無農薬・自然菜園(自然農法・自然農)で、持続できる自給自足Life。~自然な暮らしの豊かさの分かち合い~

信州の大地で自然農と自然農法で育てる自給農園で、日々の営みや生命を通して感じることや想うことを発信するブログ。

「野菜からのメッセージ(2)」エンドウ編

2009-03-22 11:39:16 | 自然菜園の技術 基本
本日。午前中は晴耕雨読です。
天気に、雨の繰り返しで先日蒔いたエンドウも
きっと芽を出しやすいことでしょう。


今回2回目はエンドウは、漢字で「豌豆」。
エンドウ豆は、豌豆豆。(豆豆になってまうので、)エンドウだけでいい。

エンドウは、連作障害やアブラムシ、病気に侵されやすく
作りにくい作物とされています。

しかし、エジプトのツタンカーメンの墓から見つかったこと
でも知られるように、エンドウの歴史は3000年以上あり、
ヨーロッパに広くその子孫がピーとして広がっている。

エンドウは、メンデルの法則でもおなじみの
自家受粉作物で、遺伝学の基礎に役立った野菜です。

昔から愛され、作りやすいとされている作物です。
それではなぜ?
日本では作りにくいマメになってしまったのでしょうか。

昔の日本では、炭焼きのため伐採された後、
下草を焼いて育ててきた栽培の歴史がある豆です。

ですから、過湿な環境である水田跡地や、
風が強く吹く平地では、育ちが悪くなります。

エンドウの仲間である自然草に「カラスノエンドウ」があります。
その育つ姿をみると、お互いせめぎ合って絡み合いながら
どんどん太陽に向かって伸びていく姿です。

エンドウのさやには、5~6個の種子が入っています。
ですから、一ヶ所に最低5~6個蒔くのが自然です。

野菜本来の姿や自然に育っている仲間の姿から、野菜がどのような場所で育ち、
かつて栽培されてきたか、

「野菜からのメッセージ」は、
そのようなことからより自然に育てたい。
野菜本来の力を発揮させたい。
栽培の原点に立ち帰って、本当の栽培をしたい。
そのような気持から、綴っています。


自然界では、単一の植物だけが繁茂することはなく、
だいたいの植物が、バランスをとりながら、混植されています。


特にエンドウは、乾燥・太陽・草木灰が大好きで、
風や過湿が苦手です。もちろん、肥料も苦手な野菜です。

そこで、うちでは、草木灰をパラパラ撒いたあと、
一ヵ所に、6粒程度の種を蒔き、同時にえん麦の種も蒔きます。

以前間違えて、エンドウと麦を植えてしまいました。
その時ほど初期生育がよく、健康に育ちました。

麦とエンドウを混播することで、
麦が風避けを作り、麦をつかまえながら生長するエンドウ。
そして、余計な養分は麦が吸収するのか、アブラムシも来ませんでした。


皆さんもいろいろな野菜の本性を発見しながら、
その最高のパートナー(コンパニオンプランツ)を見つけ、
お互いが生長しあえるような、関係を見つけていくと
無農薬栽培は、うまくいくだけでなく、自給率も高まり、最高ですよ。
ちなみに、うちはそのあとキュウリ・インゲンを育て、連作しています。


●お知らせ●
大好評の講座になってきています。お申し込み感謝します。
松本iCITY教室(NHK文化カルチャーセンター)で、
今年1年講師をやらせていただけるようになりました。
家庭菜園をはじめたい人、無農薬栽培を学びたい人、
ご参加をお待ちしております。

『無農薬栽培 プランターで野菜作り』4/25(土)13:30~16:00
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_491211.html

『美味しく簡単に無農薬・家庭菜園の法則』4/22~6/10
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_491207.html

●お奨め講座●

桜咲く、この時期が日本みつばちを始める年一回のチャンスです。

3月13日(金)の地方紙『市民タイムス』に掲載された
私の日本みつばちの先生である山本晃久さんの
『日本みつばち初心者講習会』のご案内です。


日時:2009年3月29日(日)13~16時(12時半開場)
会場:ももせ第二公民館
地図

参加費:1500円(定員20名)
申込:松本日本みつばちの会
090-1651-5743代表山本まで
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自家採種子と市販の種

