テレビ修理-頑固親父の修理日記

古いテレビ、ラジオ、カーラジオ、アンプ、プレーヤ、電話機の修理のご案内です。古い物でしたら何処の国の物でも略OKです

Delco のカーラジオ 631-A (1936)

2012-04-22 15:36:29 | Weblog

3台目は先日1930年代の Ford 用に当時の物を探して欲しいと云うご依頼を頂き探した物
が米国から届いた。 この Delco 631-A が Rider's の Vol.1~23に何としても見付からない。
Rider's のインデックスに依れば Delco Radio Div.- General Motor、General Motors  或い
は Cadillac、Pontiac を参照せよとのことだった。   他方 Radio Collector's Directory に依
れば Delco Radio, General Motors, United Motors Service も参照せよとのことだったがこ
れらの全てに 631-A は見付からなかった。 この種のカーラジオの修理に付きましては
こちらの ホームページ https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ からお問い合わせ下さい。

仕方なく使われている真空管から1930年代中頃以降と想像し Rider's の Vol.6 ~ 7、8
と実際にページをめくり調べてみた。  幸い United Motors Service のところで 631-A
を見つける事が出来た!

本体は可也の容積が有り足元等に置かれ、制御部とはスプラインで結ぶことになる。

密閉された構造なので内部の状態は可也良好だった。

外観は普通のダイナミックスピーカーに見えるが低圧(6V)で励磁する
フィールド・タイプの物だった。

構成はST管6球でラインナップは6D6-6A7-6B7-6D6-42-84で、電源は
6V、消費電流7Aだった。

4月25日 昨日ゴーサインを頂いたので夕方から作業に取り掛かった。 シャー
シーを取り出し、絶縁の劣化が激しかったコンデンサの交換から始めた。

コンデンサの交換を終え、次いで電源部分の改造に取り掛かった。

   今日は時間切れで画像もアップ出来なかったが一応コンデンサ類の交換を終え
試験的に手元に在った+アース用のバイブレータを使って動作を確かめてみたが
電源のハムが大きく、またIFかRFでの発振が診られた。 道のりは可也遠そう。

4月26日 昨日コントローラーを診てみた。 青いノブを引くと電源がONとなる。
組み込まれていたランプは点灯しなかったが後で診てみよう。

二つ問題が在り、回路が発振して仕舞う問題は頭を冷やし回路を当り直した結果周波数
変換の入力側のコイルのところで断線していた。 次に一定周波数間隔で信号が入力する
のは久し振りに使ったスイッチング電源からの高調波だった。 電源をシリーズ・タイプ
の物に換え一応受信出来る様にはなったが今度はバイブレータの120Hzが可也気になった。

消費電力を少しでも軽減する為、整流管 84 (6Z4)はシリコン・ダイオードに交換したが
念の為ここを元々の回路に戻し、電源のフィルター回路と電源トランス 2次側のコンデン
サを交換したが変化は見られなかった。   ケースに組み込んだらどうなるかもトライして
みたがこれも変化無し。 想定した時間の倍以上となって仕舞ったがこの先どうするか?

気を取り直し本当に電源のリップルが問題なのか確かめてみた。   幸いヒーターは全て並
列で、おまけにコントロール ・グリッドは 42 以外全て頭部に出ているので回路を殺すの
は簡単で終段から動作させて行った。 結果、RF の 6D6 のグリッドを繋いだ途端にノイ
ズが噴出した。   逆に云えばそれまで全くノイズは感じられず即ち電源のリップル、或い
は電源ラインに乗っているノイズが原因では無かった。    どうも RF の問題と想われたの
でカソード・バイアス ( RFの 6D6 と Conv.の 6A7 のカソードを結び、グランドに600Ωで
落としているがここが830Ωに高化していたのでパラにVRを加えてみたがノイズが増えた)
をいじってみるか。  しかしアンテナ回路は直列共振となっておりやたらブロードだった。 
この機種の資料に依れば1936年5月1日の日付が記されていたが間もなく満76年を迎えるが
コイルのQも低下していて不思議は無い。

4月28日  RF と Conv.のカソード・バイアスを抵抗線から近年の炭素被膜の物に替えた
結果動作は良好となりアンテナを繋がない状態ではノイズは無くなった。  ただどうも
アンテナを接続した際のノイズの出方が近年の物と異なる。  もしかするとこのラジオ
用のアンテナは単なるホイップ・アンテナでは無いのかも知れない。  何れにせよ理論
的には問題無い状態となったので先日気になったコントロール・ユニットに取り掛かっ
た。 幸いランプも良好で問題は接触電位差に依る接触不良だけだった。


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