本日、函館中央図書館視聴覚ホールを会場にした北海道新聞社函館支社主催の「おばんでしたサロンin函館」の講演会に参加した。
この「おばんでした」は、道新夕刊2面情報ページに毎日掲載されているシニア層向けの紙面のタイトルである。講演会は午前と午後に分かれていた。どちらも参加したが、ほぼ満席だった。特に午後の部は、抽選から漏れた人も出たそうだ。
◎午前の部「超高齢者社会の絆」
講師は、2015年から始まった「おばんでした」の初代編集長で、現在は本社生活部編集委員・福田淳一氏。
講演の内容は、①シニア世代を考える ②「おばんでした」はこう作っている ③終活、新しい価値観だった。
「超高齢社会をどう生きればよいのか」という視点から、これまでの豊富な取材経験をもとにした、具体的な資料をもとに、非常に整理された内容での分かりやすい話だった。
今年になって発表された「高齢者は75歳から」の資料
背景には、団塊の世代が全員65歳以上になったことや、最近元気な高齢者が増えていることがあるのだろう。うがった見方をすれば、年金の先送りなどといった心配も出てくる。定義だけ変えても、現実は変わるわけではない。結局、個人差はあるが、昔よりはみなさん非常に若くなっていることは事実だ。
提示資料の中に、「高齢者は何歳ぐらいから?」というアンケート調査結果があった。若い世代ほど高齢者の年齢を若くとらえ、年齢が高くなるに従って高い年齢になっているのがおもしろかった。
<印象に残った文言>
・「人生90年時代」へ
・「30歳の青年より、70、80歳の人に青春がある」~若さは心の持ちようである・・・(全く同感!)
・元気な高齢者は、社会の支え手に回る必要がある。
・「終活を 知れば知るほど 今死ねぬ」(読者の作品)
・終活の背景は、一人暮らし高齢者の急増にある
・新しい価値観として、「死者と主に生きる」といった風潮が強くなっている(「千の風」、映画「おくりびと」、東日本大震災、、宇多田ヒカル新CDなど)
◎午後の部「間宮林蔵の道を行く」
講師は、函館支社報道部長・相原秀起氏。氏は、先週115回で終わった拙筆による道新(札幌圏版)連載「ほっかいどう山楽紀行」の2代目の担当編集委員だった。現在の道新夕刊(みなみ風)への新連載「どうなん・とうほく山楽紀行」も、氏が昨年7月に函館支社の報道部長に栄転してきたことによる。
氏は、北大探検部出身だが、根室やウラジオストックなどに勤務し、極東に関しての第一人者である。実際に何年にもわたる現地取材をしており、個人的にいただいている『ロシア極東 秘境を行く』の著書と『極東シリーズ3部作』のDVDを発刊している。その映像と写真をもとにした臨場感あふれる内容だった。
間宮海峡の現在の地図と林蔵が描いた当時の地図
講演の内容は、間宮林蔵が間宮海峡を発見するに至った経緯や、その後海峡を越えてアムール川の交易地まで行き、当時の北海道や樺太と、中国(清王朝)との活気あふれる交易と人々の様子を伝えたこと、そして、林蔵が残した記録や地図、描いたスケッチなどをもとに、現在の海峡の様子やアムール川や謎の交易地デレンの場所の特定やそこまでの街道の発見など、歴史的な遺産や痕跡などを探った取材の様子とその記録が中心だった。
函館市北方民族資料館にある2着の蝦夷錦」なども、北海道や樺太の毛皮などとの交易で、当時の中国の南京~アムール川~宗谷~松前までの5000kmにわたる「北のシルクロード(山丹交易)」を経てもたらされたものであるとのこと。
抽選で合計20名にだけ当たった「おばんです扇子」~「おばんです」の挿絵画家・横山文代さんの「函館山」の絵
◎昼食は亀田川沿いの「夏井珈琲」で
ランチセット~デザートにソフトクリームが付いて1188円。ちょっと高いけど美味しかった。
本日の道新夕刊(みなみ風)掲載「どうなん・とうほく山楽紀行」の8回目「砂蘭部岳」は下記でどうぞ!
http://sakag.web.fc2.com/8saranbe.htm