2009-03-21 09:47:24 | 自家採種
うちでは、できる限り種を自家採種することにしています。

というのも、ずっと以前はじめて市民農園を借りて家庭菜園を始めたころ、

せっかく無農薬栽培をしようとしたら、
写真(右)のように、
買った種子にドギツイ緑色の着色農薬コーティングされた種子
だったことがショックでした。


写真(左)も品種こそ違えど同じ豌豆(エンドウ)の種子です。

確かに、豆類の種子は虫などにやられやすく、
種子に農薬コーティングしないと商品としては
クレームになるでしょう。

しかも、メタリックブルーなど不自然な色を着色することで、
土に蒔いたとき、はっきりと種子を蒔いたことが判別できます。

しかし、食べ物の元、生命の始まりに
農薬コーティング種子しか手に入りにくいのは残念です。

これから、無農薬栽培を始めようとする方は、
近所で無農薬栽培で自家採種された種子か、
市販の種子でも、農薬コーティングされていない(無消毒種子)
を選んでください。

そして、失敗を恐れずに
自家採種をはじめましょう
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

踏み込み温床(2)簡易踏み込み温床のご紹介

2009-03-20 08:08:18 | 日々の自然菜園
本日

今日は、春のお彼岸でお向いのおばあちゃん家でおはぎをいただきました。

いよいよ明日は、春分です。
今年は、暖かめなので、いつどのように種を蒔こうか考えています。

昨日で終わらなかった、踏み込み温床。
たかだか、60cm踏み込むだけなのに、
全然終わらない。

贅沢な有機資材をふんだんに使った、踏み込み温床。
水分を含ませながら、踏み込んでいき、
発酵熱で、夏野菜を育てる技術。

とにかく、大変な手間がかかります。

家庭菜園で夏野菜の苗を育てたい人は、
踏み込み温床は、お薦めできません。
材料と場所と、手間がかかり過ぎます。

そこで「簡易踏み込み温床」をご紹介します。

風が当たらない、一日中良く日が当たる場所を選んでください。
寒冷地の方は、ハウス内で行うと温度を保ちやすいです。

①まず、1×4mの広さに、深さ30cmほどの穴を掘ります。
②掘った穴に、生ゴミコンポストや、落ち葉を米ぬかと油粕を
サンドイッチにしながら20㎝ほど積み重ねます。
③②に水分を含ませながら、踏み込みます。
④最後に、10cmほど土を戻し、元の高さにします。
⑤そして、ここがポイントですが、
水平にならし、防草シートを1×5m敷きます。
⑥1×5mのビニールトンネルを作り完成です。
寒い地域のかたは、夕方ビニールの上から毛布などで防寒します。

簡易踏み込み温床の利点は、
地上部に枠組みを作らず手間が省略できます。

電熱線に比べれば
それと、それほど温度が上がらず、苗の生長は遅いですが、
徒長にさえ気をつければ、見事な健苗になります。

育苗が終わったら、一度土と有機物を天地返しし、
攪拌させ、たっぷり水を含ませて再発酵させれば、
秋口に、玉ねぎの育苗->冬越しホウレン草、
そして翌年は、その土は育苗土として使えます。

市民農園用に、苗を数本育苗する程度でしたら、
もっと簡単に育苗できます。(衣類ケース育苗)

①3.5寸ポットに育苗土を詰め、夏野菜の種を蒔きます。
②たっぷりと水をあげ、発芽させるまで3日間新聞で保水します。
③それから、衣類ケース(プラスチックの蓋つきのもの)に移し、
日中は、最高25℃前後。夜間は最低10℃(室内)で管理します。

育苗は、子育てと同じなので、
細心の注意と、最低限のお世話をします。

トマト、キュウリは育苗しやすいので、
4月になってからトライしてみると楽しいと思います。




●お知らせ●
松本iCITY教室(NHK文化カルチャーセンター)で、
今年1年講師をやらせていただけるようになりました。
家庭菜園をはじめたい人、無農薬栽培を学びたい人、
ご参加をお待ちしております。

『無農薬栽培 プランターで野菜作り』4/25(土)13:30~16:00
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_491211.html

『美味しく簡単に無農薬・家庭菜園の法則』4/22~6/10
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_491207.html

『無農薬栽培 コンパニオンプランツ』5/23(土)13:30~15:30
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_491230.html

