腕時計修理専門店・トゥールビヨン店主のブログです
腕時計の修理の詳細や腕時計のトリビア、店主の個人的な趣味の話などを気の向くままに書いております。
 



そう言えば、数日前に「兄が宇宙人」で「友人の友人がアルカイダ」の鳩山邦夫さんが67歳の若さでお亡くなりになったのには驚いた。

言われてみれば最近テレビでお見かけしてなかったが、宇宙人の兄の方はさておき、弟さんはテレビ出演の際の発言などは面白くて好きだった。

莫大な遺産の相続権争いが起こらなければいいがと他人事ながらちょっと心配。

ご冥福をお祈りいたします。



話は変わって、時計修理に携わる身としてはちょっと関心深かった裁判が今年の4月にありまして。

スイスの高級時計“フランク・ミュラー”のパロディー商品名“フランク三浦”を商標登録した大阪市の会社が、この商標を無効とした特許庁の判断を取り消すよう求めた訴訟の判決が12日、知財高裁であった。
鶴岡稔彦裁判長は「イメージや外見が大きく違う」として、“三浦”側の勝訴とする判決を言い渡した。

ミュラーの申し立てを受けた特許庁は昨年9月、「ミュラーへの『ただ乗り』だ」として、登録を取り消した。
訴訟でもミュラー側は「語感が極めて似ている」「信用や顧客吸引力への『ただ乗り』目的だ」などと主張した。

だが判決は、「呼称は似ているが、外観で明確に区別できる」と指摘。
「多くが100万円を超える高級腕時計と、4千~6千円程度の低価格商品の『三浦』を混同するとは到底考えられない」と述べた。

判決について、ミュラーの代理人は「会社と連絡がとれず、コメントできない」。
三浦の製造会社は「大阪のお笑い時計と、高級時計を混同するわけがない。正当な判決でホッとしています」と話した。(朝日新聞デジタルより)


何故4月の裁判結果を今頃?
と思ったでしょうが、ここ数日、立て続けに“フランク三浦”の電池交換が来たからでして。

今日も先ほど1件交換しました。
こちら↓

純和風です(笑)

裏ぶた↓


便乗万歳(笑)

写真裏ぶたの下の方にはご丁寧に「完全非防水」とも書かれている。


あのね、特許庁の方々、いくら天下のフランク・ミュラーから登録取り消しを申し立てられたからといって、何でもかんでも「はい、かしこまりました」と安請け合いしてはいけませんよ。

この時計とフランク・ミュラーを間違って買う人がいますか?ってことですよ。

あ、この時計のオーナーさん、決して悪口ではないので語弊の内容に。

120%パロディと分かっていて購入してるに決まってるじゃないですか。


もし「やったぜ!フランク・ミュラーが4000円で買えた!ラッキー!」という人がいたなら...


「それはよかったですねぇ」とそっと優しく見守るしかない。


文字盤にFRANCK MULLERと書かれていたり、SWISS MADEと書かれていたらビデオ判定するまでもなくアウトですが、まさかのカタカナと漢字で“フランク三浦”ですよ(笑)

日本語勉強した人以外読めませんし。

もしこれで三浦側が敗訴だったなら、危うく日本のパロディ文化が廃れるところでした。

三浦の製造会社のコメントと同じく「正当な判決でホッとしています」です。


今日の格言:

『中途半端に似せると訴えられるが、思いっ切り振り切ったら問題なし。』



では、修理品のご紹介。
こちら↓
オメガ デ・ヴィル クォーツ

愛媛県四国中央市在住のU様所有。
分解掃除、リュウズ交換、巻き真交換、電池交換、パッキン交換、防水検査(日常)を行いました。
シンプルな2針の婦人用のドレスウォッチ、デ・ヴィルの電池式モデルです。
飽きの来ないデザインは永年お使いいただけること間違いなし。
U様大事にお使いくださいませ。


思い返せば、過去のフランク・ミュラーとフランク三浦の電池交換件数は若干ミュラーが多いかと思われる腕時計修理専門店トゥールビヨン店主
イギリスの国民投票の結果がもうすぐ判明。

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