東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

約数の問題(2)[灘中]

2018-01-22 12:05:34 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、2018年灘中入試に出題された約数の問題を取り上げます。

問題は、
「3を8個かけてできる数 3×3×3×3×3×3×3×3、すなわち6561の約数のうち、4で割ると1余るものは、1を含めて全部で[ ① ]個あります。
 また、30を8個かけてできる数 30×30×30×30×30×30×30×30 の約数のうち、4で割ると1余るものは、1を含めて全部で[ ② ]個あります。」
です。

早速、取り掛かりましょう。

3×3×3×3×3×3×3×3 の約数は、


3×3
3×3×3
3×3×3×3
3×3×3×3×3
3×3×3×3×3×3
3×3×3×3×3×3×3
3×3×3×3×3×3×3×3
の9個です。

これらを4で割った余りは、一つ上にある数を4で割った余りに3をかけて、それを4で割った余りになります。

例えば、3×3×3×3 の4で割った余りは、
・その一つ上の数  : 3×3×3=27
・4で割った余り  : 27÷4=6・・・3
・余りに3をかける : 3×3=9
・4で割った余り  : 9÷4=2・・・
というように計算できます。

これを利用して、3×3×3×3×3×3×3×3 の9個の約数を4で割った余りを計算していくと、
1 → 1
3 → 3
3×3 → 1
3×3×3 → 3
3×3×3×3 → 1
3×3×3×3×3 → 3
3×3×3×3×3×3 → 1
3×3×3×3×3×3×3 → 3
3×3×3×3×3×3×3×3 → 1
になり、これらの個数は5個です。

したがって、①は で、これが答えです。

続いて、30×30×30×30×30×30×30×30 の約数です。

この数の約数は、先ほどの 1、3、3×3、・・・、3×3×3×3×3×3×3×3 に、2と5をそれぞれ0個から8個かけた数になります。

このなかで、2を2個以上かけた数は4の倍数になるので、4で割って1余る約数は、1、3、3×3、・・・、3×3×3×3×3×3×3×3 に5を0個から8個かけた数と、それらを2倍した数を調べればOKです。

まず、1、3、3×3、・・・、3×3×3×3×3×3×3×3 に5を0個かけた約数を調べましょう。

これらの数を4で割った余りは、前の結果から、順に、
1、3、1、3、1、3、1、3、1
で、4で割った余りが1となる約数の個数は5個です。

続いて、5を1個かけた数を4で割った余りは、順に、
1、3、1、3、1、3、1、3、1
で、4で割った余りが1となる約数の個数は5個です。

以下同様に、5を2個から8個かけた数を4で割った余りは、いずれも
1、3、1、3、1、3、1、3、1
になり、5のそれぞれの個数に対して、4で割った余りが1となる約数の個数は5個になります。

したがって、1、3、3×3、・・・、3×3×3×3×3×3×3×3 に5を0個から8個かけた約数のなかで、4で割って1余るものは、5×9=45個です。

次に、1、3、3×3、・・・、3×3×3×3×3×3×3×3 に5を0個から8個かけて2倍した約数を調べましょう。

1、3、3×3、・・・、3×3×3×3×3×3×3×3 を2倍した数を4で割った余りは、
2、2、2、2、2、2、2、2、2
で、4で割った余りが1となる約数はありません。

5を1個かけた数を4で割った余りは、順に、
2、2、2、2、2、2、2、2、2
で、4で割った余りが1となる約数はありません。

以下同様に、5を2個から8個かけた数を4で割った余りは、いずれも
2、2、2、2、2、2、2、2、2
で、5のすべての個数に対して、4で割った余りが1となる約数はありません。

したがって、1、3、3×3、・・・、3×3×3×3×3×3×3×3 に5を0個から8個かけて2倍した約数のなかで、4で割って1余るものは、0個です。

以上から、②は 45 で、これが答えです。


①を利用すれば②は簡単です。