●お奨め講座●


3月13日(金)の地方紙『市民タイムス』に掲載された
私の日本みつばちの先生である山本晃久さんの
『日本みつばち初心者講習会』のご案内です。

日時:2009年3月29日(日)13~16時(12時半開場)
会場:ももせ第二公民館
地図

参加費:1500円(定員20名)
申込:松本日本みつばちの会
090-1651-5743代表山本まで
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

踏み込み温床(1)

2009-03-19 18:16:05 | 自然菜園の技術 応用
本日

昨日の続きで、踏み込み温床を本格的に作っています。

踏み込み温床とは、
落ち葉や米ぬか、切ったワラなど身近な有機物を
重ねて踏み込むことで、発酵させます。

その時生じた発酵熱をじわじわ約1カ月くらい保ちながら、
夏野菜の育苗(苗づくり)を行います。


夏野菜のうち、ピーマン、ナスなど発芽には、
最低15℃位~最高30℃くらいのエネルギーが必要です。

そこで、昔の人は、身近にある無料のもので
知恵を使って育苗しました。

今までは、家庭菜園でも実践できる「簡易踏み込み温床」
を使用していましたが、

鶏を飼いだし、お米も120%自給でき、ワラも余っていたので、
久々に思い出しながら、アレンジをしながら作っています。

踏み込み温床には、1m×5m×高さ60cmでさえ、
竹20本程度。
ワラ軽トラ1台分。
広葉樹の落ち葉、軽トラ1台分。
鶏の鶏舎内の発酵鶏糞、5袋。
油粕5㎏、米ヌカ30㎏、ボカシ10㎏。
生ゴミコンポスト、野菜くず、
オカラ20㎏。
去年山盛りに積んだ草や残さ軽トラ1台分相当。
水100ℓ以上
もの材料を揃えました。


これだけの資材を買わずに揃えるとなると、
去年のうちから、草や残さを準備し、
周りに多くの天然資材がある自然豊かな所でないと無理です。

改めて、材料があったからいいものの、
極めて豪華な資材が必要だと思いました。

はじめ、発酵するまでは、レタス・キャベツを育て、
発酵ピークには、トウガラシ、ししとう、ピーマン・ナス。
そして、トマト、キュウリ・南瓜の初期育苗し、
最後には、サツマイモ・生姜・ヤーコンを育苗しようと考えています。


せっかく作った踏み込み温床なので、
来年は、その発酵後の土をふんだんに使い、
育苗土を買うのを一切買わないで自給する方向で考えています。

現在、苗の安定と、販売を考えて
育苗土の半分は市販のものを使っている現状です。

少しずつ、自給できるものを増やし、安定させていきたいものです。
●お知らせ●
松本iCITY教室(NHK文化カルチャーセンター)で、
今年1年講師をやらせていただけるようになりました。
家庭菜園をはじめたい人、無農薬栽培を学びたい人、
ご参加をお待ちしております。

『無農薬栽培 プランターで野菜作り』4/25(土)13:30~16:00
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_491211.html

『美味しく簡単に無農薬・家庭菜園の法則』4/22~6/10
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_491207.html

『無農薬栽培 コンパニオンプランツ』5/23(土)13:30~15:30
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_491230.html

●お奨め講座●


3月13日(金)の地方紙『市民タイムス』に掲載された
私の日本みつばちの先生である山本晃久さんの
『日本みつばち初心者講習会』のご案内です。

日時:2009年3月29日(日)13~16時(12時半開場)
会場:ももせ第二公民館
地図

参加費:1500円(定員20名)
申込:松本日本みつばちの会
090-1651-5743代表山本まで




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

信濃毎日新聞に掲載される。

2009-03-18 23:45:21 | 日々の自然菜園
本日、

20℃近い暖かな日。
今日は、昨日の続きで、踏み込み温床作りを行いました。

広葉樹の森に入り、落ち葉をかきだしたり、
鶏小屋の鶏糞を掃き出したり、
わらで温床の枠組みをこしらえたり、
あと一日かかりそうです。

今日、母、友人、知人から電話、メールなどで、
信濃毎日新聞の掲載を知りました。

先日電話が入り、季節がら家庭菜園の特集をしたいので
取材させて欲しいと依頼が入りました。

僕を知ったのが、このブログということで、
緊張しながらも、喜んで取材に応じました。

今年は、カルチャーセンターの仕事といい、
執筆中の原稿、雑誌への投稿となかなか露出が多い年です。

今まで多くの諸先生方から教わったこと、
家庭菜園の教室を開いて、生徒さんと培ったこと、
今まで園芸書や伝統農法などを読んで、
実践して得た経験。失敗し、克服してきた11年間。

