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12の楽しみ!

ここでは色んな楽しいことをランダムにアップしていきます。

一息入れて窯出し

2020-08-21 15:25:30 | 陶磁

 

窯が冷めるまでほぼ一日かかる。お昼ぐらいに見るとやっと165℃。

冷め割れなどの危険温度は終わっているので、ふたを開けて冷却を早める。

素手では、まだ触れない。

 

今日も暑い。他の作業する気にもなれず。涼みに行くことを考える。

どこか綺麗な川へ行きたい。しかし、すでにお昼。遠出するには時間が遅い。

高速に乗りながら迷いつつ、いつもの棚田近くに行くことにする、途中に川がある。

 

 

渓谷ほどの綺麗さはないが、涼むには良いだろう。

何組かデイ・キャンプや水上バイクを楽しんでいる。

その横を通り抜け、奥まで行くと10名ほどのグループが楽しんでいる。

韓国語かな。こんな山の中でもグローバル。

 

川に入る。浅瀬は太陽で温められてぬるい(笑)。小魚の大群が泳いでいる。

支流から木曽川のせき止めダム湖に入るとあまり綺麗ではなく、水温が急激に冷たくなる。

しかし、石がある。と言う事は・・・。

ロックバランシング!

 

うーん。石が泥をかぶっている。まずは軽く手で洗い流す。

簡単なものから始める。ふと閃く!いつもより大きい石で挑戦してみよう!

 

大きい方が安定するのか?重心は取りやすいのか?

重い・・・。

 

 

 

次に2段。大きいので手が疲れるけど、まあ何とか。

 

 

川の中だけど、石を立ててる時は日を浴びて暑い。涼みに来たのに(笑)。

 

 

このあと、川に入り小魚を眺めながら涼む。

工房に帰り、窯出し。

 

 

アルミナ釉なので、ここからヤスリやペーパーを使って表面をきれいにしていく。

 

 

うーん。気に入らない。

リューターも使ってさらに仕上げていくが、進めれば進めるほどダメ出し。

 

 

炭化になっている面。

 

 

白さが目立つ面。

 

制作過程を顧みる。土、化粧掛け、釉薬の調合、焼成過程。

この繰り返しで、少しづつイメージ通りの作品にして行く。

次に生かす。頑張ろ!

 

川、もう一度。😊


窯焚き

2020-08-18 16:27:10 | 陶磁

お盆休みを3日とった。

と言っても工房で仕事するので休みではないが(笑)。

電気窯での本焼き、還元落とし焼成。

 

数日前から、準備を始める。まず化粧して素焼き完了。

 

 

釉薬を作り釉掛け。窯詰め。その前に掃除機で窯内をきれいにする。

底の細工は、還元できるようにしてある。

 

 

マイコン制御。プログラムしてスイッチを入れる。ガスを入れる時間までは窯任せ(笑)。

ずーっと、そのままにしてあった土灰を乾燥させる。やっと入れ物が一つ空になった。

 

 

 

順調に温度は上がっていく。電気窯って便利。

 

 

電気窯で還元をかける。カンタル線(電熱線のこと)に負荷がかかるが、

気に入った作品が取れればOKだ。取れるとは限らないが。

 

 

ガス投入。ガスと言ってもバーナーの炎である。

炎を入れると、作品の土の酸素を使って燃えようとするので焼き上がりの色合いが変化する。

写真では1番上から弱く炎が出ている。炎の出口。これが無いと圧力が高くなり爆発する。

設定温度までは定期的に調整するだけ、それまでは時間があるので読書。

と言っても漫画『山と食欲と私』(笑)。

 

 

焼成が終了すると電源が切れ、自然に冷却される。この電気窯は小さいので、冷めやすい。

それを前回はゆっくり冷却(徐冷という)されるようプログラムした。

今回は、自然に冷却される速度での還元落とし。

 

還元落としとは、冷却されていく途中もガス(炎)を入れ続けること。

結果、炭化と呼ばれる黒っぽい仕上がりになる。平たく言うと煤(すす)が作品に入り込むのである。

徐冷と急冷で違いがあるのかないのか。本番焼成で実験(笑)。

焼成は予定より1時間早く午前2時で終了。

猛暑の中の、窯焚きは汗だくである。シャワーを浴び生き返る。

焼き上がりは蓋を開けるまでは分からない。つづく・・・。

 

 


RUT BRYK (ルート・ブリュック)展

2020-07-24 12:47:59 | 陶磁

 

先日、興味深く楽しい展覧会に出かけた。

 

 

RUT BRYK 展。ルート・ブリュック展である。

副題は、蝶の軌跡。

カメラマークのついてる作品は、写真OKなので、何枚か撮りました。

見てるだけで楽しいので、そのまま並べます(笑)。

 

エントランスに飾ってあった。タイル細工の作品。

 

 

かなり大きい作品なので動画を撮ってみた。

 

 

なかなか、良い雰囲気。😊

『母子』

 

どうやって展示しているのか気になって、斜めから。

 

 

陶板に絵を描く感じの作品で、大きいものは繋げてある。

『ボトル』

 

 

 

今回のメイン作品。

『ライオンに化けたロバ』中央にロバがいます。

 

 

型で作ってあるので形は同じ、色違いも渋くて良いな。

 

 

色合いも良いし、形も面白い。

『お葬式』

 

 

蝶の軌跡ね。ふと、あの映画を思い出す。

 

 

自由な発想である。

『都市』

 

 

 

これも良かった。

『レリーフ(アダムとイブ)』

 

アップ。

 

 

作品が変化して。抽象的になっていく。

『スイスタモ』(*土地の名前)

 

 

見ごたえあります。

『水辺の摩天楼』131×131×7㎝

 

動画で。

 

こんな風に、写真OK(笑)。

 

 

『色づいた太陽』113×110×6㎝

 

 

岐阜県現代陶芸美術館。8月16日(日)まで。事前電話予約必要。平日は割とすいてる。

北欧フィンランドの風を感じるモダン・アートの世界興味深く楽しかった。お薦めです。😉

 


工房風景

2020-06-22 12:00:03 | 陶磁

工房は昭和中期の古い建物。元はノベリティを作っていた製陶所。陶磁器でいうノベリティとは、人形や動物、装飾的な小物の総称である。製陶所終了後は、工房として貸し出され何人かの陶芸家を経て現在自分が所有。(所有までのエピソードも面白いので、またいつの日か)下屋はそのうちの誰かが作ったもの。もうウン十年物(笑)。

 

3年前はまだ大丈夫だった。

 

さすがにぼろくなった。穴が開いて雨が漏る。錆びたトタンが台風などで少しづつ剥がされていく。火災保険に入っているので台風などで大きく崩れてしまえば保険が適用される。一度保険鑑定を受けたのだが、雨漏りや一部破損ぐらいでは難しかった。そして台風が来るたび、壊れてくれないかなと思うのだがこれがなかなか壊れない(笑)。

 

錆びて剥がれてきた。

 

そして今年も梅雨の季節を迎える。一部屋根がないので雨漏りを通り越して、濡れてしまう。これでは使用に差し支える。柱の痛みも早い。崩れるのを待つといつになるか分からない。と言う事で、応急措置の修理を梅雨前にすることにした。プラのトタンは何年か前に(笑)買ってある。それを引っ張り出してきた。屋根から伸ばすと1枚と少しいる。母屋根から1枚張ってから気が付いた。

 

2枚目を下にひかないと、雨水が入り込むやん。2枚目が入るように、傷んでいる梁に刺したくぎをそーっと抜く。何とかきれいに抜けた。2枚目を差し込み1枚目と合わせて再び釘打ち。何とか完成。これでしばらくは大丈夫。

雨どいはだいぶ前に外した。

 

しかし問題は、もう一つの錆びて穴の開いた部分。同じように母屋根から張りたいのだが、この下屋に乗ることは無謀。釘が打てない。未だにそのまま。先日の雨で見たら、修理したところは調子が良かったが、手当てできなかったところから雨水が入り込み結局柱を濡らしている。何とか方法を考えよう。

うーん。どう修理するか。

 

アイディアひらめきますように!😀

 


薪割りと陶芸(後編)

2020-05-29 10:35:12 | 陶磁

前編の続き。薪は冬場にダルマストーブに使う。残念ながら薪窯ではない(笑)。

ダルマストーブの話は時々書いているが、よく読まれているのはこちら

 

この話で最初の写真、ストーブの上に載っているのが灰である。



ダルマストーブで使うのは焚き付けに落ち葉、段ボール。そしてメインの薪。

DIYで残った杉、桧も使うが、合板は接着剤が質・量とも強く入っているので燃やさない。

 

 

灰はざっと燃え残りなどを取り除く。それを水を入れたポリバケツに入れて灰汁(アク)抜きをする。

灰汁は強アルカリなので素手では触らない。かなりヤバイ。写真は1回目の灰汁を抜いたところ。

 

 

こちらは2回目の方。この作業を灰の水簸(すいひ)と言う。

 

 

数回水を換えた後、吸いガメに入れて乾燥させる。水を吸った灰はなかなか乾かない。

で、冒頭の写真のようにストーブでカメごと温めて水分を飛ばしていた訳である。

 

 

時間が掛かる、かなり面倒な仕事である。そこでふと思った。水簸しなくても良いんじゃない⁉(笑)。

シビアな作品でなければ灰汁あったほうが味が出るかもと考え篩(ふるい)だけにした。

灰がかなり舞うので工場用マスク、保護メガネ、背中側から軽く扇風機(笑)。

出来上がったのがこちら。ふわふわである。

 

 

雑木を燃やしてできた灰を陶芸では土灰(どばい)と言う。土の灰ではない(笑)。

これが釉薬の原料のひとつとなる。 

この灰と長石を調合する。長石と言っても平津、福島、釜戸と色々ある。微妙に成分が異なる。

余談だが、この木箱、京都の試験場から回り回って来たもので、

時代からするとあの河井寛次郎が使っていたかもと思われる。😁

 

 

これを白い土の湯飲みに掛けて焼成する。

轆轤目に釉薬がたまり変化がある。

 

 

中。釉薬がたまったところに深いけど透き通った緑。使っているのでちょっと茶渋が(笑)。

 

 

ひっくり返して。ぎりのところで止まった釉溜まりが愛らしいかな(笑)。

 

 

この色合い、好みである。この雰囲気が好きな人も周りに多い。

値段にもよるが売れそうである(笑)。

この釉薬を灰釉(かいゆう)と言う。灰は木によって、育った環境によって少しずつ違う。

調合をはじめ、土や焼成方法でも焼き上がりは変わってくる。

いろいろ試行錯誤して自分のイメージする色合いに焼き上げていくのである。

 

灰は、たまに蕨(わらび)の灰汁抜きにも使う(笑)。

でわ。また。😀