テレビ修理-頑固親父の修理日記

古いテレビ、ラジオ、カーラジオ、アンプ、プレーヤ、電話機の修理のご案内です。古い物でしたら何処の国の物でも略OKです

SONY, 19C-100 クロマトロン カラー テレビ (Chromatron Color TV,1967)

2014-07-16 15:36:27 | Weblog

今日お預かりした3台目は SONY のクロマトロン (別名 苦労マトロン) カラー テレビ 19C-100 で日本ラジオ
博物館の館長でもあるOさんから修理の依頼を頂いた。  売れば売るほど赤字となったこのカラーテレビを何
とかしなければと当時の SONY さんは可成り乱暴なこともした様で、当時トランジスタ式カラーテレビ (カラ
ーブラウン管カラーネトロンを使ったカラーテレビ、カラーネットGTC-9*以前こちらで修理を担当した物が
NHK放送博物館に収蔵、展示されている) を完成させた八欧 (ゼネラル) のこの部門を部門ごと引きぬいたこと
は有名な話となっている。   この種のTVの修理に付きましてはこちらの HP https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ か
らお問い合わせ下さい。

ハッキリしている訳では無いがクロマトロン カラーテレビは当時SONYさんが懸命に回収した様で、国内では
ソニー博物館(正式名称は異なっているかも知れない)以外では目にしたことが無い珍品で、同社のトランジ
スタラジオの一号機、TR-55が騒がれることが時々有るがそれとは比べ様が無い程稀少な機種と云える。

サテ可成りの埃に塗れており正直に云えば高温多湿の時期には通電したくないのだが.....

7月18日 電源電圧を30分程掛け徐々に100Vまで持って行った。 音声、映像共に基本部分は良好に
動作している様だったが焦点が全くと云って良いほど合っていなかった。 何とか人が一人か何人か居
るのかの区別が付く程度だった。

色のにじみが凄まじく下の大相撲中継の力士の名前も読めない。

先ずは普段の調整用(アレコレいじっても壊れることは無いだろう)ボリューム等で変化を診てみよう。

カラーテレビに関しては非常に疎く今回のクロマトロンCRTのことも良くは知らないのですが、カテゴリーとして
はローレンス・チューブで PDF (Post Defflection Focusing、後段偏向収束) 方式を採った物と考えていた。
しかしこの機種の回路図を見ると電子銃は3本なので上の PDF を使い色を選択する必要は無く、色を変える
為の格子(シーカー・グリッド)も見当たらなかった。 どうもクロマトロンの定義を知らないがクロマティック・ラボ
が開発した単電子銃カラーCRTをクロマトロンと呼ぶなら今回の機種に使われているカラーCRTをクロマトロ
ンと呼ぶには問題が有るのではないだろうか。 何方かこの辺りのことをご存知でしたらお教え頂きたい。

7月20日 カラーテレビに明るいフランス人のJeromeから早速問い合わせが舞い込んだ。 彼も今回の機種に
使われているCRTはクロマトロンとは呼べないのでは無いかとの見解で、寧ろ初期の3電子銃トリニトロンに近
いのでは無いかとのことだった。 明日は予定が無いので先ずは高圧を測定する高圧プローブの校正から取
り掛かることにしよう。 しかしこの機種の技術的な資料は何とも見付からない!

7月21日 今朝受信トレイを開いたところアリゾナのMarshallからも問い合わせが届いていた。 今回の機種を
含めこの種のテレビに非常に詳しい人で、米国でのみ発売された7?インチ クロマトロン カラーTV、KV-7010U
も彼のサイト http://www.visions4.net/journal/chromatron/ で見ることが出来る。 確かこのモデルの数ヶ月
(3ヶ月?)後のモデル KV-7010UA にはトリニトロンCRTが使われていた。

CRT,480AB22に印加する電圧は可成りシビアな様なので高圧プローブの校正に取り掛かったが、以前内
部を見た時に抵抗値139MΩと記されていたので今回使った松下のVTVM、VP-913Bの入力抵抗が10MΩ
と云うことから分圧比14.9:1と考えていたが実際は大きく異なり69:1~78:1と不安定でどうも頼りにならない。
電源に使った500Vメガーの出力電圧も6%程の変動が診られたが、VTVMの指示値の変化量が大きくどうも
湿度の高い環境下では正確な測定は出来そうに無かった。 しかし分圧比が理論値と大きく異なるのは何
が原因なのか?

CRTのスペックが不明だったので当時のテレビ関連の雑誌で探したところ電波科学 1967-1 臨時増刊、
カラー受像機のすべてに 480AB22 のスペック、そして先に発表された 19C-70 に関する記事が在った
ので先ずはこれらに目を通しておこう。

7月23日 高圧プローブに取り掛かった。 先日の記憶は間違いで内部に記されていた抵抗値は1,320MΩ
となっていたが念の為DC400Vの電源を用意し、この抵抗と3MΩをシリースに繋ぎ電圧配分から抵抗値を
測定してみたが1.020MΩ~1,040MΩだったので平均をとり1,030MΩと考え先に進んだ。

 アノード(加速)電圧はこのCRTのスペックから22KVと想像した。 MV:6.3KVは測定し難かったのでCRT
の7番ピンで当れるFV:4.1KVを測ることにした。 手伝って貰ったMさんの計算ではVTVMの読みの4/7が
正しい電圧とのことでこれに従うとFVは最大2.8KVとなり、調整前よりはフォーカスが改善されたが実用レ
ベルには程遠かった。

8月29日 フロリダの John に頼んでおいた高圧プローブ(B&K, PR-28  40KVDC/28KV AC) がやっと
届いた。 彼からはこちらの時間で8月3日の朝、昨日発送したとの連絡を貰ったので約4週間を要したこと
になるが、半ば諦めていたがヤット先に進める。 しかし先日、電圧測定様に使っていた DMM が壊れて仕
舞ったので先ずは DMM を購入しなければならない。 John 自身はフルークの物を使っている様だが日本
では高そうなので、どこの物を使うか迷うところだ。 

 


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