正林寺御住職指導(H23.9月 第92号)
口から愚癡が出そうな時に思い出したい日蓮大聖人の御書があります。
大聖人は『十章抄』に、
「常に口ずさみにすべき事は南無妙法蓮華経なり。」(御書466)
と仰せです。無意識に口ずさんでいる言葉や発言が三毒の愚癡や瞋や貪欲な言葉になっていないか反省懺悔し、自らの一生成仏を妨げる三障四魔の煩悩障を題目を口ずさんで止める習慣が大切です。その口ずさむ題目は自行に止めることはなく、大聖人が『三大秘法稟承事』に、
「末法に入って今日蓮が唱ふる所の題目は前代に異なり、自行化他に亘りて南無妙法蓮華経なり。」(御書1594)
と仰せのように折伏にわたる題目へと口から出る愚癡を無駄にすることなく題目を唱えて広宣流布に活かすことが大事です。
大聖人は『一念三千法門』に天台の釈を引かれ、
「声仏事を為す」(御書108)
と仰せです。声が仏事を為さない愚癡は一家和楽の信心を邪魔する用きであり、口から出る愚癡が「声仏事を為す」ように心がけることも大切です。「声仏事を為す」とは、御隠尊日顕上人猊下が、
「かぎりなく 境涯ひらく題目を 常にとなえつ 広布目指さん」
(大日蓮・平成11年3月号72㌻)
との御言葉を実践し、日如上人猊下が、
「末法は四六時中が折伏の時なのだと、折伏を片時も忘れてはならないということであります。」(折伏要文196㌻)
との御指南が「声仏事を為す」ということになります。愚癡を口ずさみにする生活習慣を改めるところに「声仏事を為す」という一家和楽の信心があります。