恥ずかしい内容ですが、多く人に還元できれば感激です。

ややふっぷら太った丸顔が、いまいちですが、
書いてある内容は、さすがプロの記者です。

1時間半以上の取材が、端的に見事に集約されて
書かれています。恐れ入りました。

詳しくは、写真をクリックしてください。
たぶん、読める大きさのはず、、、

*****************************
『自給自足の休日倶楽部2009』〈準備中〉

無農薬栽培の基本から応用まで、
月1~2回の自給菜園の教室を開きます。
長野県外の方でも、宿泊プランもございます。

現在、250平米の自給菜園教室を安曇野市三郷で準備中です。
4月末から、約20区画を用意し、
年間の野菜をほぼ自給できる、
一区画が大きめの無農薬・菜園教室を考えています。

最近借りられるようになったので、
告知が遅くなりましたが、縁がある方で興味がある方は、
takecook3@yahoo.co.jp(@を半角にしてくださいね)
までお問い合わせください。件名:自給菜園教室について

ご連絡いただけた方に優先的に、
3月末にメールで正式な募集をかけようと思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ロコトのタバスコ(春の野良仕事)

2009-03-17 23:33:07 | 日々の自然菜園
本日のち

久々に、野良仕事をした。
踏み込み温床のために、友人宅で竹を切らせていただき、
枝を払い、軽トラに載せてハウスに移動。

デジカメを忘れてしまって、写真がない。すまない。
写真は、自家製タバスコ「ロコト」

作り方は簡単。
トウガラシの生と、塩と酢。
それらをミキサーにかけ、冷蔵庫で発酵させて熟成させる。
自家生ピザに最高のお共。

今日は、身体がまだノッてこない。
3か月のブランク。毎年のことだ。

身体の呼吸と、頭の呼吸が合わない。

僕の野良仕事は、ほとんどが、即興。
つまり、その場にならないとわからない。

自然の息吹を感じて、その場その場に合わせた仕事がしたい。
僕の教わった師匠たちがそうだった。

前もって農作業の予定を立てるのだが、
現場の田畑に来ると、指示がコロコロ変わる。
当時は、それについていくのが大変だった。

頭で考えた農作業でなく、
身体で感じた野良仕事。その違いは大きい。


僕を育ててくれた師匠たちは、
いずれも高齢で動きがおじいちゃんだった。

しかし、田畑にくると全く敵わなかった。
基本的に、僕の方が若く、体力もありそうだが、
60を超えるその動きに無駄はなかった。

それからだ。
80歳になっても現役で動ける動きをマスターしようと思ったのは。

筋肉ではない、
頭でっかちでもない、
百姓の動き。

自然と一体になり、
優雅で、スマートで、柔らかいその動き、
直観が働き、物事の本質を突く洞察力。

どれもまだまだ未熟。
しかし、どうしても体得したくて今なお立ち向かう。

今日は、どれくらい野良に座り、
悩んだか、知れない。

神経を集注して、どこに何を植えよう、
踏み込み温床の場所や、大きさはこれでいいのか、
自問自答。

自然と一体になった農業がしたい。
今日は、農作業的にはあまり進まなかったが、
野良仕事の勘を取り戻すにはいい時間だった。

●お知らせ●
松本iCITY教室(NHK文化カルチャーセンター)で、
今年1年講師をやらせていただけるようになりました。
家庭菜園をはじめたい人、無農薬栽培を学びたい人、
ご参加をお待ちしております。

『無農薬栽培 プランターで野菜作り』4/25(土)13:30~16:00
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_491211.html

『美味しく簡単に無農薬・家庭菜園の法則』4/22~6/10
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_491207.html

『無農薬栽培 コンパニオンプランツ』5/23(土)13:30~15:30
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_491230.html

