こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。
弱い北風が吹いていて寒い日になりました。今日は建国記念の日で通常授業はお休みです。とは言え、中3の受験生は来るはずなのですが、昨日私立高校の受験で疲れたのか、お休みのようです。
昨日に続いて麻布中の算数入試問題大問5を紹介します。
問題は、剰余に関するもので、「1番から9999番のカードに99で割ったときの余りと101で割ったときの余りが書いてあって、それぞれ51と41と書いてあるカードは何枚目のカードか」というものです。
初めに力ずくで解いてみます。
このカードがN枚目(N≦9999)とすると、
N=99p+51=101q+41 式(1)
が成り立ちます。
ここでpとqを0から1ずつ増やして計算すると、p=q=5のとにN=546になり正解に辿り着きます。(0≦N≦9999の範囲に546以外で式(1)を満たすNの有無を調べていないので不完全ですが)
そこで、少し工夫します。
式(1)を変形して、
101q-99p=10 式(2)
とします。
pとqとの大小関係で場合分けすると、
(1)p=qのとき、
101p-99p=2p=10から、p=5、q=5
式(1)にp=5を代入して、N=546
(2)p>q(p=q+r、r≧1を満たす整数)のとき、
式(2)は、101q-99(q+r)=2q-99r=10
2q=99r+10
2q、10が偶数なのでrは偶数となり、r=2とすると、
2q=208より、q=104
q=104を式(1)に代入して、N=10545となり、N≦9999に反する。
r≧4の場合も同じ。
(3)p<q(p=q-r、r≧1を満たす整数)のとき、
式(2)は、101q-99(q-r)=2q+99r=10
2q=10-99r<0より、qの解はなし。
以上より、N=546となります。
他にも連立合同式を使う解法があります。
N≡51(mod99) 式(3)
N≡41(mod101) 式(4)
式(3)、(4)を満たすNは、
N≡51×101×A+41×99×B
〔但し、101A≡1(mod99)、99B≡1(mod101)〕
そこで、A、Bを求めると、
1=99×50+101×(-99)より、A=50
1=99×(-51)+101×50より、B=50
従って、
N≡51×101×50+41×99×50≡460500
≡546(mod9999)
0≦N≦9999より、N=546となります。
次の小問(3)は、小問(2)より複雑になります。
問題は、「999900枚のカードで、99、100および101で割ったときの余りが、それぞれ37、15、1となるカードを求めよ」というものです。
まず、合同式を使って解いてみます。
M≡37(mod99) 式(5)
M≡15(mod100) 式(6)
M≡1 (mod101) 式(7)
式(5)、(6)、(7)を満たすMは、
M≡37×10100×D+15×9999×E+1×9900×F
〔但し、10100D≡1(mod99)、9999E≡1(mod100)、9900F≡1(mod101)〕
そこで、D、E、Fを求めると、
1=10100×50+99×(-5101)より、A=50
1=9999×99+100×(-9899)より、B=99
1=9900×51+101×(-4999)より、C=51
従って、
M≡18685000+14848515+504900≡34038415
≡41815(mod999900)
0≦M≦999900より、M=41815となります。
合同式を使うとシステマティックに解けるのですが、この問題のように法が大きい数の場合、電卓が欲しいところです。
そこで、合同式を使わないで解いてみましょう。
M=99Q+37 式(8)
M=100R+15 式(9)
M=101S+1 式(10)
Q=R+n、R=S+mとすると、
式(8)、(9)から、
99Q+37=100(Q-n)+15
Q=100n+22
また、式(9)、(10)から、
100R+15=101(R-m)+1
R=101m+14
そこで、
Q=R+nより、
100n+22=101m+14+n
101m-99n=8 式(11)
つまり、式(11)を満たす整数m、nを求めればよい。
(ここで、場合分けは省略して)
m=n=4
従って、Q=422、R=418、S=414
以上より、M=99×422+37=41815
(実は、面倒な場合分けを省略しているので不完全なのですが・・・)
合同式は高校でも詳しく勉強しませんが、整数問題などに威力を発揮するツールです。興味があれば、勉強してみて下さい。
それにしても麻布中の問題は楽しいですね。明日は、大問6を紹介します。
