無農薬・自然菜園(自然農法・自然農)で、持続できる自給自足Life。~自然な暮らしの豊かさの分かち合い~

信州の大地で自然農と自然農法で育てる自給農園で、日々の営みや生命を通して感じることや想うことを発信するブログ。

自然菜園の畝立て(テコ入れ)

2014-03-31 00:37:53 | 自然菜園の技術 応用
本日、の予報。


雑誌の取材用に、自然菜園の標準的な畝立てをしました。

標準的と書いたのは、地域風土に合わせて畝の高さや使う資材を応用した欲しいからです。

100㎡以下の自然菜園では、畝間100cm。通路50cmが野菜が育てやすく、南北に畝を立てます。


今回は、自然にしておくとツユクサが生えるが、ハコベは生えて来ないステージ2の菜園で、
火山灰土でリン酸欠乏の傾向が強い場所でしたので、

※ステージに関しては、拙著『これならできる!自然菜園』(農文協)p26~35をご参照ください。

ステージ3の野菜でも育つように、畝立ての際に1㎡当たり、完熟堆肥2ℓ、クン炭1ℓ、米ぬか300gを補うことにしました。
完熟堆肥は、菜園の微生物。クン炭は、微生物の住処として、米ぬかはエサとして、最初から野菜と草と、生き物が共存できるきっかけになるようテコ入れします。

このテコ入れは、最初で最後になるためには、今後の菜園の野良仕事がカギになります。




完熟堆肥、クン炭、米ぬかの順に畝の上に撒き、




レーキなどで、表層5cmの土と馴染ませます。




このままですと、土が乾いてしまったり、春の風で飛ばされてしまいますので、鍬の背や板などでしっかり鎮圧しておくことが大切です。


次は、通路の中央に播く、緑肥mixです。

自然菜園にした当初から野菜と草、虫が共存しやすいかというとそうでもないので、緑肥作物を導入します。

緑肥mixは、播く時期、地域風土、用途に応じて数種類の緑肥作物を混ぜたものです。

市民農園など貸農園の場合、緑肥作物は一年草のみにしておくと後で使う人がびっくりしません。




通路の中央に12cm程度の幅の浅い溝を掘り、緑肥mixを播いて、土を被せ鎮圧します。

緑肥mixは今後一切踏まずに、跨ぎながら草マルチの材料などに利用していきます。




自然菜園の変わった導入方法に、畝にハコベを移植する方法があります。

ハコベが生えるような場所は、なぜか野菜もよく育つものです。
ハコベを移植することで、野菜が育ちやすくなる場を整えます。


自然菜園にとって、畝立ては最初で最後の耕起になるかもしれません。
今後は、耕さずに同じ畝を再利用していきます。

畝立て、テコ入れ、緑肥mixはあくまで自然菜園を軌道に乗せるきっかけに過ぎず、これらを導入すれば菜園がどんどん良くなるのではなく、
このきっかけで生まれる自然環境や流れをさらに栽培することで軌道に乗せ、3年目くらいから野菜が自然に育つ環境に導きます。

自然に野菜が育つ家庭菜園だから、自然菜園。
実は、野菜が育たないのも自然ならではです。草と野菜は異なり、自然に育つためにちょっとした工夫や自然の理に沿った栽培が必要になってきます。

草が育ち、虫が調和してはじめて自然に育つ野菜たち。そのきっかけになるのが畝立てです。

本当は、去年の秋に畝立てして、生えていた草を畝の上に敷いておくと春までにもっと自然な畝になるのですが、今回は春から始めるやり方をご紹介しました。

種まきや植え付けの最低1か月前までに畝立てやテコ入れ、緑肥mixを行っておくことが大切です。
自然に育てる場合には、自然の流れに沿って、時間(季節)が大切になってきます。
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サツマイモの苗育て