●お奨め講座●


3月13日(金)の地方紙『市民タイムス』に掲載された
私の日本みつばちの先生である山本晃久さんの
『日本みつばち初心者講習会』のご案内です。

日時:2009年3月29日(日)13~16時(12時半開場)
会場:ももせ第二公民館
地図

参加費:1500円(定員20名)
申込:松本日本みつばちの会
090-1651-5743代表山本まで





コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

無農薬栽培の共通ルール(2)ジャガイモ編

2009-03-16 21:24:32 | 自然菜園の技術 応用
本日のち

今日締め切りの確定申告、無事提出もできました。

いよいよ明日から、踏み込み温床をはじめ、育苗を始めようと思います。

*****************************

昨日に引き続き、ジャガイモについて、
今度は無農薬栽培の共通ルールをご紹介します。

「無農薬栽培の共通ルール」シリーズと、
「野菜からのメッセージ」シリーズと分けたのは、


「無農薬栽培の共通ルール」シリーズは、
数多ある有機農法・自然農法・自然農など
無農薬栽培に共通する栽培法の共通点をご紹介、
無農薬栽培で外せない点を特集しようと思います。

「野菜からのメッセージ」シリーズは、
野菜の原産地や、栽培の歴史、
品種や科の特徴など、野菜の本源に立ち返り、
いかに野菜を自然に育てようか、
個人的に大切にしている点をご紹介しようと思います。

*****************************

無農薬栽培の共通ルール(2)ジャガイモ編

例えば、ジャガイモでは無農薬栽培する場合、
共通して大切にしていることに、

1)追肥をしない。

ジャガイモは、短期間で育つため、
追肥をしても間に合わず、元肥料一発で育てます。


種イモに直接肥料が付着すると、
腐りやすく、病虫害にあいやすい。
そこで、種イモの株間30cmの真中に
完熟堆肥をひとつかみ置き、土をかける。

3)排水性のよい畝づくり。

ジャガイモは水で腐りやすいため、
畝は排水性を高めるため、かまぼこ型で一条植えが基本。

耕さない不耕起栽培の場合は、
排水性が高いため2条植え可能。

※田んぼ跡地では、栽培しにくいので工夫が必要。

4)芽かき後、太い芽2~3本残す。

ジャガイモの芽は、1本で育てると大芋、少量。
芽かきしないと、小芋、沢山になりがち。

太い芽2~3本残し、あとは芽かきすると
市販されているジャガイモの大きさ(中芋)になる。

5)ジャガイモの跡地で、トマトを育てない。

〈※逆も同様〉
ジャガイモとトマトは従兄弟どうし。
連作障害になりやすく、距離を放す。

また、同じウイルス性の病気にかかるため
どちらかで発病した場合は、感染を防ぐ必要あり。


ジャガイモは、ベランダプランター栽培も簡単なので、
無農薬栽培が手がるに始めやすい野菜。
是非、今年栽培してみてください。


●お知らせ●
松本iCITY教室(NHK文化カルチャーセンター)で、
今年1年講師をやらせていただけるようになりました。
家庭菜園をはじめたい人、無農薬栽培を学びたい人、
ご参加をお待ちしております。

『無農薬栽培 プランターで野菜作り』4/25(土)13:30~16:00
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_491211.html

『美味しく簡単に無農薬・家庭菜園の法則』4/22~6/10
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_491207.html

『無農薬栽培 コンパニオンプランツ』5/23(土)13:30~15:30
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_491230.html

●お奨め講座●


3月13日(金)の地方紙『市民タイムス』に掲載された
私の日本みつばちの先生である山本晃久さんの
『日本みつばち初心者講習会』のご案内です。

日時:2009年3月29日(日)13~16時(12時半開場)
会場:ももせ第二公民館
地図

参加費:1500円(定員20名)
申込:松本日本みつばちの会
090-1651-5743代表山本まで

コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「野菜からのメッセージ(1)」ジャガイモ編

2009-03-15 23:50:17 | 自然菜園の技術 基本
本日、
旧暦の「啓蟄」(菜虫蝶と化す)頃だ。
暖かさも増し、安曇野の大地にぼつぼつフキノトウが出始めた。
来週の20は、春分の日です。ということは、お彼岸入りも近いです。

