日蓮正宗 正林寺 掲示板

法華講正林寺支部 正林編集部

日蓮大聖人の出世の本懐

2007-02-01 | 御住職指導

正林寺御住職指導(H19.2月 第37号)

 毎年二月十六日は、宗祖日蓮大聖人の御誕生会です。御本仏大聖人の末法御出現をお祝い申し上げ、御報恩のために日蓮正宗寺院で奉修されます。
 大聖人は、貞応元年(一二二二)二月十六日、安房国(千葉県)長狭郡東条郷片海の漁村に、三国大夫(貫名次郎)重忠を父とし、梅菊女を母として御誕生なされ、幼名を善日麿と名づけられました。
 末法という時代に、日蓮大聖人が上行菩薩の再誕として御出現になられ、衆生を救済されるということをインドの釈尊が法華経神力品に予言されております。

 釈尊滅後の正像二千年間は、釈尊の教えでも利益があり、末法の時代に入ると、仏法が隠没し、闘諍や言訟が盛んになって、人心が荒廃し濁悪の時代となり釈尊の仏法では救われません。そのため大聖人が御出生遊ばされ、釈尊から付嘱された末法に相応しい教えを弘通され出世の本懐を遂げられます。
 大聖人は『聖人御難事』に、
「仏は四十余年、天台大師は三十余年、伝教大師は二十余年に、出世の本懐を遂げ給ふ。(中略)余は二十七年なり。」(御書一三九六㌻)
と仰せのように、末法の一切衆生を救済するため出世の本懐として、下種仏法で一番大事な本門戒壇の大御本尊を御図顕遊ばされます。

 大聖人の出世の本懐は総本山大石寺の奉安堂に在す本門戒壇の大御本尊です。
 総本山第二十六世日寛上人は『観心本尊抄文段』に、
「就中弘安二年の本門戒壇の御本尊は、究竟中の究竟、本懐の中の本懐なり。既にこれ三大秘法の随一なり。況や一閻浮提総体の本尊なる故なり。」(御書文段一九七㌻)
と御教示であり、また『開目抄文段』に、
「蓮祖出世の本懐は但三箇の秘法に在り。」(御書文段五三㌻)
と御指南です。大聖人の出世の本懐を深く心に染めた、広布への前進が日蓮正宗の伝統です。
 大聖人の出世の本懐を忘れた行動に、真の広宣流布は存在しません。