写真:ガイドブック"Guide to the city of Ito"(伊東観光協会提供)ヨリ
(大室山平面図はこちら・・・クリック)
大室山は伊東市街地の南6キロ(車で約10キロ)に位置する標高580mの休火山(注)。平成22年(2010年)8月5日国の天然記念物に指定された。
大室山は約4,000年前に噴火した“単性火山”。溶岩は粘り気がなく空高く吹き上がると黒い軽石(スコリア)となって主に火口付近に積もって山となった。また、その他大量の溶岩は北側(一碧湖方面)及び東側の海の方向へ流れて雄大で美しい城ケ崎海岸の大地が出来た。
(注)現在“休火山”“死火山”の言葉は使われない。2003年、気象庁は国際的に使われている『概ね一万年以内に噴火の記録のある火山又は現在噴気を出している火山を“活火山”と云う』と定義している。この定義よると大室山は”活火山。
*山の形は、底の直径約1,000m、高さ約260mの巨大なプリンの様に(或いは巨大なすり鉢を伏せた様に)美しく、伊東/伊豆高原のシンボル(或いは豊満な女性の乳房に似ていることから“伊豆の乳房”)と云われている。
*山頂にはすり鉢状の直径約300m、周囲約1,000m、深さ最大70mの噴火口跡がある。 お鉢めぐりは約20分~30分かかる。
*噴火口跡(すり鉢の底)はアーチェリ場となっており、又、音楽ライブ会場(関口知宏さんなど)としても使われる。
*山頂には浅間神社、八ヶ岳地蔵尊、鷹羽狩行句碑、三等三角点、五智如来地蔵尊等(後述)のそれぞれ謂われのある神社や記念物がある。(注)三角点・・・地図測量の基準点。一等、二等、三等、四等の4種あり。三等三角点は大凡4kmおきに全国で約30,000あり。
*晴れた日、山頂からは富士山、箱根、天城連山、伊豆七島、真鶴岬、小室山、初島、伊東湾など、360度のパノラマを楽しむことが出来る。
*大室山の北西側麓には“さくらの里”(後述)があり、四季を通して各種のさくらの花が見られる。
*海上から大室山を眺めると、その顕著な形は遠くからでも容易に見ることが出来、キンメ鯛、サバ、アジ、ムロなどの好漁場の恰好のランドマークとなっている。波浮の港(大島)の南側約12キロにある水深33mの“大室ダシ”と云う好漁場スポットはこのことから名づけられたものである。
*大室山はスカイスポーツの一つ、パラグライダーの滑空場所としても有名。
*大室山は全体的には茅(かや/ススキ)で覆われている草山である。特に夏から秋にかけてはいろいろな昆虫類/蝶類が観察出来る。
*毎年2月には山焼き(後述)が行なわれる。
*大室山の北東側麓近くのシャボテン公園付近には岩室山(高さ約431m)の小山があり、大室山が噴火した時のもう一つの噴火口であったと言われている。その付近にはコナラ、クヌギ、シイなどの樹木を見ることが出来る。