これもミニ?・・・でも「つる」 

2012年08月23日 | 日記
        

これは5月25日の、背の低いバラです。一つの茎に蕾をいっぱい付けています。

普通のミニバラは、一つの茎の先端に一つの花をつけるものが多いのですが、このバラは、
背は低いけれど、枝はつる状に横に伸び、先端に沢山の蕾を付けています。
残念ながら名前は忘れてしまいました。ただ8年以上前からあり、コンパクトでいっぱい花が
咲きそうというだけで買った記憶だけが思い出されます。

これがどんな種類のバラか、少し調べてみることにしました。バラを育てていると、
いろいろな種類があることがわかります。

バラには、原種(野バラ、約150種類)と、園芸品種のバラ(人の手により、植えられ交配が
進められたもの、2~3万種類)があります。

園芸品種のバラには、大きく分けて、モダンローズ(現代バラ)とオールドローズ
(1867年以前につくられた系統)があります。

モダンローズの系譜の種類には、13種類ほどあります。
1867年にフランスのギヨーによって作出された「ラ・フランス」を最初とする
 1)ハイブリッド・ティー系のバラ (四季咲き・大輪・1輪咲き・剣弁高芯咲き・耐寒性・強勢性を持つ)
1867年以降に作出され、今までになかったタイプのバラ
 2)ポリアンサ        (小輪・房咲き・四季咲き)
 3)フロリバンダ       (ポリアンサ系統とハイブリッドティー系統の交雑・中輪で房咲き・四季咲き)
 4)グランディフローラ    (ハイブリッドティーとフロリバンダ系統の交雑 1に含まれることもある。)
 5)ハイブリッドウクライナ  (テリハノイバラに由来する系統・枝が柔らかく、ほふくするように伸びる。
                 ランブラーといわれるタイプ)
 6)ラージ・フラワード・クライマー(ランブラー(つるバラ)とハイブリッドティーとフロリバンダなどが交雑
                   四季咲き・一季咲きあり))
 7)ミニチュア        (ロサ・キネンシス・ミニマをもとに作出、ポリアンサ系統のと交雑
                 1800代中頃にはイギリス・ドイツで販売、1900年代以降に
                 オランダ・スペイン・アメリカで育種が進められた)
 8)ミニフロラ        (ミニチュアとフロリバンダの中間的なグループ)      
 9)シュラブ         (イギリスの育種家デヴィッド・オースチンにより育成されたオリジナル品種群・
                 イングリッシュローズ・四季咲き性を持ち、ミルラの香りを持つ・半つる性)
 10)ハイブリッドコルデシー (ハマナスに由来する交雑種・ロサ・コルデシーをもとにした系統・ドイツの
                 育種家コルデスにより進められた系統。ブッシュからつる性の品種あり。) 
 11)ハイブリッドモエシイ  (ロサ・モエシイを親とする一連の交雑品種)
 12)ハイブリッドムスク   (ロサ・モスカータに由来する一連の品種)
 13)ハイブリッドルゴサ   (ハマナス(ロサ・ルゴサ)を親にした系統、耐寒性に強い)
などがあります。

バラを自分で育てるまでは、バラといえばお花屋さんで売っている大輪の赤い切りバラこそが
「バラ」のイメージでした。その切バラこそが、ハイブリッドティーなのです。

この庭にも、「ラ・フランス」があります。
      
花びらの形が、ペンの先のようにカールする剣弁で、中心部が高い高芯咲き
「剣弁高芯咲き」を表しています。

さて、閑話休題。今日の主役のミニのバラの特徴をもう一度見ると、
つるバラのように、枝を伸ばし、先端に沢山の蕾をつける。しかし、全体はコンパクト。
この夏にも繰り返し花をつけている。このようなバラはどれに当たるのか・・・・・