個人的には、今日確定申告締め切り前日で、
夫婦で、連日青色申告に初挑戦で帳簿に掛かりきりでした。
今週から踏み込み温床を作り、いよいよ野良仕事始めです。

*****************************
「野菜からのメッセージ(1)」ジャガイモ編

「野菜からのメッセージ」シリーズでは、
野菜の立場で、野菜がどうしてほしいか、
個人的に感じたことや、教わったこと、
その野菜の栽培で何を大切にしていること、
を伝えられたらなあと思います。

第一回目の野菜は、春一番に植えるジャガイモについてです。

最近のジャガイモの種イモは出荷が早くなった。
まだ植える時期でないのに、どんどん種イモが店頭を賑わす。

つまり、店頭に苗や種イモが並んだから、
もう植えられるのというと、いつも販売の方がずいぶん早い。
年々種イモの販売は早くなっているように感じる。

もしかしたら、
地球温暖化で、ジャガイモの芽が出やすくなったため、
常温に保管できず、他社との競争もあって、
年々種イモの出荷を早めているように感じる。

1)植える時期を守る。

植える時期は、地方によって異なる。
あまり早く植えると、芽が出ても霜でやられやすく風邪をひく。
遅いと、収穫量が減る。

ジャガイモの植え付けの最適な時期は、
「梅、ヤブツバキ、アブラナ科の開花」

うちでは、畑の菜の花の開花に合わせジャガイモを植える。

だから、品薄になる前に種イモを購入はするものの、
植える時期まで、冷暗所で保存し芽の生長を抑えるか。

【裏ワザ】ではあるが、日中のみ日光浴させて
芽を緑化し、生長を抑える必要がある。
(ジャガイモの芽は、緑化すると芽の生長が揃いやすい)


2)無肥料栽培で元気に育てる。

もともと南米原産の荒地植物のジャガイモ。
乾燥し、土の養分に頼らず、光合成で養分を自活し、
デンプンを貯めて、次世代に生命をつないだ。

肥料の養分過剰は、不健康な芋の肥大化を促進し、
病気や、虫害を招く。


それだけでなく、養分過多なメタボな芋は、
保存性に欠け、種イモとして不向き。

そこで、ジャガイモは、無肥料栽培で、
ジャガイモが十分生長しやすい場所で、
葉が枯れるまで完熟するまで育てる。

そして、良かった芋を来年の種イモに選んで保存する。(自家採種)

3)生命にそって切った種イモは、よく乾燥させる。

南米原産のジャガイモは、多湿・高温に弱い。
できれば、丸のまま植えてあげたい。

夏植えの秋じゃがは、切った種芋は必ずと言っていいほど腐る。

春植えのジャガイモは、大きいものは切って植える。
だいたい種イモは50g前後あればちょうど良い。

その切り方だが、生命にそって切ってあげたい。
ジャガイモは、茎が肥大化したものであり、
植物の血管である、維管束がお尻から芽頭にかけて通っている。
それを分断したくない。

そこで、まず芽頭を探す。
ジャガイモの種イモには、
必ず芽が幾つも集中して集まっているところが1箇所ある。
そこが芽頭である。
その反対側に、デべそがある。お尻である。

この芽頭とお尻を線で結んで、包丁を入れると、
種イモがうまく切れる。

切った芋は、何もつけず前日から自然に乾燥させておく。

灰をつけた方が良いとあるが、
悪質な灰の場合、病気になる場合もあるらしい。

3)よく晴天が続く、土が乾いている日に植えつける。

せっかく、乾燥させた切り口が濡れないように、
連日晴れた週を選んで、30cm間隔に深さ15cmくらいに植える。


ジャガイモは、種イモの上に子孫を残すので、
ジャガイモ1.5個分ぐらい上に土をかける。

もし、子芋が地上部に出そうな場合は、
土寄せをし、緑化を防ぐ。

4)収穫も晴れがつづき、土が乾燥気味の時に収穫。

掘りたての真じゃがを食べるばあいは、
地上部がやや黄色く枯れてきたら随時収穫できる。

もし、保存性を高める目的や、自家採種する場合は、
地上部が完全に枯れて無くなってから、掘る。

しかも、収穫も晴れがつづき、土が乾燥気味の日中に収穫。
収穫後、30分以内直射日光に当て、乾燥させる。

その後、通気性の高いカゴやコンテナにいれ、
暗所で、2週間くらい乾燥させる。

(少量であれば新聞でくるみ冷蔵庫でもよい。)

