近い手術でもなお、生きた女性に対する驚きが赤裸々に描かれていました。

顰蹙を買うかもしれませんが、意外と人間はそう簡単に死ぬものでないと思いました。
動物もそうです。生体は最後まで生きようと反応するものです。
僕も、猫の子宮を取る際に、結さつすべき血管の糸がほぐれて、大出血して出血点を見つけようにも血で見えなくて、とにかく最後まで手術して、縫合して、「運を天に任す」ということが過去にありましたが、猫はちゃんと生きていました。恥ずかしながら、そういう経験があり、頭が真っ白になった記憶があります。しかし、死ななかった!

本を読みながら当時のことを思い出したのでした・・・・・

生命の防除は凄いものです・・・・・
失敗はよくないけど・・・・・