東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

中学入試問題R2(7)[灘中]

2020-02-02 10:22:53 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、令和2年度灘中の問題です。

問題は、
「下の図のような台形ABCDの板があります。この板を辺CDの周りに1回転させたとき、この板の通過する部分の体積は[  ]cm3 です。


▲問題図

ただし、円周率は

とします。また、板の厚さは考えません。」
です。

図1に、台形ABCDの板が通過する回転体を軸を含む平面で切った断面図(左側の図)と見取り図(右側の図)を示します。


▲図1.回転体の断面図と見取り図です

図1の断面図から体積の計算に必要な線分の長さ、つまりEDとS1、S2の半径を求めていきましょう。

図2に示すように、直線ABと直線CDとの交点をEとします。


▲図2.体積計算に必要な線分の長さを求めます

このとき、△EAD∽△EBCでその相似比は1:2なので、
EA=4(cm)
ED=5(cm)
です。

次に、直線AA’と直線ECとの交点をFとします。

ここで、

で、これに、EA=4(cm)、AD=3(cm)、ED=5(cm)を代入すると、

になり、これから

です。

このとき、直線BB’と直線ECとの交点をGとすると、
BG=2AF
から

です。

以上で、図3に示すように、求める体積を計算するために必要な線分の長さが判りました。


▲図3.体積計算に必要な線分の長さが判りました

図3から、
(求める体積)=(円錐E-S1の体積)+(円錐C-S1の体積)
       -{(円錐E-S2の体積)+(円錐C-S2の体積)}
で、



から、

になり、これが答えです。


簡単な問題です。