その後、段ボールや、米袋などで暗所保存。

●お知らせ●
松本iCITY教室(NHK文化カルチャーセンター)で、
今年1年講師をやらせていただけるようになりました。
家庭菜園をはじめたい人、無農薬栽培を学びたい人、
ご参加をお待ちしております。

『無農薬栽培 プランターで野菜作り』4/25(土)13:30~16:00
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_491211.html

『美味しく簡単に無農薬・家庭菜園の法則』4/22~6/10
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_491207.html

『無農薬栽培 コンパニオンプランツ』5/23(土)13:30~15:30
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_491230.html

●お奨め講座●


3月13日(金)の地方紙『市民タイムス』に掲載された
私の日本みつばちの先生である山本晃久さんの
『日本みつばち初心者講習会』のご案内です。

日時:2009年3月29日(日)13~16時(12時半開場)
会場:ももせ第二公民館
地図

参加費:1500円(定員20名)
申込:松本日本みつばちの会
090-1651-5743代表山本まで
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サツマイモの連作(友人からの質問より)

2009-03-14 06:14:56 | コメントの公開
本日

昨晩からの大雨で、ハウスをできる限り解放して、
貴重な春の雨水を取り入れた。

来週はいよいよ春分、そして穀雨。
畑が僕を呼んでいる。

今日は、いい質問がメールでありました。
これから植えようとするジャガイモの質問でしたが、

サツマイモは、連作すればするほどうまくいく作物の一つで、
痩せた乾いた土地で高畝にして、無肥料で育てると美味しいお芋ができます。


*****************************
【質問】
> 最後に竹内さんに質問です。
> 幅1メートルほどの畝の両はじに小麦をまいて育っている
> 間(真ん中)にじゃがいもを植えてもいいでしょうか?
> 昨年はさつまいもを植えた場所です。
> よろしくお願いします。

*****************************
【アドバイス】

基本的には小麦の畝の真中に、ジャガイモ大丈夫です。
ただ、小麦の生長と共にジャガイモへの日照条件が悪くなるので、株間を工夫してみてください。

例えば、1mの間でしたら、ジャガイモは本来2列できますが、
小麦の影になりやすいので、1mに1列。株間30cmにするとか、です。

去年のサツマイモはどうでしたか?
もし、サツマイモがよくできた場所であれば、
今年もサツマイモを無肥料で連作することが、ベストです。
サツマイモ・ニンジンは無肥料で連作するほどに、
育ちがよくなり、肌もよくなります。


サツマイモも同様、1mに1列。株間30cmにするとか、です。

サツマイモは、ジャガイモよりも生育期間が長く、小麦との間作(間に育てる方法)は相性がとてもよく、お奨めの組み合わせです。
●お知らせ●
松本iCITY教室(NHK文化カルチャーセンター)で、
今年1年講師をやらせていただけるようになりました。
家庭菜園をはじめたい人、無農薬栽培を学びたい人、
ご参加をお待ちしております。

『無農薬栽培 プランターで野菜作り』4/25(土)13:30~16:00
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_491211.html

『美味しく簡単に無農薬・家庭菜園の法則』4/22~6/10
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_491207.html

『無農薬栽培 コンパニオンプランツ』5/23(土)13:30~15:30
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_491230.html

