29SSはそうりゅう級の発展形でX字形潜舵で操縦性と信頼性を増した設計を継承するようだ。艦首に傾斜角がつき潜航舵(セイル)は船体前方で艦橋(司令塔)は後方に移艦体と一体化する。
改良は流体力学効果の向上が目的のようで、結果として音響面でステルスとなり抵抗を減らしつつ速力と後続距離が増える。「流動床構造で振動とショックを減らす」ことで29SSは静粛性が増すだろう。
公表資料によれば29SSは開発期間が2025年から2028年の3カ年で部隊編入は2031年とある。初号艦の試験開発用となりそうで建造費は760億円。
海上自衛隊は潜水艦部隊を22隻体制に拡充する予定で試験艦一隻、練習艦2隻が別に加わる。実勢増加は中国の潜水艦部隊が70隻程度あり、原子力攻撃型や弾道ミサイル潜水艦含め充実する現状への対応のようだ。
そうりゅう級 向きは反対ですが、艦橋と潜航舵の位置の比較ができます。現有たったの12隻。
ポンプジェット推進.
29SSの推進方式は従来型のプロペラの代わりに大重量ポンプジェットを採用するようだ。ポンプジェットはノイズを生むキャビテーションを発生させないし、高速で静音移動できる。ある筋によれば「13枚羽」のポンプジェットはそうりゅうの7枚羽プロペラより20デシベルも静かになるという。
29SS機関:
機関はそうりゅう型の11番艦以降と同様に、リチウムイオン蓄電池とディーゼル・エレクトリック方式の組み合わせが採用される。当初は、「次世代潜水艦AIPシステムの研究」(2006年(平成18年度)から2008年度に研究試作、2008年度から2009年度に試験)で燃料電池システムを研究したが、予測より水素吸蔵合金の技術的進展が遅滞し調達コストが高価になる見込みとなったため、事後の政策評価において「開発移行については技術進展を踏まえつつ十分な検討が必要である」と結論付けられた。
またリチウムイオン蓄電池の大容量充電量に対応し、隠密性を高めるため小型・高出力化及び静粛化を図った新型シュノーケル発電システムを開発する「スノーケル発電システム」(2010年度から2014年度に試作、2014年度から2015年度に試験)の成果が反映される。この研究はシュノーケルだけでなくディーゼルエンジンや発電機にも及ぶ広範なシステムの開発である。
高性能新型ソナー:
日本は高性能一体型ソナーの開発も進めている。29SSの艦首ソナーは長距離探知に特化して、浅海域沿海部に最適化しているといわれる。29SSの艦側面の聴音アレイに光ファイバーソナーを採用し「音波による音の発生ではなく光の干渉作用を探知できる」といわれる。この形のソナーは電磁発信の探知にも効果をしめす。
その他曳航式ソナーアレイで長距離かつ全方向追尾を実現し、反転操作ソナーアレイ、ブロードバンド送信アレイも装備する。各種ソナーの搭載で合成ソナー情報が同艦の最新戦闘システムで発揮され、標的の移動分析や魚雷発射の最適なタイミングも計れるようになる。
艦番号 艦名 建造
SS-513 平成29年度計画 8128号艦(29SS) 竣工三菱重工業神戸造船所
起工 進水 竣工
2018年(平成29年)3月16日 2020年(令和2年)予定 2022年(令和4年)3月予定
@と、こんな話だ。一日も早い実現化と実戦配備が待たれます。