2014-03-30 13:35:17 | 自然菜園スクール
本日、

久々のまとまった雨です。
こんな日でもハウスがあると、Azumino自給農スクールの育苗コースはできます。


サツマイモの苗を育てます。

サツマイモと土と入れ物があり、温かい25~30℃に置いておくと、新芽が出てきます。
この新芽を土に挿すと、サツマイモになります。

サツマイモは、熱帯アメリカ出身。
暑さと乾燥に強く、枝を挿すと栄養生長で増えてくれます。


今回は、この種イモにひと手間かけてみました。






昨晩、ボールに60℃に沸かしたお湯を注ぎ、温湯消毒をしました。






寒い時期なので、ストーブの暑くならないところに置き、48℃で40分。差し湯をしながら行いました。

温湯消毒することで、病気予防だけでなく、休眠を解き、発芽を促します。




容器の下に新聞紙を敷き、土を入れた上に温湯消毒したサツマイモをならべ、土を入れ




木酢液のちょっと入った水をかけてから






温床にセットしました。

踏みこみ温床は、地温30℃。新芽が吹くのが楽しみです。

踏みこみ温床がなければ、昼間はテラス、夜はコタツなど工夫すれば比較的簡単に育てることができ、観賞しても楽しいです。

今年の育苗コースは、去年より1日多くなったので、サツマイモなど余裕を持っていろいろ学べる場になりましたが、
いつものことで、盛り過ぎなので、参加された方は、大変かと思います。

美味しいサツマイモが今年も育つこと今から楽しみです。
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久々の小麦の土寄せ

2014-03-30 03:28:44 | 自然菜園の技術 応用
本日、の予報。
春のお湿り一雨ごとに、冬から春に芽吹いていくようです。
安曇野では、日陰にある残雪も今回の雨でほとんど消えてしまうでしょう。

今日は、Azumino自給農スクールの自然育苗コースです。
もっとも濃いコース。今日は一日ハウスで野良仕事になりそうです。


さて、昨日は友人と春コムギを播きましたが、一方去年から播いて育てているAzumino自給農スクールのコムギもお手入れ時です。




去年から数えて5回目の麦踏みです。

霜で浮き上がったりしたムギを丁寧に昼間踏み戻してあげます。


その後、補いとして米ぬかを生育差が埋まるように調整しながら施します。

今回は3種類の小麦を育てているので、それぞれにも生長差が出ています。
そこで、グルテンを高めたい準強力粉や生育が悪い場所などを中心に補います。




今回は、久々の土寄せ、土入れです。

コムギほど手入れお世話で、収穫量を大幅に上がる作物も珍しく、今年は8年ぶりくらいに土寄せしてみます。

土寄せの手間は必ずしも要りませんが、自給を考えた時、農園を広くしなくても収穫量が上がる方法をスクールで伝えようと思ったからです。

昔は、ムギには手間を惜しまず、土入れや土寄せ、中耕除草を行い、自給率を上げたものです。
最近は、農薬・化学肥料で手間をかけず、収量を上げ安定する方法がとられています。

私の場合、土寄せは春に2~3回行います。
あまり大きくなってから行うと、根に与えるダメージの方が大きくなるので、タイミングが大切です。

栽培には、主に販売用と自給用があります。
それぞれに合ったやり方があるので、自分に合ったやり方が見つかるのが一番です。
当スクールでは、それを体験して感じてもらいたいと思ってやっております。

今日の雨で、ムギも一層生長することでしょう。
今年から、特に自給するためのやり方に力を入れていきたいと思います。
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小さな踏みこみ温床

2014-03-29 01:59:23 | 自然菜園の技術 応用
本日、


これは、うちの踏みこみ温床。実際に50個以内の苗を育てるには、こんなに大きい必要はないです。

もっといえば、桜が咲いて温かくなってからであれば、陽だまりなどを利用すれば踏みこみ温床は必要なくても夏野菜の苗を育てることは充分に可能です。

今回は、ご家庭でもできる小さな踏みこみ温床をご紹介します。


積みこんで、3日目で40℃に達した温床の元(堆肥)を袋に詰めていきます。

詰めるバックは、腐葉土などを集める落ち葉バックを使用しました。

底には、5cmほどもみ殻とクン炭を混ぜたものを詰めてあります。


堆肥を踏みこんだ後、土を3cm乗せるのは、大きな踏みこみ温床と同じです。


焼きたてのクン炭をのせて完成です。




その上に、育てたい夏野菜をセットすれば完成です。


乾燥防止などに、不織布をかければより育てやすいです。

夜は、ビニールや毛布をかけておけばよりよく、発芽までは15~35℃で管理し、12~28℃で管理しながら育てます。
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踏みこみ温床、その続き

2014-03-28 21:58:55 | 自然菜園の技術 応用
本日、


先週、踏みこみ温床①
の続きです。

この踏みこみ温床の特徴は、堆肥の先生橋本式改良踏みこみ温床だということです。
つまり、踏みこみ温床の中にいれる有機物を前もって、山に積み発酵をはじめてから、踏みこみ点です。

先週、Azumiono自給農スクールの自然育苗コースで、積み上げた堆肥の山は、3日目で発酵温度40℃に達し無事発酵し始めました!


