正林寺御住職指導(H18.6月 第29号)
日蓮大聖人は『華果成就御書』に、
「よき弟子をもつときんば師弟仏果にいたり、あしき弟子をたくはひぬれば師弟地獄にをつといへり。師弟相違せばなに事も成すべからず」(御書1225)
と仰せであり、師匠と弟子が師弟相対した信心が大事であることを御指南です。
「師弟」とは師匠と弟子のことで、師匠は模範となり人を導く方、弟子は師について教えを受ける者です。師弟の関係について仏法では、師弟相対や師弟不二をもって真の師弟のあり方としています。
第二祖日興上人は『佐渡国法華講衆御返事』に、
「この法門は師弟子を、たゞして、ほとけになる法門にて候なり(中略)なをなをこの法門は、師弟子をたゞしてほとけになり候。しでしだにもちがい候へば、おなじほくゑをたもちまいらせて候へども、無間地獄に堕ち候也。」(歴代法主全書1巻182)
と師弟相対しない信心は、無間地獄に堕ちると非常に厳しい御指南をされています。師匠を蔑ろにする自分勝手な信心は当然幸せになれず不幸になります。
また日興上人は『日興遺誠置文』に、
「当門流に於ては御抄を心肝に染め極理を師伝して」(御書1884)
と仰せのように大聖人の御書を学ぶときには、御書の正しい意味を理解するため師匠から伝わる御書の正しい極理を心肝に染めていくことが大切です。
御書の極理は血脈相承により、大聖人から第二祖日興上人已来の御歴代上人へ師匠から弟子へと伝えられております。第六十七世日顕上人猊下から第六十八世日如上人猊下へと御相承されておりますので、御当代日如上人の御指南を日蓮正宗僧俗は拝していくことが大事です。