大きさの比較 太陽 WASP-39 WASP-39は、おとめ座の恒星。太陽からおよそ700光年の距離にある。
質量は太陽の0.93倍、半径は太陽の0.9倍、表面温度はおよそ5,400Kと推定される。
WASP-39bでは、透過スペクトルを観測して大気の組成が調べられており、ナトリウム、カリウム、そして水が検出されている。水の吸収の強さから予想されるWASP-39bの大気の金属量は、それまでに巨大ガス惑星で知られていた惑星質量と金属量の相関から外れるもので、WASP-39bはWASP-39の凍結線の外側で誕生し、その後現在の位置へ移動してきたのではないかと考えられる。
米航空宇宙局(NASA)のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、太陽系外惑星の大気中に二酸化炭素が存在する明確な証拠を初めて捉えたことが分かった。
NASAによると、この系外惑星は「WASP―39b」と呼ばれる高温の巨大ガス惑星で、地球から700光年離れた恒星を周回している。WASP―39bのような惑星の大気組成を理解することは、系外惑星の起源や成り立ちを知るうえで不可欠だという。
アリゾナ州立大学地球・宇宙探査学部のマイク・ライン准教授は声明で、「二酸化炭素分子を通じて惑星形成の物語を鮮明にたどることができる」と指摘した。ライン氏はウェッブ望遠鏡の観測データの早期提供を目指すチームの一員で、このチームが調査を実施した。
調査チームはウェッブ望遠鏡に搭載された観測装置4基のうちの一つ、「近赤外線分光器」を使ってWASP―39bの大気を観測し、二酸化炭素に関する発見にこぎ着けた。
チームリーダーを務めるカリフォルニア大サンタクルーズ校のナタリー・バタラ氏(天文学・天体物理学)によると、WASP―39bの大気スペクトルにおいて、4.1~4.6ミクロンの部分に小さな山が確認された。これは「二酸化炭素の存在を明確に示すシグナル」だという。
今回の発見は英科学誌ネイチャーに掲載される。
ライン氏は「今回の二酸化炭素を測定することで、この巨大ガス惑星の形成に使われた固体成分とガス成分の割合を決定できる」と説明。「ウェッブ望遠鏡は今後10年間、さまざまな惑星について同様の測定を行い、惑星の詳しい形成過程や太陽系の独自性について知見を提供してくれるだろう」と期待を示した。
ウェッブ望遠鏡は昨年12月25日、地球から150万キロ離れた現在の軌道に向けて打ち上げられた。他の宇宙望遠鏡よりも長い波長の光で宇宙を観察することで、時間の始まりなどをより詳しく調べることが可能になる。
@まだ始まったばっかりですが、1兆円投資しただけあって、いい仕事してますね。今回の二酸化炭素の発見は、巨大惑星の大気中の重元素の全体的な量を決定するのにすごく役立ちます。
参考:重元素=水素やヘリウムより重い元素。恒星内部の核融合反応や、超新星爆発によって生成された元素のこと。炭素以上の元素や、アルゴンより重い元素を指す場合もある。
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