「小輪で、房咲き。四季咲き性のバラ。」といえば・・・それは、「ポリアンサ」という系統にあたります。
この系統が生まれたのは、日本のノイバラに深く関係しています。

1860年、日本では幕末のころ、フランス・リヨンのジャン・シスレイが、日本にいる息子から、ノイバラの
種子を受け取りました。一重の白花でした。これを、育種家のギヨーは、種苗場に植え、この株からの実生を
育成しました。ほとんどが、つる性、一季咲きでしたが、やがて比較的大輪で、白の半八重咲きのものが
種子を沢山つけました。これをジャン・シスレイが撒き、その後代から、四季咲きで、ノイバラとわい性の
ピンクのチャイナローズの両方の性質を持つバラ「パケレット」(1875年)「ミグノネット」(1881年)
が誕生しました。

これらをもとにして、ポリアンサという、日本のノイバラと中国のわい性のチャイナローズの交雑に由来する
房咲き・多花性・小輪・四季咲きの系統が誕生したのです。

6月3日 開花から一週間ほどで満開になってきました。
  

6月5日 最初は立っていた枝もしなだれ、こぼれるように咲いていました。
  

8月半ば 2度目の開花です。花の数は少ないけれど、日々咲いています。
     



見返りミニ。「咲く時~♪」

2012年08月14日 | 日記
         
これは、5月25日のミニバラの蕾です。他のバラがそろそろ終わりかけた頃、咲き始めました。

ミニバラは、中国のバラ「ロサ・キネンシス・ミニマ」をもとに育成されてきました。

バラの園芸品種は2万~3万あるといわれますが、バラの原種は、分類学者によって異なりますが、
約150~200種類ぐらいといわれます。

そのうち、現在の栽培バラ系統にかかわる原種は、意外と少なく、7~8種といわれています。

 ロサ・ガリカ             (ヨーロッパ中西部から西アジアにかけて分布・紀元前から栽培)

 ロサ・キネンシス・スポンタネア  (中国西南部、四川省を中心に分布。1季咲き。栽培型のロサ・キネンシスは、
                       背の低い木立性の個体が現れ、「四季咲き」を獲得。)

 
 ロサ・ギガンティア         (中国南西部雲南省からミャンマーにかけて分布。一つの枝に一花の単生。
                      中国では、「大花香水月季」とよばれ、ティーローズの香りは本種に由来。)

 ロサ・ムルティフローラ       (北海道から九州・朝鮮、中国北部に分布。和名「ノイバラ」。円錐形の房咲き。
                      房咲きのもと。)

 ロサ・モスカータ          (ヒマラヤから小アジア、地中海(南ヨーロッパ、北アフリカ)に分布。ムスク
                    ローズともいわれ、独特のムスク香のもとに。ダマスクローズやノアゼットローズ
                    の成立に関与。)

 ロサ・ルキアエ           (本州・四国・九州・朝鮮・中国に分布。和名「テリハノイバラ」。茎が長く伸長
(ロサ・ウクライアナ)         することから、つるバラのもとになったバラ。)

 ロサ・フェティダ          (西アジアの乾燥地。現代バラに鮮黄色を導入した黄花。雑種起源の種)

 ロサ・カニナ            (ヨーロッパに広く分布。ドッグローズ ロサ・アルバの親。接ぎ木用の台木)

他に、ロサ・フェニキア(小アジア・中東からトルコ原産。ダマスクローズの片親か)
ロサ・ルゴサ(和名「ハマナス」北海道・本州(太平洋側は茨城以北日本海側は、島根県以北)、
東アジア(朝鮮・中国北部以北)、ヨーロッパで改良されたハイブリッドルゴサとなる)などがあります。


ミニバラのもとになった「ロサ・キネンシス・ミニマ」は、栽培型の「ロサ・キネンシス」が、
わい性(他に比べて草丈または樹高が低い性質)突然変異したものと見られています。

5月29日
      
     
  
背丈は最高でも20cm、ただ花径は、ミニの中でも大輪系なので4~5cmはあります。

5月30日 背景を白にすると 黄色が映えます。
   

6月3日「モンテローザ」の赤とピンクを購入しました。栄養十分といった感じで、葉の緑も濃いです。
   

 

