[半四郎落し物語]
むかしむかし、城ヶ崎海岸門脇岬に近い富戸村に、半四郎さんとおよしさんと言うたいそう仲のよい夫婦が住んでおりました。ある日のこと半四郎さんはひとり海へトジ(しっくい壁に使う海草)を採りに出かけました。その日は潮も引き波も静かで半四郎さんは背負い籠いっぱいのトジを採ることが出来ました。さて、半四郎さんは帰途につきましたが途中、崖の上で一休みしました。しばらく腰を下ろして休んでから、「さて、帰ろうかな」と、腰を伸ばした瞬間、背中のトジの入った背負い籠に引かれ「あっ」と言う間に崖下の海に転がり落ちてしまいました。
村人から半四郎さんが亡くなったことを聞いたおよしさんはそれはそれは、たいそう悲しみました。そして毎日のように半四郎さんが亡くなった崖の上に立っては涙を流す日が続きました。
以来、城ヶ崎一帯には毎年秋になると風に飛び散ったおよしさんの涙にも似た黄色く可憐な小さなイソギクの花が咲くようになりました。そしていつの頃か村人達は半四郎さんが亡くなったところを「半四郎落し」と呼ぶようになったということです。
むかしむかし、城ヶ崎海岸門脇岬に近い富戸村に、半四郎さんとおよしさんと言うたいそう仲のよい夫婦が住んでおりました。ある日のこと半四郎さんはひとり海へトジ(しっくい壁に使う海草)を採りに出かけました。その日は潮も引き波も静かで半四郎さんは背負い籠いっぱいのトジを採ることが出来ました。さて、半四郎さんは帰途につきましたが途中、崖の上で一休みしました。しばらく腰を下ろして休んでから、「さて、帰ろうかな」と、腰を伸ばした瞬間、背中のトジの入った背負い籠に引かれ「あっ」と言う間に崖下の海に転がり落ちてしまいました。
村人から半四郎さんが亡くなったことを聞いたおよしさんはそれはそれは、たいそう悲しみました。そして毎日のように半四郎さんが亡くなった崖の上に立っては涙を流す日が続きました。
以来、城ヶ崎一帯には毎年秋になると風に飛び散ったおよしさんの涙にも似た黄色く可憐な小さなイソギクの花が咲くようになりました。そしていつの頃か村人達は半四郎さんが亡くなったところを「半四郎落し」と呼ぶようになったということです。
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