踏みこみ温床には、焼きたてのクン炭が必要なので、もみ殻からクン炭を焼き、






よく混ぜて、焼けていることを確認してから、たっぷりの水をかけて消火します。

クン炭の再燃焼による農家での火事が多くので、たくさんの水をかけ消火してから3日間放置して、完全に消化してから使います。


焼きたてのクン炭は、山火事の匂いがするため、ネズミが温床に紛れ込まずに育苗できるからです。

育苗する際に、ネズミが入ると育苗どころではなくなるので、木酢液やクン炭などを効果的に使い、ネズミの侵入を防ぎます。

ハウス内の温床予定地の穴には、木酢液の希釈液をかけ、クン炭を撒き、ワラを敷きました。


そこに、発酵した堆肥を3回に分けて踏みこんでいきます。


一度、発酵しはじめた堆肥を踏みこむことで、安定した踏みこみ温床になります。


敷き詰めた踏みこみ温床の上に、3cm以内に土を敷き詰めます。


その上から、焼きたてのクン炭を敷き詰め、水平にします。

土とクン炭を敷くことで、じっくりと熱を伝え、根をしっかり張ることのできる自然育苗用の温床になります。

この後は、寒冷地の安曇野では、ビニールトンネルとすれば、数日後には種まきができます。

これは苗が多い場合の踏みこみ温床で大掛かりですが、次回は、一番小さな踏みこみ温床をご紹介しようと思います。
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Azumino自給農スクール3月(自然菜園コース開始~)

2014-03-24 12:06:04 | 自然菜園スクール
本日、


昨日、無事Azumino自給農スクールの自然菜園コース(基本&不耕起)開校できました。

今年は、自然育苗コースを除いても60名もの参加があり、大盛況にはじまりました。




参加者に配れた参考資料や菜園プランの資料、そして緑肥mixです。

自然菜園では、菜園プランがとても大切です。
通常の農家と異なり、少量多品目の無農薬栽培が家庭菜園ですので、相性や育土も考え、野菜を育てれば育てるほど野菜が自然に育ちやすくなるようにプランを立てます。


最初は、スクールの畑の広さ、1反とはどれくらいの広さで、自給を考えたらどれくらい農地がひつようになるのか、

当スクールの畑の構成を紹介しながら、ご説明しました。


無農薬・無化学肥料で、自然に野菜を育てようと思うと、
ただ単に、農薬・化学肥料を使用しないだけでは長期的に継続ができません。

そこで、大切なのが、

1)土
2)自然と人の関わり
3)種

の3つです。

1)土は、風土を示し、地域風土に合わせたり、野菜に合わせた土が育てば、野菜は育てやすくなります。

2)自然と人は、その人によって自然に野菜と付き合えることが大切で、毎日育てることができる人と、週一の人では野菜との付き合い方(育て方)が変わり、
人と自然がお互いに距離を縮めることで、野菜が自然に育つようになります。

そのためには、自然の理やそれぞれの野菜の自然、そして自分に合った栽培方法の3つのバランスが大切になってきます。

3)種は、とても大切です。野菜の種を播かなければ野菜は育ちませんし、ハウス栽培用の野菜の種(品種)では、露地栽培が難しくなります。

一番いいのは、その菜園でよく育った種子が、菜園にまた播かれることです。
土作りや栽培技術をあげることよりも、こぼれ種のように、自然に生えてくれる野菜のように
その地域風土に合った、育てやすい美味しい野菜の品種を、その場で自家採種して育成していけば、野菜が最も自然に育つようになるからです。