●お奨め講座●


3月13日(金)の地方紙『市民タイムス』に掲載された
私の日本みつばちの先生である山本晃久さんの
『日本みつばち初心者講習会』のご案内です。

日時:2009年3月29日(日)13~16時(12時半開場)
会場:ももせ第二公民館
地図

参加費:1500円(定員20名)
申込:松本日本みつばちの会
090-1651-5743代表山本まで



コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

無農薬栽培の共通ルール(1)概論

2009-03-13 11:27:54 | 自然菜園の技術 応用
本日
昨日とうって変わって、寒空だ。
木枯らしが吹いている。

ここ最近、温かくなったり、寒くなったりの繰り返しなので、
野菜の苗の定植や、種まきの時期が難しい。

前回のブログ講座「市民農園で自然農をしよう全3回」が
好評だったので

数ある無農薬栽培法のうち、
共通して使える、大切な栽培ポイントをちょっとずつ紹介していきたい。

第一回目は、無農薬栽培で共通して覚えておいてほしいこと(概論)です。

1)旬に栽培する。
なぜ、農薬・化学肥料が必要ない栽培のポイントは、
自然の理に従い、学ぶことです。

市場の野菜が、農薬・化学肥料に依存するのは、
姿形がよい野菜を、一年中野菜を市場出荷するためです。

無農薬栽培で、野菜を育てる場合、
いちばん簡単なのは、野菜が一番育ちやすい時期に育てることです。

2)適地適作を心掛ける。
野の自然草を見てください。
自然界では、痩せた酸性の土には「スギナ」、
豊かになってきて、中性の土には「ハコベ」、
育ちやすい場所に、育つ草しか生えません。

野菜も草の一つです。
栽培したい野菜のために、土作りをはじめハウス栽培、果ては農薬使用。

それよりは、いろいろな野菜を育てて、
自分の地域風土に合った野菜を育てることで、
特別な資材(肥料・農薬・除草剤)が不要になります。

3)肥料のやりす過ぎ・水のやり過ぎを止める。
肥料のやり過ぎは、野菜のメタボを引き起こし、
野菜の不健康を招きます。その結果、虫害にあいます。

窒素肥料のやり過ぎは、野菜を軟弱化させ、アブラムシの被害にあいます。
アブラムシがでたら、翌年から肥料を半分以下にしましょう。

また、水をあげ過ぎることで、
根が軟弱化させたり、発芽障害を起こしたり
根腐れなどによる失敗は、家庭菜園家には多いものです。

4)輪作・間作の奨め。
無農薬栽培農家だけでなく、輪作は有効です。
野菜の花形であるトマト・ナス・ピーマン・ジャガイモはいずれもナス科、
ナス科間の連作は、土の障害つくり、連作障害を起こします。

また、草も野菜もなく、空けた農地では、
土の流失、土壌の単純化、養分の流亡が激しく、
空いた期間、間作として、麦や豆、緑肥などを栽培し、
土を保全、育ててあげることは、有効です。

しかし、連作に強い作物や、
連作した方が育ちが良くなるサツマイモ・ニンジンなどは別でしょう。

また、肥料を使わない無肥料栽培などのように例外もあります。

5)混作の奨め。
自然界の野の草は、耕したところは別として
ほとんどの場所で、単独で生えていることは稀です。

春の野原には、ハコベやオオイヌフグリ、ナズナ、スイバ、ギシギシなど
多くの草がせめぎ合いながら、共存しています。

最近注目されてきたコンパニオンプランツ(共栄植物)も、
野菜を単独で植えた場合よりも、
相性の良い野菜と共に育てることで、
病虫害が緩和したり、味がよくなったりします。

そこで、野菜を単独で育てると
土や微生物バランスが単純化してしまいがちで、
バランスが崩れやすくなります。

それよりも複数の野菜を育てることで、調和を見つけることで
無農薬栽培しやすくなります。

また、自然農のように、野菜と野の草をバランスをとりながら
育てることも、有効です。

つまり、無農薬栽培は、人為的作為を強調することよりも、
自然界のメカニズムに習い、模倣しながら、
野菜をより自然に、健康に育てることにポイントがあります。


●お知らせ●
松本iCITY教室(NHK文化カルチャーセンター)で、
今年1年講師をやらせていただけるようになりました。
家庭菜園をはじめたい人、無農薬栽培を学びたい人、
ご参加をお待ちしております。

『無農薬栽培 プランターで野菜作り』4/25(土)13:30~16:00
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_491211.html

『美味しく簡単に無農薬・家庭菜園の法則』4/22~6/10
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_491207.html

『無農薬栽培 コンパニオンプランツ』5/23(土)13:30~15:30
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_491230.html

●お奨め講座●


3月13日(金)の地方紙『市民タイムス』に掲載された
私の日本みつばちの先生である山本晃久さんの
『日本みつばち初心者講習会』のご案内です。

日時:2009年3月29日(日)13~16時(12時半開場)
会場:ももせ第二公民館
地図

参加費:1500円(定員20名)
申込:松本日本みつばちの会
090-1651-5743代表山本まで
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする