テレビ修理-頑固親父の修理日記

古いテレビ、ラジオ、カーラジオ、アンプ、プレーヤ、電話機の修理のご案内です。古い物でしたら何処の国の物でも略OKです

三菱 6P-125 (昭和37年)6インチ、白黒、世界最小

2012-03-17 17:53:52 | Weblog

    昨年は春から秋に掛けて【南極大陸】と云う番組で使用する通信機を我が家だけでは足り
ず友人数人にからも借り、それでも足りず一部ギリシャやアメリカから購入して何とか形に
したがそのT放送局から久しぶりに依頼が有り今日は三菱の 6P-125 に取り組んだ。 この種
のテレビの修理に付きましてはこちらの HP  https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ からお問い合わ
せ下さい。  上は今日取り組んだ1台目。  余談ながら世界最小と記したのは同時期に発売さ
れた SONY のマイクロテレビが世界最小と謳われたが今回の機種(しかも 6インチ)の方が
サイズも小さく、かつ軽い。

1台目は以前動作させる為に最小限の部品交換を行っただけの物で動作試験
結果チューナーに問題が診られたので分解し接点部分に手を加えた。

  何せ殆どはオリジナルのままなので当初不安定要素も見られたが2時間程ラン
ニングさせた間では良好に動作していた。  次いで二台目に取り掛かったがこ
ちらは以前可也しっかり部品交換を行ったものの同期が不完全でそのままにし
てあったものだが、今日改めて診てみたところ同期分離のトランジスタ 2SA15
のベースに映像信号が来ていなかった。 映像増幅との間に入っているダイオ
ード1N60がオープンになったかと想ったが実際はこのダイオードの向きが逆で
またこのトランジスタのベースバイアスの100KΩが本来-12Vラインに繋がらな
ければならないところをグランドに落としていた。普段部品交換時には元に戻
すべく 外したところを覚えているが途中電話が掛かって来たり、荷物が届いて
席を外すと往々にこの様な凡ミスを犯すことになる! ここを直した結果非常
に良好に動作してくれた。 *パターン図さえ在れば起こり難い問題ではあるが。

作業台の上が今日の2台目で、後ろの物が1台目。

3月18日 どうせならと同じモデルの修理に取り掛かった。3台目は1-6Chまで良
好だったものの7Ch以上で感度が落ちた。 チューナーの問題なので後回しとした。

4台目はVIFの4段目、2SA246 のエミッタ電流が流れておらず最後の1個の 2SA246
を交換した。 交換後動作は良好となったが電源電圧が低く同期が不完全だった。
下の画像は外部から12Vを加えたもの。

電源のリップルフィルター 2SB83 を外付けしたところ電源電圧は上がったので
テッキリこのトランジスタの問題かと交換したが結果変化は何故か無かった。

日課の散歩をしながら今日の作業を反芻してみた。 リップルフィルター用のトランジ
スタを外付けした際ベースに繋がっているケミコン100+100+200+400μFを220+470μF
としたことを思い出した。 組み込んだ後は元々の200+400μFも並列に繋がったのが
原因かも知れないと思い出した (出力端エミッタの電位はベースの電位で決まるので
ケミコンの絶縁が劣化するとここの電位は下がる)。明日診て見よう。 それとチュー
ナーがあるチャンネルの先で感度の低下を起こすのは多分どこかのコイルが途中で切
れている可能性が有る。

3月19日 怪しげな電源回路のケミコンを診てみた。 整流直後の2,000μFも水平出力
回路の1,000μFも共にパンクしていた。 リップルフィルター用の400μFも交換した結果
可也電圧は上がり一応動作する様にはなったが水平同期を回しても変化が無い。

外側のシャフトが水平同期調整用だが回路は直され配線は一点に集められていた。

ボリュームが全く機能しておらず分解し修理の可能性を診てみたが摺動子を固定
しているベークライトの板が割れており残念ながら諦めた。  何れ部品取りの物か
ら移植してみよう。

次いで5台目に取り掛かったがこの機種でもVIF4 (2SA246) のエミッタ電流が流れてい
なかった。最早2SA246のストックは無く、若干fTは下がるが2SA235に替えた。 しか
しこの機種も前回(6ヶ月~1年前)の動作チェック時良好のシールが貼られていた?

受信はする様にはなったがこの機種も同期が不完全だった。 同期分離、同期増幅等を診
てみたがどうも映像検波出力に同期信号成分が少ない。 (AGCに問題は診られなかった)

3月21日 同期が取れない原因が分からずオシロで同期分離の出力を診てみた。 どうも
映像信号が混入している様だったのでクリッピング・レベルを調整した結果良好となった。

6台目はスンナリ動作してくれたが音量が絞れ無いことと、水平の直線性(左側の
伸び)が若干気になりボリュームを分解し手を加えてみた。

7台目に取り掛かったが裏に貼られたラベルにはSep.30,2007のチェック時VIF4
(2SA246)に問題が在った様だった。  調べたところVIF3(2SA234)も壊れていた
ので両トランジスタを交換した。

結果映像と音声は良好となったが水平の直線性(左側の伸び)が若干気になった。

3月23日 8台目に取り掛かったが内部で高圧が放電する様な音がしていた。

高圧のアノード・キャップが外れているのかと想ったが外れてはおらずCRTの状態
を見たところ内部で放電していた。予想は的中しネック部分でクラックが入ってい
たので修理は諦めたがこれで部品取りとする物が決まった (他の機種からCRTを
移植出来ない訳では無いが)。

他にリップル・フィルター用2SB83のE-B間がオープンとなっており、電源回路
のシリコン・ダイオードHR13も4本の内の2本が短絡していた。


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