菜園プランは、1年限りのものではありません。

これから持続的に菜園がどんどんよくなるように、していくものである必要があります。

そのため、最低2年。来年以降のことも考えながら、次に何を育てるのか意図していくプランが必要です。




昼食は大人数だったので、友人たちのご協力のもと、季節の菜園弁当(お澄まし付)。

自然に育った小麦やお米、野菜たちを使ったもの五感で感じながらいただきます。

第4日曜日は、友人といっても1人1人お店を出せるセミプロの皆さんに、ワンデーカフェをお願いしております。


いよいよ屋外での菜園ワーク。

不耕起コースを行う耕さない菜園区画。
一見すると菜園というより原っぱみたいな場所ですが、去年から自然菜園を始めて2年目を想定した学びの場です。

不耕起栽培の最大の難所。
はじめてから2~3年の間、最も過酷で大切な期間です。
この期間をどのように乗り切るかが、今後不耕起で継続できるかどうかの問われるところなので、
実際このコースでは1年間一緒に学んでいきます。


自然菜園の始め方は、その菜園の状態により様々なアプローチができます。

拙著『これならできる!自然菜園』(農文協)では、
生えている草のステージによって、野菜の育て方やはじめ方の補いが変わるとご説明させていただきました。

多年草の草に覆われているステージ0の方は、土の肥沃度以上に、多年草の草原を如何に菜園に移行するのかが大切です。

中には、元田んぼといった畑でなかった場所や庭のような山土などを入れた場所も同様で、
まずは野菜が育つ環境にしてあげることが大切です。

今回は、ステージ2弱の場所なので、ステージ3の野菜も育つように、1㎡あたり2リットルの堆肥と1リットルのクン炭。
そして、通路に緑肥mixを実際に播いて観ていただきました。


クン炭作りもみていただき、もみ殻を燻して作るクン炭を見学してもらいました。


来月から本格的にはじまる自然菜園基本コースのために、区画割りをみんなで協力して行いました。

足で大地に線を引き、緑肥mixを播いたり、桜が咲くまでに行っておきたいことを実際にやってみました。

自然に野菜が育つためには、まずは草が元気に生える最低限の菜園に整えてあげます。
そのあとは、野菜を育てながら、毎回行う野良仕事で菜園を育てていきます。

毎年耕したり、堆肥を入れなくてもよくなるように、野菜と草と人が協力し合いながら、自然菜園はどんどん良くなっていきます。
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踏みこみ温床作り(Azumino自給農スクール 自然育苗コース①)

2014-03-23 00:40:29 | 自然菜園スクール
本日、の予報。


いよいよAzumino自給農スクールが先日自然育苗コースから始まりました。

昨日は、自然菜園基本コースの準備を一日しておりました。
今日、本科生は自分の区画が決まり、自分で一から菜園プランを立てて、一年かけて自然菜園の基本から実践していきます。

今年は、生徒さんが多いこともありそのための準備はとても念入りに行いました。

今年から、不耕起コースも新設され、新しい心地です。
不耕起コースを新設した背景には、不耕起での質問や悩みが卒業生から多く寄せられてきたからです。

不耕起という技術は、ありそうでなかった新しい技術です。
耕す、耕起の技術の延長にないこともあり、今まで耕してきた方にはとても悩ましいと思います。

正直な話、私は不耕起から菜園を育ててきたこともあり、さまざまな師匠の教えのお蔭で、なんとなく身につけてきたようです。
そこで、改めて不耕起栽培を目指す方のために、体系的に一緒に学べる場を作った次第です。

不耕起ですが、耕さない栽培のことではなく、耕した以上に、細やかに自然に耕される仕組みを育てることが大切で、1年かけて一緒に勉強していきたいと思います。


自然育苗コースでは、踏みこみ温床作りから始めました。

去年の踏みこみ温床を掘り起こすと、


踏みこんだ落ち葉や草やワラなどは、サラサラに分解されていて、いい香りがします。

この去年の踏む込み温床の土は、まだ未熟なため、水分や空気や米ぬかなどを加えて、さらに熟成させてから育苗土として利用します。


踏みこみ温床とは、有機物を踏みこみ発酵させたときに出る熱で、苗を育てる床にすることで、古くからの農業技術です。
夏野菜のように、寒さに弱く10℃以下では育たない野菜など、春の内から苗を育てる場合に利用します。