6月5日 蕾も2日目のバラも並べて。


ピンクのバラは、褪色が思いのほか早かったです。
  

6月9日 咲きそろって来ました。
  

ミニバラの特徴は、開花してから、10日~2週間くらいは十分美しく楽しめます。

この後、残念ながら黒点病になり、随分、葉を落としてしまいました。
しかし 病気の葉を日々、取り去り、花後に液体肥料を与えたところ、


7月24日、                     8月3日


8月8日、                      そして今日8月14日


    

葉を落としても、元気に復活し、花は小さくとも美しく咲いてくれました。

つい他の花に気をとられ、うっかり撮りそこなうミニですが、振り返ってみればそこに「美しいミニ」はあったのです。





真夏ならでは~植物園~(4)

2012年08月05日 | 植物園
ヒマラヤ杉を背にして、会館へ。食後のお楽しみは、これです。~「バラソフト」~
バラのやさしい香りがします。
   

昔懐かしい校庭で見た、赤いサルビアや、黄色い小花のメランポジウム
伸びかけのソライロアサガオのアーチもあり、花はこれからです。

さて、赤い小花の咲くベゴニアがある、正門前にやってきました。
花ハス展示(8月19日まで)、食虫植物展(8月5日まで) 朝顔展(終了)
の看板が並んでました。
 

観覧温室のあたりには、クレオメが咲いていましたが、午後の陽ざしでお疲れぎみ。
 

大芝生地へ続く道。遠くに見えるのは、比叡山。ちょっと行ってみると、なにやら、いい香りがしてきます。
その香りの主は・・・マメ科の「シダレエンジュ」(枝垂槐)です。中国原産の木で、縁起のよい木とされています。
  

大芝生地です。さすがにこの炎天下では、誰も遊んでいません。そんな中、一人ベンチで
休まれてるご年配の方に挨拶すると先ほどの「シダレエンジュ」の話になり、なんとここ数日
満開になるかと通われているとのこと。脱帽です。驚きとともに、今日見た花のことや、
旅行地での庭園の話になったりして、なにかワクワクしました。
    

戻って、温室へ。お昼の会館に、「温室のバオバブの木に花が咲いています」と張り紙がありましたので
行ってみることに。暑いかな~と少し気にしながら。

入口の池では、睡蓮が咲いていました。
  

この赤い実のようなものが目につきました。ノボタンの一種。熱帯はこんな雰囲気でしょうか。


食虫植物。虫を捕まえるには、いろいろな工夫があるようです・・・・・
    

       

この展示にすぐ下は オニバスや睡蓮。きれいな一輪が咲いていました。
   

「ヘリコニア」・「マツカサジンジャー」・「サガリバナ」
    

「アマゾンユリ」
  

「フウリンブッソウゲ」(ハイビスカスの仲間)
   

バナナの花は、長い茎の先端に咲き、元の部分に実がなっています。
  

「ビカクシダ」まるで、ヘラジカとかの角のような形です。不思議。
  

大きなサボテンを見ながら、
      

ありました「バオバブの木」
      

これが花です。午前中はもっと白い花が見れたようです。見ていると古い花が落下してきました。
丸い玉のような蕾がいっぱいありました。
         

アフリカのマダガスカルやオーストラリアに原生種があり、樹齢は数千年に及ぶ。
果実は固く、果肉を食用や調味料とされ、アフリカのセネガルでは、「サルのパン」と呼ばれるそうです。(1)

このあたりには、驚く名前のものばかり。幹にトゲトゲがいっぱいの「アアソウカイ」
漢字で書くと、「亜阿相界」
  

原産地のマダガスカルのあたりが、アジア(亜細亜)とアフリカ(阿弗利加)の植物相の接点であることに
由来しています。 ああ~そうかい・・・・と納得。

それとこれが、「奇想天外」
  

キソウテンガイは、説明によると、終生2枚の葉しか出さない植物で、1科1属1種のウエルウイッチア科です。

アフリカ南部の西海岸、ナミビアからアンゴラにかけてのナミブ砂漠の北約1200キロと
東西は、海岸から10キロ~150キロの限られた地域に自生する雌雄異株の裸子植物です。

長寿な植物で、推定樹齢2000年の個体も見つかっています。

1859年オーストリアの探検家、ウエルウイッチにより、アンゴラ南部で発見され、4年後に
J・D・フッカーにより記載されました。


出口前の部屋には、沢山の珍しい食虫植物が展示してありました。
ハエトリソウを一つ触らせてもらうことが出来ました。

桜やチューリップ、バラの季節に植物園に行くことはあっても、真夏に訪れたのは、7年ぶりのことでした。
珍しい植物を再発見し、新な気持ちで見ることが出来ました。真夏の6時間。帰り際には、ペットボトルの
水もぬるま湯になっていました。熱中症にはくれぐれもご用心下さい。

植物園を一回りして、北山門へ。ヒマワリともお別れです。楽しい1日になりました。(終)
   


(1)Wikipedia「バオバブ」参照。

真夏ならでは~植物園~(3)

2012年08月03日 | 植物園
噴水の庭園を出ると、そこには、バラの2番花がいっぱい咲いていました。



   

数少ない出会う人に、「こんなに咲いてるとは思いませんでしたね~」と
喜びを分かち合う感じになりました。

モダンローズのハイブリッドティー(HT)系統がよく咲いています。
   

   

  

   

イングリッシュローズの花壇です。花数は圧倒的に少なく、暑さは好まないようです。
その中で咲いていた花。
     

  

やはりここでも 草抜き作業をしておられました。庭園の美しさはこんな日々の手入れのおかげです。
 

「歓びと期待」の像を右へ、バラがいっぱい見えてきます。「ビンゴ・メイディランド」


 アンネのバラ


バラの花壇にそびえるヒマラヤ杉の足元にも 大きな葉ケイトウがありました。
  



ヒマラヤ杉の木陰で、こんな素敵な椅子とテーブル。バラを眺めながら、ここでひと休み。
しばらく人影もなく、ただセミしぐれだけが響き、佇んでいました。 
 


このヒマラヤ杉の推定樹齢は90年。大きな実がなっていました。
  

傍のスタンダード仕立てのバラ「レッド・メイディランド」も満開。


「オレンジ・スプラッシュ」


「紅(くれない)」
  

正門からほど近い、バラ園の入り口です。遠くに見えるのは比叡山。
真夏のバラ園を楽しみました。つづく。



真夏ならでは~植物園~(2)

2012年08月01日 | 植物園
竹林を抜けると、そこは、シャクヤクの緑の園。
  

芍薬は、このまま地上部が枯れるまで育て、養分を蓄えます。そして、また来年、新芽が出てくるのですが、
この炎天下で 草取りの作業をされていました。来年の5月は、花を見に行きたいものです。

アジサイ園にハスがあるので行ってみました。ポンポンと渡って、池の奥まで進むと
ピンクの蕾や花を咲かせたハスがありました。向こうに見える大木は、「フウ」の木です。
  

このハスの名は「舞妃蓮」(まいひれん) 
 

足元を見ると、なんと大きな葉でしょう。今日の尺はこれ。大きい葉は、2.5本分はあります。


花も実も大きいのです。
  

開きかけの花。中の黄色い蕊と果実が美しい。


果実は、まるで蜂の巣の形に似ていることから、古語「はちす」→「はす」に。
さて、ハス池をあとにして、「フウ」の木陰で一休み。
  



噴水のある整形式花壇へ向かったのですが、あいにく噴水はなし。
広いので全体がなかなか収まりません。

反対の東側の一番端の高いところまで登って、ヒマラヤ杉のある方向を向くと大きな視界が開けます。
     

この花壇には、コリウス・アマランサス・葉の美しいカンナ・ニコチアナなど暑さに強い植物が
植えてありましたが、まだまだこれからです。つづく。