弱い北風が吹いていて寒い日になりました。今日は建国記念の日で通常授業はお休みです。とは言え、中3の受験生は来るはずなのですが、昨日私立高校の受験で疲れたのか、お休みのようです。
昨日に続いて麻布中の算数入試問題大問5を紹介します。
問題は、剰余に関するもので、「1番から9999番のカードに99で割ったときの余りと101で割ったときの余りが書いてあって、それぞれ51と41と書いてあるカードは何枚目のカードか」というものです。
初めに力ずくで解いてみます。
このカードがN枚目(N≦9999)とすると、
N=99p+51=101q+41 式(1)
が成り立ちます。
ここでpとqを0から1ずつ増やして計算すると、p=q=5のとにN=546になり正解に辿り着きます。(0≦N≦9999の範囲に546以外で式(1)を満たすNの有無を調べていないので不完全ですが)
そこで、少し工夫します。
式(1)を変形して、
101q-99p=10 式(2)
とします。
pとqとの大小関係で場合分けすると、
(1)p=qのとき、
101p-99p=2p=10から、p=5、q=5
式(1)にp=5を代入して、N=546
(2)p>q(p=q+r、r≧1を満たす整数)のとき、
式(2)は、101q-99(q+r)=2q-99r=10
2q=99r+10
2q、10が偶数なのでrは偶数となり、r=2とすると、
2q=208より、q=104
q=104を式(1)に代入して、N=10545となり、N≦9999に反する。
r≧4の場合も同じ。
(3)p<q(p=q-r、r≧1を満たす整数)のとき、
式(2)は、101q-99(q-r)=2q+99r=10
2q=10-99r<0より、qの解はなし。
以上より、N=546となります。
他にも連立合同式を使う解法があります。
N≡51(mod99) 式(3)
N≡41(mod101) 式(4)
式(3)、(4)を満たすNは、
N≡51×101×A+41×99×B
〔但し、101A≡1(mod99)、99B≡1(mod101)〕
そこで、A、Bを求めると、
1=99×50+101×(-99)より、A=50
1=99×(-51)+101×50より、B=50
従って、
N≡51×101×50+41×99×50≡460500
≡546(mod9999)
0≦N≦9999より、N=546となります。
次の小問(3)は、小問(2)より複雑になります。
問題は、「999900枚のカードで、99、100および101で割ったときの余りが、それぞれ37、15、1となるカードを求めよ」というものです。
まず、合同式を使って解いてみます。
M≡37(mod99) 式(5)
M≡15(mod100) 式(6)
M≡1 (mod101) 式(7)
式(5)、(6)、(7)を満たすMは、
M≡37×10100×D+15×9999×E+1×9900×F
〔但し、10100D≡1(mod99)、9999E≡1(mod100)、9900F≡1(mod101)〕
そこで、D、E、Fを求めると、
1=10100×50+99×(-5101)より、A=50
1=9999×99+100×(-9899)より、B=99
1=9900×51+101×(-4999)より、C=51
従って、
M≡18685000+14848515+504900≡34038415
≡41815(mod999900)
0≦M≦999900より、M=41815となります。
合同式を使うとシステマティックに解けるのですが、この問題のように法が大きい数の場合、電卓が欲しいところです。
そこで、合同式を使わないで解いてみましょう。
M=99Q+37 式(8)
M=100R+15 式(9)
M=101S+1 式(10)
Q=R+n、R=S+mとすると、
式(8)、(9)から、
99Q+37=100(Q-n)+15
Q=100n+22
また、式(9)、(10)から、
100R+15=101(R-m)+1
R=101m+14
そこで、
Q=R+nより、
100n+22=101m+14+n
101m-99n=8 式(11)
つまり、式(11)を満たす整数m、nを求めればよい。
(ここで、場合分けは省略して)
m=n=4
従って、Q=422、R=418、S=414
以上より、M=99×422+37=41815
(実は、面倒な場合分けを省略しているので不完全なのですが・・・)
合同式は高校でも詳しく勉強しませんが、整数問題などに威力を発揮するツールです。興味があれば、勉強してみて下さい。
それにしても麻布中の問題は楽しいですね。明日は、大問6を紹介します。
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