ウリパパの日記

自由気ままに・・・

阿修羅展に行ってきました

2009-05-30 16:00:48 | 展覧会
東京国立博物館平成館で開催されている「国宝 阿修羅展」を見てきました。日本の貴重な明宝が興福寺から持ち出されて一挙に展示される機会など滅多にありません。東京での開催期間が6月7日までと迫る中、是非とも見ておこうと思い、昨日午後休暇を取得して出かけてきました。午後2時前に到着したときは待ち時間40分と表示されていましたが、実際は25分程度で館内へ入場。

西暦710年の平城遷都に伴い興福寺が建立され、2010年には創建1300年を迎えます。それを記念した事業の一環として今回の東京での展覧会が催されています。展示品は、

   第1章 興福寺創建と中金堂鎮壇具(第1会場)
   第2章 国宝 阿修羅とその世界 (第1会場) 
   第3章 中金堂再建と仏像    (第2会場)

で構成。仏像や工芸品の数々を通し改めて日本の素晴らしい仏教文化に触れ、感動の連続でした。

第1章では興福寺創建時の鎮壇具と推定される数々の出土品がガラスケース内に展示されています。中金堂鎮壇具全てが国宝とのこと。金銅大盤や銀鋺、水晶念珠玉、ガラス玉、延金などビックリするほど多数の工芸品が並べられ、日本最古の通貨である和同開珎も初めて見ることができます。

第2章は本展覧会の目玉で、ここでもほとんどの展示品が国宝。まずは法隆寺から特別出品された "阿弥陀三尊像及び厨子(伝橘夫人念持仏)" と "華原馨"。美しさと技巧の素晴らしさに見入ってしまいました。次の"十大弟子"と"八部衆"のゾーンでは、巨大な会場に5体の十大弟子と四体の八部衆が向かい合って展示されています。頭部のみのガラスケースに収められた"五部浄"を除き、全てが露出展示され、前から横から間近にじっくりと観察できます。十大弟子はお釈迦様に仕えた優秀な弟子達。八部衆は釈迦の誓願を守護する8種の神々を総称し、もとは古代インドの神々だそうです。興福寺の"十大弟子"、 "八部衆"、"華原馨"は、光明皇后が734年に亡き母の一周忌供養のためわずか一年で造らせたもので、当時の技術力の高さに驚愕しました。八部衆の中で印象に残った”迦楼羅(カルラ)”は人身鳥頭の異形の姿。ガルーダという悪竜を食べる鳥頭の神とのことです。

八部衆の中で阿修羅像のみが別室で露出展示され、こちらは全方向360度拝むことができます。でも物凄い人込み。時計回りに渦を巻いて観察するのですが中央に行くほど身動きとれずに大変・・・先日NHKで放映されていましたが、前評判通りの素晴らしさでしたね。3つの顔と6本の腕をもち、微かに眉をひそめ苦悩の影が滲んだ少年のような表情が印象的。よく見ると鼻に穴がありません。左右の顔も戸惑いや苦悩の表情。八部衆の中では、阿修羅像のみが鎧のような衣装ではなく、軽めでモダン?な衣装なのは何故?

大混雑の会場を後にし、階段・ロビーをはさんで反対側の第2会場では鎌倉時代の復興期に作られた仏像がそびえたっています。どれも重要文化財に指定。四天王立像や薬王・薬上菩薩立像は巨大で鎌倉時代ならではの力強さ感じます。運慶の作といわれる釈迦如来像頭部も展示されています。

会場は一方通行ですが、第1会場と第2会場を自由に行き来できるため、通常の展覧会のように一度見たら終わりということもなく、何度も同じコーナーに足を運ぶことができるのが嬉しいです。放映されているビデオや案内書を見ては、再度会場を訪れてみて新たな発見をするということもあり、あれこれ2時間半近く阿修羅展を堪能してきました。

さて阿修羅展を見ていたら時間はすでに16時30分。夕方から友人と飲み会があるので、少し不忍池を散策してから帰ることにしました。ちょうど皐月展が開催され、丹精込めた見事な作品が展示されていました。 


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