現在は、電気カーペットのような電熱線の熱で夏野菜苗を育てるのが一般的になりましたが、
昔ながらの踏みこみ温床は、電気がなくても身近な有機物と水があれば育苗できますし、発酵の際に出る二酸化炭素などが光合成に役立ち、よい苗ができるので重宝します。


寒冷地の長野県では、ハウス内に穴を掘り、埋め込む改良橋本式踏みこみ温床が大活躍します。




もちろん、家庭菜園であれば、踏みこみ温床など大掛かりにならずとも、温かくなってきてから、工具箱のような簡易ハウスでも育苗することはできます。




今回は、去年仕込んだの育苗土が、問題なく使用できるか、
発芽実験をハツカダイコン、カブ(左)、ホウレンソウ(右)で実験してみます。

今年は、温かかったと思ったら、翌日氷点下で寒くなったりおかしな天気が続く春なので、低温と高温に気をつけながら育苗を行ってきます。

自然育苗は、自然菜園に欠かせない重要なポイントなので、4回に分けて集中講座をしていきます。
まだまだ私自身勉強中ですが、道の過程だから伝えられることもあるのではと思って行っておりますが、講座を受講していただいている方よりも毎年私が勉強になっているような感じもします。

いよいよ本格的に始まる野良仕事。
身体が冬眠から目覚めてくるのを感じます。
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育苗ハウスの新設

2014-03-19 10:03:52 | 日々の自然菜園
本日、

昨日は久々ので、雪解けした大地に大いに恵みの雨がもたらされました。
温かい日だったので、気の早いも冬眠から覚めたようです。


先月の大雪で倒壊した育苗ハウス。

いっそうビニールハウスなしで育苗しようかと、再建をあきらめようと思ったくらい凹みました。

それでもやはり、自然育苗コースなど菜園教室に必要な苗を育てる場が必要だったこと、
友人知人が手伝ってくれる手筈が整ったので、ハウスを2日がかりで解体し、同じ場所にハウスを建てようと思いました。


通常のハウスは、品不足で納品が8月以降になることもあり、あきらめて
通信販売の、ちょっと小型のビニールハウスキットを建てることにしました。

通信できるだけあった、軽トラや軽ワゴンで運べる位コンパクトでした。
通常のハウスよりは、強度がないと思いますが、背に腹は代えられず、家庭菜園で使用する場合を想定しての注文でした。

価格は、大きさによりますが今回、3.6m×16.2mでビニール込みで20万円。(高~い)
使い勝手がいまいちでしたので、今までのハウスで使いえるものを使用しての改造ハウスにしようと思いました。

鉄とビニールでどうしてこんなに高いのかわかりませんが、大切にしたいと改めて思いました。




今までのハウス跡地に、メジャーで建てる予定の枠を計りました。
こうしてから建てると建てやすいものです。

ちなみに、ハウスは建てる場所が大切でいくつか要素が重なる場所を選びます。


ハウスを建てる前に、パイプ支柱の足に埋める深さを40cm均一になるようにペイントします。

※今回は、小さなハウスになるので天井を少しでも高くしたかったので、実際は30cm埋めるために、地面から10cmのところに糸を張り、そのラインに赤ラインを持って行きました。






バールで下穴をあけ、パイプハンド(一番下写真)で支柱を水平に差し込みます。




今回のハウスは、運送しやすいように切ってあったので、ジョイントを使いながら、組み立てて、金具で止めていきます。

垂直水平を計りながら行います。


通常のハウスよりも強度を出すために、以前のハウスの部品も転用し、新旧部品で作っていきました。




隙間風は寒いので、まずは裾下や出入り口を補強してから、裾を巻き上げることができるようにビニールを張っていきます。




天井のビニールをみんなで協力しながら風のない午前中に行いました。

ビニールには上下があるので、文字が読めるように張ることも大切です。

ちなみに、ハウス新設に2日間かかっています。




裾を巻き上げることができると、ハウス内の換気ができやすく、熱くなりすぎないのようできますし、強い苗に育てることができます。

今回は、特に小さなハウスなので、これは外せないポイントになっています。




巻き上げる裾のビニールは直間パイプを連結する際に、空転しないように、ジョイント部分をネジでもみこみ、固定します。


後は、ドアの取り付けです。毎日開け閉めする場所なので、細心の注意が必要で、隙間風が入らないようにきっちり行います。




今回ドアのビニールには、遊びをしてみました。

ドアに開閉できる場所ができることにより、ハウス内の微妙な温度調節ができるはずです。

小さなハウスで信州で育てると、開けると寒いし、閉めておくと暑いという状況が生まれます。
最低温度10℃。最高温度28度に収まるように、したいところです。




育苗ビニールハウス完成!!

