今日お預かりしたのは電源が入らないと伺った Braun, audio 310 でドイツでは問題無く動作してい
たとのこと。 この種の装置の修理のご依頼はこちらの HP http://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ (新)
にお願い致します。
電源ラインの導通を診て見たが何の問題も無かった。 (操作方法の問題か?)
問題無く通電出来、ラジオは AM には特に問題は無く、FM は10MHz程高い方にズレていた。
ターンテーブルにも問題は診られ無かった。
外部入力機能を確認し終わりとした(拍子抜けして仕舞った)。
ラジオの動作に違和感が有ったので内部を確認し様と裏蓋を開け驚いた。 AM 用のバーアンテナが
激しく割れていた。 酸化鉄粉を焼結させたバーアンテナは衝撃に弱く、同様の問題は欧州製の機
器で時々目にするが破断面が上手く接合出来ると良いのだが。(裏蓋用固定ネジは4本のみだった)
お話ではラジオは余り聴かないとのことだったがバーアンテナをこのままブラブラさせておく訳に
は行かず何かを添えるかして固定する必要が有る。
もう1点問題が診られたのが FM の周波数で上はニッポン放送のワイド FM 92.4Mhz受信時でダイア
ルの指示は 108MHz辺りとなっている。 それを調整し(下)100MHz辺りまで下げたが本来より
8MHz程高く表示されている。 これは局発の周波数が低い為バリコンの容量を減らす必要が有るか
らだろうが、高周波増幅段の共振点も何故か可笑しく無かったのが寧ろ可笑しい。 もう一点は文化
放送の 91.6MHz辺りより下は局発が停止して仕舞うのか TBS (90.5MHz) 等は受信出来なかった。
永らく海外バンドの FM 機器を扱って来たが今回の様に局発の発振周波数が低かった経験は初めてと
なった。 各コイルのインダクタンスの調整は真鍮ビスで為されているが恰もダストコアの様だった。
6月11日 昨夜床に就いてからも如何に固定するかとアレコレ想いを巡らせた。 先ずは中央の
バーアンテナを外してみた。
両端には各々の破断面が残っていたので先ずアルファ系の接着剤で仮止めをした。
次いでエポキシ系の接着剤を盛ったので暫く硬化を待とう。
可成り硬化が進んだので組み込み固定した。
ご依頼主が引き取りにいらしたので実際に動作させ確認して頂いたが、その後夕飯の最中に電話を
頂き下に置いていると問題無く電源は入り動作するが、金具で持ち上げる形にすると電源が入らな
くなるとのことだった。 経験の無い症状だが一寸したキャビネットの変形で発生する様だった。
お送り頂いた画像では両端辺り2箇所をささえている様だが何故これで電源が入らなくなるのか?
6月12日 その後も動作を試みたところ良好に動作しているので暫く様子をみるとのお話だった。
しかし置いている部分の構造を知らないが画像で見る限り可成り華奢な構造の様に想われる。