内掃はまだですが、御蔭さまで今年も苗を育てる場所ができました。ありがとうございます。

温暖地であれば、育苗にビニールハウスは使わず、何とかなるのですが、寒冷地ではあると余裕をもって育てることができます。

苗半作。自然菜園は苗で半分決まります。
苗を育てるのであれば、ただ育てるのでなく、野菜の力が発揮されるような鍛えられた苗を育てたいと腐心して行います。

自家採種を行い種を自給すると、その種で苗を育てたくなるものです。
育った苗が健全に育成し、大地に植えられたときに、一気に育つ力を育てたいものです。

自然菜園はと、人がかかわりながらも、自然に育つ野菜の里山のようなものです。
手をかけるが、手をかけ過ぎない。
自然に育つきっかけを育て育むことが大切です。

そこには、自然農法、自然農、有機農業の知恵と実践が生きています。

今年もいい苗が育ちますように~





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あずみの自然農塾はじまる 3月(自然観察&菜園プラン)

2014-03-17 22:59:46 | あずみの自然農塾(シャロムヒュッテ)
本日、


いよいよ「あずみの自然農塾2014」がはじまった。

「あずみの自然農塾2014」とは、3~12月(今年は11月)の月1回。シャロムヒュッテさんに1泊2日で自然農を体験学習する学習会です。
今年で、8期生。

冬の間、安曇野では農業はできない。そのため12~3月まで農閑期です。
菜園スクールが始まると、今年も野良仕事のはじまりを告げる。

鈍った身体が、重く感じ、気ばかり焦り、まだ身体がついてこない感がある。

今年は、一つの節目を迎えているような気がすることもあり、今回出会ったあずみの自然農8期生と、改めて初心にかえって自然農を取り組もうと思いました。

子どもと大人の参加者と一緒に、耕さない畑に生える草や去年の野菜の亡骸の名前当てクイズから始まった。


代々塾生がつないできたアオバ小麦のムギ踏み。

去年の先輩が播いたムギを翌年の交配が育て、刈り取り、うどんやおやきにしていただく。
コムギは、越冬作物なので、こうして自然に、自家採種しながら続けてきました。

ムギを踏み、ムギのたくましさを引き出す。
耕さない大地に播かれたムギは、一層たくましい根を張っている。


去年のハクサイが、押し花状になっています。


その朽ちた葉の下には、丸々太ったヨトウムシが越冬していました。

ヨトウムシといえば、害虫?一般的にはそうなっています。

自然農では、草と虫を敵としないので、敵視はしません。
実際に、ヨトウムシだけでなく、いろいろな虫や小動物が多種多様混在する自然農の畑では、
害虫がいてもさほど虫害が少ないので、無視できます。

草も虫もいて、野菜も育つ。だから、草も虫も敵ではなく、同じ生命。


あずみの自然農塾では、塾生専用の自然農区がある。

これも代々塾生で、育て守ってきた畑。
今年の塾生は、どんな野菜を育てるか楽しみです。






初回の夜は、シャロムレストランでマクロビフルコース。

穀物菜食の艶やかなお皿を語りながらみんなで食べるのも楽しみの一つ。

2日目

3月の安曇野の朝はまだ寒い。
耕された周囲の畑の土は、霜柱が立ち、寒さを視覚で伝えてくれる。




お米のもみ殻を煙突でいぶして作るクン炭作り。

塾生の中には、子供のころの親のクン炭作りが記憶によみがえったとか。

ちょっと前では当たり前に、農家で作って利用してきたクン炭も今では珍しいらしい。
お米のもみ殻を炭にして土に戻す。伝統的な暮らしの知恵です。


エンドウの種まき。

両手ともエンドウ。
カラフルな左手のエンドウは、農薬の一つチウラム剤による処理の種子。
右手は、自家採種してきた「オランダエンドウ」の自然な種子。

自然農を始める際には、できるだけ地元で無農薬で育った種子か、自家採種してきたその畑に馴染んだ種子が育てやすい。

最初は、農薬が着いたものしか手に入らない場合、できるだけ自家採種して風土に馴染んだ無農薬種子に育てていきたい。


去年のオクラの根元に、ムギと一緒に6粒種を下ろしていく。


ゴボウの樹。

根菜のゴボウも生命を全うすると、こんな姿になる。
野菜の種を残す工夫が詰まった姿です。

野菜を種採りすると、野菜がどのように種を下ろしてほしいのか、見えてきます。


落ち葉を堆積した下の土は、腐葉土と土が一体になった素晴らしい育苗土。
そこに、クン炭など混ぜて、




ソラマメなどを種まきし、水を上げ苗を育てる。

まだ寒い安曇野では、6月まで野菜が採れないので、ポットなどの力を借りて、ちょっと早く育てはじめる。


来月4月からは実際に自分の自然農区画で野菜を育て始めます。

そのために、どんどんよくなる菜園プランを学び、次回までに菜園プランを立ててくる。

全く家庭菜園が初めての方、何年かやって来られた方、いろいろな方が一斉に学び、プランを立てる。

菜園プランはとても大切です。
どんどん悪くなるプランもあれば、その逆もあります。

1年を通じて、野菜が教えてくれる自然の理に沿った栽培。自然農を学ぶ学習会がこうしてまた始まりました。

まだまだ本調子ではないですが、少しずつ身体を馴らし、自然の息吹と共に作物を育てることができたらいいなーと思います。

今年のあずみの自然農塾、これからが楽しみです。
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キクイモ収穫&ハウスの解体準備

2014-03-11 23:56:57 | 日々の自然菜園
本日、


先日の大雪で凹んだハウスが、皆様の援農のお蔭で、復旧しました。
その過程と、ハウスの建て方をブログでご紹介していこうと思います。


ハウスの周辺の雪は、クン炭をかけたことで、光が集まり雪が周辺より早く溶けてくれました。




以前のハウスの中には、育苗に必要な資材や雨に当てたくない資材をしまう場所でもありました。

新たなハウスを建てるためには、潰れたハウスを解体し、更地にしなければなりませんでした。
そのためには、旧ハウスを解体する前に、中の道具たちを非難させる場所を設ける必要がありました。




そこで、旧ハウスの隣の空き地に、小さなハウスを建て、旧ハウスの道具を一時非難させることにしました。


小さなハウスを作ったことで、雨風から道具を守る保管場所ができました。

このハウス資材は、一番最初に育苗するために建てたミニハウスの資材の再利用です。


ハウスを建てていると、2mを超える枯れた草がたくさん倒れていました。

これは、、、キクイモのなれの果てです。


枯れた草を引き抜くと、ゴロゴロキクイモが採れました。


キクイモは、キク科の多年草の野菜。

とても強く、江戸時代に飼料用として入ってきたらしく、豚のエサに使われていたため、ブタイモとも呼ばれる。

主成分は多糖類イヌリンを含む食物繊維であり、通常の芋類と異なり、デンプンはほとんど含まれない。
塊茎を食用とする。イヌリンは消化によってオリゴ糖の一種キクイモオリゴ糖(イヌロオリゴ糖)となるため、健康食品として顆粒やお茶として加工され市販されている。

その他、ぬか漬けやみそ漬けで美味しいが、
個人的には、スライスして揚げた、キクイモチップスが最高です。




30分くらい3人で夢中になって掘ると、たった2㎡くらいのところから、コンテナ一杯30㎏位が収穫。
簡単に掘れ、掘れば掘るだけ出てくるので、面白いくらい採れました。

いつもは、霜が降りた後すぐに掘るのですが、この時期、野菜が収穫できるのは珍しく、まさかの収穫でした。
意外な発見はこうして出てきます。ハウスの解体準備が、収穫期を広げてくれました。勉強になります。

こうして、1日目のハウス準備は、援農とキクイモの収穫で順調にスタートできました。ありがたいことです。
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